2021年9月下旬・夜
里山の林道に仕掛けておいたトレイルカメラで9月に撮れた映像をまとめました。
シーン1:午後19:31
夜になると里山の林道をホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)がまたパトロールしにやって来ました。
ところが今回は溜め糞の臭いを嗅いだだけで迂回し、そのまま右へ立ち去りました。
シーン2:午後23:29
4時間後、またタヌキが現れました。
個体識別できていないので、同一個体なのか別個体なのか、不明です。
溜め糞の臭いを嗅いでからそこに跨がると、カメラ目線で排便しました。
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)の赤外線LEDがうっすらと赤く光って見えて気になるのか、タヌキは頭を上下に振って周囲の匂いを嗅いだりしています。
排便後はそのまま右へ立ち去りました。
タヌキはイヌ科ですけど、犬のように糞を埋めて隠す行動は今回もやりませんでした。
複数個体が同じ溜め糞を共有し、排泄物の匂いで互いにコミュニケーションしているので、タヌキにとって糞を隠す必要はありません。
その後はカメラの設置してある林道法面へ興味津々で近寄って来ました。
動画の音声ボリュームを上げて聞いてもらうと分かるように、この安物のトレイルカメラからは録画中に「ミミミ、ミミ…♪」とファックスのような電子ノイズが絶えず発生しています。
野生動物の耳にはこのかすかな音が聞こえるのかもしれません。
さすがに法面を登っては来ませんでした。
カメラに興味を失ったタヌキは、地面の匂いを嗅ぎながら林道を横断すると、林道脇の立木の根元の匂いを嗅いで回ります。
別の溜め糞の存在に気づくと、匂いを嗅ぎました。(@2:03)
その溜め糞に跨がりかけたところで、残念ながら1分間の録画時間が切れてしまいました。
今度は小便をかけてマーキングしたのかもしれません。
それともタヌキは大便を複数回に分けて排泄する、という器用な芸当ができるのでしょうか?
シーン3:2日後の午前00:04
同じ溜め糞にタヌキが跨って排便した後、画面左へ立ち去りました。
ところが5秒後に、同一個体が左から右へ走って画面を横切りました。
夜道で何かに出会って驚いたタヌキが慌てて引き返して来たようです。
何に驚いたのか知りたいところですが、追跡者は何もカメラに写っていませんでした。
【追記】
シーン3が撮れた同じ日の午後15:25頃に、トレイルカメラの電池を交換するために現地入りしました。
林道上に点々と残された溜め糞aの状態を撮った写真を以下に掲載します。
新鮮な下痢便(液状便)の中に糞虫2匹が潜り込んでいました。
頭隠して尻隠さずの状態ですが、おそらくセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)だろうと思います。
それから興味深い収穫として、鞘翅に橙色と黒色の斑紋がある甲虫もタヌキの品線な糞に潜り込んでいました。
これはヨツボシモンシデムシ(Nicrophorus quadripunctatus)ですかね?
シデムシの仲間は屍肉食専門だと思っていたので、獣糞に来るとは驚きました。
食糞性もあるのでしょうか。
(それとも、溜め糞の下に死体が埋まっていたりして…。)
薄暗い現場で私は全くヨツボシモンシデムシの存在に気づかずに、写真だけ撮っていました。
タヌキが捕食したヨツボシモンシデムシの鞘翅が消化されないまま排泄された可能性も考えられます。
しかし、連続して撮った2枚の写真を見ると、ヨツボシモンシデムシの体勢が変わっていたので、死骸ではなく生きています。
動画で記録できなかったのが残念です。
関連記事(1年後に別地点の溜め糞場で動画撮影)▶ タヌキの溜め糞場で活動するヨツボシモンシデムシ
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