2012/01/07
キジ♂が地上で採食【野鳥】
2011年12月上旬
堤防のコンクリート階段を歩きながら採食しているキジ♂(Phasianus versicolor)を発見。
この時期はもう昆虫の活動は無いので、おそらく地上に落ちた植物の種子を啄んでいるのでしょう。
次第に階段を下りて最後は枯れ草の茂みに姿を消しました。
急いで追いかけてキジが隠れたと覚しき場所を探してみたのですが、もう見つけられませんでした。
キジも鳴かずば撮られまい。
2012/01/06
コノシタウマ♂の雪面徘徊
2011年11月下旬
晴れた雪道を歩いている小さなカマドウマの仲間を発見。
産卵管が無いので♂成虫と思われます。
(あるいは、もしかして幼虫で越冬するのだろうか?)
雪上で静止している間に採寸してから定規で体に触れたら跳んで逃げました。
採集して調べてみると、コノシタウマ(木の下馬;Diestrammena elegantissima)という種類のようです。
Labels:
バッタ・キリギリス(直翅目)
2012/01/05
電柱からトビを追い払うハシブトガラス【野鳥】
2011年11月下旬
トビ(Milvus migrans)らしき一羽の猛禽が田園地帯に立つ電柱の頂に止まって辺りを睥睨しています。
私は少し離れた位置に立ち、警戒させないよう体は逆を向いてカメラのバリアングル液晶を覗き込みながら撮影開始。(※自信なし。ノスリなど別種の猛禽類かも。見分けられる方は教えて下さい。)
トビがその場で向きを変えたと思ったら、すぐ近くの電線に一羽のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が舞い降りました。
眼下の道を車が通過しても気にしません。
カラスが遠くを向いて鳴き始めました。
仲間を呼んでいるのだろうか。
ときどきカラスが電線に嘴を擦り付ける行動を取ります。
そして挑発的に少しずつトビににじり寄るカラス。
緊張が高まり、二羽同時に飛び立ちました。
空中で小競り合いの末、トビは飛び去りました。
カラスは電線に戻ってカーカー♪と鳴き、あたかも勝鬨の声を上げているようです。
もう少し近づいてからハシブトガラスの撮影を再開。
しかし、こちらを警戒して電線からすぐに飛んで行ってしまいました。
ハシブトガラスの方が後から来たのに図々しく軽い嫌がらせを行い、猛禽類を追い払ったように見えました。
これは単独で行なったモビング(擬攻撃)と呼べるのだろうか。
野鳥の力関係を伺わせる興味深い一期一会でした。
2012/01/04
2012/01/03
コアシナガバチの古巣から羽化した寄生ヒメバチ
2011年9月下旬
物置小屋の軒下にコアシナガバチ(Polistes snelleni)が営巣していました。
しかし、何者かが蜂の巣に寄生しているようです。
崩れた育房に見慣れない褐色の蛹が剥き出しで多数付着しています。
(現場では何となく寄生ハエの蛹かと思ったのですが、定かではありません。)
今季は蜂の巣を定点観察しに通う余力がありませんでした。
11月上旬、コロニーが解散してもぬけの殻となった古巣を採集しました。
密閉容器に保存して室内に放置。
毎年色んな寄生虫が羽化してきて、簡単ながらなかなか面白いテーマなのです。
11月下旬
コアシナガバチ古巣を収めた密閉容器内に小さな黒いハチが一匹止まっていました。
寄生蜂が羽化したようです。
素直に考えれば寄主はコアシナガバチと思われますが、ヤドリバエまたは後日多数羽化してくるカザリバガ科マダラトガリホソガの一種(Anatrachyntis sp.)※に寄生した可能性もあります。
(その場合、二次寄生と称してよいのだろうか。)
容器越しに観察しやすいよう蓋の代わりにサランラップを張りました。
寄生蜂は容器壁面に静止しつつ、ときどき長い触角を震わせています。
顔が白い以外は黒を基調としたハチです。
やがて方向転換して容器内を元気に徘徊し始めました。
コアシナガバチの古巣は寄生虫に食い荒らされ(虫食い穴だらけ)次第に細かく崩れていきます。
結局、コアシナガバチの古巣から寄生蜂が計2匹が羽化しました。
後から羽化した個体bは、先に羽化した個体aより小柄で腹端が白い気がします。
個体差なのか性差なのか。
コアシナガバチに寄生する蜂についてインターネットで調べてみました。
アシナガバチヤドリヒメバチ(Latibulus nigrinotum)はフタモンアシナガバチ、キボシアシナガバチおよびコアシナガバチを寄主とするらしいのですが、標本写真を見比べると私の得た寄生蜂とは明らかに別種のようです。
同属のLatibulus hokkaidensisは トガリフタモンアシナガバチおよびコアシナガバチを寄主としますが、北海道にしか分布しないようで除外。下記参考文献のLatibulus argiolusとシノニム(同種)なのだろうか?
また、キボシアシナガバチに寄生するヒメバチArthula flavofasciataも標本写真と見比べると全く違います。
「日本産ヒメバチ目録」をサイト内検索してみると、アシナガバチを寄主とするヒメバチは以上の3種しか記載がありません。
素人目に翅脈からおそらくヒメバチ科だろうと思うのですが、ヒメバチ以外でコアシナガバチに寄生するハチとして、ノミコバチ科のハチノスヤドリコバチ(Elasmus japonicus)が知られています。
しかし成虫の標本写真などを見つけられず、よく分かりません。
森林生物データベースに「(コアシナガバチ)巣房内のハチノスヤドリコバチ」と題した写真が掲載されています。
ステージが明記されていませんが、これが蛹だとすると色が違いますね。
【参考文献】
1. アシナガバチヤドリヒメバチ(新称),Latibulus nigrinotum(Hymenoptera, Ichneumonidae)の寄主の新記録
茨城県自然博物館研究報告 (4), 97-100, 2001-03(PDFファイルはこちら)
2. Bionomics of Elasmus japonicus (Hymenoptera, Elasmidae), a Parasitoid of a Paper Wasp, Polistes snelleni (Hymenoptera, Vespidae)
昆蟲 62(2), 377-383, 1994-06-25(PDFファイルはこちら)
3. Biology of Latibulus argiolus (Hymenoptera, Ichneumonidae), a Parasitoid of the Papar Wasp Polistes biglumis (Hymenoptera, Vespidae)
昆蟲 51(3), 426-434, 1983-09-25 (PDFファイルはこちら)
【追記】
「蜂が好き情報交換BBS」で問い合せたところ、以下の回答を頂きました。
![]() |
軒下@9月下旬 |
しかし、何者かが蜂の巣に寄生しているようです。
崩れた育房に見慣れない褐色の蛹が剥き出しで多数付着しています。
(現場では何となく寄生ハエの蛹かと思ったのですが、定かではありません。)
今季は蜂の巣を定点観察しに通う余力がありませんでした。
11月上旬、コロニーが解散してもぬけの殻となった古巣を採集しました。
密閉容器に保存して室内に放置。
毎年色んな寄生虫が羽化してきて、簡単ながらなかなか面白いテーマなのです。

コアシナガバチ古巣を収めた密閉容器内に小さな黒いハチが一匹止まっていました。
寄生蜂が羽化したようです。
素直に考えれば寄主はコアシナガバチと思われますが、ヤドリバエまたは後日多数羽化してくるカザリバガ科マダラトガリホソガの一種(Anatrachyntis sp.)※に寄生した可能性もあります。
(その場合、二次寄生と称してよいのだろうか。)
※ 続報はこちら→「コアシナガバチの古巣から室内羽化したマダラトガリホソガの一種(寄生蛾)」
容器越しに観察しやすいよう蓋の代わりにサランラップを張りました。
寄生蜂は容器壁面に静止しつつ、ときどき長い触角を震わせています。
顔が白い以外は黒を基調としたハチです。
やがて方向転換して容器内を元気に徘徊し始めました。
コアシナガバチの古巣は寄生虫に食い荒らされ(虫食い穴だらけ)次第に細かく崩れていきます。
結局、コアシナガバチの古巣から寄生蜂が計2匹が羽化しました。
後から羽化した個体bは、先に羽化した個体aより小柄で腹端が白い気がします。
個体差なのか性差なのか。
![]() |
寄生蜂a標本(翅脈を記録しようとしたら前翅破損) |
![]() |
寄生蜂b標本(aより小柄で腹端が白い。) |
コアシナガバチに寄生する蜂についてインターネットで調べてみました。
アシナガバチヤドリヒメバチ(Latibulus nigrinotum)はフタモンアシナガバチ、キボシアシナガバチおよびコアシナガバチを寄主とするらしいのですが、標本写真を見比べると私の得た寄生蜂とは明らかに別種のようです。
同属のLatibulus hokkaidensisは トガリフタモンアシナガバチおよびコアシナガバチを寄主としますが、北海道にしか分布しないようで除外。下記参考文献のLatibulus argiolusとシノニム(同種)なのだろうか?
また、キボシアシナガバチに寄生するヒメバチArthula flavofasciataも標本写真と見比べると全く違います。
「日本産ヒメバチ目録」をサイト内検索してみると、アシナガバチを寄主とするヒメバチは以上の3種しか記載がありません。
素人目に翅脈からおそらくヒメバチ科だろうと思うのですが、ヒメバチ以外でコアシナガバチに寄生するハチとして、ノミコバチ科のハチノスヤドリコバチ(Elasmus japonicus)が知られています。
しかし成虫の標本写真などを見つけられず、よく分かりません。
森林生物データベースに「(コアシナガバチ)巣房内のハチノスヤドリコバチ」と題した写真が掲載されています。
ステージが明記されていませんが、これが蛹だとすると色が違いますね。
【参考文献】
1. アシナガバチヤドリヒメバチ(新称),Latibulus nigrinotum(Hymenoptera, Ichneumonidae)の寄主の新記録
茨城県自然博物館研究報告 (4), 97-100, 2001-03(PDFファイルはこちら)
2. Bionomics of Elasmus japonicus (Hymenoptera, Elasmidae), a Parasitoid of a Paper Wasp, Polistes snelleni (Hymenoptera, Vespidae)
昆蟲 62(2), 377-383, 1994-06-25(PDFファイルはこちら)
3. Biology of Latibulus argiolus (Hymenoptera, Ichneumonidae), a Parasitoid of the Papar Wasp Polistes biglumis (Hymenoptera, Vespidae)
昆蟲 51(3), 426-434, 1983-09-25 (PDFファイルはこちら)
【追記】
「蜂が好き情報交換BBS」で問い合せたところ、以下の回答を頂きました。
松浦誠著「社会性カリバチの生態と進化」によると、アシナガバチの巣に寄生するヒメバチとして Arthula formosana と Latibulus sp. が挙げられていましたが、しぐま様のブログでご指摘の通り、日本産ヒメバチ目録の画像とは全く違った種のようです。
巣の崩れ具合は、多数羽化してきたマダラトガリホソガの一種(Anatrachyntis sp.)によるものなのでしょうね。そうなると、そちらに寄生していたものである可能性が高くなってきますが、種の特定となると、残念ながら私にはお手上げです。
Labels:
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生,
発生
2012/01/02
2012/01/01
ミルンヤンマ♂
新年明けましておめでとうございます。
これからも「Σ こんちゅーぶ!」をよろしくお願いします。
辰年ということで、干支に因んだDragonflyネタからお届けします。
2011年10月下旬
林縁の枝先にトンボが止まっていました。
動画を撮ろうとしても薄暗い夕方でストロボ必須なので断念。
素手で捕獲すると大して暴れることもなく、地面に置いても逃げずにじっとしています。
体長72mm。
帰ってから調べてみると、日本特産種のミルンヤンマ♂と判明。
嬉しい初物です。
ミルンとは耳慣れない謎の名前ですが、明治時代に来日した英国人地質学者ジョン・ミルン氏に因んで命名されたそうです。
【追記】
井上清、谷幸三『トンボのすべて:第2改訂版』によると、
ミルンヤンマなどヤンマ科の種の止まり方は大概「ぶら下がり型」なのだそうです。
これからも「Σ こんちゅーぶ!」をよろしくお願いします。
辰年ということで、干支に因んだDragonflyネタからお届けします。
2011年10月下旬
林縁の枝先にトンボが止まっていました。
動画を撮ろうとしても薄暗い夕方でストロボ必須なので断念。
素手で捕獲すると大して暴れることもなく、地面に置いても逃げずにじっとしています。
体長72mm。
帰ってから調べてみると、日本特産種のミルンヤンマ♂と判明。
嬉しい初物です。
ミルンとは耳慣れない謎の名前ですが、明治時代に来日した英国人地質学者ジョン・ミルン氏に因んで命名されたそうです。
【追記】
井上清、谷幸三『トンボのすべて:第2改訂版』によると、
トンボは飛び出すとあまり止まらない「飛翔型」と止まっている比率の高い「静止型」に分かれますが、「飛翔型」のトンボはぶら下がって止まります。それは胸の筋肉が大部分翅を動かす方に使われ、肢でからだを支えることにあまり配分されていないためと考えられています。 (p88より引用)
ミルンヤンマなどヤンマ科の種の止まり方は大概「ぶら下がり型」なのだそうです。
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