2020/07/08

ヒマラヤスギ林に続々と塒入りするダイサギの群れ(冬の野鳥)



2020年3月上旬・午後17:39〜18:04・(日の入り時刻は午後17:34)


▼前回の記事
夕暮れのモミ樹冠で羽繕いするダイサギ(冬の野鳥)

日没後にダイサギArdea alba)が次々に飛来して塒入りが始まりました。
上空を旋回してから、池畔のヒマラヤスギ並木の横枝にフワリと着地します。
全く鳴き声を発すること無く、静かで優雅な塒入りでした。
私が今まで見てきたカラスやムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワウなどの騒々しい集団就塒とは大違いです。

群れが陣形を作って飛来するのではなく、ダイサギは1羽ずつ塒に飛来したので、集団就塒とは呼べないかもしれません。
肉食性(魚食性)のダイサギは広い縄張りを必要としますから、日中は川や池などの水辺でほとんど単独生活を送っています。
今回の個体群を見る限り、ダイサギは他の野鳥と異なり、就塒前集合しないで直接塒入りするようです。
しかし、別の場所で以前見たダイサギは、川で就塒前集合してからカワウと一緒に河畔林に塒入りしていました。
就塒前集合の有無はケースバイケースなのでしょう。

ヒマラヤスギ巨木の林は鳥が止まる場所がたくさんありますから、たかだか10羽のダイサギが集まっても混み合わず余裕があります。
塒内でダイサギ同士で場所取りの小競り合いがほとんど起きなかったのは、そのためでしょう。
軽い威嚇や小競り合いがあっても、鳴き声は聞き取れませんでした。


▼関連記事(2年前の11月に撮影)
河畔林の集団塒でダイサギ同士が小競り合い(野鳥)


結局この日ヒマラヤスギ林に塒入りしたダイサギは、計10羽ぐらいでした。
一旦止まった枝から別の枝に飛び移ることが多いので、撮影に集中しているとなかなかカウントと両立できません。
例えば近くのモミ高木に着陸しかけた個体は、仲間が居ないことに気づくと再びアプローチをやり直し、集団塒に合流しました。
隣の個体との距離が近すぎると先客に威嚇され、追い払われてしまいます。
池の対岸から撮影している私を警戒して、死角となる枝へ飛んで移動している印象も受けました。
ヒマラヤスギ樹上で落ち着くと、ダイサギは各々が羽繕いしています。

ここでもカワウとダイサギの混群が塒入りするかと期待したのですが、少なくとも1羽のカワウが日没直後、私に驚いて池から逃げてしまいました。
(もし私が邪魔しなければ、カワウもダイサギと同じヒマラヤスギ樹上に塒入りしたかもしれません。)


※ 動画編集時に彩度を少し上げました。
暗視カメラの赤外線がとても届かない距離なので、自然光(および外灯)による明るさが撮影可能限界になるまで愛機FZ85の手持ち夜景モードで動画撮影しました。

日が暮れると気温が急激に下がりました。
午後17:33 12.0℃、湿度31%
午後17:45 7.1℃、42%
午後18:04 4.3℃、57%





翌朝の離塒も撮影すべきでしたね。
野鳥が夜なぜ群れで集まって眠るのかという疑問に対する仮説がいくつか提唱されています。
柴田佳秀『うち、カラスいるんだけど来る? カラスの生態完全読本』によると、

エサ場の情報センター説はカラスではまだ確かめられていませんが、サギでは実証されています。(p44より引用)



今回は逆光のアングルで空を横切る電線も目障りでした。

順光の逆側からダイサギの塒入りを撮り直そうと9日後の3月中旬に現場を再訪しました。
ところが、日が暮れてもなぜかダイサギは1羽も現れませんでした。
集団塒の場所を変えてしまったのでしょうか?
9日前の私の撮影行為がダイサギ達を警戒させてしまったのかもしれない…という一抹の懸念があります。
ブラインドを張って隠し撮りしたくても、設置場所が確保できないのです。
それとも、鷺山の糞害を恐れる誰かに追い払われたのかな?
定点観察の間隔が9日も空いてしまったのが悔やまれます。
楽観的に考えると、春になってダイサギは渡去したのかもしれません。



↑【おまけの動画】
午後17:57~17:59(日の入り時刻は午後17:32)

2日前の晩に現場を偶然通りかかり、白鷺の集団塒を初めて見つけたときの証拠映像です。
塒入りが完了した後でした。
池畔に聳え立つヒマラヤスギ並木の集団塒で、6羽のダイサギが思い思いに羽繕いしています。
ブログ限定で公開しておきます。

※ 動画編集時に強制的に明るさを上げました。
暗がりでも純白の白鷺の姿が辛うじて樹上に見えます。
暗視カメラの赤外線がとても届かない距離なので、愛機FZ85の手持ち夜景モードで動画撮影しました。


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