2024/06/29

トラツグミの落ち葉めくり@秋のアナグマ旧営巣地【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)に、秋になるとトラツグミZoothera aurea)が現れるようになりました。 


シーン0:9/25・午後14:32(@0:00〜) 
 明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場(平地の二次林)の様子です。 
自動センサーカメラでアナグマの巣穴Rを監視しています。 
巣材(寝床)として大量の落ち葉を掻き集めるアナグマが居なくなったので、林床には落ち葉が溜まったままです。 

旧機種トレイルカメラの変な癖で、これ以降はフルカラーで撮れなくなってしまいます。 
※ 画面全体が不自然なピンクになるので、動画編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 


シーン1:10/5・午後13:48・晴れ(@0:04〜) 
地味な迷彩柄のトラツグミがセットに来ていました。 
この地点でトラツグミは初見です。 

二次林の林床をゆっくりトコトコ歩き回ってあちこちの落ち葉を嘴でめくり、裏側に隠れている虫を探しています。 


シーン2:10/8・午前10:01(@1:07〜) 
3日後もトラツグミが右奥の林内をうろつきながら落ち葉めくりをしています。 
手前の灌木が邪魔でよく見えないので、5倍速の早回しの映像にしました。 


シーン3:10/8・午前10:03(@1:21〜) 
つづきです。 
同一個体と思われるトラツグミが林縁からセットの広場にトコトコ出てきました。 
アナグマの巣口Rに小走りで近づいたものの、中には入らず、アクセストレンチの辺りで落ち葉めくりを始めました。 

見事な迷彩柄を身にまとっているため、トラツグミが動きを止めると何処に居るのか見失いそうになります。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 


ヤマハッカの花で採餌のため飛び回るクマバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午前11:50頃・晴れ 

里山の山腹をつづら折れで登る山道に沿ってシソ科植物の群落が唇形花を咲かせていて、様々な昆虫が集まっていました。 
この花はヤマハッカだと思うのですが、どうでしょうか。


訪花昆虫の中で、まずはキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)を紹介します。 
隣に咲いている白い野菊の花(種名不詳)には見向きもしないで、ヤマハッカの群落で花から花へ忙しなく飛び回っています。 
耳を澄ますと、クマバチ♀が飛ぶ重低音の羽音がかすかに聞こえます。 
小さな唇形花に正当訪花を繰り返し、口吻を伸ばして吸蜜していました。 
頭頂部の単眼付近に白い花粉が付着しているものの、後脚の花粉籠は空荷でした。 

ヤマハッカの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:08〜) 
スーパースローにすると、クマバチの羽ばたきがよく見えるようになります。 
「よっこらしょ!」といかにも重そうに飛び立ちます。
花穂に着地してしがみつくと、クマバチ♀の体重で茎がしなります。

2024/06/28

アナグマの旧営巣地でミズキやマルバゴマギの根元に小便をかけてマーキングするホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月上旬

シーン1:10/2・午後20:09・気温14℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地にホンドタヌキ♂(Nyctereutes viverrinus)が右から登場しました。 
アナグマの巣口Lにはなぜか近寄らずに迂回しすると、奥のミズキ(?)立木の根元の匂いを嗅いでから右後足を上げて排尿マーキングしました。(@0:15〜) 
排尿姿勢から♂と分かります。 
獣道を歩いて左へ。 


シーン2:10/2・午後20:28・気温15℃(@0:31〜) 
約18分後、獣道を歩いて左からやって来たタヌキが、さっきと同じミズキ(?)の立木に小便を掛けて行きました。 
タヌキの外見による個体識別ができていないのですが、同一個体が2回も同じ地点に排尿マーキングするなんてことはあるのでしょうか? 
別個体が同じ地点に対抗して排尿マーキングするのは理解できます。(匂い付けによる縄張り宣言) 


シーン3:10/3・午後16:50・気温19℃(@0:58〜) 
獣道を左から歩いてきたタヌキが、アナグマの巣口Lの横に生えたマルバゴマギの細い灌木に通りすがりに放尿しました。 
左後足を上げながら排尿マーキングしたので♂ですね。 
合流した後続個体はマーキングせずに素通りし、2頭による追いかけっこ遊びが始まりました。
幼獣の兄弟姉妹なのかな?



ツユクサの未熟な果実を食べる足環付きのドバト(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後14:10頃・くもり(秋風が強い )

郊外の住宅地を私が歩いていたら、横の路地から1羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が慌てて飛び立ちました。 
ところが少し逃げただけで、道端に生えた雑草の茂みに戻ろうと戻ろうとしています。 
アメリカセンダングサの茂みの陰にただ隠れたいのではなく、どうやらその奥に生えたツユクサの群落が目当てらしい。 
ツユクサの青い花が少しだけ咲き残っていました。 

よく見ると、この個体は右の足首に黄緑のプラスチック製の足環(識別リング)を装着していました。 
記事のタイトルに(野鳥)と入れましたけど、足環が付けられていることから、ペット扱いのレース鳩(伝書鳩)ですね。 
レース中に迷って逃げてしまった(野生化)のかもしれません。 
足環の写真を拡大すると、0049?と数字が刻印されています。(最後の文字は読み取れず) 
私がしつこく撮影してもあまり恐れず、人馴れしていたのも納得です。 

やがて警戒を解くと、ドバトはツユクサの未熟な蒴果を次々と啄み始めました。 
まだ緑色の未熟な果実を次々と捕食しています。 
ハト類は種子捕食者なので、ツユクサの種子を散布する助けにはなりません。 
関連記事(6年前の撮影)▶ ツユクサの実を食べるキジバト(野鳥) 

約2時間後に戻ってきて現場検証しました。 
ツユクサの包葉を手で開くと、その中で未熟な果実が丸く膨らんでいました。 
ツユクサの蒴果の中に種子が最大で4個できるそうです。 
今回私が調べたツユクサは、必ず2個でした。 
鳩に食べられて減ってしまったのかな?
黒く熟した種子は自然に落下して地面に転がるのでしょう(重力散布型の種子)。 

※ 動画素材の順番を入れ替えました。 


【アフィリエイト】 

2024/06/27

ドングリを運んであちこちに隠す秋のカケス:その1【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年9月下旬 

トレイルカメラで見張っているニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地に、秋になるとカケスGarrulus glandarius)が頻繁に現れるようになりました。 
ドングリをせっせと運ぶ様子をまとめました。

シーン0:9/25・午後14:32(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場(平地の二次林)の様子です。 


シーン1:9/26・午後14:21(@0:04〜) 
アナグマの巣口Rの上を横切る木質の細い蔓にカケスが止まっていました。 
嘴に大きなドングリを1個咥えていました。 
すぐにどこかへ飛び去ってしまいました。 
拾い集めたドングリ堅果を林内のどこかにこっそり隠して、食料が不足する冬に備えて貯食するのでしょう。 

 1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン2:10/1・午前9:08・気温19℃(@0:35〜) 
アナグマの巣口Lから斜めに伸びるマルバゴマギの細い灌木にカケスが止まり、巣穴を見ろしていました。 
今回も嘴にドングリを咥えたまま、どこかに飛び去りました。 

1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン3:10/5・午後15:15・気温(@1:06〜) 
嘴にドングリを咥えたカケスが、セットの右に生えた灌木の低い位置に止まっています。 
そのまま左に飛び去りました。
ジェー♪という鳴き声が聞こえた直後にカケスが左から右へ飛んで横切りました。 
続けてもう1羽のカケスが同じく右へ飛び去りました。 
どうやらカケスの♀♂ペアが貯食活動に励んでいたようです。

秋風が吹くと木漏れ日の斜光がキラキラと動いて、なかなか栄えますね
(フルカラーで撮れてないのが残念)。 
この季節は西日になると斜光(逆光)が発生するようです。 


1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン4:10/9・午後15:39・気温15℃(@1:55〜) 
アナグマの巣口Lから生えたマルバゴマギの細い灌木が、カケスお気に入りの止まり木のようです。 
嘴にドングリを咥えたまま止まり木から飛び降り、姿を消しました。 

1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン5:10/11・午後14:58(@2:35〜) 
アナグマの巣口Rの上に張り渡された蔓にカケスが止まっています。 
真下の落枝に飛び降りて、巣口Rを点検しています。 
左の死角にちょっと消えてから戻ってくると、いつの間にか嘴にドングリを咥えていました。 
一体どこでドングリを採食したのか、不思議です。 
死角で別個体のカケスと入れ替わった可能性も考えられます。 
あるいは、予め貯食しておいたドングリを取り出して、隠し場所を変更しようとしているのかな? 
その後は林床でドングリを貯食していると思ったのですが、手前の茂みが邪魔でよくみえません。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると、やはり落ち葉の下にドングリを隠しているようです。 


シーン6:10/11・午後15:10(@4:22〜) 
 左から飛来したカケスが、画面の左下隅に着地しました。 
嘴に何か白っぽい餌(ドングリ堅果?)を咥えていました。 
運んできた物を一旦地面に置いてから拾い直しました。 
ピョンピョン跳んで画角の左外に消えました。 
ドングリの隠し(貯食)場所を探してるのでしょう。 
最後に左から右に飛んだ瞬間を1/4倍速でスロー再生すると、依然としてドングリを運んでいました。 


【考察】 
カケスがせっせと運んでいたドングリ堅果はミズナラまたはコナラの落果だと思うのですけど、この二次林でドングリがなる木を私は見つけたことがありません。 
一体どこから拾ってくるのでしょう? 
近くの別な森でドングリを拾い集め、ここには隠す(貯食)ためだけに来るのかもしれません。 

中村浩志『カケスの森』によると、
ドングリでのどのふくらんだカケス。かならず1個は、くちばしにくわえてはこびます。 (p24より引用)
確かにカケスはカラス科ですから、餌を喉袋に入れて運んでも不思議ではありません。 
トレイルカメラの映像では少し上から見下ろすアングルになることが多く、カケスの喉袋が膨らんでいるか、私には見分けられませんでした。 

『カケスの森』は私が大好きな本です。
著者は林内に給餌台を設置し、ドングリをカケスが持ち去る様子を観察して、貯食による種子散布を研究しました。
私も真似して山盛りのドングリを山林の木の下に置いてトレイルカメラで監視してみたことがあります。
ところがカケスはなぜか一度も来てくれず、ドングリを持ち去るのは野ネズミばかりでした。
今季はドングリを給餌する場所を変えるつもりだったのですが、意外にもアナグマの巣穴を監視するトレイルカメラにカケスがたまたま写るようになり、ラッキーでした。
人為的に給餌しなくても野鳥の自然な行動を観察できるのであれば、それに越したことはありません。
ドングリを隠す様子が監視カメラにしっかり写るでしょうか?




ニホンアナグマの古い巣穴付近を飛び回るキイロコウカアブ

 

2023年9月下旬・午後14:35頃・くもり 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後も旧営巣地(セット)にトレイルカメラを設置して、しつこく監視しています。 
越冬のための巣穴として使うのか、秋になるとアナグマ♀がときどき戻ってきては古い巣穴を掘り返して整備しています。 

カメラの電池を交換するために現地入りすると、いつものように巣穴の入口付近をハエやアブの仲間(双翅目)がブンブン飛び回っていました。 
あまり気に留めてなかったのですが、興味深い文献を読みました。
櫻庭知帆; 小林秀司; 髙﨑浩幸. キイロコウカアブはニホンアナグマを対象とした自動撮影カメラの設置適地を教えてくれる. Naturalistae, 2016, 20: 57-60. 
A golden soldierfly, Ptecticus aurifer, hints suitable locations for automatic trail camera targeting Japanese badger (英語タイトル)
巣穴周辺の定期的な観察から,キイロコウカアブがアナグマの新鮮な糞のにおいに反応し,巣穴の入口付近や溜め糞に,オスが繁殖縄張りを形成することがわかった. すなわち,「入口周辺にキイロコウカアブが飛び回る巣穴は、高確率でアナグマが利用中である」と判断できる.付近にトレイルカメラを設置することによって,キイロコウカアブの成虫期には効率的なアナグマの調査が可能となる.(和文要約より引用)

アナグマの巣口R付近を飛び回る双翅目を同定するためにストロボを焚いて飛翔中の写真を何枚か撮ってみたら、確かにキイロコウカアブPtecticus aurifer)でした。 
巣口Rの横の細根に着陸して休む写真も撮れました。 

動画撮影に切り替えると、飛翔中のキイロコウカアブはアナグマの巣穴の奥に少し入ることもありましたが、中に着陸することはありませんでした。 
※ 鬱蒼とした二次林の中は昼間でもかなり薄暗いので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 


キイロコウカアブの性別をどうやって見分けるのか私は知りません(他のハエやアブと同じく複眼の形状で性別判定して良いのか?)。
♂が縄張りを張って産卵のために集まってくる♀を待ち伏せしているのだそうです。 
ここまでは文献の通りでした。 

私がもっと早い時期に気づいていれば、ニホンアナグマの営巣地でもっと多数のキイロコウカアブが飛び回るシーンが撮れたかもしれません。 
アナグマ一家が巣穴に住んでいる時期(繁殖期)の方が転出後よりも集まってくるキイロコウカアブの数が多かったかどうか、記憶が定かではありません。 
私の嗅覚では、アナグマの営巣地が臭いと感じたことは全くありません。
キイロコウカアブが来ていれば、アナグマが暮らす現役の巣穴であることの指標になるかどうか、という点については個人的に保留にしておきます。 
(転出後の空き巣にもキイロコウカアブが誘引されていたからです。)

アナグマ関連の本を読むと、巣穴の横に溜め糞をすると書いてあることがあります。 
しかし私はそのような事例を一度もフィールドで見つけたことがなく、アナグマ専用の溜め糞場は営巣地からかなり離れた地点にあります。 
それから私の経験では、キイロコウカアブはアナグマの営巣地や溜め糞だけで見つかるのではなく、タヌキ専用の溜め糞場にも集まります。 

関連記事()▶  


【アフィリエイト】 

巣口に止まって休むキイロコウカアブ
最近掘り返された巣口Lにアクセストレンチが形成されていた。
アナグマ営巣地の全景
2つの巣穴を別角度からも撮影

2024/06/26

旧営巣地に戻ってきて古い巣穴を掘り直す秋のニホンアナグマ♀:その2【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月上旬・午前3:45〜5:00頃・日の出時刻は午前5:35 

二次林の旧営巣地に単独で戻ってきたニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が匂いを嗅ぎながら巣穴Rに入り、外に出てこなくなりました。 
左右の目の大きさが非対称(右目<左目)なので、ここで出産・育児した♀のようです。 

約15分後、アナグマ♀が巣口Rの拡張工事を始めました。 
頭から入巣Rすると、前脚で土砂を後方に掻き出しながら、巣穴Rから後退りして外に出てきます。 
その結果、トレイルカメラの方向にアクセストレンチが形成されます。 
かなり奥まで巣坑を掘り進めているようで、なかなか外に出てこなくなりました。

春の繁殖期には♀は育児に専念し、穴掘りの重労働はヘルパー♂に任せるという分業が成立していました。 
今回も穴を掘る個体の後ろ姿の股間に睾丸が見えたらヘルパー♂と分かるのですが、素人目には睾丸の有無がはっきりしません。
(無いと思うのですが、素人が「無い」と自信を持って言い切るのは難しいのです。) 
珍しく♀(右目<左目)が穴掘りしているとみなして、当面は話を進めます。 

監視カメラの起動が遅れたようで、アナグマ♀が出巣Rした瞬間を撮り損ねてしまいました。(@1:55〜) 
右奥の二次林にノソノソと入って行く後ろ姿が写っているだけです。 
林縁で立ち止まって身震いしてからセット(営巣地)に戻って来ました。 
勝手な想像ですが、もしかすると放尿(マーキング)したかもしれません。 

顔を正面から見たときに右目が左目よりも小さかったことから、やはり♀(右目<左目)でした。 
巣穴Rの穴掘り作業を再開しました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【追記】 
この営巣地で長年繁殖している♀は、早くも冬ごもりに備えて、旧営巣地の改修工事をしているようです。 
前回(14日前)には巣穴Lを、今回は巣穴Rを重点的に掘り直しました。 

幼獣の姿がありませんが、もう子別れしたのでしょうか? 
この時期(秋)に、♀とヘルパー♂(1歳仔)の関係がどうなっているのか、気になります。 
♀の子育てが一段落すると、ヘルパー♂はお払い箱になって追い出されてしまうのかもしれません。 
次世代のヘルパー♂が当歳仔の幼獣(4頭の兄弟姉妹)の中からどうやって選ばれるのでしょうか? 

リフォームしたからと言って、♀がそのまま巣穴Rに住み着く訳ではなく、またしばらく不在となります。 
一時的に使うシェルターに格下げされたのかもしれません。 
アナグマは縄張り内のあちこちに複数の巣穴を持っているはずですが、私はまだ別宅を突き止められていません。 
アナグマにGPSを装着して調べれば分かるはずですけど、罠をしかけたり麻酔銃を撃ったりするのは素人には無理なミッションです。 


クロツグミ♂の落ち葉めくりと縄張り争い@アナグマの旧営巣地【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年9月下旬〜10月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)がある二次林に、秋になると真っ黒な鳥クロツグミ♂(Turdus cardis)が採食に通って来るようになりました。 


シーン0:9/25・午後14:04および14:32(@0:00〜) 
 明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
新旧2台の自動センサーカメラで隣接する2つの古い巣穴LR見張っています。 
巣材(寝床)として落ち葉を掻き集めるアナグマが居なくなったので、二次林の林床には多数の落ち葉が散乱したままになっています。 


シーン1:9/30・午前6:28(@0:08〜) 
小雨が降る早朝にクロツグミ♂と思われる黒い小鳥aが広場に現れました。 
落ち葉をめくって虫を探しています。 
 そこへ左から別個体のクロツグミ♂bがホッピングでやって来ました。 
相手aの存在に気づくと、bがいきなり襲いかかり、狩場を巡る縄張り争いが勃発しました!!
2羽は対峙して羽ばたきながら交互に地上から少し飛び上がります。 
喧嘩にどうやって決着がついたのか分かりませんが、互いに少し離れました。 
右に行った個体は羽繕いし、左の個体はピョンピョン跳んで二次林内に入りました。 

この間、闘争の鳴き声は雨音にかき消されて(?)聞き取れませんでした。 
キョキョキョキョ♪(またはチュンチュン♪)という鳴き声がかすかに聞こえますが、画面内の2羽が発しているのかどうか不明です。 
(周囲にいる野次馬の鳥の鳴き声かもしれません。) 
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』p51でクロツグミの鳴き声について調べると、 地鳴きは「キョキョキョ、チーなどと鳴く」と書いてありました。 


シーン2:10/10・午前6:54(@1:10〜) 
早朝の林内を小鳥が素早く飛び、林床を走り回って採食しています。 
真っ黒なクロツグミ♂が左から飛来し、アナグマの巣口Rの真上に伸びた細いマルバゴマギ灌木に止まりました。 
止まり木から地上に飛び降りると、巣口Rで落ち葉めくりを始めました。 


シーン3:10/11・午後17:05・気温15℃(@2:04〜)日の入り時刻は午後17:11。 
日没直前の薄暮に真っ黒なクロツグミ♂が落ち葉を嘴で弾き飛ばすようにめくりながら、アナグマの巣口Lにどんどん近づいています。 
後半はまるでトレイルカメラに気づいて警戒したかのように、物陰に隠れながらも落ち葉めくりを続けています。 
初めは2羽が一緒に来ていたのに、もう1羽は画角の右外に出てしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 【アフィリエイト】 


2024/06/25

ニホンアナグマの旧営巣地に出没する野ネズミの動向:9月下旬〜10月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月下旬〜10月中旬 

夜行性の野ネズミ(ノネズミ)ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に出没する動向をまとめました。 


シーン0:9/25(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 


シーン1:9/27(@0:07〜) 
雨夜に二次林内をうろちょろと餌を探し歩いています。 


シーン2:9/28(@0:31〜) 


シーン3:10/2(@0:37〜) 
アナグマの巣穴Rに侵入しました。 


シーン4:10/4(@1:31〜) 
アナグマの巣穴Rから外に出てくる様子が撮れていました。 
巣口Rのすぐ横に生えているマルバゴマギの細い灌木の根元に自分たちの小さな巣穴があるようで、そこに潜り込みました。 


シーン5:10/5(@1:59〜) 
入巣してしばらくすると出巣して、アナグマの巣穴Rに入り直しました。
雨が降り出しても、林床を元気に駆け回っています。 
出巣の瞬間が撮れていました。 


シーン6:10/8(@3:04〜) 
アナグマの巣穴Rに潜り込みました。 


シーン7:10/12(@3:10〜) 
カメラの電池が消耗していて、数秒間しか録画されていませんでした。 


有毒植物ホツツジの花蜜を吸うシダクロスズメバチ♀

 

2023年9月下旬・午後12:12頃・くもり 

里山で細い急坂の山道の横に咲いたホツツジシダクロスズメバチVespula shidai)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
花から花へ次々と忙しなく飛び回っているので、てっきり獲物を探索しているのか(探餌飛翔)と思いきや、どうやら花蜜が目当ての様子です。 

いつも不思議なのですが、ホツツジに含まれる神経毒(グラヤノトキシン)に対して昆虫は耐性がある仕組みを知りたいです。
パッチクランプ法などの電気生理学的手法でしっかり調べるのは大変そうです。
とりあえず電位依存性Naイオンチャネル、特にグラヤノトキシンが結合する部位のアミノ酸配列を昆虫と哺乳類で比べれば何か分かるはずなのですが、誰も調べてないのでしょうか?

訪花中にホツツジ?の葉先に葉巻を見つけたハチが興味を示しました。 (映像なし)
葉巻の中に獲物(イモムシ)は居なかったようで、訪花行動に戻りました。 

訪花シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:41〜)、複眼の上の白紋の幅が狭い(細い)ことから、シダクロスズメバチと判明。 
触角がそれほど長くないので、雄蜂♂ではなくワーカー♀のようです。


【アフィリエイト】 

2024/06/24

スギ防風林でタヌキ専用の溜め糞場を通り抜けるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月上旬〜中旬

スギ防風林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)専用の溜め糞場wbcを見張っている自動センサーカメラに写ったニホンアナグマMeles anakuma)の記録です。 


シーン0:9/25・午後15:01(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
 動画冒頭の赤丸で示したのは、スギ林床に点在する2つの溜め糞場です。 
奥にある溜め糞はかなり規模が大きいです。 
 実は更にもう一つの糞塊が画面のすぐ左外にあるのですが、監視カメラの画角内に収まりませんでした。 
 更に、画面の右外にはすぐアナグマ専用の溜め糞場stmpがあります。 
 2種の溜め糞場を同時に監視したら面白そうですけど、限られた台数のトレイルカメラでやりくりしているため、実現できていません。 


シーン1:10/3・午後22:56(@0:05〜) 
右から来たアナグマが地面の匂いを嗅ぎながらwbc-1の周囲をぐるっとひと回りして、右へ戻りました。 
自分たち専用の溜め糞場stmpへ向かったのかもしれません。 
この間、一度も立ち止まりませんでした。 


シーン2:10/11・午後18:19(@0:26〜) 
右から登場したアナグマが、急に駆け出して獣道を手前へ向かってきました。 
トレイルカメラに驚いたのなら、向かって来るはずはありません。 
独り遊びで駆け回る幼獣なのかな?
(幼獣が育って私にはもう成獣との見分けがつかなくなりました。)
アナグマの逃走シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:40〜) 

ところで、画面の左上で白くて小さな点が思わせぶりに動いています。 
奥の茂みに潜んでいる別の獣の目が光っているのかと初めは思ったのですが、どうやら手前の空中に浮遊していることから、クモの糸の粘球(またはクモ本体?)が赤外線を反射しているようです。 
アナグマが逃げ出すほど驚いた理由は、まさかこれではないでしょう。 


【考察】 
今回も、タヌキ専用の溜め糞場wbcでアナグマが対抗して自ら排便(強烈な匂い付け)することはありませんでした。 
溜め糞エリアをホンドタヌキとニホンアナグマで共有しつつも、相互不可侵の紳士協定が成立しているようです。 


つづく→

林床で餌を探し回り根曲がり巣穴に出入りする謎の野鳥【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年9月上旬〜中旬〜下旬 

平地のスギ防風林で根こそぎ風倒したスギの根元に掘られた「根曲がり巣穴」の主を突き止めるために、自動センサーカメラで監視しています。 
種類を見分けられない謎の鳥の登場シーンをまとめました。 
どうやら複数種が来ているようです。 
フルカラーで撮れていない上に、上から鳥の背面を見下ろす見慣れないアングルなので、私には同定できません。 
これらの鳥の名前が分かる方がいらっしゃいましたら、教えてもらえると助かります。 

シーン0:9/7・午後15:00(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
毎冬の雪圧で根曲がりした灌木(マルバゴマギ?)が巣口を取り囲むように育っています。 


シーン1:9/9・午後13:27(@0:03〜) 
地味な小鳥がホッピングで巣口周辺を徘徊し、嘴で落ち葉をめくったり地面を啄んだりしています。 
どうやら虫を捕食しているようです。 
しばらくすると、警戒しつつも巣穴の中に入ったので、驚きました。(@0:50〜) 
まさか、地中の巣穴で営巣しているのでしょうか? 


シーン2:9/9・午後13:37(@0:57〜) 
10分後に同一個体(?)の鳥が巣穴の外に出てきました。 
巣穴の近くでしばらく佇んでいます。 


シーン3:9/9・午後13:50(@1:20〜) 
黒っぽい謎の鳥が再び根曲がり巣穴に出入りしています。 
入巣の前には尾羽根を扇のように左右に大きく広げました。 
これは緊張の現れなのかな? 
外に出てくると、絶えず尾羽根を上下に振り立てています。 

ちなみに、画面右上の低木(樹種不明の広葉樹)の葉にハキリバチ♀が巣材を切り抜いた痕跡が見えます。 


シーン4:9/9・午後15:05(@2:08〜)
出巣した鳥がホッピングで左下エリアをうろついて、餌を探しています。


シーン5:9/12・午後21:04(@2:54〜) 
夜に雨が本格的に降っていました。 
トレイルカメラを下向きで設置したので、レンズが雨水で濡れることはありません。 


シーン6:9/15・午前10:14(@3:00〜) 
謎の鳥が巣口の細根に止まり、広げた尾羽根をゆっくり上下させながら左右をキョロキョロ見回しています。 
しばらくすると、少し飛んで灌木の横枝に止まり直しました。 


シーン7:9/16・午前9:57(@4:00〜) 
小鳥が右下へ素早く飛び去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、私には同定できません。 


シーン8:9/17・午前11:12(@4:14〜) 
1羽の小鳥が地上を探餌徘徊しています。 
もう1羽が頭上を飛んだのにつられて飛び立ちました。 


シーン9:9/23・午前6:14(@4:54〜) 
チッ♪と鳴き声がしてから右下の地上に登場したのですが、すぐに葉陰に隠れてしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
根曲がり巣穴に出入りする鳥が気になります。 鳥の繁殖期はとっくに終わっているはずなので、卵を生んで雛を育てるための巣(繁殖用)ではなく、ただの隠れ家として一時的に利用しているような気がします。 
それよりむしろ、カマドウマなど暗所を好む虫が昼間は巣穴に潜んでいて、それを捕食するために鳥が通ってきているのではないか?と予想しています。


2024/06/23

アナグマの旧営巣地に1〜2頭で来るホンドタヌキの諸活動:9月下旬〜10月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月下旬〜10月上旬 

二次林でニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)をうろつくホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録をまとめました。 
タヌキを個体識別できていませんが、単独またはペアで登場します。 


シーン1:9/25・午前後・気温(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
新旧2台の自動センサーカメラで2つの巣穴L、Rを監視しています。 

その日の晩にもタヌキが登場しました。 


シーン2:9/26(@0:22〜) 

シーン3:9/28(@0:38〜) 

シーン4:9/30(@1:11〜) 
2頭のタヌキが巣口Rを訪問した後に画角の外に出てから軽い唸り声が聞こえました。(@2:42〜) 

シーン5:10/2(@2:45〜) 

シーン6:10/3(@3:32〜) 

シーン7:10/4(@4:22〜) 

シーン8:10/6(@4:29〜) 

シーン9:10/9(@5:29〜) 
雨が降っています。 


シーン10:10/10(@5:36〜) 
秋雨が降り続いています。 


シーン11:10/11(@5:45〜) 
雨上がりの眩しい日光が林内に美しく射し込んでいます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 



ニホンアナグマの糞に初齢幼虫および未受精卵を産み付ける卵胎生のニクバエ♀

 

2023年9月下旬・午前10:55頃・晴れ 

里山のスギ植林地を抜ける林道にニホンアナグマMeles anakuma)とホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が共有する溜め糞場sがあります。 
この日はタヌキの新鮮な溜め糞は見当たらず、アナグマが排泄したと思われる新鮮な軟便が林床の下草の上に残されていました。 

ちなみに、この下草はツワブキのような丸い葉の植物ですが、ツワブキにしては葉の緑色に照り(光沢)がありません。 
フキではないことは私にも分かるのですが、山中でよく見かけるこの植物の名前が分からず、長年気になっています。 
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてくださると助かります。 
【追記】どうやら、この下草の名前はノブキのようです。

前年(2022年)にトレイルカメラを設置して長期観察したところ、この溜め糞場sに通ってくるタヌキとアナグマは少し離れた別々の地点に排便していること、アナグマは下痢便になりがちということ、などが分かりました。 
アナグマの新鮮な糞は「黄土色の絵の具の匂い」がするらしいと本で読んだのですけど、今回の軟便を小枝の先端でつつき(検便)、匂いを嗅いでみても意外なことに無臭でした。


溜め糞場に集まって来ている昆虫でまず目についたのは、ピンクの金属光沢に輝くオオセンチコガネPhelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)です。 
アナグマ下痢便のすぐ横でスギ落ち葉の上にじっとしていました。 



しばらくすると、逃げていたキンバエLucilia caesar)の仲間♂とニクバエの一種♀が獣糞に戻ってきました。 
いつものように獣糞の上を歩き回って口吻で表面を舐めています。 

ニクバエ♀が未受精卵を産む瞬間

やがてニクバエが立ち止まると、獣糞の縁に腹端から真っ白い物体を2回続けて産み付けました。 
1個目はバナナのように湾曲した白くて巨大な卵でした。 
続けて産み落としたのは、それよりも小さな白い蛆虫でした。 
ニクバエの仲間は昆虫でも珍しい卵胎生です。 
産卵・産仔したことから、このニクバエは♀と判明しました。 
たまたま『昆虫考古学』という本を読んでいる最中だったので、ニクバエ♀が産仔する瞬間を初めて目の当たりにして感動しました。
ニクバエ科(flesh fly)腐肉食性 他のハエと異なり、卵を産まない。卵は生殖器官内にとどまり、幼齢1期の幼虫として産み出される。幼虫の大きさは3〜19mm。(V章:ハエが見ていた人の死ー葬送昆虫考古学の世界p114より引用)


スギ林の林床は晴れた昼間でもかなり薄暗く、少し離れた位置から望遠マクロで撮影中の私は、産仔されたニクバエの初齢幼虫がどこに行ったのか見失ってしまいました。 
私が目を離した隙にハネカクシやアリなど肉食性の昆虫にすぐ捕食されてしまったのかと思ったのですけど、撮れた動画を見返すと、ウジ虫は産仔直後に蠕動徘徊して軟便の中に自力で潜り込んでいました。 
その様子をじっくり撮影すべきだったのですが、巨大な卵に目が釘付けになっていた私は、現場でニクバエ初齢幼虫の動向に気づいていません。 

アナグマ軟便上を徘徊していたニクバエ♀が初回とは少し離れた地点に再び蛆虫(初齢幼虫)を産仔しました。(@0:40〜) 
2匹目のウジ虫も産仔直後に蠕動徘徊して獣糞の中に潜り込みました。 
産仔シーンを1.5倍に拡大してリプレイ。(@1:00〜)

次に私はカメラにマクロレンズを装着し、巨大な白い卵を接写してみました。 
この卵からニクバエの1齢幼虫がすぐに孵化してくると予想してその瞬間を待ち構えたのですけど、待てど暮せど変化がありません。 
どうやら、未受精卵だったようです。 
未受精卵に付着している白い膜のような物は、初齢幼虫が孵化した後の卵膜なのかな? 


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