2014/10/18
ミズナラの樹液を吸うムナビロオオキスイ
2014年8月上旬
里山の雑木林でミズナラの樹液に見慣れない甲虫が群がっていました。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』で調べてみると、樹液酒場に常連の甲虫らしい。(p53)
上翅を縦に走るすじが所々でくびれ、小さな楕円をつなげたような形状になっていることから、ヨツボシオオキスイではなくてムナビロオオキスイ(Helota fulviventris)と判明。
接写してみると大顎が意外に鋭いですね。
サラサラと湧き出る樹液を舐めています。
斑点が4つある上翅はやや短く、腹端が覗いて見えます。
▼つづく
ミズナラの樹液で争うムナビロオオキスイ
ところで、このミズナラの木は何故か幹の下側が黒焦げになっています。
樹勢が悪く、葉の付いた枝が少なくて立ち枯れになりそうです。
そのような樹の病気があるのでしょうか。
近くに黒焦げの木は他に見当たらないので、山火事のせいではなさそうです。
落雷を受けた木なのかと推理してみました。
死んだハシボソガラス幼鳥(野鳥)の生物分解
2014年7月下旬
山麓にあるクリ園の横の路肩にハシボソガラス(Corvus corone)の新鮮な死骸が仰向けに転がっていました。
死顔を見ると、眼球が白濁しています。
嘴の中が赤いのは幼鳥の特徴です。
落鳥して間もないのか、生物分解の役者はハエ成虫が集まってきているだけです。
死骸に徘徊性のクモ(種名不詳、コモリグモ科?)が2匹乗っていることが気になりました。
獲物を待ち伏せしているのでしょうか。
3日後に再訪すると、連日の酷暑で死骸は干からびていました。
腐臭は特に感じませんでした。
死骸が持ち去られていないことが意外でした。
カラスの屍肉はスカベンジャー(掃除屋)の間で不人気なのかな?
動物の死体に群がるカラスは仲間の死体も食べてしまう。 (矢崎葉子『カラスバトル』p220より引用)
ウジ虫など分解者の活動はもう下火になったのでしょうか。
ハエも来ておらず、眼球は食べ尽くされていました。
白骨になるまで生物分解を定点観察したいのですが、住宅地が近いのでじきに撤去されそうです。
ビニール袋でこっそり持ち帰り、頭骨の標本を作ってみることにします。
死骸を持ち上げてみると、その軽さに少し驚きました。
つづく→頭骨標本作り
ところで、このブログ記事に載せるAmazonの広告で『カラスの死骸はなぜ見あたらないのか』なる本をうっかり選びそうになりました。知る人ぞ知るトンデモ本らしく、内容は私の大嫌いなオカルト(反科学)のようでした。
われわれは冷静に反例を一つ一つ積み重ねて突きつけるしかありません。
一方、似た題名で『死んだ魚を見ないわけ』はれっきとした生物学の本で、私も読みましたがとても優れています。
「海の分解者の話」と言ってもそんな単純な話ではないのですけど、ネタバレになるので良質なミステリーの謎解きを是非お楽しみ下さい。
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鳥類
2014/10/17
オレガノを訪花するオオマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
2014年7月中旬
郊外住宅地でガレージの横に咲いたオレガノの白い花でオオマルハナバチ(Bombus hypocrita)のワーカー♀が吸蜜・採餌していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:32〜)
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ミズナラの樹液に来たウシアブ♀
2014年8月上旬
里山の雑木林でウシアブ♀(Tabanus trigonus)がミズナラの樹液酒場に来ていました。
幹を徘徊したり身繕いしたりしています。
口吻がよく見えず、吸汁シーンをしっかり撮れませんでした。
ヤマトアブという似た種類がいるみたいですけど、違いが分かりません…。
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樹液酒場
2014/10/16
ミズナラの樹液を舐めるモンスズメバチ♀
2014年8月上旬
里山の雑木林でモンスズメバチ(Vespa crabro flavofasciata)のワーカー♀がミズナラの樹液酒場に来ていました。
隣の幹に飛んで移ったり、足早に幹を駆け上がったりして、樹液を吸汁しています
この木は根元付近から幹が二又に別れているのですが、辺りに樹液の発酵した強烈な芳香が漂っています。
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草むらを徘徊し飛ぶルリボシカミキリ
2014年7月下旬
農業用水路沿いの林縁でルリボシカミキリ(Rosalia batesi)がヤブカンゾウの花に止まっていました。
触角のあちこちが橙色の花粉で汚れています。
ハナカミキリのように花蜜を舐めていたのでしょうか。
食事シーンをじっくり撮りたかった…。
ヤブカンゾウの蕾から飛び立つも、力なくすぐ下に落ちて下草を徘徊。
ヤブカンゾウの茎をうろうろと上下動したり滑落したりと落ち着きません。
カミキリムシの性別を見分けるのが苦手なのですけど、触角が体長よりも長そうです。
横を向いた際に腹端から黒く伸びていたのは産卵管なのかな?(♂の交尾器である可能性は?)
▼関連記事
ルリボシカミキリ♀の産卵
ヤブカンゾウの葉から飛び立つも、すぐ横のヤブカンゾウ茎に着陸。
次はクズの葉に移動して離陸すると、今度は長時間の飛翔を披露してくれました。
しかし下草に張られたクモの網にひっかかりました。
必死で暴れて振り解き、難を逃れました。
再び飛んだルリボシカミキリが林縁のスギ幼木の葉に着地。
次に飛び立つ場所を探して徘徊しています。
辺りにクモの巣が張り巡らされているせいで、なかなか飛び立てないでいます。
気持よく飛ぶシーンをご覧になりたい方は…。
▼関連記事
飛べ!ルリボシカミキリ【ハイスピード動画】
2014/10/15
渓流沿いの樹上に作られた鳥の巣(野鳥)
2014年7月下旬
渓流沿いに細い細い山道を登っていると、横に生えた灌木の枝の股の部分に鳥の巣を発見。
驚いて飛び立った親鳥が茂みに隠れてチリリ、チリリ♪と繰り返し鳴き続けています。
警戒声はすれども姿が見つけられません。
声紋解析してみたいところですが、渓流の水音が邪魔ですね。
親鳥を刺激しないように、巣の中の様子を調べるのを我慢して立ち去りました。
という訳で、何という種類の野鳥が作った巣なのか分からず仕舞いでした。
ちなみにこの渓流でこれまで撮影している野鳥は、ミソサザイ、クロツグミとキセキレイです。
大阪市立自然史博物館が公開している日本鳥の巣図鑑サイトで上記三種の巣を調べてみたものの、どれも特徴にいまいち決め手を欠きました。
これ以外の種類の鳥が作った巣なのですかね?
分かる方がいらっしゃいましたらぜひ教えて下さい。
フラッシュを焚くと印象が変わります。 |
フラッシュを焚くと印象が変わります。 |
営巣中の野鳥の巣を初めて見つけたというのに、残念ながら忙しくて定点観察に通うことは出来ませんでした。
3週間後の8月中旬、さすがにそろそろ雛が巣立っただろうと判断して台風が直撃する前に巣を採集しに行きました。
この日は巣の近くで親鳥の気配を全く感じませんでした。
木の葉の形から判断して、営巣樹はミズキですかね?
地上から巣までの高さは約190cm。
巣材は細い木の枝や蔓、枯草などでした。
巣の中は空っぽでした。
(もしかすると未完成の巣だったりして…?)
採集容器のサイズは18×13.3cm。 |
ミズナラの樹液を吸うルリタテハ
2014年8月上旬
里山の雑木林でミズナラの幹から滲み出る樹液をルリタテハ(Kaniska canace no-japonicum)が舐めていました。
吸汁しながら翅を開閉するのは、群がるクロアリ(種名不詳)を牽制するためでしょうか。
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2014/10/14
タケニグサの花で争うシロテンハナムグリ
2014年7月下旬
用水路沿いに背高く生えたタケニグサの群落でシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)が食事のため花に集まっています。
そのうちの2匹が出会い頭に頭を突き合わせて闘争を始めました。
交尾に移行しないので、同性の喧嘩だと思います。
性別を知りたいところですが、私には外見で見分けられません。
喧嘩の初めは脚で蹴飛ばし合い、次第にヒートアップすると頭突きで押し相撲になります。
勝負の決着が付くと敗者は引き返し、茎を登って逃げて行きました。
互いに少し離れるだけで平和に食事ができるのに…。
手前には更に別個体も訪花中です。
食料は豊富にありそうなのに喧嘩で体力を消耗するのは無駄な気がするのですけど、場所によって食料としての質に差があるのでしょうか?
それとも餌場で♀を待ち構える♂同士が争っているのですかね?
▼関連記事
樹液酒場で争うシロテンハナムグリと小便排泄
2014/10/13
ハルジオンを訪花するキアゲハの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
2014年7月中旬
山間部の道端に咲いたハルジオンの群落でキアゲハ(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@1:50〜)
翅を細かく羽ばたかせながら吸蜜しています。
途中で翅を全開にしてくれるときもありました。
隣接した頭花には歩いて渡ることが可能です。
バランスを取るために羽ばたいています。
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ミズナラの樹液を舐めるキアシナガバチ♀
2014年8月上旬
里山の雑木林でキアシナガバチ(Polistes rothneyi)のワーカー♀がミズナラの樹液酒場に来ていました。
隣の幹に飛んで移動すると、先客のベニシタバが驚いて逃げ出しました。
甘い樹液に群がるクロアリやハエを追い散らしながら歩き回ります。
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2014/10/12
大顎で植物を咥えた姿勢で眠るサトジガバチ♀
2014年7月下旬
訪花中のサトジガバチ♀(Ammophila sabulosa nipponica)を生け捕りにして家に持ち帰りました。
▼関連記事翌日の夜に採集容器を覗いてみると、足場として一緒に入れておいたヒメジョオンの茎につかまって蜂が休んでいます。
ヒメジョオンの花蜜を吸うサトジガバチ♀
よく見ると、茎を大顎で噛んだ状態で寝ていました。
撮影のために慌てて照明を点けたり容器の蓋を外したりしたせいで、蜂が目を覚ましてしまいました。
(映像はここから。)
覚醒した蜂は化粧(身繕い)を始めました。
次に休息したときは、ヒメジョオンの蕾や花を噛んでいました。
蜂の睡眠について詳しくは知りませんが、当然ながら昆虫は目をつぶることはありません。
寝ていて歯ぎしりした拍子に植物を噛み切ってしまって落ちてしまうことがあれば愉快ですね。
単独性(非社会性)の蜂がこのような姿勢で(植物を咥えて体を固定)寝るという話は本で読んで知っていましたが、実際に目にするのはこれが初めてでした。
例えば「アオスジコシブトハナバチ◆くちの大あごで植物の茎につかまり、眠る」と題した写真が『虫たちのふしぎ』という本の表紙になっています。
以下は標本写真。
茎を咥えたまま死んでいました。
胸部背面 |
胸部側面 |
腹部側面 |
右前翅の翅脈 |
右後翅の翅脈 |
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