2012/12/01

セスジスカシバ(蛾)の羽ばたき準備運動と飛び立ち【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月中旬

セスジスカシバ本州以南亜種Pennisetia fixseni fixseni)という蛾が道端の葉っぱに止まっていました。
スズメバチにそっくりの蛾です(ベーツ擬態)。
羽化不全個体なのか、右翅が捻れたように変形しており、しっかり閉じません。
そっと指を差し出して蛾を手に乗せると、歩きながら羽ばたき始めました。
飛び立つ前の準備運動と思われます。
ハイスピード動画(220 fps)に撮ったスロー映像を見ると羽ばたきがしっかり見えます。
離陸する瞬間がばっちり撮れました♪
しかし翅の非対称な変形異常のため遠くまで飛ぶことが出来ず、すぐに落下してしまいます。
私の手から飛び降りた、という表現が正しいでしょう。

 


 通常のHD動画でも撮ってみました。








オニヤンマ♂の捕食



2012年8月下旬

林道でパトロール飛行していたオニヤンマAnotogaster sieboldii
が葉上で何か小虫を狩り、近くの草葉に着陸して食べ始めました。
急いで近寄ってみると、あっと言う間に獲物をパリパリと平らげてしまいました。
という訳でメニュー(獲物の正体)は不明です。
接写すると下顎?が褐色で毛むくじゃらですね。
食べ終わるとすぐに飛んで行きました。

後半は同じ日に撮った別個体のオニヤンマ♂。
草の茎に止まって翅を休めていました。
腹端がヒクヒクしています(腹式呼吸?)。
副性器から♂と判明。


2012/11/30

ミカドトックリバチ♀が尺取虫を運ぶ【後編】アリに盗まれる


2012年8月下旬

待てど暮らせどミカドトックリバチ♀(Eumenes micado
)は戻って来ません。
どうして獲物の運搬を諦めたのか、理解に苦しみます。
徳利巣への貯食行動を観察できず残念でした。

地面を徘徊する働きアリがすかさず獲物の尺取虫を見つけ、仲間と協力して巣へ運び始めました。
クモバチ類と異なりミカドトックリバチはアリ対策として何の工夫もしていないので、放置した獲物を盗まれても仕方がありません。
蟻はおそらく普通種のクロヤマアリと思われますが、この日は強行軍でひどく疲れており、きちんと確かめていません。

(幼虫もアリも未採集。)

シリーズ完。





ミカドトックリバチ♀が尺取虫を運ぶ【中編】



2012年8月下旬

獲物の尺取虫を運ぶミカドトックリバチ♀(Eumenes micado
が砂利道を横断してます。
疎らに生えたイネ科の草葉にわざわざ登っては落下、という謎の行動を道中繰り返します。
獲物の首根っこをずっと咥えていたのですが、胴体部分も噛みほぐし始めました。
毒針の使用状況は草葉の陰でよく見えませんでした。

大き目の小石と小石の隙間に獲物を置きざりにして蜂は飛び去りました。
泥巣へ偵察飛行に出かけたのでしょうか?
麻酔の浅い青虫は少し暴れて動きました。

こんな場所に無防備に置き去りにするのは無用心ではないかな?
(この悪い予感は的中します。)


蜂は青虫を引きずって砂利道を何度も往復横断していました(行きつ戻りつ右往左往)。
行き先の方向性がどうも感じられません。
泥巣の位置が分からなくなり、迷子になったのでしょうか?
もしかすると実は、砂利道の真ん中にある石を基質として徳利の泥巣を作っていたのに車が通って壊されたのかもしれません。
それとも獲物から体液を吸うためだけの寄主摂食(host-feeding)なのかでしょうか?
巣に運んで貯食するのではなく、自らの栄養にすることがしばしば見られるそうです。

それにしては重い獲物を苦労して運んでいた意味が分かりません。
天敵の寄生ハエに追われて振り切ろう(まこう)としている、というシナリオでもなさそうです(ハエの姿なし)。

つづく



2012/11/29

ミカドトックリバチ♀が尺取虫を運ぶ【前編】



2012年8月下旬

林道脇の草むらでトックリバチを発見。
前伸腹節に「にっこりマーク:)」の黄紋があるので、ムモントックリバチではなく、ミカドトックリバチ♀(Eumenes micado
)のようです。
仰向けにした獲物の喉元を大顎で咥えています。
獲物は細長い青虫で、尺取虫(シャクガ科幼虫)でした。
狩られた直後なのか麻酔が不十分なのか、青虫の腹端がピクピク動いています。
これから泥巣に持ち帰るはずです。
トックリバチの貯食行動を観察するのは初めてなので、わくわくしながら見守りました。

ようやく獲物を咥えたまま蜂は茎を登り始めました。
羽ばたく推進力も使って苦労して運び上げています。
体長は明らかに蜂よりも獲物の方が大きく、飛び立っても荷物が重すぎてすぐに落ちてしまいます。
少しでも高い所に獲物を運び上げてから滑空して飛距離を稼ぐ作戦なのでしょうか?
大して奏功してない印象です。

たとえば2mぐらいの長い棒を目の前に差し出して登らせたら、見事な滑空を披露してくれたでしょうか?
草葉の上に獲物を保管しようと繰り返しているようにも見えます。
クモバチのように、営巣地へ偵察に行く間に獲物をアリに盗まれないよう一時保管しておく隠し場所を探しているのでしょうか?
(未だ道中でアリと出会っていません。)
これまでオオモンクロクモバチやオオシロフクモバチでこのようなアリ対策を観察しました。
しかしトックリバチは泥巣を先に作り産卵も済ませてから狩りに出かけるので(クモバチとは順序が逆)、獲物の一時保管は不要のはずです。

蜂は草むらを抜け、遂に砂利道を横切り始めました。
腹合わせに抱えた青虫に跨り、歩いて前進します。
ときどき羽ばたきながら、ほぼ一直線に進みます。
ところが途中で貧弱な草葉に出会う度に、いちいち道草を食っています。
草から草へわざわざ登ってから飛び下りるのです。
休憩中もアリを警戒しているのでしょうか?
草葉にぶら下がった姿勢で獲物の噛みほぐしを行っている気もしますが、うまく撮れず定かではありません。
左中脚一本の爪先で草葉からぶら下がり、暴れる青虫を背側から抱え込み甘噛みしています。
腹端を獲物に向けて曲げたものの、毒針で刺したかどうか不明です。@x:xx
運ぶ際は必ず腹合わせになるよう持ち直します。

つづく




ジガバチ♀がリョウブに訪花



2012年8月中旬

ジガバチの一種(ヤマジガバチまたはサトジガバチ?)♀がリョウブに訪花していました。
一瞬見えた頭楯が白くなかったので♀と判明。
白い花に一瞬だけ頭を突っ込むものの、じっくり吸蜜する様子は見られませんでした。
蜜量が少ないためか、あるいは吸蜜ではなく獲物となる芋虫を探索しているのでしょうか?
他にはキンモンガ(蛾)成虫や甲虫類が吸蜜中でした。


8月も中旬になると、林道で見かけるジガバチの個体数が減ってきた気がします。(季節消長?)






2012/11/28

死んだウサギの骨髄に群がるムネアカオオアリ



2012年8月下旬

山裾の路上にニホンノウサギLepus brachyurus
)と思われる死骸が転がっていました。
車に轢かれた(輪禍)のかと思い近づいてみると、なぜか首無しの死骸でギョッとしました。
ミステリー(猟奇事件)ですね!
フクロウやトビなどの猛禽類に捕食されたのでしょうか?(※追記参照)
それにしても獲物(ご馳走)が路上に放置されているのは解せません。
どうやら血抜きされているようで、現場に血痕はありません。
つまり殺害現場から運ばれてきたか、あるいは死後に斬首されたと思われます。
猟師の落し物でしょうか?
それとも誰か頭骨コレクターが新鮮な死骸から断頭して持ち去ったのだろうか?


死後間も無いようで、真夏の炎天下でも亡骸は未だ腐臭を発していませんでした。
夏毛は褐色のはずですが、こんなに白っぽいのは不自然です。

アルビノなのかな?
私は未だ野生のニホンノウサギを雪山で冬毛の個体しか見たことがありません。

『日本動物大百科1:哺乳類I』p62によると、
(ニホンノウサギは)積雪量の多い山形県では9月下旬から耳や足の部分から白化を始め、11月下旬の積雪の始まるころまでに体全体が真っ白になる。


白兎ということで、飼いウサギの可能性は?※

参考→夏毛のニホンノウサギのロードキル


※ 帰化種アナウサギ(飼いウサギ)は家畜やペットが逃げ出したものが各地で野生化している。『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p107より


宮崎学『森の写真動物記〈7〉草食獣 (森の写真動物記 7)』p8によると、
ノウサギは冬になると、毛がまっ白に生えかわるのが特徴ですが、なかには茶色のままのものもいます。中央アルプスには、この両方のタイプがみられます。これは中央アルプスには、むかしから雪が少なかったことを物語っています。雪が多ければ、白いほうが天敵にみつかりにくく有利ですが、雪が少なければ、逆にめだってしまいます。ですから、今後、地球温暖化がすすめば、茶色タイプのノウサギがふえていくかもしれません。

 

千葉彬司『北アルプス動物物語―山岳博物館長とウンコロジーと』という別の本によれば、
 北アルプスのノウサギは、冬になると毛色が茶褐色から白へ変わる。冬になっても白くならないものを、このあたりでは「ナベ」と言っているが、9割がたは白くなる。 白くなるのもいっぺんに白くなるのではなく、徐々に変わる。(p83より引用)
今回の現場は中央アルプスでも北アルプスなくて山形県の豪雪地帯ですが、ノウサギの毛色に2タイプあり得るという情報は参考になりました。

冷静に考え直してみると、この事件はノウサギの毛色の個体変異と自然淘汰というごく当たり前の生物現象なのかもしれませんね。






死骸があると真っ先に駆けつけるキンバエの仲間は左右の複眼が接した♂と離れた♀の両方が来ていました(種名不詳)。
蛆虫(ハエの幼虫)が未だ発生していないことも、新鮮な死骸であることを物語っています。
斬首された断面にムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー(働き蟻)が群がっています。
肉よりも首の骨の骨髄が気に入ったようです。
よほど栄養豊富なのでしょう。
ムネアカオオアリの胸部は元々赤いのですが、まるで死体から返り血を浴びたようで凄まじい光景です。
毛皮の上で身繕いしている蟻もいます。
仕事熱心なワーカーは骨髄の破片(肉片?)を大顎に咥えて巣に持ち帰り始めました。
キンバエが産卵しようと傷口(切断面)に近づくと追い払いました(獲物の占有行動)。
ムネアカオオアリ以外にも遥に小型で褐色の蟻も来ています(種名不詳)。

分解者(scavenger)の活動で死骸が土に還るまでの様子を微速度撮影したかったのですが、生憎この日はインターバル撮影の準備をしておらず断念。







※【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし:卵から巣立ちまで』という名著を読んでいたら、フクロウの観察記録の中に「フクロウの巣中の食べ残しの犠牲者たち」と題した白黒写真が掲載されていました。(p192-193)
鳥やモグラ、ネズミと計7つの死骸が並べられていて、全て頭が無い点が私の興味を引きました。
雛に給餌するために巣へ運んでくる前に、親鳥♂が獲物の頭部を食べてしまうのだそうです。
これをヒントに今回の私のケースを推理してみました。
山林でウサギを狩ったフクロウがその場で頭部を食べたものの、重過ぎて巣まで運搬できず途中で落としてしまったのかもしれません。
(大型のクマネズミのサイズならば、フクロウは問題なく給餌したり丸呑みできるらしい)
実際に現場近くの山麓に広がる杉林でフクロウが鳴いているのを聞いたことがあります。




【追記2】
熊谷勝『カラー自然シリーズ66:ハヤブサ』という本を読んでいたら、ハヤブサ類の仕業である可能性も出てきました。
・♂親はさいしょに、するどいくちばしでえものの首をきりおとします。
ほかのワシタカ類が、するどい爪で締め殺すのに対して、ハヤブサのなかまは首を切断して、えものを殺します。(中略)ハヤブサは、えものを殺すと、さいしょにもぎとった首筋から、栄養のある内臓をひきだして食べます。 (p12より引用)
私のフィールドでハヤブサを見たことは未だありませんが、6年後からチゴハヤブサを観察し始めました。


【追記3】
テレビの動物番組(ガリベンガーV)でウサギの研究者による講義を見ていたら、ウサギの毛換わり(モルティング)について詳しく知ることが出来ました。
・ウサギの毛換わりは、体力の消耗が激しいので徐々に行う。 
・夏毛から冬毛に変わる時は、耳→足→大腿部→胸→背中→頭部の順に白くなる。 
・冬から春になると、逆の順番(頭部→背中→胸→大腿部→足→耳)で茶色の毛に生え変わる。
私が見たウサギの死骸で背中の毛だけ茶色で手足が白かった理由が、ようやく分かりました。(換毛の途中にしても季節が合わない気がします。)


【追記4】
高橋喜平『ノウサギの生態』によれば、
 越後の十日町地方でノウサギが夏毛から冬毛にかわる時季、すなわち体毛が白化しはじめる時季は10月である。(中略)10月初旬に毛の短い部分から白化しはじめ、白化が完了するのは11月下旬である。ちょうど、この白化が完了する頃に初雪をみるのである (p74より引用)
1958年と少し古い資料ですが、やはり8月下旬に白化が始まっている個体は異例と言わざるを得ません。


【追記5】
郷土出版社『置賜ふるさと大百科』によると、
置賜地方ではここ数年来、冬になっても白くならない個体のノウサギの捕獲例が多いと地元のハンターから聞くことがある。
 日照時間や気温などの変化に原因があるのではないかと考えられるが、もしかすると地球温暖化の影響なのかもしれない。(p49-50より引用)




ヤマトシリアゲ♀の不思議な踊り



2012年8月下旬

林道脇の葉で見つけたヤマトシリアゲが謎の踊りを披露していました。
秋型(褐色型)の♀です。
左右の羽を同時に回すように動かして、翅の黒紋を見せつけています。
イタヤカエデの葉でwing displayしながら方向転換→ダッシュ→静止を繰り返します。
これは警戒や威嚇の行動でしょうか?

飛び立つ前の準備運動でしょうか?
それとも♂を引き寄せるダンスなのでしょうか?
もう少し粘って観察していれば♂が飛来したのかな?

シリアゲムシは♂が餌で♀を釣る(求愛給餌)のが普通だと思っていたので、不思議に思いました。



2012/11/27

リョウブに訪花吸蜜するオオセイボウ【HD動画&ハイスピード動画】



2012年8月下旬

蜜枯れの盛夏に咲くリョウブの花はヤブガラシやノブドウの花と並んで蜂類にとって貴重な蜜源のようです。
青い宝石と称される美しいオオセイボウがリョウブの花蜜を吸いに何匹も来ていました。
食事の合間に身繕いしながら産卵管(毒針?)を出し入れしているので♀だろうと判明。@2:54
映像の最後は、吸蜜中のオオセイボウに飛来したもう一匹が飛び付いてきて一緒に落下しました。
1/5倍速のスローモーションで電光石火の攻撃?をリプレイしても、求愛交尾行動なのか同性間の喧嘩(餌場の占有行動?)なのか不明です。

♪青い稲妻が僕を責める〜炎体焼き尽くす〜Get you!
ついでに、オオセイボウが飛び立って隣の花に移動する様子をハイスピード動画(220fps)に撮ってみました。







オオシオカラトンボ♀



2012年8月下旬

渓流の横で見慣れない黄色いトンボが止まっていました。
休憩場所をときどき移動します。
羽化不全個体なのか、右前翅の先がややシワクチャですね。
帰ってから調べてみるとオオシオカラトンボ♀と判明。




2012/11/26

獲物を運ぶクモバチの一種♀



2012年8月中旬

ツチスガリの営巣地で巣穴を監視していると、横の広場を黒い蜂が横切りました。

狩りに成功したクモバチ科の一種♀が獲物のクモを曳いています。
砂利道の落葉に荷物を置いて一休み。
少し離れた位置で化粧すると獲物の元に戻りました。

毒針による再麻酔手術は行わず、クモの歩脚の根元を咥えて後ろ向きに歩いて運搬を再開。
追跡すべきか採集しようか躊躇している間に見失ってしまいました…。
蜂は全身真っ黒でした。
素人目になんとなく、獲物は地上徘徊性クモのワシグモ科のような気がします(自信なし)。



シロオビクロナミシャク(蛾)@渓流横


2012年8月下旬

久しぶりに蝶だか蛾だか分からない虫に出会いました。
一瞬ダイミョウセセリかと思いましたけど違います。
調べてみるとシロオビクロナミシャクTrichobaptria exsecuta exsecuta
というこじんまりした蛾でした。
渓流沿いの葉に止まり、全開の羽をゆるやかに上下に動かしていました。




2012/11/25

アオゲラの喧嘩?と警戒声の声紋解析【野鳥】



2012年8月中旬

杉の幹に止まった2羽のアオゲラが何やら喧嘩のような行動をしていました。
AF頼みでは終始ピントが合ってないのですが、羽を広げて威嚇?しています。
途中でケケケケケッ♪とけたたましい鳴き声を発しました。

手前の杉木立が邪魔でよく見えません。
もう一本奥の幹で何事か行われています。
撮り易いアングルを求めて私が一歩でも横に動いたら間違いなく逃げられると思い、我慢してそのまま撮影を続けました。
アオゲラは幹に止まったまま顔を左右に振っています。

幹の周りで隠れんぼ?
最後は相次いで2羽とも飛び去りました。

とりあえず2羽の性別を知りたいところです。
つがいだとすると求愛行動かもしれません。

素人目にはなんとなく♀同士の喧嘩のような気がしますが、どうでしょうか?

日本列島の特産種アオゲラの♂は額から後頭にかけて全体が赤く、後頭部だけ赤いのが♀です。
てっきりキツツキ類の縄張り争いはドラミング行動という音声コミュニケーションで行われると思っていたのですが、ここまで接近して闘争に至ることもあるのでしょうか。

【追記】
巣立った幼鳥が幹に止まって親から餌をねだっている、という可能性は?(参考:『科学のアルバム:キツツキの森』p22



後頭部しか赤くないので♀?
アオゲラの鳴き声を声紋解析してみる

オリジナル動画のMTSファイルからいつものように音声パートをWAVファイルにデコードしてから、ケケケケッ♪と鋭く鳴いた警戒声?のスペクトログラムを描いてみました。
ノイズが多いですけど、辛うじて読み取れます。





フタモンクモバチ♀に狩られ麻痺状態のイシサワオニグモ♀を調べる




2012年8月中旬

フタモンクモバチ♀(旧名フタモンベッコウ;Parabatozonus jankowskii
)に狩られ巣に運ばれる途中で採集したイシサワオニグモ♀成体です。
前の記事はこちら→「イシサワオニグモ♀を曳くフタモンクモバチ♀
毒針で刺された獲物は翌日も完全に麻痺が残っています。
ピンセットで仰向けにすると、ゆっくりと歩脚を縮めました。
真夏の暑さでも何日も腐らず新鮮なので、蜂の子が食べる餌として安心して与えることができます。

腹面の外雌器を接写すると、昨日はあったはずの垂体が見当たりません。
クモバチに砂利道を引きずられた際に垂体が取れてしまったようです。
麻痺からの回復は望めず植物状態で餓死するだけなので、フタモンクモバチ♀と一緒にエタノール液浸標本にしました。

シリーズ完。







腹面:外雌器

前日現場で撮った腹面:外雌器+垂体?

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