2019年5月中旬
池の畔で桜(ソメイヨシノ?)の老木の枯れた枝にササゴイ(Butorides striatus amurensis)が止まっていました。
冒頭で一瞬、冠羽を逆立てたのは、私に対する警戒心の現れでしょうか?
神経質そうに尾羽をピクピクと上下させながら、眼下の池をキョロキョロと見張っています。
近くでハシブトガラスがカーカー♪鳴くと、ササゴイは一層警戒したような印象です。
撮影アングルがいまいちなので、私は池の対岸にそっと移動して、樹上のササゴイをほぼ正面から狙える位置まで回り込みました。
ササゴイの背後には杉林が見えます。
私がしつこくカメラを向けて撮り続けるので、ササゴイは少し嫌がって気まずそうです。
止まり木の枯枝上でゆっくりと足を踏み変え、体の向きを変えてしまいました。
目障りな私が視界に入らぬように、背を向けてしまいました。
(ときどき横目で私を見てるのかもしれません。)
またもや神経質そうに尾羽をピクピクと上下動させています。
やがて右足を持ち上げると、片足立ちで休息。
下の池で鯉が跳ねると、その大きな水音に反応したササゴイは止まり木から飛び降りました。
今回は飛び立つ前の脱糞をしませんでした。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、池の水面すれすれを滑翔し、此岸の死角に消えました。
しつこいパパラッチに辟易して逃げ出したのか、あるいは池の魚を捕食できるポイントに移動したのかもしれません。
後半は珍しくカメラに一脚を取り付けてみました。
三脚よりも手軽で長撮りしても疲れにくく手ブレが抑えられる利点があります。
しかし、最後に飛び去るササゴイを咄嗟に流し撮りしようとしても、あまり上手くいきませんでした。
ササゴイがこの近くで営巣してくれたら嬉しいのですが、未だ巣の発見には至りません。
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ササゴイ(野鳥)@池畔:樹上枯枝 |
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ササゴイ(野鳥)@池畔:樹上枯枝・全景 |
2018年12月上旬・午後15:03
街中を流れる川の橋の下をハシボソガラス(Corvus corone)が歩いていました。
コンクリートブロックを並べた川岸から歩いて入水し、水浴びを始めました。
水深の浅い所で頭を水に漬け翼を激しく羽ばたかせて体に水を掛けます。
川から岸に一度上がっても、再び水浴をやり直します。
最後は川岸にピョンと戻ってから飛び立ち、深いコンクリート護岸の川の外へ飛び去りました。
寒い冬の行水シーンは初めて見ました。
水はかなり冷たいはずですけど、この川は水辺まで勝手に降りられないので水温を測れませんでした。
(橋の上から長い紐につないだ温度計を垂らして測るか、川の水を汲んで測るしかなさそうです。レーザーを使った非接触式の温度計で川の水温を測れるのかな?)
カラスは雪が積もった厳冬期でも川で水浴するのか、それとも雪浴びで代用するのか、自分の目で確かめたいのですが、なかなかチャンスが巡って来ません。
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ハシボソガラス(野鳥)@川+水浴 |
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ハシボソガラス(野鳥)@川+水浴 |
2019年5月中旬
川沿いの日当たりの良い小路に咲いていたノダイコン(大根の内陸性自生種)の群落でナガメ(Eurydema rugosa)が何匹も飛び回っていました。
飛翔シーンをまとめてみます。(複数個体を撮影)
茎を歩いて登った後で、花や葉から翅を開いて次々と飛び立ちます。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:34〜)
どうやら飛ぶのは不器用らしく、前方の花などにぶつかりながらも強引に飛び去りました。
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ナガメ@葉+飛翔前 |
2019年5月中旬
川面に♀♂番と思われる2羽のカイツブリ(Tachybaptus ruficollis)が浮いて居ました。
羽繕いしたり、魚を捕るために潜水漁をしたりしています
川の水が緑色に濁っているため水中の様子は見えず、潜水したカイツブリが次にどこから浮上するか予測できません。
ときどき、急に慌てたように羽ばたきながら水飛沫を上げて水面を走り出します。
1/5倍速のスローモーションでまずご覧下さい。
カワウの離陸とは異なり、両足を交互に前に出して水面を走っています。
▼関連記事
川から飛び立つカワウの助走は両足跳び(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】
助走の後で飛び立つのではなく、真っ直ぐ短距離走をした後で滑り込むように着水しました。
着水の最後は上半身を仰け反って停まります。
おそらく水掻きのついた両足を水中で前に出して急ブレーキを掛けているのでしょう。
水面を走るこの行動が、川岸からカメラを向けて撮影している私に対する警戒・逃走なのか、何か別のディスプレイ(誇示行動)なのか、よく分かりません。
必ずしも私から遠ざかるように走り去るとは限らないからです。
縄張りへの侵入者(私)に対する威嚇誇示なのでしょうか?
素人目には、着水の滑り込みが楽しそうで、ただ遊んでいるようにも見えます。
カイツブリは潜水漁に適応した体の作りになっているため、翼が短く飛ぶのは苦手なのだそうです。
近くの川岸で喧しく鳴いているオオヨシキリ♂の囀りに混じって、ときどきキュルルル♪というカイツブリの鳴き声が川からかすかに聞こえました。
外見からカイツブリの性別を見分けられないのが残念です。
確かカイツブリの求愛誇示は♀♂が並走すると聞いたことがあります。
対岸の水際にペットボトルなどのゴミが漂着していて見苦しく、民度の低さがお恥ずかしい限りです。
川面に大量に浮いている白い物は、川を汚染する洗剤の泡やゴミではなくて、この季節の風物詩である柳絮です。(柳絮について詳しくは別の記事にします)
つづく→カイツブリのつがいが川面で羽繕い(野鳥)
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カイツブリ(野鳥)@川面+着水 |
2019年5月中旬
川岸でオニグルミの木に巻き付いて育ったフジ(藤)の花が満開に咲いていました。
そこで3頭のトラフシジミ(Rapala arata)を見つけました。
翅を閉じて止まり、後翅を擦り合わせて尾状突起を動かして触角に見せかけています。(自己擬態)
口吻の状態を見ると、吸蜜してはいないようです。
マメ科のフジはトラフシジミ幼虫の食樹リストに含まれるので、産卵に来た♀なのかな?
(今回は産卵行動を観察できませんでした。)
映像から性別を見分けられないのが残念です。
最後に飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
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トラフシジミ3@フジ訪花 |
2019年5月中旬
水入れ直後の水田の畦道でハシボソガラス(Corvus corone)が餌を探し歩いています。
畦道に落ちていた黒くて丸い物体に興味を示しました。
クルミの実のように見えますが、カラスは嘴でちょっと触れただけで、なぜか採食せずに素通りしました。
クルミの殻を割るのは大変なので、他の餌が豊富な時期には労力に見合わないのでしょう。
やがて私に背を向けると、畦道の横の草むらで餌を探し始めました。
そしてカエル(アマガエル?)と思われる生きた獲物を見事に捕食しました。
ハシボソガラスが生きたカエルを狩る様子を観察したのは初めてです。
▼関連記事
・ハシボソガラスが蛙の死骸を拾い食い【野鳥】
・トノサマガエルの死骸を食すハシボソガラス(野鳥)
この後のハシボソガラスの行動が興味深いのですけど、残念ながら後ろ姿でよく見えません。
土手の斜面を少し登ると、殺した獲物を草むらに隠して(貯食)その上に草を被せたように見えたのですが、どうでしょう?
その場でカエルを食べた(飲み込んだ)後で嘴を草で拭ったのかどうか、定かではありません。
営巣中ならば獲物を喉袋に入れて巣で待つ♀や雛に運ぶはずです。
実はこのとき、♀♂番が一緒に畦道で採食していました。
つづく→水田でタニシを捕食し巣に持ち帰るハシボソガラス(野鳥)
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ハシボソガラス(野鳥)@水田畦道+カエル捕食 |
2019年5月中旬
見慣れないツバメが地面すれすれの低空飛行で堤防を横切って川の方へ飛んで行きました。
ほんの一瞬の遭遇を1/10倍速のスローモーションで見直すと、白い腰が目立ちます。
通常のツバメと違い、頭部は赤くありません。
イワツバメ(Delichon urbica)と出会えたのはこれが初めてで、ちょっと興奮しました。
私のフィールドでいわゆるツバメ以外と出会えるとは思っていなくて、これまで注意を払っていませんでした。
営巣地は橋の下かな?と予想して見に行ったのですが、巣を見つけられませんでした。
マメドクガの飼育記録#17
▼前回の記事
マメドクガ(蛾)終齢幼虫♂は桜の未熟果(肥大した子房)を食べられない【10倍速映像】
2019年5月上旬
マメドクガ(Cifuna locuples confusa)の終齢幼虫♂bに次はケヤキの枝葉を与えてみました。
ケヤキは、広食性として知られるマメドクガ幼虫の食樹植物リストに載っている一つです。
幼虫がケヤキの若葉を蚕食する様子を微速度撮影してみました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。
(退屈な食休みシーンは編集でカットしました。)
食欲旺盛の幼虫は、若葉を1枚食べ尽すと、赤い托葉は食べずに次の葉に移動しました。
葉が小さいときは、葉先を手繰り寄せ(折り曲げ)ながら蚕食しています。
未だ小さい葉だと主脈の先にあまり進出すると体重を支え切れないからでしょう。
映像には定期的な脱糞シーンも記録されていました。
終齢幼虫の体長は約40mmまで成長しました。
もうじき繭を紡ぎ始めそうです。
つづく→#18:繭を紡ぐマメドクガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】
【おまけの動画】
早回し速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開します。
2019年5月中旬
近所でタニウツギが満開に咲いていました。
これから咲きそうな蕾をつけた枝を探し歩き、幼木の枝先を採集してきました。
根元に近い下の枝についた蕾から上部の蕾へと順番に咲きそうです。
水切りして花瓶(ペットボトル)に活けました。
30秒間隔でインターバル撮影した連続写真を素材に5400倍速の早回し映像を制作しました。
微速度撮影で悩みの種である照明のちらつきは、動画編集時にdeflickerフィルターをかければ解消します。
今回はラッパ状の花筒を側面から狙って撮りました。
次回は花を正面から狙いたいです。
開花直前の蕾からは既に長い雌しべが突き出しています。
みるみるうちに花弁が反り返るように開いていきます。
どうも水揚げが悪いようで、全ての蕾が開花する前に全体が急速に萎れてしまったのが残念でした。
照明の熱が篭って暑くなり、ボトルの水が温くなってしまったのかもしれません。
【おまけの動画】
同じ素材で早回し映像を少し落としたバージョンをブログ限定で公開します。
↑2700倍速映像
↑900倍速映像
2018年11月下旬・午後14:38
▼前回の記事
トンネルを塒とする野生コウモリの写真集
前回9月上旬に昼塒へ入洞してから79日ぶりの定点観察です。
毎年のことですが、コウモリの集団は繁殖期をこのトンネル内で過ごすと、冬を前にしてどこかへ居なくなってしまいます。
(つまり、ここは冬眠塒ではありません)
真っ暗な暗渠内は静まり返っていて、コウモリの鳴き声は聞こえなくなっていました。
動画でシャラシャラとかすかに聞こえるのは、持参したビニール袋の擦れる音で、コウモリの鳴き声とは関係ありません。
奥にしばらく進むと、コンクリート壁面に1頭のコウモリ(種名不詳)が下向きでへばりついているだけでした。
赤外線の暗視カメラによる映像をご覧下さい。
他の群れは冬眠越冬用の集団塒に移動してしまったのでしょう。(暖地へ渡り?)
この個体はぐっすり眠っているように見えますが、生死を確認すべきでした。
▼関連記事(1年前には壁面にへばりついたまま死んでいる個体を発見)
トンネル内でぶら下がったまま死んだコウモリ【暗視映像】
しかし、もし冬眠中ならコウモリに無用な負担(ストレス)をかけるべきではないので、体に触ることはしませんでした。
こんなときには、非侵襲的に(非接触式)体温を測定できるサーモグラフィカメラが欲しいところです。
洞内を探検しながら気温を3箇所で測定してみると、
気温15.2℃、湿度41%
気温13.2℃、湿度46%
気温11.8℃、湿度52%
でした。(比較のため入洞前に外気温も測るべきでしたね…)
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コウモリsp背面@暗渠:壁+越冬? |
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コウモリsp側面@暗渠:壁+越冬? |
余談ですが、同じトンネルで夏の間にコウモリの群塊がぶら下がっていた集団塒の跡がコンクリートの天井に脂染みのように残っていました。
写真に撮って拡大すると、黒くて丸い小さなボタンのような物体が天井に点々と多数付着しています。
これはコウモリに体外寄生するクモバエ類の蛹です。
▼関連記事(1年前の撮影)
ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?
今回はこの蛹を採集し、持ち帰って飼育してみるつもりでした。
野生コウモリへの影響を最小限に抑えるために照明は赤色灯しか持ってこなかったため、不慣れな私は赤色光の下では手元がよく見えずに失敗しました。
白色光と赤色光を切り替えられるヘッドランプを持参するべきでした。
マメドクガの飼育記録#16
▼前回の記事
マメドクガ(蛾)終齢幼虫♂がソメイヨシノ花後の子房を次々に食害【10倍速映像】
2019年5月上旬
マメドクガ(Cifuna locuples confusa)の終齢幼虫♂bがソメイヨシノの
肥大した子房(緑色の未熟果)にかじりつこうとしばらく頑張っていましたが、果皮が硬くなっているようで結局は歯が立ちませんでした。
その奮闘ぶりを微速度撮影で記録したので、10倍速の早回し映像をご覧下さい。
未熟果は長径9mm、短径7mmの卵型(楕円球)でした。
実際には10分間以上もカリカリと頑張っていたことになります。
『科学のアルバム:サクラの一生』によると、
虫のたすけをかりて、受粉した花は、花びらがちったあと、みどり色のかたい実をむすびます。
実がだんだんと赤く色づいてくると、なかの種もできあがります。
実はみどり色から赤くなり、70日くらいするとじゅくして黒くなる。
じゅくしたやわらかい実は、小鳥や動物の大こうぶつ。かれらがたべた実は、いろいろなところにはこばれ、ふんといっしょに種だけが、地上にもどります。(p18-19より引用)
桜の未熟果には物理的に幼虫の歯が立たないのではなく、有毒(忌避)物質を含む可能性も充分に考えられます。
園芸種であるソメイヨシノの場合は、果実が熟した後も毒が残っている場合があって危険なのだそうです。
『種子散布 助け合いの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』という本によると、
ピラカンサ、ウメ、サクラなどの未熟果には、青酸配糖体のプルナシンやアミグダリンが含まれている。未熟果が毒を持つのは、種子がまだ未熟な時期に捕食されてしまうのを防ぐための植物側の適応である。こうした毒は実が熟すると消失して、鳥が食べられるようになる(p50より引用)
ソメイヨシノ(バラ科)―実をついばんでいたムクドリが飛び立って間もなく落下して死に、胃の中の実からアミグダリンと推定されるシアン化合物が検出された。同様の事例は桜の名所で時々ある。(中略)ソメイヨシノの例は極端だが、これは園芸種なので自然選択はかかっていないと考えられる。(同書p86-87より引用)
このマメドクガ幼虫は広食性でソメイヨシノ花後の子房を大量に食べてしまいましたが、アミグダリンの影響は大丈夫なのでしょうか?
個々の子房に含まれる毒は微量でも体内に蓄積して死亡する(致死性を発揮する)のではないかと心配になってきました。
そこで別の食樹植物に変えることにしました。
つづく→#17:ケヤキの若葉を食べ脱糞するマメドクガ(蛾)終齢幼虫♂【30倍速映像】