2021/12/25

夜にコシアブラ幼木の葉に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後17:08および午後19:39 

タヌキの溜め糞aを監視するため里山の林道に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に野生ニホンカモシカCapricornis crispus)の行動も撮れていました。 

シーン1:午後17:08(日没時刻は午後17:14) 
日没直前なのですが、現場は鬱蒼とした雑木林の西斜面でかなり薄暗く、赤外線の暗視映像(モノクロ)になっています。 
カモシカは画面の右から林道を歩いて来たのではないかと予想しますが、登場シーンが撮れてません。 
 林道脇でアカマツの木の右隣に生えたコシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、顔を頻りに擦りつけています。 
カモシカは眼下腺の分泌物を植物に擦り付けてマーキングし、縄張りを主張するのです。
カモシカの眼の下には、泣きボクロのようなほんの小さな突起がある。これが、眼下腺と呼ばれるもので、ここからある種の分泌物を出す。その分泌物は、液体状であり、大気に触れると乳白色をしたゼリー状に固まる。(工藤樹一『カモシカの森から―白神・津軽 北の自然誌』p124より引用)
その後、カモシカは林道を外れ、画面奥の急斜面(谷)を下って行きました。 
斜面の途中で立木の幹にも眼下腺マーキングしたように見えました。 


シーン2:午後19:40 
翌日の夜にもニホンカモシカが登場しました。 
今回も登場シーンが撮れてないので、画面左から林道を歩いて来たのか、谷の急斜面を登って来たのか、不明です。 
前夜と同じく、コシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、眼下腺を擦り付けました。 
同一個体なのか別個体なのか、私には個体識別できないのが残念です。 
真っ暗な林道をゆっくり歩いて右へ立ち去りました。 

2回とも、カモシカはコシアブラの葉を採食しませんでした。 
眼下腺由来の酸っぱい匂いがするかどうか、現場で確認したかったのですが、忘れてしまいました。 
ヒトの嗅覚ではほとんど嗅ぎ取れないのかもしれません。


関連記事(3、6、11年前の撮影)▶  
ニホンカモシカの眼下腺マーキング(@アカマツの幹) 
笹の葉に眼下腺でマーキングするニホンカモシカ 

スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ

トレイルカメラの電池交換のため現場入りした翌日に、カモシカがマーキングしていた幼木の写真を撮りました。
撮れた動画をその場でチェックできるので、すぐに写真に撮れたのです。
うっかりオニグルミかと勘違いしたのですが、コシアブラの幼木でした。
掌状複葉で長い葉柄があるので、トチノキではなくコシアブラです。
その後、このコシアブラ幼木は冬越しのために黄葉、落葉しました。

コガタスズメバチ♀はツリフネソウの花蜜を吸えるか?

 

2021年9月下旬・午後13:00頃・晴れ
前回の記事:▶ マミガサキアザミの花蜜を吸い探餌飛翔するコガタスズメバチ♀

山腹で山道の横に咲き乱れる花畑でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀はアザミに続いてツリフネソウに訪花しました。 
正当訪花で吸蜜していたように見えましたが、カメラのピントが間に合わず残念でした。 
ツリフネソウの花の構造上、スズメバチが舌を伸ばしても距の奥にある蜜腺に届かない気がします。 
吸蜜できたのなら、それはそれでスクープ映像になったはずです。 

その後、コガタスズメバチ♀は近くの葉にしがみついて身繕い。 
再び同じツリフネソウの花に戻ると、その手前でホバリングしてから飛び去りました。 
蜜源として花の場所を記憶するための行動でしょうか? 
しかし定位飛行の飛び方とは違いました。 

近くの葉にしがみついて再び身繕い。 
前脚で頻りに顔を拭っています。 

化粧が済んだコガタスズメバチ♀は次にトリカブトの仲間の群落に飛んで行きました。 
花に着陸・吸蜜しなかったので、獲物を探索しただけのようです。(探餌飛翔)

2021/12/24

夕方に電柱から飛ぶノスリを流し撮り(野鳥)

 

2021年9月中旬・午後17:30頃・晴れ 

夕方の田園地帯で道端の電柱の天辺に止まっているノスリButeo japonicus)を発見。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
やや風が強く、羽毛が風になびいています。 
私がカメラをズームアウトしかけたら、電柱から飛び立ってくれました。 
逆風に流されながらも羽ばたきと短い滑空を交互に繰り返して飛び回る様子を上手く流し撮りできました。 

飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
このスローリプレイのシーンだけ動画編集時に逆光補正して、ノスリの識別点である翼の下面の斑紋を確認しました。

似たような動画はこれまで何度も撮っているのですが、撮影地点がいつものフィールドではありません。 
同じ里山の麓でも私が普段あまり行かない逆側の山麓(山を越えて反対側)でした。 
素人の予想では、おそらく顔馴染みの個体の縄張りではないはずです。 
山を越えて高く飛んで行くノスリを見た記憶が無いからです。
ノスリを個体識別できるようになりたいのですが、難しいです。 





シソの葉を蚕食するナシケンモン(蛾)終齢幼虫【30倍速映像】

 

ナシケンモン(蛾)の飼育#15

前回の記事:▶ アカジソの葉を食べるナシケンモン(蛾)終齢幼虫

2021年9月下旬・午後12:20〜15:30頃

アカジソ(赤紫蘇)の葉裏に隠れて食休みしていたナシケンモンViminia rumicis)の終齢幼虫が葉縁に顔だけ出して食事を始めました。 
シソの葉を蚕食する様子を微速度撮影してみました。 
30倍速の早回し映像をご覧ください。 

2021/12/23

夜の林道で溜め糞を調べ、排便、逃走するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2021年9月下旬・夜 

里山の林道に仕掛けておいたトレイルカメラで9月に撮れた映像をまとめました。

シーン1:午後19:31 
夜になると里山の林道をホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がまたパトロールしにやって来ました。 
ところが今回は溜め糞の臭いを嗅いだだけで迂回し、そのまま右へ立ち去りました。 

シーン2:午後23:29 
4時間後、またタヌキが現れました。 
個体識別できていないので、同一個体なのか別個体なのか、不明です。 
溜め糞の臭いを嗅いでからそこに跨がると、カメラ目線で排便しました。 
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)の赤外線LEDがうっすらと赤く光って見えて気になるのか、タヌキは頭を上下に振って周囲の匂いを嗅いだりしています。 
排便後はそのまま右へ立ち去りました。 
タヌキはイヌ科ですけど、犬のように糞を埋めて隠す行動は今回もやりませんでした。 
複数個体が同じ溜め糞を共有し、排泄物の匂いで互いにコミュニケーションしているので、タヌキにとって糞を隠す必要はありません。
その後はカメラの設置してある林道法面へ興味津々で近寄って来ました。 
動画の音声ボリュームを上げて聞いてもらうと分かるように、この安物のトレイルカメラからは録画中に「ミミミ、ミミ…♪」とファックスのような電子ノイズが絶えず発生しています。 
野生動物の耳にはこのかすかな音が聞こえるのかもしれません。 
さすがに法面を登っては来ませんでした。 
カメラに興味を失ったタヌキは、地面の匂いを嗅ぎながら林道を横断すると、林道脇の立木の根元の匂いを嗅いで回ります。 
別の溜め糞の存在に気づくと、匂いを嗅ぎました。(@2:03) 
その溜め糞に跨がりかけたところで、残念ながら1分間の録画時間が切れてしまいました。 
今度は小便をかけてマーキングしたのかもしれません。 
それともタヌキは大便を複数回に分けて排泄する、という器用な芸当ができるのでしょうか? 

シーン3:2日後の午前00:04 
同じ溜め糞にタヌキが跨って排便した後、画面左へ立ち去りました。 
ところが5秒後に、同一個体が左から右へ走って画面を横切りました。 
夜道で何かに出会って驚いたタヌキが慌てて引き返して来たようです。 
何に驚いたのか知りたいところですが、追跡者は何もカメラに写っていませんでした。



【追記】
シーン3が撮れた同じ日の午後15:25頃に、トレイルカメラの電池を交換するために現地入りしました。
林道上に点々と残された溜め糞aの状態を撮った写真を以下に掲載します。






新鮮な下痢便(液状便)の中に糞虫2匹が潜り込んでいました。
頭隠して尻隠さずの状態ですが、おそらくセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)だろうと思います。
それから興味深い収穫として、鞘翅に橙色と黒色の斑紋がある甲虫もタヌキの品線な糞に潜り込んでいました。 
これはヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)ですかね? 
シデムシの仲間は屍肉食専門だと思っていたので、獣糞に来るとは驚きました。 
食糞性もあるのでしょうか。 
 (それとも、溜め糞の下に死体が埋まっていたりして…。) 
薄暗い現場で私は全くヨツボシモンシデムシの存在に気づかずに、写真だけ撮っていました。
タヌキが捕食したヨツボシモンシデムシの鞘翅が消化されないまま排泄された可能性も考えられます。
しかし、連続して撮った2枚の写真を見ると、ヨツボシモンシデムシの体勢が変わっていたので、死骸ではなく生きています。 
動画で記録できなかったのが残念です。


関連記事(1年後に別地点の溜め糞場で動画撮影)▶ タヌキの溜め糞場で活動するヨツボシモンシデムシ



イチジク熟果の果汁を飲むコガタスズメバチ♀

 

2021年9月下旬・午後15:20頃・晴れ 

民家の庭先に植栽されたイチジク(無花果)の熟した果実にコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が来ていました。 
熟果から滴る果汁を一心不乱に舐めています。 

オオスズメバチと異なり、コガタスズメバチは果肉をあまり大顎で齧らない印象があります。
関連記事(4年前の撮影)▶ 熟したイチジクの果実を食害するコガタスズメバチ♀とニホンミツバチ♀

この日は他に多数のオオスズメバチ♀および少数のキイロスズメバチ♀もイチジクの熟果に集まっていました。 
スズメバチ間の争い(占有行動)を見なかったのは、餌資源が充分にあるためでしょう。

2021/12/22

ダイサギと稲刈りと案山子(野鳥)

 

2021年9月下旬・午後14:55頃・晴れ 

黄金色の稲穂が実る田んぼの横の用水路に1羽のダイサギArdea alba)が居ました。 
どうやら狭い用水路内で採食していたようですが、私がカメラを向けた途端に警戒して、横の農道に慌てて飛び出して来ました。 
手前の畦道に案山子が立っていますが、ダイサギは怖がっている(避けている)様子はありません。 
農家の服や帽子を着せている昔ながらの案山子で、私も久しぶりに見ました。 

ダイサギは道端の草むらまで歩いて来ると、なぜか全身の羽毛を逆立ててから、少し足を屈めるとギシギシ群落の上に白い液状便を排泄しました。(@0:19) 
やがて羽繕いを始めました。 
本当は用水路に戻って採食を続けたいのに、私が立ち去らないことに苛立ち、真空行動からくる羽繕いかもしれません(腹立ち紛れ)。 

風がやや強いもののよく晴れていて、奥の砂利道からは陽炎が立ち昇っています。 
ダイサギは私に対して横向きになり、横目で常にこちらの様子を窺っているようです。 
 砂利が敷かれた農道をゆっくりと横断しかけたものの、しばらく佇んでいます。 

遂に方向転換すると、農道から飛び立ちました。(@2:00) 
飛び立つ瞬間に嘴を開いたので、もしかすると小声で抗議するように鳴いたのかもしれません。 
強風に煽られながら、田んぼの上空を右旋回から左旋回に切り替えながら飛び去りました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返し、遠くの刈田に着陸しました。 
着陸地点の手前に別な案山子(これも旧式)が立っていましたが、ダイサギは特に恐れたり避けたりした様子はありませんでした。(@2:32) 
動かないので本物のヒトではないと見破っているようです。 

留鳥ダイサギは種子食性ではなく魚や昆虫を捕食するので、米農家にとって害鳥ではなく益鳥になります。
関連記事(3年前の撮影)▶ 収穫期の田んぼでイナゴを捕食するダイサギ(野鳥)
この日はちょうど、田んぼの稲刈りがあちこちで進行中でした。 
撮影の最後にカメラを左右にパンして、稲刈り中のコンバインを2台写しました。 
鳥の生態(食性)に関する本を読むと、稲刈り機(コンバイン)の周囲に集まって、逃げて行くイナゴを捕食する野鳥がいることが知られています。
騒音を立てて動き回るコンバインは鳥にとって恐ろしい存在であるはずなのに、それを賢く利用するのです。 
オートライシズムと呼ばれるその共生行動を私も動画に撮りたくて、毎年稲刈りシーズンになると田園地帯を探し歩いているのですが、当地ではなぜか一度も見かけたことがありません。
稲刈り作業中のコンバインの周囲からはたくさんの虫が飛び出してくるということを学習する機会がなかったのでしょうか? 
つまりオートライシズムは学習を必要とする食文化で、当地の個体群には伝来していないのかもしれません。 
あるいは、爆音器などで鳥を田畑から追い払うことがつい最近まで続いていたので、当地の野鳥はヒトを恐れる習性が抜けていないのではないかと思います。 
それとも、この辺りは餌が豊富で、オートライシズムしなくても腹が充分に満たされているのかな? 
ただし、春の田んぼを耕す際にトラクターの周囲に鳥が集まるオートライシズムは観察しています。
関連記事(3年前の撮影)▶ 耕運機を利用して虫を捕食するムクドリの群れ:オートライシズム(野鳥)
私が一番懸念しているのは、この地域の田んぼは稲刈り前に農薬を散布し過ぎて虫が少ないのではないか?という可能性です。

更に左にパンすると、鳥追いカイト(鷹型)2機が強風に煽られて激しく踊っていて、稲刈り前の区画をスズメなどから守っていました。 
この新型の案山子の近くで活動するダイサギは未だ1度も見たことがないので、鳥追いカイト(鷹型)はそれなりに防鳥効果があるようです。

タヌキの溜め糞を見張るベッコウバエ♂

 

2021年9月下旬・午後15:20頃・くもり 

里山の林道上に点々と残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞aを調べていたら、すぐ横のカエデ幼木の葉柄にベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)が止まっていました。 
ウワミズザクラ幼木の葉に止まり直した時に横から腹背が見えて♂と判明しました。
(ベッコウバエの)♂と♀は腹部の色で見分けることができ、♂は赤褐色で黄色い長毛が生えており、♀は黒褐色で♂ほど毛が目立たない。 (『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p65より引用)
数匹のベッコウバエ♂が溜め糞の付近を飛び回るものの、近くの葉上に止まって身繕いしたりするだけで、なぜか獣糞に着陸して吸汁することはありませんでした。 
私に対して警戒心が強いのかもしれませんが、おそらく交尾相手の♀が溜め糞に飛来するのを待ち構えているのでしょう。 
薄暗い現場ではよく分からなかったのですけど、ストロボを焚いて溜め糞を撮った写真を拡大すると、タヌキの糞の表面に白い薄片のような物体が大量にまぶされていました。 
一見すると植物の種子のように見えますが、これはベッコウバエの卵なのだそうです。 
今回、残念ながらベッコウバエ♀の姿は見かけませんでした。 

 ベッコウバエは獣糞に集まる常連客の一種です。 
ヒトが溜め糞に近づくと一斉に飛び立って逃げるのですが、虫をよく知らないヒトは一瞬キイロスズメバチに見えてたじろぐかもしれません。 
天敵に捕食されないためのベーツ型の擬態なのでしょうか? 
キイロスズメバチ♀自身も溜め糞に集まる虫を狩ろうと探餌飛翔を繰り返していました。
関連記事(同日に同所で撮影)▶ タヌキの溜め糞で獲物を待ち伏せホバリングするキイロスズメバチ♀
ふと思いついたのですが、ベッコウバエの姿はキイロスズメバチ♀に襲われないための擬態ではないでしょうか? 
溜め糞の近くでキイロスズメバチ♀が狩りに成功するシーンをなんとか粘って見届けたいものです。(獲物を知りたい)

2021/12/21

イエネコの夜食タイムを隠し撮り【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年9月下旬・午前00:50頃 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)の練習で、飼い猫(キジトラ去勢♂)の夜の行動を記録してみました。 
イエネコFelis silvestris catus)は深夜にケージへやって来ると床に座り、皿に入れて置いたキャットフードをカリカリと貪り食べ始めました。 
夜食を食べ終えると、立ち上がると右へ歩き去りました。 
暗視カメラの正面でちょっと立ち止まったものの、野生動物と比べると鈍感で、トレイルカメラの存在に全く気づいてない様子。 (慣れてしまって無視してる?)
ケージの左奥に水が置いてあるのに、なぜか一度も飲んでいるのを見たことがありません。


マミガサキアザミの花蜜を吸い探餌飛翔するコガタスズメバチ♀

 

2021年9月下旬・午後12:55頃・晴れ 

里山の山道の横に咲いたマミガサキアザミの群落でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が訪花していました。 
珍しく吸蜜しているようですが、茂みの奥なのでカメラのピントを合わせにくく、すぐに飛び立ってしまいました。 
秋の花畑を忙しなく飛び回り、獲物を探しています(探餌飛翔)。 
2回目にマミガサキアザミに着陸した際には、総苞を調べただけで吸蜜しないで飛び去りました。

マミガサキアザミの群落を離れたコガタスズメバチ♀は次に…。 

2021/12/20

深夜の山林を滑空するムササビ?モモンガ?コウモリ?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年9月下旬・午後23:30頃 

里山の林道でタヌキの溜め糞aをトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視していたら、ムササビPetaurista leucogenys)またはモモンガPteromys momonga)らしき飛翔体が夜中に偶然撮れていました。 
現場は山腹をトラバースする林道で、画面の手前から奥に向かって斜面が下っています。 
一番左の立木はアカマツで、それともう1本右隣りの灌木の間をムササビ?はすり抜けるように滑空して来ました。 
残念なことに、このトレイルカメラの動画はフレームレートが15fpsしか無いので、野生動物の素早い動きを滑らかに記録できません。 
コウモリや夜蛾にしては羽ばたいている感じがなく、私には滑空しているように見えます。 
ムササビ?はアカマツの幹に着地する直前でなぜか急上昇に転じて姿を消しました。 
飛びながらトレイルカメラの存在(赤外線LED)に気づいて緊急回避したのかな? 
滑空しかできないムササビでもこのぐらい器用な飛び方は可能でしょう。 

出現時の暗い映像を明るく加工して※、1/5倍速のスロー再生すると、飛跡が途中で屈曲していました。 
やはりコウモリのような気がしてきました。 
ムササビが途中の木を中継(着地)してすぐに再滑空したにしては早すぎます。 
※ 動画編集時に正規化を施して全体を明るく補正しています。 

スローモーションにしても不鮮明で、私にはムササビとモモンガの区別もつきませんでした。
モモンガとの相違点 漢字表記の「鼯鼠」がムササビと同時にモモンガにも用いられるなど両者は古くから混同されてきた。両者の相違点としては上述の個体の大きさが挙げられるが、それ以外の相違点としては飛膜の付き方が挙げられる。モモンガの飛膜は前肢と後肢の間だけにあるが、ムササビの飛膜は前肢と首、後肢と尾の間にもある[2]。また、ムササビの頭部側面には、耳の直前から下顎にかけて、非常に目立つ白い帯がある(画像参照)。(wikipedia:ムササビより引用)
私にとってムササビの仲間は馴染みがなくて勉強不足です。 
この里山に生息しているらしい、ということは冬のフィールドサイン(雪面の足跡など)でなんとなく予想していました。
ムササビは冬眠しません。 
営巣地を突き止めたいものです。


アカジソの葉を食べるナシケンモン(蛾)終齢幼虫

 

ナシケンモン(蛾)の飼育#14 


2021年9月下旬・午前11:30頃・室温24.4℃ 

和食の薬味として香り高いシソが好きなので、道端にたくましく自生するアカジソ(赤紫蘇)の株を根こそぎ掘り取り、持ち帰ってきました。 
誰かの畑や家庭菜園から勝手に盗んできた訳ではありません。 
公道の横から赤紫色の小さな花が咲いている株を採取しました。 
野鳥が種子散布する結果、あちこちに分布を広げているのです。(栽培作物の野生化)



植木鉢に移植して室内で栽培を始めると、葉に食痕(虫食い跡)が広がることに気づきました。 
犯人を探すと、ナシケンモンViminia rumicis)の幼虫を見つけました。 
アカジソの株と一緒に連れてきてしまったようです。 
そのまま飼育することにします。

4日後、シソの葉裏で脱皮して終齢になりました。 
腹端付近に脱皮殻(抜け殻)が残されていました。 
残念ながら脱皮の様子を動画で記録できませんでした。
やがて食欲が戻ったナシケンモン終齢幼虫は移動すると、シソの葉の裏側に隠れたまま、葉縁をモリモリと齧り始めました。
食事シーンをマクロレンズで接写してみましょう。 
幼虫の頭部は真っ黒です。 
シソの葉に噛み傷が付くと、シソ独特の芳香が広がります。 
ナシケンモン幼虫の食草リストにシソは含まれていませんでしたが、広食性なだけあって、あまり好き嫌いなく何でも食べるようです。


2021/12/19

飛来したノスリが携帯電話の中継塔に止まる(野鳥)

 

2021年9月下旬・午前11:50頃・くもり 

電柱の天辺に止まっていたノスリButeo japonicus)にカメラを向けた途端に警戒したのか、すぐに飛び立ちました。 
ところで、このコンクリート電柱の天辺だけペンキで黄色く塗られているのは、どういう意味があるのでしょう?
 

ノスリはピーエ♪と甲高く繰り返し鳴きながら飛び去りました。 
民家の防風林として聳え立つ3本のモミのうち、左の大木の樹冠に止まりました。 
モミの枝には黄色の未熟な球果(松ぼっくり)が多数なっていました。 
ところが、ノスリはなぜか落ち着かずにすぐにまたモミの木から飛び出しました。 

滑空すると、近くの携帯電話用基地局(中継塔)の天辺に止まり直しました。 
尾羽を左右に振り、ピョンと跳んで縦のアンテナの天辺に移動しました。 
ここでもピーエ♪と鳴きました。 
嘴を開く動きと鳴き声がほぼ同期したので、この個体の鳴き声で間違いありません。 
(やや遠いので、音声が届くまで少し遅れます。) 
ようやく落ち着いたのか鳴かなくなり、辺りを見回しています。 

※ 風切り音にかき消されそうなノスリの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

捕獲しても鳴かず飛ばずのコブヤハズカミキリ

 

2021年9月下旬・午後16:15頃・くもり 

里山の山道(標高535m地点)をコブヤハズカミキリMesechthistatus binodosus binodosus)が歩いていました。 
久しぶりに出会ったので取り押さえると、おとなしくなりました(擬死状態)。 
定規を並べて採寸します。 
性別は? 

触角に指で繰り返し触れてもなかなか逃げようとしません。 
指で摘み上げて一時捕獲しました。 
顔を正面から接写すると、大顎を大きく開きっぱなしにしていました。 
他種のカミキリムシのように捕獲時に鋭い大顎を開閉する方が威嚇効果があると思うのですが、やりませんでした。
キーキー♪鳴いたり私の手に噛み付こうとしたりしませんでした。 
ほとんど暴れず、おとなしくしています。 
私が指を離すと、手のひらをせかせかと徘徊。 
本種は後翅が退化していて飛べないので、手のひらから地面に転がり落ちました。 

こうした特徴は昔に撮影済みですが、今回は高画質のFHD動画で撮り直しました。 
過去の2回とも、捕まえてもおとなしくて、他のカミキリムシのようにキーキー鳴いて抗議することはありませんでした。
関連記事(12、13年前の撮影)▶  
コブヤハズカミキリ@山道 
コブヤハズカミキリ@ホオノキ


このグループは飛べないので本州の各地域によって種分化しているらしいのですが、東北地方にはコブヤハズカミキリしか分布していないそうです。

 

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