2024年6月下旬
シーン0:6/24・午後12:41・くもり(@0:00〜)
シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜)
山林の中に少し開けた湿地帯があります。
様々な野生動物や野鳥が水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。
シーン1:6/27・午後20:11(@0:07〜)
ある晩にニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)が登場しました。
水溜まりSに口をつけて泥水を飲んでいます。
飲み終わると、そのまま此岸の泥濘を右へ向かいます。
今回のイノシシは単独ではなく、後続個体が縦列でついて歩いていました。
普通なら母子なのですけど、今回のペアには体格差がありません。
なんとなく、若い兄弟姉妹のような気がします。
ただし体表に縦縞模様はありませんでした。(ウリ坊ではない)。
横から腹面を見ても、乳房や乳首、外性器などは見当たりません。
シーン2:6/27・午後20:11(@0:29〜)
湿地帯の反対側に設置した監視カメラでも続きが写っていました。
2頭のイノシシは、湿地の泥濘を右から左へゆっくり歩いています。
先行個体はどんどん左へ立ち去りますが、後続個体は一箇所に立ち止まっています。
鼻面で泥濘を掘り返し、餌を探しているのでしょう(採食行動)。
残念ながら、手前の泥水溜りNには近づきませんでした。
シーン3:6/27・午後20:12(@1:12〜)
後続個体が対岸の左奥で立ち止まり、林縁で何か採食しているようです。
左に立ち去った後で、イノシシが重低音で鳴く声♪がかすかに聞こえました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
シーン4:6/28・午後13:10・(@0:00〜)
翌日に現場検証すると、前夜に来たイノシシは、水が澄んだ浅い水溜りではなく、わざわざ白濁した左の深い水溜りから水を飲んでいたようです。
約17時間前にイノシシ2頭が続けて歩いた泥濘に、蹄の跡がくっきりと残っていました。
私はまだフィールドでニホンカモシカとニホンイノシシの蹄跡をしっかり見分けられる自信がないのですけど、今回はトレイルカメラの証拠動画が残っているので、間違いなくイノシシの足跡です。
イノシシの足跡はスギ林の方へ向かっていました。
採食痕のフィールドサインも現場でじっくり撮影すべきでしたね。
余談ですが、「所さんの目がテン!」という動物系長寿番組の2024年8月18日放送回は、「いきものの森SP:見られなくなった植物復活?タイムカプセル実験」というタイトルでした。
埋土種子の発芽実験を実演した上で、「イノシシやアナグマなど、表土(腐葉土)を大規模に掘り返す動物は、撹乱して埋土種子が発芽しやすくしているのかもしれない」と専門家がコメントしておられました。
ヒトのせいでイノシシやアナグマが絶滅した森は、植物の多様性が予想以上に劣化し、貧弱で貧相な森になってしまうでしょう。
つづく→
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