2021年10月上旬・午後17:08および午後19:39
タヌキの溜め糞aを監視するため里山の林道に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に野生ニホンカモシカ(Capricornis crispus)の行動も撮れていました。
シーン1:午後17:08(日没時刻は午後17:14)
日没直前なのですが、現場は鬱蒼とした雑木林の西斜面でかなり薄暗く、赤外線の暗視映像(モノクロ)になっています。
カモシカは画面の右から林道を歩いて来たのではないかと予想しますが、登場シーンが撮れてません。
林道脇でアカマツの木の右隣に生えたコシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、顔を頻りに擦りつけています。
カモシカは眼下腺の分泌物を植物に擦り付けてマーキングし、縄張りを主張するのです。
カモシカの眼の下には、泣きボクロのようなほんの小さな突起がある。これが、眼下腺と呼ばれるもので、ここからある種の分泌物を出す。その分泌物は、液体状であり、大気に触れると乳白色をしたゼリー状に固まる。(工藤樹一『カモシカの森から―白神・津軽 北の自然誌』p124より引用)その後、カモシカは林道を外れ、画面奥の急斜面(谷)を下って行きました。
斜面の途中で立木の幹にも眼下腺マーキングしたように見えました。
シーン2:午後19:40
翌日の夜にもニホンカモシカが登場しました。
今回も登場シーンが撮れてないので、画面左から林道を歩いて来たのか、谷の急斜面を登って来たのか、不明です。
前夜と同じく、コシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、眼下腺を擦り付けました。
同一個体なのか別個体なのか、私には個体識別できないのが残念です。
真っ暗な林道をゆっくり歩いて右へ立ち去りました。
2回とも、カモシカはコシアブラの葉を採食しませんでした。
眼下腺由来の酸っぱい匂いがするかどうか、現場で確認したかったのですが、忘れてしまいました。
ヒトの嗅覚ではほとんど嗅ぎ取れないのかもしれません。
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・ニホンカモシカの眼下腺マーキング(@アカマツの幹)
・笹の葉に眼下腺でマーキングするニホンカモシカ
・スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ
トレイルカメラの電池交換のため現場入りした翌日に、カモシカがマーキングしていた幼木の写真を撮りました。
撮れた動画をその場でチェックできるので、すぐに写真に撮れたのです。
うっかりオニグルミかと勘違いしたのですが、コシアブラの幼木でした。
掌状複葉で長い葉柄があるので、トチノキではなくコシアブラです。
その後、このコシアブラ幼木は冬越しのために黄葉、落葉しました。
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