2020/08/15

シロツメクサの花蜜を吸うヤマトツヤハナバチ♀



2020年5月下旬・午後13:40頃

平地の原っぱに咲いたシロツメクサの群落で、最近お気に入りのヤマトツヤハナバチ♀(Ceratina japonica)が訪花していました。

正当訪花でシロツメクサの細長い花筒に長い舌を差し込んで吸蜜する様子をマクロレンズで接写してみました。
後脚の 花粉籠 スコパ(花粉採集毛)は空荷でした。
マメ科のシロツメクサを接写すると、小さな蝶形花の丸い(球状の)集合体であることがよく分かります。
最後に花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

この原っぱにはルピナス(=ノボリフジ)の大群落が咲き乱れていて、この日もツヤハナバチ♀はせっせとルピナスの花粉を集めていました。
ルピナスでの集粉が一段落するとヤマトツヤハナバチ♀は同じ原っぱに咲くシロツメクサに切り替えて吸蜜に専念する、というように訪花する植物を使い分けているのだとすれば、興味深いところです。
同じ原っぱでも下層にシロツメクサの花が咲き、上層では丈の高いルピナスが咲いている、というようにマメ科植物の花もニッチを上下に棲み分けています。


庭でご飯粒を食べるスズメ(野鳥)



2020年5月下旬・午後13:55頃・晴れ

郊外の住宅地に飛来した1羽のスズメPasser montanus)成鳥が家と家の間の地面で何か白くて丸い塊を繰り返し喋んでいました。
転がったり辺りに飛び散ったりした白い粒を追いかけて丹念に採食しています。
なぜか完食せずに飛び去りました。
もう満腹したのなら、スズメはずいぶん少食ですね。

急いで裏庭を現場検証すると、砂利の固い地面に雑草が疎らに生えていました。
気になるメニューは、小さなオニギリのような、白米を炊いたご飯粒の塊でした。
生ゴミの残飯を目ざとく見つけて持ってきたのかな?
誰か近所の住人がスズメに給餌しているのかもしれません。
撮影中の私は、キク科植物の白い綿毛の種子を食べているように勘違いしたのですけど、大外れでした。




2020/08/14

ハクウンボクの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2020年5月下旬・午後12:50頃・くもり

平地の街路樹として植栽された木にエゴノキの花のような白い花が下向きに咲いていました。
しかし葉の形がエゴノキとは違います。
庭木の図鑑で調べてみると、ハクウンボク(別名オオバジシャ)という耳慣れない樹木でした。
エゴノキの花と似ていたのも当然で、同じエゴノキ科エゴノキ属なのだそうです。
花の芳香はなんとも形容し難い独特な和の香り?で、個人的にあまり好みの匂いではありませんでした。
イチョウやケヤキの並木道に1本だけ唐突に現れ、異彩を放っています。
散った花(落花)が歩道に散乱していました。

ハクウンボクの総状花序に複数のセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀がせっせと訪花していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
雄しべの束の根元に潜り込んで吸蜜し、体に付着した花粉を巣に持ち帰るようです。
必ずしも雄しべに花粉がたっぷり残った花を選んで訪花している訳ではなく、おそらく花蜜が目当てなのでしょう。

風が吹いて絶え間なく枝が揺れるので、小さな虫を撮影するには悪条件でストレスの溜まる日でした。
(風揺れのせいで、被写体に思い切ってズームインできません。)
複数個体を撮影。


セイヨウミツバチ♀@ハクウンボク訪花採餌

ハクウンボク:花
ハクウンボク:葉
ハクウンボク:幹
ハクウンボク落花@歩道

ナミハンミョウ♂の身繕いと飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2020年5月下旬・午後14:20頃

道端に生えたオニノゲシの実になぜかハンミョウ♂(Cicindela japonica)が乗っていました。
今回の出会いは色々と初めて尽くしでした。
まず、こんな平地で見かけるのは初めてです。
この辺りは意外に自然度が高い環境なのでしょう。
しかも今季初見です。
近くの境内や原っぱから羽化したばかりの成虫かと思いきや、調べるとハンミョウは成虫で越冬するらしい。
肉食性のハンミョウがどうして丈の高いオニノゲシにわざわざ登って訪花してるの?と不思議に思い、マクロレンズで接写してみました。
獲物の待ち伏せなら、花が咲き終わったオニノゲシに居るのは変です。
しばらくすると「やみくもに飛び回って塀に衝突」という一連の動きを繰り返していたので、たまたま塀の下のオニノゲシに落下したのでしょう。
オニノゲシから次はスギナの群落に飛び降りました。
顔を正面からクローズアップすると、大顎の白色と毛深い前脚の特徴から♂と判明。

大谷剛、栗林慧『カラー自然シリーズ70:ハンミョウ』を紐解くと、ナミハンミョウの性別判定法が書いてあります。

・♂と♀の大あごの色のちがいに注意してください。♂の大あごは白い色です。♂は、獲物をとらえるこの大きな頑丈なあごで♀の背をがっしりはさみ、おさえこみます。
♂の前脚は♀にくらべて、毛がたくさん生えています。♂はこの毛でさわって、♀をたしかめます。(p13より引用)


『くらべてわかる甲虫1062種』という図鑑p16にはナミハンミョウの性差が更にもう2点、写真に図示されていました。
鞘翅の肩の部分には♂にだけ白斑があり、♂は前脚の跗節が太くなるとのことで、確かにこの個体でもその通りでした。


ナミハンミョウ♂が急に走り出したので行き先を慌てて追いかけると、舗装された路上で小休止。
私の今までの経験上、ハンミョウは警戒心がとても強いはずなのに、これほど近づいて接写できたのは奇跡です。
七色に輝く構造色が非常に美しいですね。
触角まで構造色とは知りませんでした。

近くを微小なアリ(種名不詳)や赤いタカラダニ(種名不詳)が通りかかっても、ナミハンミョウ♂はなぜか捕食しませんでした。

▼関連記事(4年前の撮影)
ナミハンミョウの狩り捕食

逆に恐れ知らずのアリがハンミョウの脚の爪先(跗節)に繰り返し噛み付いています。
もう少し引きの絵にしてアリとの攻防に注目すべきでしたが、撮影時の私はハンミョウを画面いっぱいに接写することに熱中して微小なアリをよく見ていませんでした。
ハンミョウはアリに何も反撃せず、やがて身繕いを始めました。
左前脚で顔(触角、複眼)を拭います。
アリに噛まれた右中脚を慌てて持ち上げ、背中を掻きました。(@0:58)
これは身繕いというよりも、アリを振り払う動きかもしれません。
次に右の中脚、後脚を擦り合わせます。
腿節が毛深く、密生した毛が白く光っています。
右前脚で顔を拭いました。
再びアリが右中脚の先を噛んだようで、ハンミョウは嫌がって振り払いました。
閉じた鞘翅を少しだけ開閉するようになったのは、飛び立つ前兆かな?

ナミハンミョウ♂が飛び立つ瞬間を狙い、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:24〜)
身繕いシーンも編集でカットせずに残してあります。
鞘翅をパカッと広げると後翅を羽ばたきながら脚力でジャンプして飛び立ちます。
しかし1/40倍速のスーパースローでリプレイしても、羽ばたきが速すぎてよく見えませんでした。
普段は鞘翅で隠されていた腹背も玉虫色に輝く構造色(金属光沢の青緑色)なのですね。

ハンミョウが地上で飛翔を繰り返すと、有名な「道教え」行動になります。

▼関連記事(4年前の撮影)
ナミハンミョウの道教え【HD動画&ハイスピード動画】


ナミハンミョウ♂@路上
身繕い:頭掻き
身繕い:腹背掻き

2020/08/13

ルピナスの蝶形花で採餌するクマバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2020年5月下旬・午後14:00頃・晴れ

平地の原っぱに咲いたノボリフジ(別名ルピナス)の群落で、この日はキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
青い花にもピンクの花にも両方来て採餌していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
前脚や顔、腹部下面も大量の花粉で汚れています。

ルピナスのメインの送粉者(の本命)はおそらくクマバチだろうと予想した私は、ルピナスの花畑にしつこく通っていました。
粘った甲斐があって、狙い通りの被写体が撮れました。

前回観察したヤマトツヤハナバチ♀よりもクマバチ♀は大型で体重も重いので、ルピナスの蝶形花の翼弁に着陸すると蜂の重みで左右の翼弁が自然に開きます。
同時に内部の竜骨弁がテコのように動いて、先端の葯と雌しべがクマバチの毛深い腹部下面に押し付けられます。
蝶形花が開くと、旗弁の根元に口吻を差し込んで吸蜜しているようです。
クマバチは穿孔盗蜜の常習犯として悪名高いのですが、ルピナスの花に対しては正当訪花を繰り返し、盗蜜行動をしていません。
クマバチ♀は吸蜜しながらも前脚で雄しべの葯から花粉を掻き集めています。
体毛に付着したオレンジ色の花粉を掻き落として後脚の花粉籠にまとめ、巣に持ち帰るのです。
一方、クマバチの無駄のない洗練された採餌行動によってルピナスは効率よく他花授粉してもらえます。
こうしてルピナス(ノボリフジ)とクマバチは相性が良く、見事な共生関係にあることが伺えます。
クマバチが飛び去ると軽くなったルピナス蝶形花の翼弁はバネ仕掛けのように自然に閉じ、竜骨弁は自動的に隠されます。
(既にこじ開けられて戻らなくなった蝶形花もクマバチ♀は律儀に訪れていました。)
個々の花での滞在時間は短く、クマバチ♀は忙しなく飛び回っています。
小型のヤマトツヤハナバチ♀が苦労して花弁をこじ開けているのと大違いでした。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:48〜)
花に着陸すると羽ばたきを止めます。
飛び立つ際にクマバチ♀が花から顔を離すと口吻を引き抜いたので、吸蜜後と分かります。
次の花に向かう途中も空中でホバリング(停空飛行)しながら身繕いして、顔や体に付いた花粉を拭って花粉籠に移しています。
ルピナスの花序を回りながら順番に訪花しているようですが、重複による無駄もありました。

ラストシーンは、クマバチ♀が青い花だけでなくピンク色のルピナスにも訪花したという証拠映像です。(@7:30〜)
残念ながら蜂にピントが合う前に飛び去ってしまいました。
やはりクマバチは通説通り、ピンクよりも青い花の方が断然好みだという印象を受けました。

クマバチ以外ではマルハナバチ類も重要な送粉者としてルピナスに訪花しているのではないかと予想したのですけど、今季はなぜか一例も見ることができませんでした。
たまたまなのか、それともマルハナバチはルピナスの花が好みではないのか、来年以降も引き続き注意して見ていくつもりです。
今年の春は暖冬明けで花の開花が異常に早まり、ハナバチ成虫の羽化とタイミングが合わなくなってしまったのではないか?という気がなんとなくしています。(※追記2参照)


【追記】
坂上昭一、前田泰生『独居から不平等へ―ツヤハナバチとその仲間の生活』という専門書の第5章は『クマバチの生活』を扱っています。
多くのクマバチは草本よりも木本の花を好む。宮本(1961)※は兵庫県を中心として、キムネクマバチの訪花植物29科59種をあげた。そのうち30種が木本花で、また最も好まれたマメ科(全体の25%)の多くは、ヤマフジ・ナンテンハギ・クララなどの木本花だった。逆にいえば、体が大型なため、草本の小さい花からは採餌しにくいためもあろう。(p149-150より引用)
私もクマバチが好きなので、個人的にクマバチの訪花植物リストを動画でコツコツと撮りためているところです。
先人の偉業には未だ到底及びません。

※ 宮本セツ. (1961). Xylocopa appendiculata circumvolans Smith の訪花性: 日本産花蜂の生態学的研究 XXIII. 昆蟲, 29(1), 4-13.

(原著論文の全文PDFファイルを国立国会図書館のデジタルコレクションからダウンロードすることができました。)

抄録
1. Xylocopa appendiculata circumvolans Smithの訪花性について1952-1959年に篠山盆地において研究した.2. X. appendiculata circumvolansは, 近縁のCeratina japonicaと同様の生活史をもつもので, その訪花内容と卵巣発達度との関係も同様のものであつた.3. X. appendiculata circumvolans♀は29科53属59種の植物を訪花対象としたが, その約25%はマメ科植物であつた.訪花植物種のほぼ半ば以上が落葉喬木あるいは灌木の花であり, さらに草木の中でも草丈の高いものを訪花対象としていた.4. X. appendiculata circumvolansが盗蜜を行なつた植物種はナツグミ(グミ科), ツリフネソウ(ホウセンカ科), ハコネウツギ(スイカズラ科), クララ, ヤブマメ(マメ科), オオバギボウシ, ギボウシ(ユリ科)などである.5. 盗蜜の習性および草木より樹木の花を好む習性などから, いわゆる有用植物の花粉媒介者としての価値は低いものと推定される.

※【追記2】
石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学』という名著によると、私の予想した通りのことが起こっているようです。
気候の変動は、生物種間の活動季節のずれを引き起こす可能性があります。これをフェノロジカルミスマッチといいます。植物が特定の送粉者に受粉を依存している場合、フェノロジカルミスマッチはその植物の受粉成功を大きく低下させる原因になります。(p277より引用)

具体例としては、
春先に開花するエゾエンゴサク(ケシ科)の集団を14年間にわたって調査し、春先の雪解け時期が平年よりも顕著に早い年には、送粉者が不足して種子生産量が低下してしまう傾向があることを示しました。これは、雪解けが早い年にはエゾエンゴサクの開花時期が早まるものの、主要な送粉者であるマルハナバチの女王バチが越冬から目覚める時期が、エゾエンゴサクの開花時期ほどには早くならなかったためでした。(p276より引用)




ドイツトウヒの松ぼっくりが水を吸って閉じる様子【200倍速映像】



2020年5月中旬・室温25℃

コロナ禍のステイホーム期間中に室内で撮影できるネタとして、松ぼっくりを使ってちょっとした実験をしてみました。
前の年に採集し保管していたドイツトウヒ(別名オウシュウトウヒ)の細長い球果(松ぼっくり)2個を使います。
プラスチックの透明円筒容器(直径10cm、深さ15cm)に松ぼっくりを入れ、そこにヤカンで水をなみなみと注ぎ込みました。
水面下に浮いた球果の果鱗が水を吸って閉じていく様子を200倍速の早回し映像でご覧ください。
(水浸実験の前後にターンテーブルを回して松ぼっくり全体を見せたところだけは2倍速映像。)

水を含んでもドイツトウヒの球果は浮いたままで、沈みませんでした。
果鱗が完全に閉じると、まるでセンザンコウという動物が丸まったときの姿を連想しました。
水面から上に出ている部分の果鱗は当然ながら開いたままです。


実験前の乾燥したドイツトウヒ球果@方眼紙
水を吸って閉じた果鱗

私はこれで満足して微速度撮影を止めてしまったのですが、念の為に着色した水を捨てもう一度新しい水を注いでから更に一晩静置してみました。
すると水が再び茶色に染まり、完全に水を吸ったドイツトウヒの球果は容器の底に沈んでいました。(映像なし)
初回は注水時に球果の表面に気泡ができてしまったせいで、浮いたのでしょう。

清水清『科学のアルバム:植物は動いている』によると、

 ひらいたマツカサ(果実)を水につけると、マツカサはとじてしまいます。反対に火であぶってかわかすと、またひらきます。これは、マツカサをつくっているりん片の内側と外側で、かわいたときのちぢみ方、湿ったときのふくらみ方に差があるためです。かわいたときは内側よりも外側が多くちぢむため、外側にそり返ります。湿ったときは内側よりも外側が多くふくらむため、もとにもどるのです。 (p48より引用)

この仕組みだと、果鱗の素材の物理的な性質ですから、たとえ植物本体が枯死しても球果(松ぼっくり)は開閉運動を続けることが可能です。
つまり、動物が筋肉と神経を使って動くのと根本的に異なります。(例:センザンコウが死ぬと鱗を逆立てる動きはできなくなります。)



時間が経つと次第に透明な水が茶色に濁ってきたのが想定外で、ちょっと面白かったです。
まるで紅茶を淹れたみたいに、赤褐色の溶出成分の濃度勾配が現れました。
これはタンニンなのかな?

湿った球果を乾かして果鱗が再び開く様子も動画で記録すればよかったですね。
(電子レンジを上手く使えば乾燥をスピードアップできそうです。)
乾燥して開いた果鱗は自然に脱落し、翼が付いた種子は風に飛ばされて広範囲に散布されます。(種子の風散布)


乾燥状態で自然に脱落したドイツトウヒ果鱗@方眼紙

2020/08/12

クマイチゴの花で採餌するコマルハナバチ♀



2020年5月中旬・午後17:00頃

山麓の林縁に咲いたクマイチゴの群落でコマルハナバチ♀(Bombus ardensが忙しなく訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
おそらく創設女王ではなくワーカーだと思います。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
薄暗い条件で撮ったので、カメラのオートフォーカスAFがなかなか合いませんでした。




シロツメクサの花で吸蜜するツメクサガ♂(蛾)の口元を接写してみる



2020年5月下旬・午後13:45頃

空き地の原っぱに咲き乱れるシロツメクサの群落でツメクサガ♂(Heliothis maritima adaucta)という昼行性の夜蛾が訪花していました。
翅を半開きのまま花蜜を吸っています。
褐色の口吻で吸蜜する動きをマクロレンズで接写してみます。
口吻を花筒から引き抜くと、ゼンマイのようにくるくると丸まります。
すぐ近くに咲く隣の花には、飛ばずに歩いて渡りました。
腹端に薄い黄土色の毛束はヘアペンシルですかね?
(ヘアペンシルがあるのは♂でOK?)
複眼はきれいな緑色(鶯色、黄緑)でした。

例年なら成虫の出現期は7〜8月とのことですが、今季は成虫の羽化がかなり早い気がします。(暖冬の影響?)

▼関連記事(7年前の撮影)
シロツメクサの花蜜を吸うツメクサガ(蛾)




2020/08/11

ネギの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2020年5月下旬・午後14:40頃

川沿いの家庭菜園に育ったネギの一部が育ち過ぎてネギ坊主になっていました。



そのネギ畑でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
ネギの集合花を歩き回りながら吸蜜しています。
ネギ坊主を拡大してよく見ると、雄しべの黄色い葯もありますね。
しかしセイヨウミツバチ♀の後脚の花粉籠は空荷でした。





川面を遊泳するマガモ♀♂の群れ(冬の野鳥)



2019年12月下旬・午後15:50頃・くもり

夕方の川面にマガモ♀♂(Anas platyrhynchos)の群れが浮かんでいました。
多くの個体は川岸近くで休息しています。
♀が先導して♂がぴったり寄り添いながら遊泳している♀♂ペアもいました。

カルガモAnas zonorhyncha)も混じっていました。(ゆるい混群)


【追記】
バードリサーチニュースの生態図鑑でカルガモを参照すると、「 カルガモとマガモの関係」について述べられていました。
形態や行動が類似しているため,冬に飛来するマガモはカルガモと生態的同位種といわれている.実際の分布をみると,両種間の個体数の差が極端に大きいときは,多い方の種の群れに取り込まれることもあるが,ある程度の群れサイズになると,混群を形成せずに単独群でいることが多かった.


2020/08/10

ナツグミの花で穿孔盗蜜するクマバチ



2020年5月上旬・午後12:02・晴れ

公園の庭に植栽されたナツグミに訪花するキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)を観察していたら、盗蜜行動を一度だけ動画に撮れました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、花筒の根元に外側から口吻を突き刺して教科書通りの(典型的な)穿孔盗蜜をしていました。
雄しべや雌しべに体が全く触れないので、ナツグミの授粉に寄与しません。
ナツグミの立場からすれば、花蜜の盗られ損になります。

映像からこの個体の性別をしっかり見分けられませんでした。
この日はなぜかクマバチの雄蜂♂ばかりがナツグミに訪花していたので、この個体もおそらく♂だと思います。
後脚の花粉籠は空荷でしたが、雄蜂♂なら花粉籠という構造そのものが無いので当然ですね。

正当訪花から盗蜜行動に採餌モードを切り替えたのか、それともこの個体は盗蜜ばかりするのか、追跡して調べたいところです。
残念ながら忙しなく飛び回るために、個体標識しないと見失ってしまいます。
クマバチは盗蜜行動の常習犯なので、正当訪花で舌が蜜腺に届くナツグミの花に対しても、たまに悪癖が出てしまうのでしょう。
生まれつき舌の長さが普通より短い(変異)個体なのかもしれません。



▼関連記事(同じ日に同じ場所で撮影)
ナツグミの花で吸蜜するクマバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】


ニワトコの若葉をもりもり食べるヒトリガ(蛾)終齢幼虫



ヒトリガ(蛾)の飼育記録#5



▼前回の記事
ニワトコの茎や葉を徘徊するヒトリガ(蛾)中齢幼虫

2020年5月中旬

ヒトリガArctia caja phaeosoma)の終齢幼虫aがニワトコの若葉を蚕食する様子をマクロレンズで接写してみました。
見事な食べっぷりは惚れ惚れしますね。
胸脚は黒く、腹脚は薄いピンクでした。

幼虫と一緒に採集してきたニワトコの幼木はなぜか水揚げが悪くて、葉がすぐにクタッと萎れてしまいます。
あまり生えていないニワトコを探して頻繁に採ってくるのは大変なので、身近で調達できる別種の食樹植物に切り替えることにしました。

つづく→#6:ヤマグワの若葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】




2020/08/09

河原の砂地から飛び立つ春のジガバチ♂



2020年5月中旬・午後14:45

川岸のサラサラした細かい砂が堆積した場所にジガバチの一種♂を見つけました。
触角で地面を探りながらその場で方向転換すると、顔色が白い雄蜂♂でした。
砂地に巣穴を掘るのかな?と期待して撮り始めたのですけど、♂は造巣しません。
もしかすると湿った砂を舐めて水分補給(ミネラル摂取)をしたのかと思いましたが、肝心の口元がよく見えません。

蜂は優性先熟(成虫♀よりも♂が早く羽化する)が多いとは言え、5月にジガバチの成虫を見かけたのは初めてかも知れません。
暖冬だった今年はよほど季節の進行が早いのでしょうか?

最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

現場は平地を流れる川ですが、サトジガバチ♂(Ammophila sabulosa nipponica)とは限らず、ヤマジガバチ♂(Ammophila infesta)かもしれません。
採集して標本を精査しないと見分けられません。




耕耘中の田んぼを飛んで逃げるキジ♂(野鳥)



2020年5月中旬・午後16:10頃・晴れ


▼前回の記事
墓地に出入りするキジ♂(野鳥)
墓地を駆け抜けるキジ♀(野鳥)

墓地から田んぼに戻ったキジ♂(Phasianus versicolor)が、田起こし(耕耘)の済んだ田んぼや農道を歩き回っています。
ときどき立ち止まると辺りを見渡すように伸び上がるので縄張り宣言の母衣打ちをするかと期待したのですが、予想は外れ再び歩き続けます。
田んぼを横断しながら地面を啄んで何かを採食しました。
畦道に登り、水入れ・代掻きが済んだ田んぼの区画の手前まで来ました。

そのとき農家の方の運転するトラクターが農道をこちらに走って来ました。
エンジン音に警戒したキジ♂が慌てて向きを変えてから飛び立ち、低空で滑空すると、田んぼの端に着陸。
最後は枯れヨシ原に逃げ込んで隠れました。
飛んで逃げる際に、鳴き声は聞こえませんでした。
キジ♂の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、地味な羽根色のキジ♀の方が♂より先に枯れヨシ原に逃げ込んでいました。
見事な保護色のため、それまで♀が田んぼのどこに居たのか全く見つけられませんでした。



【追記】
森林総合研究所 鳥獣生態研究室に所属する川上和人氏のインタビュー記事『「飛ぶ」ってすごいぞ 鳥類学、骨が語る多様な進化』を読んでいたら、興味深い鳥ビアを知りました。
鳥の筋肉って、普通は赤いんですよ。長距離を飛ぶために酸素をたくさん使うのでミオグロビンが大量に含まれていて。でも、ニワトリをはじめとするキジ目の鳥の筋肉って、ピンクです。人間でも赤い筋肉は長距離走者に多くて、白っぽい筋肉は短距離走者に多いわけですけど、ニワトリを含むキジ目の鳥もまさに短距離型、瞬発型で、一気に筋力を使ってボンって飛んで、100メートルとか先で降りてくるわけです
確かにキジやヤマドリの飛び方はいかにも不器用で重そうですし、短距離しか飛べないことを私もフィールドで何度も観察しています。



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