2019/08/24

巣内で獲物を捕食後に抱卵するノスリ♀(野鳥)




ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#5



▼前回の記事
柳樹上の巣で抱卵するノスリ♀(野鳥)

2019年5月上旬

9日ぶりの定点観察。
現場についてとりあえず手持ちカメラで対岸の巣を覗くと、ノスリButeo japonicus)親鳥(おそらく♀)が珍しく巣内で立ち上がっていました。
何をしているのかいまいちよく見えないのですが、どうやら♂が運んできた獲物を♀が食事中だったようです。
(撮影中は、素人目には転卵しているのかと思いました。)
私がもう少し早く来ていれば、獲物の搬入シーンが見れたかもしれません。

急いでカメラを三脚に据え付けたものの、この日は晴天でも風が強くてカメラが振動してしまいます。
もっと三脚に投資して本格的で(プロ仕様の)剛健な物を買い揃えないといけませんね。
お金が無い者は無いなりに色々と工夫するしかありません。
まず、動画編集時に手ブレ補正すると、風による振動もかなり改善されました。
後日の撮影では、水入りのペットボトルを三脚に吊るして重しにして、振動を抑えるようにしました。

巣内の親鳥♀は、こちらを向いてキョロキョロ見回しています。
巣の縁にずっと立っていた親鳥♀がその場で足踏みを始め、つづけて座り込みました。(@3:45〜)
抱卵を再開したようです。
対岸から見ている私の目を避けるように、巣内で姿勢を低くしています。

30分ほど現場を離れてからこっそり再訪しても、巣内のノスリ♀は抱卵を続けていました。
営巣木の柳や河畔林のニセアカシア高木が強風で大きく揺れています。
周囲からホオジロ♂の囀り♪が聞こえます。

ノスリの営巣地に隣接する河畔林が一部伐採されていることに気づきました。
伐採作業のせいで親鳥が巣を放棄するのではないかと心配です。
なんとかこのストレスを乗り越えてくれれば、やがて伐採跡に草地が広がって野ネズミが増え、ノスリは巣の近くで獲物が増えて嬉しいかもしれません。

つづく→#6:ノスリの雛が孵化した!(野鳥)


ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+獲物捕食?
ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵

ミシシッピアカミミガメ♂2頭が並んで甲羅干し



2019年5月中旬・午後12:15頃

池には小さな蓮の葉がようやく水面に出てき始めました。
いつもの岩場で大小2匹のミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が日光浴していました。
快晴で絶好の甲羅干し日和です。
平らな岩で2匹は同じ方向を向いて並んでいます。
気持ちよさそうに瞬きしたり、たまに首を引っ込めたりするだけで、あまり動きがありません。
水面からの照り返しが眩しそうです。

後ろから見ると、尻尾の上の部分の甲羅にV字型の切れ込みがあるので、共に♂ですかね?


ミシシッピアカミミガメ2:側面@蓮池:岩場+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ2:正面?@蓮池:岩場+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ2:後方@蓮池:岩場+甲羅干し

天高くさえずるヒバリ♂が河川敷に離着陸(野鳥)



2019年6月上旬

河原の上空を飛びながらヒバリ♂(雲雀;Alauda arvensis japonica)が朗らかに歌い上げています。
青い空、白い雲を背景に、美声で囀りさえずりながら天高く飛ぶ姿はまさに「美空ひばり」。

鳴いて縄張り宣言しながら青空を旋回していたヒバリ♂が急に羽ばたきを止めて滑翔開始。(@1:40)
急降下して河川敷の芝生に着陸しました。

草地で入巣するかと思いきや、私を警戒しているのでしょうか?
巣の位置は突き止められませんでした。
河川敷が小奇麗に短く草刈り(芝刈り)されているのは、ヒバリの営巣にとって悪影響じゃないかと思うのですけど…。(§追記参照)
(この点は未だ私の勉強不足で、はっきりしたことが言えません。ヒバリは意外と気にしない?)
だとすれば、営巣期の間だけでも草刈りを控えてもらいたいものです。
ヒバリ♂はまたすぐに飛び立つと(@2:46)、上昇しながら上流方向へ飛び去りました。

※ 肝心のヒバリの鳴き声が聞き取りにくかったので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
風切り音などのノイズもうるさくなるのは仕方がありません。
周囲ではオオヨシキリやカラスも鳴いています♪


§【追記】
大田眞也『田んぼは野鳥の楽園だ』という本によると、

草丈が低い草地ではヒバリが、草丈が高いススキの原ではセッカや籠脱けしたベニスズメなども営巣している(p237より引用)
これが本当なら、ヒバリはむしろ草丈が低い方が好みのようです。
それでも、短く刈り込みすぎた草地ではヒバリは営巣できない気がします。




ヒバリ♂(野鳥)@河川敷

2019/08/23

送電塔の巣箱で育雛する共働きのハシブトガラス親鳥♀♂【10倍速映像】(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#12



▼前回の記事
巣箱に通って雛に給餌し糞を処理するハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年6月上旬・午後15:54〜18:21

6日ぶりの定点観察。
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)親鳥が代わる代わる巣箱に通って給餌する様子を微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
晴れて無風だと三脚が振動しなくて助かります。
送電塔の背後の青空を白い雲が流れ、飛行機雲はすぐに消えてしまいます。

採餌から帰巣した親鳥は、餌を詰めた喉袋が膨らんでいます。
未だ雛が幼いために、給餌頻度は低いようです。
親鳥が鉄骨に止まった途端に巣内の雛が気づいて餌乞いするようになりました。
給餌した後の親鳥が巣内の雛を覗き込んでいるのは、排糞処理か食糞だと思います。
親鳥が不在の間も雛が巣内で少し動いているのが分かります。
親鳥♀♂が連続して帰巣、給餌するシーンが撮れたので、共働きで育雛していることになります。
巣に残った親鳥(おそらく♀)が雛の横にしばらく座って面倒を見ていることがありました。
(もう抱雛する必要はないようです)

動画の前後半で撮影地点を変えてみました。
前半は巣箱をかなり見上げるアングルになり、育雛の様子があまり見えませんね。
なるべく親鳥から見つからないように隠し撮りしたつもりだったのに、すぐにバレてしまいました。
コソコソと隠れるのは止めて、送電塔から距離を取りつつも丸見えの状態で私の存在を人畜無害だと親鳥に馴れてもらう作戦に切り替えました。

カメラのバッテリーが切れてしまい、日没直前に微速度撮影を終了しました。
送電塔の鉄骨が夕日に染まってフォトジェニックだったのに残念。




↑【おまけの動画】
もう少し長いバージョンをブログ限定で公開します。

長撮り監視すると、親鳥がかなり長時間、雛をほったらかしにして巣を留守にしていたことが分かります。
最初の動画では、親鳥の不在シーンは退屈なので編集でかなりカットしました

つづく→#13:
救急車のサイレンに対する育雛中のハシブトガラス親鳥♀♂の反応(野鳥)

ヒメジョオンの花蜜を吸うヒメウラナミジャノメ【HD動画&ハイスピード動画】



2019年6月上旬

川沿いの土手の下の草むらに咲いたヒメジョオンの群落でヒメウラナミジャノメYpthima argus)が訪花していました。
翅を開閉しながら吸蜜しています。
この組み合わせは初見です。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:41〜)
前後半で別個体を撮影。


ヒメウラナミジャノメ@ヒメジョオン訪花吸蜜
ヒメウラナミジャノメ@ヒメジョオン訪花吸蜜



2019/08/22

柳樹上の巣で抱卵するノスリ♀(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#4

▼前回の記事
ノスリの巣を見つけた!(野鳥)

2019年4月下旬・午後

6日後の定点観察。
持参した三脚を立てるのももどかしく、まずは手持ちカメラでノスリButeo japonicus)の親鳥(おそらく♀)が巣に居ることを確認して安心しました。
猛禽類の夫婦は一般に♂<♀と言われていて、体格で見分けられるのだそうです。
しかし♀♂つがいが並んでくれない限り、私のような素人には区別できません。

巣から顔を少しだけ出してじっとしている親鳥♀が瞬きしています。
川を挟んで対岸に居る私を警戒しつつ抱卵中のようです。
胸の羽毛が白いので、おそらくノスリだと思います。
(この時点では未だ翼の下面など全身を見せてくれず、別種の猛禽類である可能性も考えていました。)

しばらく撮っていると、♀親が顔をくるっと背けました。
やがて向き直り、瞬きしました。
営巣地の反対側で何か気になる物音がしたのでしょう。
抱卵中の親鳥♀が顔をキョロキョロと動かすのを見たのはこれが初めてです。
なにしろ猛禽類の営巣を見るのは初めてなので、些細な動作にいちいち感動します。

カメラを三脚に固定しても映像がグニャグニャと歪んで見えるのは、手前を流れる川の上に陽炎が立ち上り、太陽で暖められた空気が揺らめいているからです。

より良い撮影アングルを求めて探し歩いたのですが、おそろしく狭い角度で狙撃手G13が針の目を通すようにピンポイントで巣を狙わないといけないことが分かりました。
三脚を据える位置を少しでも横にずらすと、巣内の親鳥の姿が周囲の木に隠れて見えなくなってしまいます。
そのうちに、抱卵中の♀が一層警戒して、首をすくめるように巣の奥の死角に引っ込んでしまいました。
これから河畔林の若葉が生い茂り始めると、ますますノスリの巣の存在は隠されてしまうはずです。
(そのような安心できる場所に親鳥は巣を作ったのです。)
私が近くの大木によじ登ればノスリの巣内を覗けるのかもしれませんが、意外に人目が気になる場所なので樹上にブラインドを張るのも憚られます。
親鳥になるべくストレスを与えないように、無理せずこのまま定点観察に通うことにします。

ところで、近くの河原で採餌しているカラスのつがいが、巣内のノスリをモビングしないのは不思議です。
まさかカラスは、ノスリの巣の存在に気づいていないのでしょうか?(そんな馬鹿な!)

15分ほどの観察中に、ノスリ♂の姿は一度も見かけませんでした。
どこか遠くで狩りをしているのかな?


つづく→#5:巣内で獲物を捕食後に抱卵するノスリ♀(野鳥)


ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
アングルを少し変えるだけで親鳥の姿はほとんど見えなくなる。(巣材の隙間から片目だけが覗いている)

ユリノキで雨宿りしながら虫を捕食するスズメ(野鳥)



2019年6月上旬

大木に育ったユリノキで黄色い花が満開に咲いていました。
あいにくの雨模様で訪花昆虫の活動は見れません。
その代わりに、1羽のスズメPasser montanus)が樹上で雨宿りしていました。
枝から枝へ飛び回り、葉裏に付いた虫(アブラムシ?)を次々に喋んでいます。

スズメが雨宿りしていると思ったのは私の勘違い(先入観)で、このぐらいの雨なら平気なスズメがユリノキの葉裏で雨宿りしている虫を捕食しに来たのかもしれません。


ユリノキ花
ユリノキ花
ユリノキ蕾+花
ユリノキ幹

スズメ(野鳥)@ユリノキ樹上+雨宿り
スズメ(野鳥)@ユリノキ葉裏+虫捕食

2019/08/21

送電塔の巣箱での営巣に失敗したハシボソガラス親鳥♀♂(野鳥)



2019年5月下旬・午前5:35

発電した電気を高圧線(送電線)で遠方まで届けるために送電塔が郊外に点々と建てられています。
一部の鉄塔の中段にカラス用の巣箱が設置されていることに気づきました。
ハシブトガラスが営巣した巣箱を今季は定点観察しているのですが、その近所の鉄塔も次々に見て回りました。
すると、ハシボソガラスCorvus corone)の♀♂つがいが出入りしている巣箱を見つけました。

早朝から巣箱に入った2羽のハシボソガラスが、お辞儀をしながら嗄れ声でガーガー♪と頻りに鳴き騒いでいます。
巣箱の中はなぜか巣材が少なくスカスカです。
果たして完成した巣なのか疑問です。
中に卵や雛が居るとは思えません。
巣箱内でカラスが巣材の小枝を置き直しているということは、今頃になって造巣を始めたのでしょうか?

やがて2羽のカラスは相次いで巣箱を離れました。(映像はここまで)
新たに巣材を運び込んで来るのかと思いきや、4時間後に私が再訪すると、ハシボソガラスの♀♂親鳥は不在でした。
ぐるっと回り込んで送電塔#KbT7にぐっと近づいて巣箱を調べてみると、やはり中には巣材の枯枝が少なく、明らかに手抜き状態です。
雛が居る気配もありません。

ちょうど1か月前に近くの河畔林で巣材としてツルウメモドキの蔓をせっせと集めていたハシボソガラスはこのつがいではないか?と考えました。
あの日に巣材を持って飛び去った方角と送電塔#Kb7の位置が合致するのです。

▼関連記事
ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)
しかし、巣箱に残されている巣材をよく見てもツルウメモドキの蔓らしくありません。(素人目には違う気がする…)

ハシボソガラスはハシブトガラスよりも営巣開始が早く、雛も早く巣立ちます。
実際にこの日も近くの河畔林で巣立ったばかりのハシボソガラス幼鳥を観察しています。

▼関連記事
ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)
川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)
したがって、この巣箱がハシボソガラスの巣だとすると、繁殖活動が著しく遅れているつがいになります。
別の場所に作った巣をヒトに撤去されたなど、何らかの理由で新たに巣を作り直しているのでしょうか?

作りかけで放棄された偽巣なのかな?
この送電塔は某公共施設の敷地の隅に立っているので、カラスは巣を作りかけたものの、人通りの多さが気に入らなかったのかもしれません。
逆に雛が巣立った後の空巣だとすると、もう巣箱に用が無いはずの親鳥が♀♂揃って早朝から巣箱に来ていた意味が分かりません。
今季は繁殖に参加できなかった若鳥が巣作りの真似事をしていたのかもしれませんが、私の想像に過ぎません。

さらに数日後に私がしつこく調べに来たときも、この巣箱は作りかけの巣材が少量残されたままで進展がありませんでした。
という訳で、送電塔の巣箱でハシボソガラスが繁殖に成功したことを私は確認できていません。
来季の宿題です。

(巣箱が設置されていない送電塔で営巣するハシボソガラスは毎年のように見ています。)

ハシボソガラス親鳥♀♂(野鳥)@巣:送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
高圧線を通す上段の鉄骨にはカラスが営巣しないように様々な障害物が設置されている。
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7・全景
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7・全景

ちなみに、ハシブトガラスが営巣している巣箱がある送電塔#KN7の1つ隣り#KN8にもカラス用の巣箱が同様に設置されていました。

そちらはカラスに利用されておらず完全に空っぽでした。

親鳥はどういう基準で利用する巣箱を選ぶのでしょう?

カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8・全景
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8・全景

ハルニレの葉で鳥糞に集まるツノアオカメムシ幼虫



2019年5月下旬

河畔林でハルニレの枝葉にツノアオカメムシ幼虫を何匹も見つけました。
その中の1匹が若葉にべっとり付着した鳥の白い糞に口吻の先を付けて吸汁していました。
ミネラル分を摂取していたのでしょう。
しかし、すぐに警戒して葉裏に隠れてしまい残念。
枝葉を徘徊する幼虫を撮り続けても、期待に反して鳥の糞には戻ってくれません。
鳥の糞の上で立ち止まっても、跨いで通り過ぎてしまいました。
マクロレンズで接写したのですが、早朝の木陰はかなり薄暗いので白色LEDの補助照明を点灯しました。
撮影中にツノアオカメムシの幼虫が落ち着かなかったのは、照明やレンズが気に入らなかったのかもしれません。
警戒されないように、少し離れた位置から望遠マクロで撮るべきだったかも。

鳥の糞を吸汁するカメムシを私が見たのは、これで3例目になります。

▼関連記事
鳥の糞を吸汁するツノアオカメムシの幼虫 @2016年6月上旬・クリ葉
鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀ @2014年5月下旬・林床下草

ところで、このハルニレの若葉には葉表に赤い虫こぶ(虫えい)が多数形成されていました。
薄葉重『虫こぶハンドブック』で調べてみると、ハルニレハフクロフシのようです。(p28)
オカボノクロアブラムシの仕業なのだそうです。



カメムシが虫こぶから吸汁したら面白いと思ったのですが、しばらく眺めていてもそのようなことは起こりませんでした。


ツノアオカメムシ幼虫2@ハルニレ葉+鳥糞吸汁?・全景

ツノアオカメムシ幼虫@ハルニレ葉+鳥糞吸汁?
ツノアオカメムシ幼虫2@ハルニレ葉
ツノアオカメムシ幼虫2@ハルニレ葉

ツノアオカメムシ幼虫@ハルニレ葉

鳥糞@ハルニレ葉

ハルニレハフクロフシ(虫こぶ)@ハルニレ葉表

2019/08/20

ノスリの巣を見つけた!(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#3


▼前回の記事
川沿いの柳の樹上で鳴き続け♪羽繕いするノスリ♂(野鳥)

2019年4月下旬

ノスリ♂と別れてから、対岸の河畔林を見ながら上流に向かって歩くと、近くに生えた落葉高木の幹の中程に大きな鳥の巣を見つけました。
巣材の枯枝を大量に集め、丸く積み上げて作られています。
私が見慣れているカラスの巣よりも大型です。
気になる巣を写真だけでなく念の為に動画でもアングルを変えながら望遠レンズで記録してみました。
撮影中は保護色で気づかなかったのですが、映像を見直してみると♀と思われるノスリButeo japonicus)親鳥が巣内にじっと座り込んでこちらを睨んでいました。
目の瞬きが確認できます。
猛禽類の巣を見つけたのは当然これが初めてです。
落葉樹の若葉が未だあまり開いていない時期なので、対岸の河畔林がよく見通せてラッキーでした。

ちなみに、この日は桜前線が当地を通過してソメイヨシノの花が満開でした。

親鳥は明らかに私のことを警戒しているようで、巣内に座っているだけで身動きしません。
おそらく抱卵中のノスリ♀でしょう。
ただし細かいことを言うと、転卵行動を見ない限り、抱卵であることの確証が持てません。
(つまり抱雛の可能性もありましたが、後日の観察結果と総合すれば、「ノスリの抱卵」という解釈で大丈夫だったと分かりました。)

巣を撮っているカメラをそのまま左に振ると、1分前に別れたばかりのノスリ♂が近くの柳の樹上にいるはずです。
残念ながら手前(此岸)の灌木の陰で死角になっていたので、編集でカットしました。
縄張りの河畔林でノスリ♂がハシボソガラスの群れにモビングされて逃げ回っていたときには、ノスリ♂を励ますように巣内のノスリ♀も鳴いていたようですが、私が巣にカメラを向けると鳴き止んでしまいました。

大阪市立自然史博物館叢書『日本鳥の巣図鑑―小海途銀次郎コレクション』を紐解いてノスリの巣の特徴を調べてみました。

営巣場所: 北海道〜九州(主に本州中部以北)の平地から亜高山の林の高い木、岩石の上、崖の棚などで繁殖する。牧場やスキー場など開放地に隣接する林を好む。

巣の特徴: 枯れ枝を積み重ねて、大きな皿形の巣をつくる。産座には針葉樹の青葉のついた小枝を敷くことが多い。
(p46-47より引用)

神経質になっているノスリ親鳥を刺激しないように、営巣地には当分の間、無闇に近づかないようにしないといけません。
河畔林が密生しているので、対岸から望遠レンズで撮っているだけでは、営巣木の樹種がこの後何ヶ月も見分けられませんでした。
営巣木を挟むように手前に並んで立っている木はニセアカシアです。
この後の連載で営巣木をいちいち「謎の落葉高木」と書くと煩雑になるので、先に樹種を柳と種明かししておきます。
雛が巣立った後の真夏に営巣木の樹種を調べに行き、ようやく柳と判明しました。(シリーズ最終回をお楽しみに)

つづく→柳樹上の巣で抱卵するノスリ♀(野鳥)


ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
ノスリ(野鳥)巣:柳樹上

ノスリ(野鳥)巣:柳樹上・全景
ノスリ(野鳥)巣:柳樹上・全景

ニセアカシアの花の周りを探雌飛翔するウスバアゲハ♂



2019年5月下旬・午後16:30頃

川の堤防沿いに生えたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の並木で白い花が満開に咲いていました。

そこで1頭のウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が忙しなく飛び回っています。
ようやく花に止まっても風で枝が揺れ、吸蜜したかどうかよく見えませんでした。
腹部の交尾嚢も未確認で、性別判定が出来ませんでした。


▼関連記事(吸蜜シーンはこちらの動画がよく撮れています。)
ニセアカシアの花蜜を吸うウスバアゲハ

しかし、なんとなく、交尾相手の♀を探して飛び回っている♂(探雌飛翔)ではないかという気がします。
ニセアカシアはウスバアゲハ幼虫の食草リストに含まれていませんから、産卵目的の♀のはずはありません。
風が吹く中を飛ぶのは疲れるらしく、しばらく飛ぶとニセアカシアの葉に止まって休息しました。


※ いつものように動画編集時に手ブレ補正すると、却って不自然な動きになってしまいました。
仕方がないので、素材をそのまま繋いだだけでお届けします。


ウスバアゲハ@ニセアカシア訪花吸蜜

2019/08/19

日暮れに高圧線で巣の周囲を見張るハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#5



▼前回の記事
巣箱のある送電塔でいちゃつくハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:24〜19:20(日の入り時刻は18:49)

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥が高圧線に舞い戻って来ました。
澄んだ声でカーカー♪鳴き続けています。
巣箱がある送電塔からなるべく離れたくないのは♀ではないか?となんとなく予想しているものの、性別を外見で見分けられません。

しばらくすると、もう1羽の親鳥も高圧線に戻って来ました。
2羽が同時に飛び上がり、鳴きながら飛び去りました。
私への威嚇誇示にしては飛ぶ方向が少し違うので、川の方で領空侵犯があったのかもしれません。

次に高圧線に並んで止まった時は、親鳥の♀♂つがいが各自で羽繕いしていました。

日が暮れると辺りはかなり薄暗くなりました。
高圧線で並んで休んでいた親鳥♀♂のうち右側の個体が鳴きながら高圧線から飛び降りました。
領空侵犯への対応かな?
遅くまでご苦労様です。
澄んだ声と嗄れ声の両方が聞こえるものの、誰の鳴き声か不明です。(ハシボソガラスによる領空侵犯とは限らない)
高圧線に残った個体は無反応で、もう1羽に任せっぱなしです。

かなり暗くなったので、手持ち夜景モードに切り替えて動画撮影しました。
高圧線に止まった親鳥が独りで羽繕いしています。
左にパンして巣箱のある送電塔を写すと、親鳥は不在で誰も抱雛していません。
もしかすると私が見ているせいで、親鳥は警戒して帰巣しないのかな?
親鳥はこれから巣箱に戻って抱雛しながら夜眠るのか、それとも親鳥のねぐらは別の場所にあるのか、このまま高圧線で夜を明かすのか、気になるところです。

暗くなり動画撮影が限界になったので、観察を打ち切りました。
ここまでが観察初日の記録です。

つづく→#6




ミズキの花の周囲で占有飛翔するクマバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年5月下旬・午前7:40〜8:07

河畔林で花がほぼ咲き終わったミズキ大木の横でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)がホバリング(停空飛翔)して交尾相手の♀を待ち構えていました。
クマバチの雄蜂♂は正面から顔を見ると、白い頭楯が目立ちます。(♀の顔は黒い)

クマバチ♀に限らず他の昆虫でも何か飛行物体が縄張りに侵入すると、クマバチ♂はすぐに急行し、追い払ってしまいます。
スクランブルの後はだいたい同じ空域にすぐ戻って来て、縄張り占有行動を続けます。
ライバル♂が来ると空中戦になります。
▼関連記事
満開の桜並木にてクマバチ♂の占有飛翔と闘争

ホバリングするクマバチ♂を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:04〜)
ホバリング中の体軸は水平ではなく、少し上向きで斜めになっていました。
ラストシーンではミズキの隣に立っていたニセアカシアの花の周囲にも少し進出しましたが、ホバリングしながらミズキの方へ戻って来ました。
ミズキの白い花がどんどん散っていて、撮影中も風が吹くと次々に降り注ぎます。

冒頭のシーンでは珍しくクマバチがミズキの花に着地していました。(@0:00〜0:20)
引きの絵で撮ったので、性別が見分けられません。
吸蜜(および採餌)を済ませて花から飛び立つと奥の枝に移動して見失いました。

複数個体を撮影。


クマバチ♂@ミズキ訪花+縄張り占有飛翔
クマバチ♂@ミズキ訪花+縄張り占有飛翔
クマバチ♂@ミズキ訪花+縄張り占有飛翔

川沿いの柳の樹上で鳴き続け♪羽繕いするノスリ♂(野鳥)



2019年4月下旬


▼前回の記事
ハシボソガラスの群れにモビングされ早春の河畔林を逃げ回るノスリ♂(野鳥)

カラスのモビングで追い立てられたノスリButeo japonicus)が河畔林の大木の横枝に止まり、ピーェ、ピーェ♪と甲高い声で鳴き続けています。
芽吹き始めた若葉の細長い形状を見ると、樹種は柳だと思います。
近くで営巣していると思われるハシボソガラスが本気になってノスリを縄張りから追い出さないのが、このときは不思議でした。
カラスはノスリのつがいのもう片方も近くに居るのを知っているから、手強い相手を深追いしないのかな?

この鳴き方はノスリ♂の囀りさえずりなのですかね?
それともカラスへの警戒声?
ノスリは鳴き方のバリエーションが乏しくて、素人には解釈に困ります。

しばらくすると、ようやくリラックスしたのか、左肩の辺りを嘴で羽繕いし始めました。(@2:46〜)
止まり木で横に数歩ずれました。


※ 対岸からでは鳴き声がかすかにしか聞こえないので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
その結果、手前に流れる川の音や風切り音もうるさくなってしまうのは仕方がありません。


つづく→ノスリの巣を発見!


ノスリ♂(野鳥)@柳樹上♪
ノスリ♂(野鳥)@柳樹上・全景

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