2019/07/27

ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)



2019年5月中旬


▼前回の記事
川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)

河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の太い横枝に2羽のハシボソガラスCorvus corone)が仲良く寄り添うように並んでいました。

鳴いたり欠伸をしたりすると、嘴の中が真っ赤です。
これは幼鳥の特徴なので、おそらく巣立ったばかりの雛鳥なのでしょう。
近くの林床を彷徨う兄弟姉妹の幼鳥たちと鳴き交わしています。
ニセアカシア樹上の幼鳥2羽は、暇つぶしに互いに軽く羽繕いしています。
止まり木に立っているのではなく座り込んでいるのは、幼鳥特有の姿勢なのか、ちょっと珍しく思いました。
やがて樹上の幼鳥が翼を広げながら盛んに鳴き始めたので(餌乞い行動)、親鳥が給餌に飛来したのかと期待したのですけど、空振りでした。

私が撮りながら回り込んでも、ハシボソガラス幼鳥は飛んで逃げたりしませんでした。
また、私がこれほど幼鳥(巣立ち雛)に近づいても、親鳥に襲われることはありませんでした。
やはりハシブトガラスと違ってハシボソガラスは性格が温和ですね。

ちなみに、このニセアカシア樹上にもカラスの巣はありませんでした。
どこから巣立った雛なのか、不明です。

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

九州と北海道ではカラスの巣立ち時期に2か月以上の差があり、桜前線と同じように、カラスの「巣立ち前線」があります。(p169より引用)



つづく→親鳥に餌乞いしても無視されたハシボソガラス幼鳥(野鳥)


ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@河畔林:ニセアカシア樹上+休息
ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@河畔林:ニセアカシア樹上+餌乞い

クサガメが池の岩場で甲羅干し



2019年5月上旬

よく晴れた午後なのに、池の岩場には珍しく一匹のクサガメMauremys reevesii)しか来ていませんでした。
日光浴中の亀は、首を伸ばしてゆっくりと辺りを見渡したり、瞬きしたり、のんびり過ごしています。

池には未だ全くハスが伸びてきていません。
冬眠明けのクサガメは早春の池で何を食べているのですかね?
岩場の近くを黒い鯉が泳いでいます。


クサガメ@蓮池:岩+甲羅干し
クサガメ:側面@蓮池:岩+甲羅干し
クサガメ:顔@蓮池:岩+甲羅干し

川面を横断するコガモ♀♂(野鳥)



2019年5月中旬


▼前回の記事
春の川面で採食する冬鳥コガモ♀♂の群れ(野鳥)

用水路が川に合流する地点に8日ぶりに行ってみると、冬鳥コガモ♀♂(Anas crecca)の群れは♀♂1ペアしか居なくなっていました。
群れの大半は北へ渡去したのでしょう。

此岸の草陰に潜んでいた♀♂ペアは、私に気づくと警戒し、対岸へと川を渡り始めました。
♂が先導し、♀も後について行きます。
対岸に辿り着くと、♂は岸から張り出した柳の枝の下へ隠れました。
一方、♀はニセアカシアの太い根に上陸すると羽繕い。
すぐにまた岸に沿って上流へ遊泳し、柳の枝の下へ隠れました。

毎日チェックしていた訳ではありませんが、この日が冬鳥のコガモの終見日でした。
(同じ川のもう一箇所別な流域でもコガモを見かけなくなりました。)
どうやら当地で繁殖するつがいは居ないようです。


コガモ♂(野鳥)@川面横断

2019/07/26

交尾中に脱糞するナガメ♀♂



2019年5月中旬


▼前回の記事
交尾中のナガメ♀♂がノダイコンの群落を徘徊移動


河畔林の小路に生えたノダイコン(大根の内陸性自生種)の葉で交尾中のナガメ♀♂(Eurydema rugosa)が居ました。
私はナガメの性別の見分け方を知らないのですけど、やや大型の個体がおそらく♀なのでしょう。
互いに逆向きになって交尾器を結合するのですが、腹端を高々と持ち上げ、結合部をグリグリと動かしています。
どうやら長時間しつこく交尾を続ける♂に嫌気が差した♀が連結を外そうとしているようです。
♀が主導権を握り、結合したまま♂を引きずるように徘徊移動しています。

やがて、交尾したまま♀が腹端から黄色っぽい液体をポタポタと2滴排泄しました。(@2:03)
♀交尾器と肛門(排泄孔)が別であることが、これで分かります。
しつこい♂に対する嫌がらせとして♀が強烈な悪臭の液体を分泌したのかもしれませんが、現場では特に何も私の鼻には匂いませんでした。

交尾中に連結部をグリグリと動かす行動のもう一つ別な解釈として、交尾したばかりのカップルで前に交尾した♂(元カレ)の精子を♂(今カレ)がペニスで掻き出そうとしているのかもしれません。(精子競争)


ナガメ♀♂@ノダイコン葉+交尾+拒絶
ナガメ♀♂@ノダイコン葉+交尾+拒絶

川の岩場から飛び立つアオサギ若鳥と夏羽のダイサギ(野鳥)



2019年5月中旬

川の真ん中に島のように突き出た岩場で、アオサギArdea cinerea jouyi)の若鳥とダイサギArdea alba)が仲良く?並んで休んでいました。
アオサギ若鳥は座り込んでいるように見えたのですが、岩の横は川の水深が深いのでしょう。

ダイサギは夏羽に特有のレース状の飾羽が美しいです。
嘴の色が冬に見る黄色ではなく、青みがかった灰色?でした。
足は黄色ではなく黒っぽい色でした。

大型サギ類は警戒心が強く、カメラを向けている私に気づくとアオサギ、ダイサギの順に飛び去りました。
アオサギは離陸後に急旋回すると下流へ飛び去りました。
一方、ダイサギは真っ直ぐ上流へ飛んで行きました。
中州に居たカルガモの群れもそれにつられて一斉に少し飛んで逃げました。

上手く流し撮りできた飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。
長い脚で力強く蹴って飛び立つと、真っ直ぐ飛んでいる間は羽ばたいても頭部は動かず、前方の一点を見据えています。


アオサギ若鳥(野鳥)+ダイサギ夏羽@川:岩場
ダイサギ夏羽(野鳥)@飛翔

2019/07/25

キアゲハ♂aにアクエリアスを飲ませてみる




キアゲハの飼育記録(2018年)#12



▼前回の記事
キアゲハ成虫♂aの羽化【10倍速映像】

2018年7月中旬

羽化してから箱の中に一晩閉じ込めておいたキアゲハ♂a(Papilio machaon hippocrates)の翅をつまんで取り出し、スポーツドリンクを飲ませてみました。
マルチビタミン配合のアクエリアスを含ませた脱脂綿に足を触れさせても興奮しているのか口吻を伸ばしませんでした。
ゼンマイ状の口吻を爪楊枝でそっと伸ばして先端を脱脂綿に付けてやると、足をバタつかせていたキアゲハ♂aは急におとなしくなり吸水を始めました。
やはり喉が渇いていたのでしょう。
羽化後、初めての吸水になります。
翅をつまんでいた手をそっと離しても、飛んで逃げようとしません。
夢中になってアクエリアスを飲んでいます。
水分、糖分だけでなく、各種ビタミン類やミネラル(ナトリウムやカルシウムなど)も含まれているので、酸味が強くても気に入ってくれたようです。
使用したアクエリアスの成分表を見たい方は、下記の関連記事をご覧下さい。
やがて充分に飲んで満足したキアゲハ♂aは自分で口吻をクルクルと丸めながら縮め、その後もしばらくじっとしていました。(映像なし)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



▼関連記事(別個体)
キアゲハcにスポーツドリンクを与えてみる


終齢幼虫から飼育しながら一通り動画に撮って満足したので、外に放してやりました。
(近所で採集した幼虫を育てただけなので、放蝶しても生態系を乱す心配はありません。)

シリーズ完。


キアゲハ♂a:顔@スポーツドリンク吸水
キアゲハ♂a:側面@スポーツドリンク吸水後

川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)



2019年5月中旬

巣立ちしたばかりと思われるハシボソガラスCorvus corone)の雛が河畔林のあちこちに散らばり、鳴き騒いでいました。
親鳥が巣外給餌にやって来るのを待っているのでしょう。

ニセアカシアの大木の根元の草むらに隠れている1羽をまず見つけました。
私が近くに居ても恐れず(あまり逃げずに)無邪気に鳴いています。
嗄れ声でガァー♪と鳴くと嘴の中が真っ赤です。
カラスの幼鳥は嘴の内部が赤いのが特徴です。
河畔林に分散した兄弟姉妹の幼鳥たちと鳴き交わしているようです。

私が幼鳥の近くに立ち止まって撮影しても、親鳥が攻撃してくることはありませんでした。
どこか遠くで採餌しているのでしょう。
もしこれが気性の荒いハシブトガラスなら親鳥は激昂し、巣立ち雛(幼鳥)を守るためにヒトを襲う可能性があります。

1.5時間後に私が戻ってくると、同一個体と思われる幼鳥と再会しました。
親鳥からはぐれて迷子にならないように、ほぼ同じ場所に居たのには感心しました。
飛んだり歩いたりする移動能力もまだ覚束ないのかな?

親鳥が戻って来るまで粘って幼鳥への巣外給餌シーンを観察したかったのですが、先を急ぐので諦めました。
ニセアカシア大木に巻きついて育ったフジが満開の花盛りでした。
このニセアカシアの樹上にカラスの巣があったのかな?と予想したものの、枝葉が茂っているせいか見つかりません。
川の対岸のニセアカシア高木の天辺に1つだけハシボソガラスの巣を発見しています。(この日は空巣)

毎年のように色んな場所で複数のカラスの巣を定点観察しているのですが、こんなに早く巣立つ雛を見かけるとは少し驚きでした。
(他の巣に比べて巣立ちが早いです。)
今年は春の到来が早くて餌が豊富だったのでしょう。

つづく→ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラス幼鳥c(野鳥)@河畔林:林床
ハシボソガラス幼鳥c(野鳥)@河畔林:林床



2019/07/24

ミズキの幹を登る蓑虫:ツツミノガ(蛾)の一種?



2019年5月中旬

昨年の晩秋、落葉した河畔林でカワウとダイサギ混群による集団塒を観察しました。

▼関連記事
カワウとダイサギが河畔林に続々と塒入りする定点映像(野鳥)

春になったので、ねぐらとなった樹種を調べにやって来ました。
(集団塒としてはもう使われていないようです。)
謎の落葉樹には若葉が開き白い花も咲きかけていて、ようやくミズキと判明しました。
ミズキの幹を写真で記録していたら、2頭の細長い蓑虫を見つけました。

右の個体が元気に木登りしています。
(左の個体も冒頭で少し動きました。)
静止していると周囲の樹皮の色に紛れて分かりません。
みごとな隠蔽色(保護色)です。

採寸のために定規を幹に当てたら、木登りしていた蓑虫も警戒して静止してしまいました
幹に対して蓑がほぼ垂直に立っていて、木の棘のように見えます。
もしかして、樹皮やその表面の地衣類を食べているのですかね?

ミズキを食樹植物とするミノガ類を検索してもヒットしませんでした。
ちなみに、このミズキの両隣はオニグルミの木です。
私は蓑虫について詳しくないのですが、形態からツツミノガの一種ですかね?
間違っていたらご指摘願います。

▼関連記事(12年前の撮影)
蓑虫:ツツミノガ(蛾)の仲間の幼虫





ツツミノガsp(蛾)幼虫:蓑虫2@ミズキ幹+scale
ツツミノガsp(蛾)幼虫:蓑虫2@ミズキ幹+scale

ミズキ花+蕾
ミズキ花+蕾
ミズキ葉表
ミズキ葉裏
ミズキ幹



斜面の草むらに潜伏するキジ♂の母衣打ち♪(野鳥)



2019年5月中旬

溜池に降りる斜面の草むらに色鮮やかなキジ♂(Phasianus versicolor)が潜んでいました。
赤い鶏冠が緑の草むらでは逆によく目立ちます。
初めは警戒して身を屈めていましたが、私がじっとしていると、警戒を解いてゆっくりそろそろと首を伸ばしました。
正面からきっと見据えると、迫力のある眼力です。
強い日差しに照らされ近くで見ると、艶やかな羽毛が美しいですね。
今にも飛び立って逃げるかと思いきや、キジ♂は斜面をゆっくり歩いて下り始めました。(階段になっているのかもしれません)
灌木の茂みの手前で立ち止まると、ケンケーン♪と雄叫びを上げながら力強くドドドド♪と羽ばたき、縄張り宣言の母衣打ちを披露してくれました。
その後は藪の奥に身を隠しました。


キジ♂(野鳥)@斜面草むら

2019/07/23

キアゲハ成虫♂aの羽化【10倍速映像】




キアゲハの飼育記録(2018年)#11



▼前回の記事
キアゲハ帯蛹a:羽化の前兆【40倍速映像】

2018年7月中旬

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が羽化する一部始終を10倍速の早回し映像でご覧ください。
帯蛹の蠕動が激しくなり、いよいよ成虫の羽化が始まりました。
開始時刻は午後14:16でした。
このときの室温は31.9℃、湿度50%。

帯蛹aの胸背が割れて新成虫が抜け出そうとするものの、周囲のプラスチック壁面がツルツル滑って上に登れません。
疲れて小休止した後にようやく腹部が蛹から抜け出ました。
微速度撮影した動画には、カメラの仕様で音声が録音されていませんが、抜け殻上で新成虫が身動きする度にカサカサ♪と音がしました。
抜け殻は帯糸および尾端で容器に固定されているだけなので、グラグラ揺れてやや不安定です。
新成虫は抜け殻の横になんとかしがみついた状態で静止。
このとき滑落すると翅に奇形が残りそうで、心配しました。
(もし滑落したら足場として割り箸を差し出してやるつもりで、念の為に用意しておきました。)
よく見ると、羽化殻に掴まっているのではなくプラスチックの壁面に足の爪を掛けています。
蛹化する前に予め終齢幼虫が足場糸を容器壁面に面状に張り巡らせておいたおかげで、新成虫の脚の爪先が引っかかって掴まれるようになっています。
姿勢が安定すると、しわくちゃの翅に体液を送り込んで伸ばし始めました。
それと同時にゼンマイ状の口吻をくるくると伸縮させています。
羽化直後は左右2本に別れていた口吻がジッパーを閉じるように1本の管になります。
(カメラが1台しかなくて、口吻にズームインできませんでした。)
前翅が先に伸び切りました。
半開きの翅をときどき軽く開閉して乾かしています。
後翅も伸び切ると、翅を閉じてしまいました。
閉じた翅を小刻みに震わせています。
飼育容器の隅で羽化したので、大きな翅が少し窮屈そうです。

撮影終了時の室温は32.1℃、湿度47%。

その後しばらくすると、余分な体液を蛹便(羽化液)として腹端から勢いよく排泄しました。(映像公開予定?)
翅が完全に固まってから明るい窓に向かって(走光性)初飛行すると、レースカーテンに止まり直しました。

キアゲハ成虫の性別判定法を私はこれまで知らなかったのですが、フィールドガイド『日本のチョウ』を紐解いてみると、

キアゲハ:夏型♀では、表裏とも黄色部が♂に比べて淡い色となり、後翅表の前縁基部付近に暗色部が広がる。(p63より引用)


したがって今回羽化した個体aは♂のようです。
また、キアゲハ♂の腹端には交尾器が目立つらしいのですが、♀の腹端との形態的な違いを文章で記述してくれないと、1×1cmのサムネイル画像のような小さな比較写真だけでは私のような素人には見分けられません。

この点は改善を求めます。


つづく→#12:キアゲハ♂aにアクエリアスを飲ませてみる


キアゲハ♂a@羽化直後:翅伸展終了
キアゲハ♂a@羽化直後:翅伸展終了
キアゲハ♂a蛹便@容器底隅(落ちていた幼虫時代の糞が羽化液に溶けて緑色に)
キアゲハ♂a@レースカーテン
キアゲハ♂a@レースカーテン
キアゲハ羽化殻(抜け殻)♂a
キアゲハ羽化殻(抜け殻)♂a

水田でタニシを捕食し巣に持ち帰るハシボソガラス(野鳥)



2019年5月中旬


▼前回の記事
ハシボソガラスが水田の畦道でカエルを捕食(野鳥)

水入れが始まった水田の畦道で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が少し離れて採食しています。
おそらくこの辺りを縄張りとしている♀♂つがいなのでしょう。


そのうちの1羽が畦の縁の直下でタニシの一種らしき獲物を見つけました。
嘴で殻を壊してから中味を咥えると、その場では飲み込まずに飛び立ちました。
▼関連記事(2年後の撮影)

 雛に給餌するため巣に持ち帰るのでしょうか。
まずは1/5倍速のスローモーションで帰巣?シーンをご覧下さい。
離陸直後に右旋回すると、田んぼの奥に生えているオニグルミの樹上にフワリと着地しました。
畦道に居たもう1羽のハシボソガラスも後を追うように水田の上を低空で飛び、クルミの枝に止まりました。
映像を見直すと、オニグルミの樹幹に多数の枯枝を組み合わせて建造したカラスの巣があるようにも見えます。
撮影時の私は巣の存在に気づきませんでした。

しつこく見ている私を嫌ったカラスが飛んで逃げて、樹上でタニシを落ちついて食べるのかと思っていました。
後日に現場を再訪したときにはクルミの枝に葉が生い茂って巣を見つけられませんでした。
(秋に落葉すれば再び古巣が現れるでしょう。)



カラスの縄張りがしっかりしているのであれば、約3週間前にここの裏手にある河畔林でツルウメモドキの蔓を巣材としてせっせと集めていた♀♂ペアと同じなのではないかと思いました。
▼関連記事
ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)

しかし、あの日に巣材を持ち帰った方角とは明らかに異なります。
その後、この近くの送電塔にもう一つハシボソガラスが作りかけた別な巣を見つけました。
カラスを個体識別できていないので推測でしかありませんが、どうやらこの辺りの田んぼは、複数のつがいが共有する採食地のようです。
つまり、複数のつがいの縄張りが重なり合う地点なのかもしれません。(縄張りの境界?)
もう一つの解釈は、同じ♀♂番が縄張り内に複数の巣を次々に作り、最終的にその一つで本格的に繁殖を始めた、というものです。


2019/07/22

ハルザキヤマガラシの花蜜を吸うウスバアゲハ



2019年5月中旬

川沿いの堤防で満開に咲いたハルザキヤマガラシという菜の花の群落で2頭のウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。
翅を開閉しながら吸蜜しています。

最後は菜の花から飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。
腹端に交尾嚢を付けていないので、♀とも♂とも言えません。(性別不明)


ウスバアゲハ@ハルザキヤマガラシ訪花吸蜜

川中の止まり木で片足立ちで羽繕いするカワウ若鳥(野鳥)



2019年5月中旬

川底に突き刺さった流木の枝が水面から少し突き出ていて、水鳥にとって格好の止まり木になっています。
その流木で1羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の若鳥が羽根を休めていました。

(カワウの)若鳥は全体に淡褐色で、胸などの下面が淡くて白っぽい個体もいる。(wikipediaより引用)

上流を向いて止まり、辺りをキョロキョロと見回しています。
その背後をカルガモが次々に川面を上流へ遊泳して行きます。
カワウは翼をバサバサと身震いすると、右足を持ち上げ片足立ちになりました。(@0:32)
そしてしばらくすると羽繕いを始めました(@1:36)。
ときどき対岸からキジ♂が縄張り宣言する母衣打ち♪がかすかに聞こえてきます。

つづく→川中の止まり木から飛び立つカワウ若鳥(野鳥)


カワウ若鳥(野鳥)@川:流木
カワウ若鳥(野鳥)@川:流木+羽繕い

2019/07/21

キアゲハ帯蛹a:羽化の前兆【40倍速映像】



キアゲハの飼育記録(2018年)#10


2018年7月中旬・室温30〜32℃

7月上旬に飼育容器内の隅で蛹化してから8日目。
キアゲハPapilio machaon hippocrates)の帯蛹cの色が変わり、成虫の翅の色が透けて見えるようになりました。
翅芽の黄色や赤の模様が透けて見えます。
これは羽化の前兆です。
予想より早かったのですが、連日の猛暑で完全変態の進行が早まったようです。
撮影のためにプラスチック容器の蓋を開放したので、蛹にとっては暑さが篭もらなくなったはずです。
それまではほぼ密閉状態だったので、中は温室のように暑かったかもしれません。

羽化に備えて、微速度撮影で監視することにしました。
40倍速の早回し映像をご覧下さい。

帯蛹はときどき蠕動しています。
蛹のクチクラの直下に少しずつ白い泡のように空気が入って新成虫の体との間に隙間が出来つつある様子が分かります。
胸背の突起にも空気が入り、白っぽくなりました。

つづく→#11:キアゲハ成虫♂aの羽化【10倍速映像】


キアゲハ帯蛹a:背面
キアゲハ帯蛹a:側面
キアゲハ帯蛹a:腹面(容器越し)

クリ樹上の巣で抱雛?するハシボソガラス(野鳥)



2019年5月中旬


▼前回の記事
クリ樹上の巣で抱卵するハシボソガラス(野鳥)


8日ぶりの定点観察です。
路地裏のクリ(栗)の大木にはクリの葉が生い茂り、ハシボソガラスCorvus corone)の巣はほぼ隠されてしまいました。
親鳥もそれを見越してここに営巣すると決めたのでしょう。

それでも私が大きなクリの木の下で右往左往してアングルを工夫すると、巣から突き出ている親鳥の尾羽が枝の隙間からなんとか見えました。
巣に座って卵を温めているのか、あるいは孵化した雛を抱いている(抱雛)のでしょう。

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

 羽が生えて全身を覆うまでは、親鳥は抱卵と同じように「抱雛」します。見た目は抱卵と変わらないようですが、体が少々浮き気味になります。このちょっとした変化で、抱卵開始日が不明でも、孵化しているかどうかの判断がつきます。
 抱卵・抱雛は♀だけが行い、♂は♀がちょっと留守をする間だけ巣に入り傍らに寄り添いますが、座ることはほとんどありません。(p140-141より引用)


親鳥の座り方で抱卵と抱雛を見分けられない私は、まだまだ修行(観察時間)が足りません。

その後はカラスの巣がクリの葉や花で完全に隠されてしまい、雛への給餌行動も見れないまま、ここでの定点観察を打ち切りました。

シリーズ完


ツルウメモドキの雄花で採餌するコハナバチ?ヒメハナバチ?♀



2019年5月中旬

早春の河畔林でハシボソガラスのつがいが巣材として集めていた蔓植物の名前が分からなかったので、約20日後に現場を再訪しました。

▼関連記事
ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)

蔓植物が巻き付いていた大木には若葉が茂り始め、ニセアカシア(別名ハリエンジュ)と判明。
そして謎の蔓植物(落葉性)には若葉が生い茂るだけでなく雄花が満開に咲いていて、ツルウメモドキの雄株と分かりました。
小さな花のそれぞれに雄しべは5本あります。

その花に小型のハナバチ♀が1匹、訪花していました。
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠に黄色い花粉団子を満載しています。
『日本産ハナバチ図鑑』末尾の訪花植物名索引を調べても、ツルウメモドキは載っていませんでした。
コハナバチ科またはヒメハナバチ科の一種だと思うのですが、採集して標本を精査しないと私には見分けられません。
撮影後に採集を試みたのですが、私の殺気を感じた蜂は逃げてしまいました。


コハナバチ/ヒメハナバチsp♀@ツルウメモドキ雄花訪花採餌
コハナバチ/ヒメハナバチsp♀@ツルウメモドキ雄花訪花採餌
コハナバチ/ヒメハナバチsp♀@ツルウメモドキ雄花訪花採餌

ツルウメモドキ雄花@ニセアカシア河畔林・全景
ツルウメモドキ雄花@ニセアカシア河畔林・全景
ツルウメモドキ雄花
ツルウメモドキ雄花
ツルウメモドキ雄花
ツルウメモドキ雄花

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