2015/10/31

キボシアシナガバチ♀夜の排水行動【暗視映像】



2015年7月下旬・深夜1:38〜1:45

キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#14

9日ぶりの深夜に様子を見に行きました。
夜露に濡れた薮漕ぎで服や靴がびっしょり濡れました。
キボシアシナガバチPolistes nipponensis)は寝静まっていました。
在巣の蜂は2匹の♂(早期羽化雄)と♀4匹の計6匹見えます。
赤外線の暗視カメラでも近くで撮影しているとやや警戒を示すようになり身動きを始めました。
巣盤の外側の育房内で老熟幼虫が動いています。
やがてコロニー全体が覚醒してしまいました。

巣盤の左に止まった♀がその場で短い扇風行動を始めました。(@2:07)
気温を測り忘れましたが、雨上がりで涼しく決して熱帯夜ではありません。
威嚇の誇示行動かもしれません。
しかし「総員警戒態勢に入れ!」という信号でもなさそうです。
起こされた蜂は寝惚けているのか、各々元の位置からあまり動きません。
他の蜂は身繕いしたり育房を点検したりしています。

赤外線LEDを切ると辺りは真っ暗闇です。
次に白色LEDを点灯しても、在巣の蜂は警戒するだけで飛び立ったり攻撃したりして来ませんでした。
アシナガバチは暗い夜間は決して飛ばないようです。
(※照明に反応して巣の周りを飛び回っているのはガガンボです。)
巣盤の下面から撮影すると、本種特有の黄色い繭キャップが目にも鮮やかです。
それまで巣盤の左側で夜露に濡れた繭キャップを舐めていた♀が口から透明な水滴を吐いて巣外に捨てました。(排水行動@3:42)

女王と思しき個体が巣盤下部に陣取り、神経質そうにこちらを見下ろしながら警戒姿勢を取っています。
翅を半開きにして今にも飛び立ちそうに震わせています。
白色光を消してビデオカメラを暗視モードに戻したら、ようやくコロニーが落ち着きを取り戻しました。
湿気でレンズが曇ってしまい焦りました。

つづく→#15:コロニー解散後の古巣を採集


モズ♀(野鳥)の高鳴き♪



2015年8月下旬・夕方17:22

平地の郊外でモズ♀(Lanius bucephalus)がメタセコイアの梢で鳴いていました。
目の前を小さな虫が飛び回っても捕食しません。
鳴きながら長い尾羽を上下に震わせています。
性別は♀に見えますが、♂若鳥の可能性もありますかね?
右のシダレザクラ樹上に居る別個体と縄張り争いの鳴き交わしをしているようです。
(時期的に求愛の可能性は無いはず。)
脱糞シーンも撮れました(@2:57)。
右手の別個体を撮ろうとしたら、ズームする前に逃げられてしまいました。





2015/10/30

ミミズの死骸を運ぶクロヤマアリ♀の群れ



2015年8月中旬

山間部の峠道でミミズの死骸が路上で干からびかけていました。
車に轢かれたのでしょうか(ロードキル)。
そこにクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が群がっていました。
ミミズを解体するのは難しそうですが、力を合わせて巣まで運べるのかな?
死骸が路面で引っかかって邪魔な白い小石の粒を咥えてどける行動に感動を覚えます。
時間に余裕があればじっくり微速度撮影したかったです。




夜の田んぼで鳴くケラ♪



2015年8月下旬・夜19:40〜19:45

夜の田んぼで畦道からケラGryllotalpa orientalis)が「ビー♪」と鳴く連続音が聞こえています。
姿は見えないものの、鳴き声だけでも暗視ビデオカメラで録音しました。
横の車道を車が通っても気にせず地中で鳴き続けています。
ケラは♀も鳴けるらしい。(他の直翅類とは異なり、鳴いている個体が♂とは限らない。)
こんな身近な場所でケラが生息しているとは知りませんでした。
この辺りの水田は減農薬なのだろうか?
一度その存在に気づくと、数カ所で鳴いていることが分かりました。(動画では2匹撮影)
後半の耳障りなノイズはビデオカメラが至近距離で鳴くケラの声に共鳴・共振したのですかね?

ケラの鳴き声を声紋解析してみる?


2015/10/29

ノブドウの花蜜を吸うキアシナガバチ黄紋変異♀



2015年8月中旬

山間部の峠道の横に生えたノブドウの群落でキアシナガバチPolistes rothneyi)のワーカー♀が訪花していました。

前伸腹節に黄紋が無い点はセグロアシナガバチと似ているものの、他の特徴はキアシナガバチっぽくて※、非常に悩ましいです。
キアシナガバチの黄紋変異なのでしょうか?
「この蜂は斯々然々の理由でこっちだ!」と玄人っぽく断定できるようになりたいものです。(後述)
実はこの近くの軒下に営巣したコロニーを定点観察していて、そのコロニーは創設女王、ワーカー♀、♂ともに同じ形質※を有しています。
したがって、この家系で遺伝する安定した形質のようです。
今回見つけたワーカー♀を一時捕獲して個体識別のマーキングを施せば、軒下の巣から通って来ていることが証明できたかもしれません。

▼関連記事(平地で観察した正真正銘のセグロアシナガバチ)
ノブドウの花蜜を吸うセグロアシナガバチ♀

【追記】
『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』のp154から「日本産アシナガバチ属の検索表」が掲載されていたのを思い出して、該当部分を参照してみました。
後頭の隆条(occipital carina)は完全で大腮のつけ根に達する。前伸腹節の背面と側面の境界は角ばり、横走線条は強く完全で後胸側板との境界に達する。♂の触角先端は顕著なうちわ状。……Polistes rothneyi CAMERON


後頭隆条は不完全で大腮つけ根には達しない。前伸腹節の側面への角ばりはゆるく、横走線条は不完全で後胸側板との境界には届かない。♂の触角先端は正常。……Polistes jadwigae DALLA TORRE

後頭隆条がどこを指しているのかよく分からないのですが、前伸腹節に関する記述(下線)と下の写真を見比べてみました。
中胸背および前伸腹節の黄色い2縦線を欠いても、キアシナガバチと同定して良さそうです。


比較のために、セグロアシナガバチ♀の写真を再掲します。

中胸背に黄色の縦線が見られない黄斑変異の雄蜂も昔見かけています。
▼関連記事キアシナガバチ♂(黄斑変異)vs.栗のイガ

ジョロウグモ♀♂(蜘蛛)の交接



2015年8月下旬・午後16:04〜16:11

家屋の軒下に張られた馬蹄形の網でジョロウグモNephila clavata)♀♂が同居していました。
♀はやや小さ目の個体で、網に居る♂は1匹のみでした。
徐ろに♂が♀に接近して交接を始めるシーンを目撃したので、慌ててカメラを持って来ました。
すぐ横に脱皮殻がぶら下がっているので、♀は脱皮して成体になったばかりなのでしょう。

♂は左側の触肢の尖った先端を♀腹面の外雌器に挿し込んでいます。
触肢の基部血嚢を風船のように伸縮させて精子を送り込んでいます。
せっかくマクロレンズで接写したのに、風で網が揺れで苦戦しました。
※ 接写パートは動画編集時に自動色調補正を施してあります。

それまでおとなしくしていた♀が急に動き始め(@4:50)、交接は打ち切られました。
交接が完了しても性的共食いは見られず、♂は無事に♀から離れました。
別れの瞬間を記録できたのは収穫です。
逃げた♂は♀の網の少し離れた位置で落ち着きました。
♀は背側を向けて下向きに占座。

全景を撮ると、網には針葉樹(メタセコイア?)の落ち葉が多数付着していますが、取り除かれていません。
♀の上に居る♂が再び交接を挑むのではないかと期待したものの、休んでいるだけで動きがありません。
最後はもう一度接写したら網にマクロレンズが触れてしまったようで、♂が移動を始めました。



2015/10/28

セグロアシナガバチ?巣上の偽交尾



2015年8月中旬

セグロアシナガバチ巣の定点観察#6

※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなく、キアシナガバチ(Polistes rothneyi)の前伸腹節の黄紋が無い斑紋変異なのかもしれません。

20日ぶりに様子を見に行くと、♂が羽化していました。
巣盤の側面から狙うと、在巣の蜂は見える範囲で♂2♀2。
ほとんど動きが無く、ときどき身繕いするぐらいでした。
突然、♂が♀の背後からマウントして偽交尾を始めました。
正式な交尾には至らず、すぐに別れました。
♀がワーカーなのか新女王なのか、個体識別していないので不明です。

つづく→#7:寄生蛾に食害されたセグロアシナガバチ?の巣




【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
社会性ハチは、どの種も、巣の中や巣上で交尾をしないのが原則である。アシナガバチ属では、8〜9月ごろ、巣の上に静止している新女王にたいして、♂が、交尾器を新女王の腹端に接触する行動がひんぱんにみられる。これは“偽交尾”ともいうべき行動で、交尾には進まない。(p72より引用)



オニグモ♀の散歩、略して鬼散歩。



2015年8月中旬

車庫のコンクリート壁に立派なオニグモ♀(Araneus ventricosus)が横向きにへばりついていて、ギョッ!としました。
たまたま別の作業中でゴム手袋をしていたのですが、採寸代わりに左手の指を差し出して並べてみました。
(オニグモに噛まれると危険、と用心してゴム手袋を着用した訳ではありません。)
クモの左第2歩脚に軽く触れると驚いて垂直の壁面を登り始めました。
辺りに円網は見当たりません。
昼間は網を畳んでしまうことがあるそうです。

車庫入り口のトタン屋根を横に歩いて移動しています。
オニグモが網の外でこれほど長い距離を徘徊するシーンは初見です。
造網性クモの歩行はぎこちないです。
クモバチなどの天敵に襲われて、命からがら逃げてきたのかもしれません。
歩脚に欠損はなく、五体満足の個体でした。
腹部がぺしゃんこだったので、獲物があまりかからない場所に見切りをつけて新天地に造網しようと移動しているのかもしれません。
どこに造網するのか行く先を見届けるべきでしたが、少し目を離したら見失ってしまいました。

▼関連記事
ジョロウグモ♀の遠出


2015/10/27

捕獲してもコアシナガバチ♂は刺さない



2015年8月中旬

コアシナガバチ♂(Polistes snelleni)がクズの葉に乗って身繕いしています。
顔が白く触角の先がカールしているので雄蜂で間違いありません。
飛び立った先で捕獲しました。

雄蜂は毒針を持たないため、素手で翅を摘んで持っても刺されません。
腹部の動きは♀が毒針で刺す動きと同じで、これは♀に擬態したブラフと表現できるかもしれません。
華奢な大顎で噛まれても痛くありません。
全くの無害で無闇に恐れる必要はないことがお分かりいただけるでしょう。
(もちろん、相手が♀だったら私もこんな無茶はしません。)

以下は標本写真。


腹端には毒針の代わりに毛が生えていました。

トビ(野鳥)の滑翔



2015年8月中旬

山の端の森のすぐ上をトビMilvus migrans)が飛んでいます。
羽ばたかず省エネ飛行(滑翔)に徹しているものの、なかなか上昇気流に乗れない様子。
くるりと輪を書かず、どんどん遠ざかってしまいました。
この間、鳴き声は聞こえませんでした。
鉄塔の高圧線をすり抜けたように見えましたが、3Dカメラじゃないので遠近感がよく分かりません。



2015/10/26

営巣地候補の穴を掃除するも迷子になるオオフタオビドロバチ♀



2015年8月中旬

神社本殿(南面)の軒下や板壁の辺りをオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)が1匹飛び回っています。
様子を見ていると、いかにも借坑性の蜂らしく、とにかく「穴があったら入りたい」ようです。
どうやら母蜂が営巣地を物色していると分かりました。

やがて板壁の隅に隙間を見つけて潜り込むと、中を掃除しています。
白い綿のような塊を外に捨てました。
おそらくクモの住居網または卵嚢のように見えましたが、定かではありません。

この穴の周囲の板壁が白い泥で汚れているのは、昔ドロバチが営巣した痕跡かもしれません。
例えば巣材の泥玉を搬入する際に板壁を汚してしまった可能性があります。

営巣するには奥行きが足りないようで、掃除中の蜂の腹端が穴の入り口から見えています。(頭隠して尻隠さず)
掃除を済ませた蜂は外に出てきて身繕いすると、穴を中心にして扇状に飛んで位置を記憶するために定位飛行した…ように見えました。
ところが蜂は二度とこの穴に戻って来ませんでした。
結局この穴が気に入らなかっただけかもしれませんが、もしかすると軒下で迷子になり、戻りたくても戻れなかったのかもしれません。

真相は不明ですけど、この蜂は次に軒下(屋根裏)に隙間を見つけると中に潜り込んで調べています。
奥から白っぽい綿埃のようなゴミ(クモの住居網?)を引っ張り出すと、飛びながら捨てました。
脚に絡み付いた綿くずを振りほどくのに苦労しています。

せっかく営巣候補地の穴を掃除しても、一旦飛んで穴から少し離れると、途端に迷子になり、どの穴だったのか分からなくなってしまうようです。
見ての通り、この伝統的な木造建築はきわめて規則的(幾何学的)な繰り返し構造のため、蜂が位置を記憶しようとしても混乱してしまうでしょう。
ヒトならば全体を見通した上で「板壁の左端から数えて何番目の区画の右隅の節穴」のように座標の概念を用いて記憶するでしょう。
昆虫の複眼で世界がどのように見えているのか想像するのは難しいですが、蜂の視覚系および記憶の仕組みでは人工物の繰り返し構造になかなか対応できないのでしょう。
この現象は様々な種類の蜂で幾度も観察しており、キアシナガバチでは営巣初期に二巣並行営巣を始める創設女王もいました。
営巣を始め何度も通っているうちに巣の周囲の微細な目印を記憶して迷わなくなるようです。

実際にこのオオフタオビドロバチ♀が穴に巣材を搬入し始めるまで見届けるべきでしたね。



群れで飛び回るムクドリ(野鳥)



2015年8月中旬・午前10:35頃

郊外の平地でムクドリSturnus cineraceus)の群れが飛び回っていました。
飛来した群れが電線に集結。
鈴なりに並んで賑やかに鳴いています。
すぐ一斉に飛び立ち、近くの雑木林の樹冠に止まり直しました。

時間帯からこの飛翔行動は所謂murmurationとは違いますよね?
これから餌場に向かうのでしょうか?

▼関連記事
ムクドリ(野鳥)大群の飛翔乱舞




2015/10/25

クヌギの幹で共生するトゲアリ♀とアブラムシ



2015年8月中旬

平地の雑木林でクヌギの幹にトゲアリPolyrhachis lamellidens)のワーカー♀が群がっていました。
この木のどこかにトゲアリの巣があるのでしょうか?
よく見ると、樹皮の裂け目の奥にアブラムシ(種名不詳)が数匹ずつのコロニーを形成していて、トゲアリはそのアブラムシと相利共生関係になり護衛しているようです。
マクロレンズがあればトゲアリがアブラムシの甘露を舐めるシーンなどを接写したかったのですが、この日うっかり家に忘れてきたことを悔やみました。

「アブラムシ・ミニ図鑑」サイトではクヌギをホストとするアブラムシは10種類もヒットします。


雑木林樹上のニホンザルの群れ



2015年8月中旬

山間部の峠道の横は雑木林の斜面になっています。
野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れをあちこちの樹上に見つけました。
カメラを向けると警戒し、すぐに逃げたり隠れたりしてしまう個体もいます。
枝に座り、のんびり体を掻いている猿もいます。
身軽に隣の枝へ飛び移るシーンも撮れました。
別個体の元に近寄り、毛繕いを受けました。(対他毛繕い)

横の枝が揺れているのでカメラを振ると、元気な子猿が居ました。
口元に注目すると紫色の物をモグモグ噛んでいます。
ミズキの実を食べているようです。
クズの蔓が絡み付いた枝を伝って強引に枝先へ移動し、ミズキの枝に座りました。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。



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