2021年3月中旬・午後12:30頃・晴れ
ヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)が繁殖のために集まる早春の池Hで長時間観察していると、ときどき水面に独身♂がプカプカ浮いていることがあります。
本格的な配偶行動が始まるまで退屈なので、浮遊ガエルの理由をいくつか考えてみました。
(1)池の水底でじっとしている個体が息継ぎのために浮上したのでしょうか?
水面で浮いていた♂が息を吐きながら潜水して池の底に戻ることがありました。
(2)岸辺に上陸する前に危険が無いかどうか周囲を見張って警戒しているのかな?
動画の最後に登場する個体は、水面に浮遊しながら風でゆっくりと岸の方へ流されるがままになっています。
岸辺に漂着すると、そのままそこを縄張りと定めて♀の待ち伏せを開始。
これが普通ではなく、多くの♂は池の底から水中を岸辺まで登ってきて、上陸ポイントを自分で決めます。
(3)他の多くの♂は岸辺で池の外を向いてほぼ等間隔で並んで各自が縄張りを張り、♀が産卵に来るのを待ちます。
ただし、自分の縄張りの近くに♀が来なければ、抱接のチャンスは無いでしょう。
一方、池の水面に浮いている♂は、独自の繁殖戦略なのかもしれない、と思いつきました。
つまり水面で全方位を見張り、♀が岸辺のどこに現れても一気に泳いで♀の元に駆けつける作戦なのかもしれません。
池が小さかったり、岸辺で待機するライバル♂の数が少なければ、その作戦でも♀獲得に成功する可能性がありそうです。
しかし池が大きかったりライバル♂の密度が高くなったりすると、池の中央から泳いで辿り着く前に、岸辺で予め待っていたライバル♂がすぐに♀を掴まえ抱接してしまうはずです。
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