2021年9月下旬・午後15:20頃・くもり
里山の林道上に点々と残されたホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞aを調べていたら、すぐ横のカエデ幼木の葉柄にベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)が止まっていました。
ウワミズザクラ幼木の葉に止まり直した時に横から腹背が見えて♂と判明しました。
(ベッコウバエの)♂と♀は腹部の色で見分けることができ、♂は赤褐色で黄色い長毛が生えており、♀は黒褐色で♂ほど毛が目立たない。 (『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p65より引用)数匹のベッコウバエ♂が溜め糞の付近を飛び回るものの、近くの葉上に止まって身繕いしたりするだけで、なぜか獣糞に着陸して吸汁することはありませんでした。
私に対して警戒心が強いのかもしれませんが、おそらく交尾相手の♀が溜め糞に飛来するのを待ち構えているのでしょう。
薄暗い現場ではよく分からなかったのですけど、ストロボを焚いて溜め糞を撮った写真を拡大すると、タヌキの糞の表面に白い薄片のような物体が大量にまぶされていました。
一見すると植物の種子のように見えますが、これはベッコウバエの卵なのだそうです。
【参考サイト】虻も蜂も取りにいこう:ベッコウバエの親子
今回、残念ながらベッコウバエ♀の姿は見かけませんでした。
ベッコウバエは獣糞に集まる常連客の一種です。
ヒトが溜め糞に近づくと一斉に飛び立って逃げるのですが、虫をよく知らないヒトは一瞬キイロスズメバチに見えてたじろぐかもしれません。
天敵に捕食されないためのベーツ型の擬態なのでしょうか?
キイロスズメバチ♀自身も溜め糞に集まる虫を狩ろうと探餌飛翔を繰り返していました。
関連記事(同日に同所で撮影)▶ タヌキの溜め糞で獲物を待ち伏せホバリングするキイロスズメバチ♀ふと思いついたのですが、ベッコウバエの姿はキイロスズメバチ♀に襲われないための擬態ではないでしょうか?
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