2021/04/03

トウモロコシ畑で落ち穂拾いするハシボソガラス(野鳥)

 

2020年10月下旬・午後16:30頃・くもり
前回の記事:▶ トウモロコシ畑で落ち穂を食べるハシボソガラス(野鳥)
刈り取りの済んだトウモロコシ畑で夕方にまたもや1羽のハシボソガラスCorvus corone)が落ち穂拾いしていました。 
通常カラスの成鳥には縄張りがありますから、同じトウモロコシ畑で2日前に観察したカラスと同一個体ではないかと思います。 

ハシボソガラスはトウモロコシの落ち葉を嘴でめくったりかき分けたりして調べ、実のついた穂を探し歩きます。 
見つけると実を包む皮とヒゲを嘴で器用に毟り取り、黄色い穀粒を美味そうに啄んでいます。 
このトウモロコシ畑に連日通ってトウモロコシを食べ漁っているのか、カラスの採食法が心なしか上達(習熟)した気がします。 

2日前は長々とカメラを向けて動画を撮り続ける私を警戒して(気味悪がって?)、カラスは気まずそうにトウモロコシ畑から立ち去ってしまいました。 
今回はハシボソガラスも私のことを認識した上で(個体識別)、人畜無害だと分かってくれたようです。 
私と顔馴染みになったカラスはもはやあまり警戒しなくなり、餌場を離れる気配がありません。 
あるいは前回とは別個体のカラスで、性格が大胆不適でヒトをあまり恐れないのかな?

体内寄生されたナシケンモン(蛾)終齢幼虫が繭を作る場所を探索【10倍速映像】

 

 ナシケンモン(蛾)の飼育#6

前回の記事:▶ ニセアカシアの葉を食べる体内寄生されたナシケンモン(蛾)終齢幼虫【10倍速映像】
2020年11月上旬・午後16:40頃 

前日から食欲が無かったナシケンモンViminia rumicis)の被寄生終齢幼虫bは、落ち着き無く徘徊するようになりました。 
図鑑に書いてある終齢幼虫の体長より小さいのですが、繭を作れる安全な場所を探索しているのでしょう。 
 一緒に飼っているフクラスズメ幼虫による食害で丸坊主にされたカラムシにも登ったものの、気に入らなかったナシケンモン幼虫は引き返して降りてきます。 
カラムシの葉や実には全く口を付けませんでした。 


2021/04/02

落葉したオニグルミ樹上で羽繕い後に飛び立つノスリ(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後15:50頃・くもり 

郊外の庭木(落葉樹の大木)の梢にノスリButeo japonicus)が止まっていました。 
隣接する広い刈田を鋭い眼光で見渡しています。 
しばらくすると羽繕いを始めたものの、すぐに止めました。 
止まり木の奥には熟柿がたわわに実ったカキノキの低木が見えます。 
私が横に少しずれてしつこく動画を撮り続けると、私の存在に気づいたノスリは落ち着きを無くして辺りをキョロキョロ見回すようになりました。 
最後は止まり木の枝を力強く蹴ると、西へ飛び去りました。 

ノスリの飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:56〜) 
飛び出す際に止まり木の枝に羽根を少し引っ掛けていて、ひやっとしました。 
勇ましい羽ばたきと滑翔を繰り返して飛び去ります。 

止まり木は完全に落葉していて樹種が不明でした。 
春になったら突き止めに行くつもりです。 
カキノキかクリ、オニグルミではないかと予想しているのですが、どうでしょう?


【追記】
5ヶ月後の2021年5月下旬、現場を再訪すると、問題の止まり木に葉が生い茂っていて、樹種がオニグルミと判明しました。

イソギクの花を舐め身繕いするシマハナアブ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2020年12月上旬・午後13:30頃・晴れ 

道端の花壇に咲いた見慣れない園芸植物の群落でシマハナアブ♂(Eristalis cerealis)が訪花していました。 
シマハナアブ♂は口吻を伸縮させて花粉や花蜜を食べています。 
左右の複眼が接していたので♂と分かります。 
側面から見ると腹部はほぼぺったんこで、かなり空腹状態のようです。 
食事の合間に前脚を擦り合わせ、顔を拭いました。 
化粧が済むと、花から花へ飛び回ります。 
花から自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:35〜) 

参考サイト(byフッカーSさん):シマハナアブ亜属とナミハナアブ亜属の比較
後脚脛節の黄紋の有無で判別するのだそうです。
普通種でもハナアブの仲間を少しずつ見分けられるようになると嬉しいものです。



背丈が低くフキノトウの花の黄色を濃くしたようなこの植物は、調べてみるとイソギクと分かりました。 
本来は暖かい太平洋岸(千葉県〜静岡県)に分布するらしいのですが、ここ東北地方(山形県)の内陸部(雪国)でも栽培可能なようです。 
晩秋に咲く花は虫たちにとって貴重な蜜源です。 

2021/04/01

山麓でフキの葉を食べ歩くニホンカモシカ【長編】

 

2020年11月中旬・午前11:24〜11:43頃・晴れ 

ダイジェスト版の動画を既に公開しましたが、長編バージョン(ほぼノーカット)も私としては捨てがたいので上げておきます。 

山麓の休耕地でニホンカモシカCapricornis crispus)が歩きながら頭を下げて地面に生えた草本植物を食べているのですが、手前の茂みが邪魔で肝心の口元がよく見えません。 
長々としつこく撮り続けてようやく採食メニューがフキの葉だと分かりました。 
カモシカがたまに顔をヒョッコリと上げてくれたときに、緑の大きな葉をムシャムシャと食べていました。 
背後の土手にもフキ群落が自生しています。 

撮影中に私がレンズをズームアウトしかけたら、途端にカモシカが頭を上げました。 
耳をそばだて、こちらをチラッと見ています。 
カメラの超音波モーターが発する超音波を聞きつけたのかな?
危険が無いと分かると落ち着いて採食を再開し、カメラのズーム音にも慣れてくれました。

赤い羽化液を排泄するアカタテハb

 

アカタテハの飼育記録#12

前回の記事:▶ アカタテハの羽化b【10倍速映像】
2020年10月下旬・午後15:37および15:47 

無事に羽化した後で抜け殻(羽化殻)に掴まって休んでいたアカタテハVanessa indica)の新成虫bを動画に撮り続けると、蛹便(羽化液)を排泄しました。 
それまで斜め下を向いていた腹端を少し後ろ(背側)に引きながら、暗赤色の液体をポタポタと7滴垂らしました。 
肝心の排泄孔が腹端が翅に隠れて見えなかったのが残念です。 
スッキリしたアカタテハbはすぐに腹部を元の姿勢に戻しました。 
カメラを下に向けると、下に敷いておいた白紙に血痕のような蛹便が滴り落ちていました。 蛹便の色は種によって違います。 
アカタテハの蛹便は真っ赤でした。 

10分後にも再び羽化液をポタポタと7滴排泄。 
今度は前回よりも薄い液体で、赤みがかったピンクの透明でした。 
排泄の瞬間は腹端を後ろに引くので、どうしても翅の影に隠れてしまいます。 
 触角と縮めた口吻をかすかに動かしています。 

2021/03/31

スズメの群れを眺めるチョウゲンボウ♂(野鳥)

 

2020年11月中旬・午後16:15頃・くもり 

田園地帯に隣接する運動場の周囲に高く張り巡らされたフェンスを支えるポールの天辺にチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)が止まっていました。 
頭部が灰色なので♂と分かります。 
一方、ネット裏の落葉樹(桜?)にスズメPasser montanus)の群れが集まっています。 
チョウゲンボウはスズメに気づいているはずなのに、襲って狩ろうとはしませんでした。
スズメを捕食するにしても上空からの奇襲攻撃でないと逃げられてしまうでしょう。 
スズメもチョウゲンボウを恐れている様子はありません。 
スズメが群れでチョウゲンボウにモビング(擬攻撃)したら面白いのですが、それも見られませんでした。 

2020年に撮ったチョウゲンボウの記録はこれだけなので、面白くなくても書き残しておきます。 
せめてチョウゲンボウ♂がポールから飛び立つまではじっくり腰を据えて撮影すべきでしたね。 
この日は先を急ぐ用事があったのです。
▼関連記事(1年前の撮影) 
仕留めた獲物を捕食するチョウゲンボウ♂(野鳥)

コガタスズメバチの巣を晩秋に採集したら中から蜂が出てきた!【暗視映像】

 

2020年11月上旬・午前2:30頃・晴れ・気温10.8℃・湿度69% 

民家の庭に植栽された落葉性広葉樹の灌木(テマリカンボク)にコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣が作られていました。 
昼間も巣に出入りする蜂の姿は無く、コロニーの活動が終了・解散した巣のように見えました。 
次世代の新女王は既に巣立った後のようです。 
誰かに駆除(破壊)される前に巣を採らせてもらうことになりました。 

蜂に刺されないよう安全策として、最低気温近くまで気温が下がる深夜の時刻に現場入り。 
地上からの高さ約2mと意外に低い位置の枝に丸い巣が吊り下げられていました。 
持参した脚立に乗れば、易々と蜂の巣に手が届きます。 
赤外線の暗視カメラで動画に撮りながら営巣木の枝を軽く揺すっても、蜂は巣の外に出て来ませんでした。 
空巣だとすっかり安心して、剪定バサミで枝ごと慎重に切り落としました。 
巣の周囲に密生する細い小枝も何本か外皮に取り込まれている(一体化)のは、巣を補強する役目がありそうです。 

白色光LEDの照明に切り替えて、採取した巣を動画に記録していると、巣口から2匹のワーカー♀が相次いで這い出てきたので焦りました。 
しかし巣内に最後まで残留していたコガタスズメバチ♀は寒さで動きが非常に鈍く、私を毒針で攻撃するどころか、光に向かって飛ぶことも出来ませんでした。 
棒を使って蜂を巣の外皮から剥がしてやると、地面に転がってもがいています。 
腹端をよく見ても毒針を伸ばしていません。 
低体温のせいで、仰向けにされても自力で起き上がれませんでした。 
外気温は10.8℃とそれほど寒くないのに、コガタスズメバチ成虫の活動性が著しく低下していました。 
晩秋で獲物が取れなくなり、飢えて寒さに弱くなっている可能性も考えられます。

映像ではまるで私が殺虫剤を使ったように見えるかもしれませんが、そうではありません。 
今回も殺虫剤は全く使わず、無事に(蜂に刺されず安全に)コガタスズメバチの巣を採集することができました。 
スズメバチの習性を熟知していれば、防護服も不要でした。 
(真似する人は居ないと思いますが、くれぐれも自己責任でお願いします。) 
対スズメバチ専用のしっかりした防護服があれば、わざわざ寒くて暗い深夜に作業する必要はありません。 
採集した巣を大きなビニール袋に包み、急いで持ち帰って冷凍庫に一晩放り込みました。 
巣内にもっと蜂が残っている可能性があるので、巣ごと冷凍処理して安楽死させます。 
これを怠ると、昼間に気温が上がれば蜂が再び元気に活動を始めてしまい、非常に危険です。 
スズメバチの巣は多重の外皮による断熱効果が優れているので、冷凍処理は十分な時間をかける必要があります。

営巣木の樹種を知りたいところですが、完全に落葉した状態では分かりませんでした。 
何種類かの灌木が混み合って植栽されています。
春になって樹種が判明すれば追記します。 

つづく→コガタスズメバチの巣の標本作り


 


【追記】
2021年4月下旬

周囲に生い茂る細い灌木は黄色い花が咲いて八重ヤマブキ(ヤエヤマブキ)と判明。
肝心の営巣木(メインの太い灌木)は展葉し始めたものの未だ不明です。


【追記2】
2021年5月中旬

営巣木にアジサイのような白い花(装飾花)が咲き、遂に樹種がテマリカンボクと判明しました。
東北地方や北海道に多い品種なのだそうです。
葉はカエデのように3裂していて鋸歯があり、独特の形状です。
花が咲く前は葉だけ見てカラコギカエデなのかと迷いました。







最後は、5日前に撮った蕾の写真も載せておきます。







2021/03/30

ヒマラヤスギ樹上に塒入りするダイサギの群れ(冬の野鳥)

 

2020年11月中旬・午後16:31〜16:44(日の入り時刻は午後16:26)・くもり 

日没後に上空を2羽のダイサギArdea alba)が相次いで同じ方角へ飛び去りました。 
その方角に昨年はダイサギが冬季(限定?)に使う集団ねぐらがありました。
▼関連記事(8ヶ月前の撮影:3月上旬の日没直後) 
ヒマラヤスギ林に続々と塒入りするダイサギの群れ(冬の野鳥)
私はダイサギの亜種を外見で見分けられないのですが、おそらく冬鳥として渡来するオオダイサギ(Ardea alba alba)が帰ってきたのでしょう。 
慌てて予定を変更し、近くのヒマラヤスギ林へ行ってみました。 
すると案の定、5、6羽の白鷺が既にヒマラヤスギ樹上に集まっていました。 
毎晩定点していた訳ではないので、オオダイサギがいつ渡来したのか正確な日にちは不明です。

風で大きく揺れるヒマラヤスギの枝葉に後から飛来した個体も次々と着陸しました。 
カラスやムクドリのように大きな群れが一斉に塒入りする(集団就塒)のではなく、ダイサギは1羽ずつバラバラに塒入りしています。 

常緑針葉樹ヒマラヤスギの高木だけでなく、手前の低い落葉広葉樹(おそらく桜)の枝にも数羽が止まっているのが珍しく思いました。 
ただし、私がカメラを向けて警戒させなくても、桜の木をそのまま塒として使ったとは思えません。 
桜は樹高も低く完全に落葉して丸見えの状態ですから、素人目にも塒として安心できないないと思います。 

ダイサギは一旦塒入りしても、しばらくは落ち着かずに樹上から再び飛び上がって塒入りをやり直しています。 
強風のため翼を広げたままホバリング状態になった個体も、上手く姿勢を制御して枝に着陸しました。 

塒で落ち着くと、ヒマラヤスギ樹上で念入りに羽繕い。 
嘴で整えている白い羽毛が強風でなびいています。 

 ちなみに、この日の日の入り時刻は午後16:26。 
月齢は0.9でほぼ新月でした。 

 ※ かなり暗い映像なので、動画編集時にコントラストではなく彩度を少し上げています。 

この冬塒でダイサギの群れを定点観察してみることにします。 


アカタテハの羽化b【10倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録#11

前回の記事:▶ 自発的に蠕動を繰り返すアカタテハ垂蛹の謎
2020年10月下旬・午後15:00頃・室温21.8℃・湿度43%(羽化終了時) 

翌日、アカタテハVanessa indica)垂蛹bの変態が更に進み、翅原基の色が赤く透けて見えるようになりました。 
いよいよ羽化が始まりそうです。 微速度撮影で記録したので、10倍速の早回し映像をご覧ください。 
照明に使っていたUSBリングライトの配線が絡まって撮影の邪魔になったので、途中で一時消灯しました。 
再点灯した10分後に蛹の胸部が割れて羽化が始まったのは、もしかすると光刺激に何か関係あるのかもしれません。 

前回の個体aが羽化した時と違い、この個体bは腹端もスムーズに蛹から抜けでることができました。 
しわくちゃに畳まれていた翅がみるみるうちに伸び切ったものの、翅頂が画角の下に少しはみ出てしまい残念。 
タテハチョウ科の成虫は前脚が退化しているため、昆虫なのに4本脚に見えます。 

左右の口吻をジッパーのように閉じてゼンマイ状の1本の管に融合する作業に手間取っているようで、何度もくるくると伸縮させています。 
マクロレンズで口吻の形成過程を接写すれば良かったですね。 


 
羽化直前のアカタテハ垂蛹b
羽化直後のアカタテハ新成虫b(口吻は未だ2本)
口吻は未だ2本


 

↑【おまけの映像】 
後半の翅が伸び切った後の口吻の融合シーンは、実は微速度撮影ではなく普通に撮りました。 
等倍速のオリジナル素材をブログ限定で公開しておきます。 


2021/03/29

川面で跳ねる魚群を集団漁で捕食するカワウ(野鳥)

 

2020年11月中旬・午後15:20頃・晴れ 

夕方に川岸の倒木で夕日を浴びながら休んでいるカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れを撮影していると、急に止まり木から川に次々と飛び込みました。 
計5羽のカワウが川の一箇所に集まって集団で漁をしています。 
釣りをしない私は魚の習性に疎いのですが、おそらく水中の捕食者に追われた小魚の群れが川面でピチピチと跳ね、水面の魚群を目ざとく見つけたカワウが直ちに駆けつけたのでしょう。
カワウは通常、単独で漁を行い、全身が完全に水中に潜って魚を捕ります。(単独潜水漁) 
一方、今回の集団漁では水中に首だけ突っ込んで浅いところから獲物を捕食していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:36〜)、ピチピチ暴れる小魚を嘴で咥え飲み込んでいるのが分かります。 
突発的な集団漁は残念ながらすぐに終わってしまいました。 
カワウの集団漁を初めて観察できて興奮しました。 
素人目には「囲い込み漁」と呼べるほど高度な連携の取れた漁ではなく、参加者が我先に捕食している印象でした。 
中川雄三『水辺の番人カワウ』によると、
小魚の群れを追うときには集団で、大物を狙うときには個々にばらばらになって魚を追いかけます。(p26より引用)
集団漁が解散すると、カワウは次々に川面を岸に向かって遊泳し、止まり木へ戻りました。 
川岸の倒木には更に5羽以上の個体が残っていました。 
集団漁に参加したのは、カワウの群れの一部だけでした(構成は若鳥2羽と成鳥3羽)。 
漁場に残っていた1羽のカワウが川面で翼をばたつかせて濡れた羽根の水気を切りました。 

そこへ2羽のカワウが続々と下流から飛来し、急降下すると川面に着水しました。 
また別個体の1羽が上流へ向かって助走し、飛び立ちました。 
急上昇してから右に旋回し、下流へ飛び去りました。 
直接下流に向かって助走・離陸しなかったのは、風向きの影響なのでしょう。
(向かい風が無いと重いカワウは飛び立てない)
あるいは、飛行中にカメラで流し撮りを続ける私を警戒して、Uターンしてしまったのかもしれません。

ユリの花に来たコアシナガバチ♀に噛み付くクロヤマアリ♀

 

2020年7月上旬・午後15:30頃・くもり
前回の記事:▶ ユリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀
民家の裏庭の花壇に咲いたピンクのユリの花で吸蜜に来たコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀を撮っていると、近くに潜んでいたクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が駆けつけて攻撃しました。 
後脚の跗節を噛まれたコアシナガバチ♀は反撃せずに慌てて逃走しました。 
アリはユリの蜜源を縄張りとして防衛しているようです。 

2021/03/28

歩道に落ちたハナミズキの赤い実を拾い食いするハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後13:40頃・くもり 

大通りの歩道に植栽された街路樹ハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の真下に落ちた赤い熟果をハシボソガラスCorvus corone)が採食していました。 
少し離れてカメラを向けている私を警戒したのか、落果を2個拾い食いしただけでカラスは飛び立ってしまいました。 

カラスは車道を飛んで渡ってから、最寄りの交差点の信号機の横棒に止まりました。 
足元のアルミパイプに嘴を擦り付けてから信号機の裏に回り込んで姿を消しました。 
もしかすると信号機の裏の隙間にハナミズキの赤い実を貯食したかな?と想像を逞しくしたものの、定かではありません。 
大切な貯食物は地面に埋める方が安全な気がします。 

ハシボソガラスが居なくなった直後に私は現場検証に向かいました。 
歩道の街路樹の根元はマツバギクの花壇になっていて、そこにハナミズキの赤い実が多数散乱していました。 
カラスはせっかくの餌を大量に食べ残したまま飛び去ったことになります。 
このハナミズキの木は完全に落葉していただけでなく、果実も全く枝に残っていませんでした。 
既に野鳥が樹上の赤い熟果をほとんど食べ尽くした後なのでしょう。 
ところが興味深いことに、ハナミズキの並木道ですぐ隣の街路樹には未だ赤い実が枝にたくさん残っていました。 
先程のカラスはどうしてハナミズキ樹上で新鮮な熟果を採食せずに、歩道でちまちまと落果を拾い食いしていたのでしょうか? 
ハシブトガラスと違ってハシボソガラスは樹上よりも地上で採食する方が得意とされています。 
しかし、私はかつてハシボソガラスがハナミズキの樹上で熟果を採食するシーンも観察していますし、路上の落果を拾い食いするハシブトガラスも見ています。 
▼関連記事(5年前の撮影) 
ハナミズキの実を採食するハシボソガラス(野鳥)

▼関連記事(約1ヶ月前の撮影) 
路上に散乱したハナミズキの果実を拾い食いするハシブトガラス(野鳥)
あるいは、カラスの世界には厳然たる縄張りがありますから、果実を採食するのは自分の縄張り内のハナミズキの木に限るのかもしれません。 
まずはハナミズキ樹上で熟した果実を数日かけて食べ尽くしてから、その後で落果を拾い食いしていたのかもしれません。 
つまり、赤い実が未だ大量に残っていた隣の木は今回のハシボソガラス個体の縄張りの外にあったという解釈です。 
しかし、カラスの縄張りの境界は交差点や川など地形的にもっと分かりやすい気がします。 

どうも、どちらの仮説もちょっと無理がありそうです。 
特に深い理由など無くて、たまたま歩道をぶらついていたハシボソガラスがハナミズキ落果を見つけて食べただけかもしれませんね。

ハナミズキの株ごとに、赤く熟した果実でも味が違うという可能性もありそうです。
だとすれば、少しでも美味しい株の熟果から優先的にカラスは食べていたのでしょう。
 

自発的に蠕動を繰り返すアカタテハ垂蛹の謎

 

アカタテハの飼育記録#10

前回の記事:▶ アカタテハ蛹の体内寄生チェック
2020年10月下旬・深夜

触診で体内寄生されていない健常個体と判定された2頭のアカタテハVanessa indica)垂蛹b,cを卓上に置いていると、誰も触れていないのにときどきブルブルッと自発的に暴れだすことに気づきました。 
タイミングが予測不能で突発的なので、ハンディカムで長撮り監視してみました。 
屋外で工事している騒音・振動に反応しているのか?と思ったりしたのですが、深夜の静かな時間帯(草木も眠る丑三つ時)でも変わらずに突発的な蠕動を繰り返していました。 
「蛹は全く動かないもの」という先入観があるヒトが見れば、まるで怪奇現象です。 
ブルブルッと自発的に震えてから、しばらく左右にブラブラと揺れています。 
睡眠中のヒトがたまにビクッと急に動くジャーキング現象みたいなものなのかな? 
変態期間中に何度も繰り返すと体力を無駄に消耗するのではないかと心配になります。 
白色LED照明を点けると眩しくて警戒するかと思いきや、照明の有無は無関係で蠕動していました。 
もしかすると私も気づかないぐらい微小なアリやダニなどがアカタテハ垂蛹の上を這い回っていて、それを振り落とそうと暴れていたのかもしれません。 

暴れているのはいつも特定の個体(右)だけ、というのも不思議です。 
おとなしくしている左の個体は表面が黒ずんでいて、変態の進行が早いようです。 (翌日に羽化しました)
羽化が近づくと運動性が消失(低下)するのかもしれません。 
隣の個体の振動が伝わって蠕動が連鎖するということもありませんでした。 



【追記】
大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』によると、
 蛹は基本的に動けないが、ピクリとも動かないのは羽化がごく近いときだけで、たいていはピクピクと腹部を動かす。動かないと思ったものが、ちょっとだけ動くと、ギクッとするものだ。蛹はその効果を狙う。
 「蛹」という漢字の「つくり」のほうは、ピクピクとかヒラヒラとか動くさまを表す。(p58より引用)

最後の一文が初耳で面白く思ったのですが、『Super日本語大辞典』の漢和辞典で「蛹」の解字を調べると、違うことが書いてありました。

諸説あり、ということなのでしょうか?

会意兼形声。「虫+音符甬(ヨウ)(=通。上下つつぬけ、筒型をなす)」。筒の形のまゆや、からの中にこもっており、筒型の外形をした虫。 


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