2021年2月中旬・午後12:10頃・くもり
雪に埋もれた里山の林道を私がスノーシュー(西洋かんじき)で登っていると、すぐ横の法面から1羽の白ウサギが突然飛び出してきて、脱兎の如くスギ林の方へ走り去りました。
慌ててカメラを起動しても間に合いませんでした。
ニホンノウサギ(Lepus brachyurus angustidens)が林道沿いの斜面に浅い横穴を掘って、雪洞の中に隠れていたようです。
どうやって雪洞を掘ったのか、想像してみました。
ノウサギが雪面にじっと座っていたら自分の体に雪が降り積もって自然に埋もれたという訳ではありません。
林道を走ってきたノウサギが横の斜面の深雪に勢いよくズボッと飛び込んでから、横穴を少し掘って即席の隠れ家(雪洞)を作ったようです。
巣穴とか塒 と呼べるのかどうか、ノウサギの生態に疎い私にはよく分かりません。
雪洞の中で寝ていたのなら塒 と言えるでしょう。
繁殖用の巣穴ではありません。
雪洞を出て雪面に残った足跡を辿ると、前方を逃げるニホンノウサギを何度か目撃したものの、どうしても動画に撮れませんでした。
冬毛のノウサギは見事な保護色で、雪山のどこに隠れているのか、飛び出すまで全く分からないのです。
GoProなどのアクションカメラを身体に装着して、ドライブレコーダーのように一人称動画(主観動画)をひたすら記録し続けない限り、突発的な出来事に対応するのは無理なのかな?
ノウサギが隠れ家から飛び出す決定的瞬間を撮り損ねたのがあまりにも悔しかった私は、スノーシューによる雪山探索中はカメラのエコモードを切り、常時起動させておくことにしました。
バッテリーの消耗が激しくなるのは仕方がありません。
レンズキャップだけは装着しておきます。
何度も失敗したものの(間に合わず)、後日ようやくノウサギの逃走シーンを撮ることができました。
▼関連記事(12日後の撮影)
雪山に隠れ走り去る冬毛のニホンノウサギ(フィールドサイン:足跡、食痕、糞)この日の雪質はクラスト状態から溶けた重い腐れ雪(湿雪)で、スノーシューを履いても山中を歩くのは疲れます。
日陰で雪面が固くクラストしている所では動物の足跡が明瞭に残りにくいことがあり、トラッキングがやや難しくなります。
動画には撮っていませんが、トラッキング中に気づいた点は。
ノウサギの足跡が落葉灌木の横を通った際に、小枝の先がスパッと斜めに切り落とされていました。
ウサギの食痕はカモシカの食痕とは明らかに違います。
沢沿いに自生するユキツバキの群落が雪の中から常緑の葉を覗かせていました。
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