2020/05/02

キボシカミキリ♂同士の喧嘩(配偶者防衛に成功)



2019年10月下旬・午後16:11〜16:36(日の入り時刻は午後16:41)


▼前回の記事
キボシカミキリ♀♂の交尾行動(交尾器のクローズアップ)

キボシカミキリPsacothea hilaris hilaris)の配偶者防衛(交尾後ガード)が寄主植物ヤマグワの幹のあちこちで繰り広げられていました。
この記事では、♂同士が争って配偶者防衛に成功しライバル♂を撃退できた3例をまとめて紹介します。(配偶者防衛の失敗例は次回)

シーン1:(@0:00〜1:09)

産卵加工している♀に背後から♂aがマウントし、交尾後ガードしています。
独身のあぶれ♂bが幹の上から歩いて降りて来ました。
♂は触角が真っ直ぐで長いので♀と区別可能です。
交尾中のペアに気づくと♀に接近し、♀♂aペアの隙間に強引に割り込もうとします。
♂aが♀の背に覆い被さってガードしながらライバル♂に応戦しました。
相手に大顎で噛み付いているような気もしますが、動きが激しすぎてよく分かりません。
決着が着くと、あぶれ♂bはあっさりと逃げ出しました。
勝った♂aは元のマウント姿勢(配偶者ガード)に戻りました。
喧嘩中はあぶれ♂bの方を向いていたのに、勝利の後は体軸を♀と平行に戻しました。
カメラを上下にティルトすると、更に多くの交尾ペアおよび単独個体が根際も含めて桑の幹のあちこちに集まっていました。
にも多い。


シーン2:(@1:09〜1:53)

産卵加工および交尾後ガード中の♀♂cペアを側面から撮っていると、独身のあぶれ♂dが幹の上から降りて来ました。
交尾中のペアに気づいて近づくと、お邪魔虫♂dは割り込もうとしました。
交尾後ガード中の♂cと独身♂dの間で激しい喧嘩が始まりました。
体格は目視でも♂c>♂dでした。
♂同士は互いに正面から向かい合うと、長い触角の根元付近で押し合いしています。
喧嘩中に相手を噛み付いてはいませんでした。
触角の長さあるいは体長を比べているのか、それとも単純に体重で勝負が決まるのでしょうか?
小柄な独身♂dが負けて、すごすごと立ち去りました。
逃げた先に別の交尾ペア♀♂が居たのですが、負けたばかりで自信喪失したあぶれ♂dは連戦を挑まずに、幹をどんどん下ってしまいました。



シーン3:(@1:53〜2:50)

マクロレンズで接写し始めたときには♂同士の闘争が既に始まっていました。
交尾後ガード中の♂eに対してあぶれた独身♂fが正面から戦いを挑んでいます。
触角の根元を押し合いながら上体を起こしてがっぷり四つになったときに、相手の身長や押す力を品定めしているのかな?
この試合でも大顎で相手に噛みつく攻撃はしませんでした。
あぶれ♂fが敗走しました。
♂同士が激しい格闘をしている間も、♀は平然と桑の樹皮を齧って産卵加工を続けています。
配偶者防衛に成功した♂は引き続きマウント体勢のまま交尾後ガードを続け、ときどき♀の背を口髭で舐めています(リッキング)。



深谷緑『キボシカミキリの配偶行動と生態情報利用、体サイズ』によると、

一般的に♀をめぐる♂同士の闘争においては体サイズが大きい方が有利なことが多いとされている。 (『カミキリムシの生態』第5章p172より引用)


つづく→キボシカミキリ♂同士の喧嘩(♀の強奪・交尾)




エクリプスのホオジロガモ♂が池の水面で羽繕い(冬の野鳥)



2019年12月上旬・午後14:20頃・くもり

普段はカルガモしか居ない溜池に、この日は白黒の見慣れないカモが居ました。
頭が黒くてお洒落です。
図鑑で調べてみると、エクリプス状態のホオジロガモ♂(Bucephala clangula)と分かりました。

冬鳥のホオジロガモがこの池には単独で渡来したようで(一番乗り?)、同種の仲間は居ませんでした。
水面を漂いながら念入りに羽繕いしています。
その合間に嘴を水で濡らすこともありました。

マガモ♂、カルガモと異種の3羽が並んで遊泳しても互いに無関心で、すぐに別れました。
ホオジロガモ♂を初めて観察できて、嬉しい収穫です。


ホオジロガモ♂(野鳥)エクリプス@池+遊泳+羽繕い
左からホオジロガモ♂(エクリプス)、マガモ♂、カルガモ


2020/05/01

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うイタヤキリガ(蛾)



2019年10月下旬・午後12:40頃

川沿いの道端に咲いたセイタカアワダチソウの群落でイタヤキリガCosmia trapezina exigua)と思しき地味な蛾が訪花していました。
翅を閉じた三角屋根の姿勢のまま花穂を歩き回り、一心不乱に吸蜜しています。

花から飛び立つまで粘る余裕がこの日は無くて、撮影終了。




川に出入りし岸で脱糞するオオバン(野鳥)



2019年11月下旬・午後16:25(日の入り時刻は午後16:22)


▼前回の記事
川面で近くのオオバンを攻撃するオナガガモ♂(冬の野鳥)

川岸の土手に残って草を食べていたオオバンFulica atra)が水際に戻って来ました。
砂地の川岸を弁足でぺたぺたと歩き回っています。
先に川に戻った仲間(つがい?)とはぐれたので不安になったのでしょうか。
しかし鳴いて仲間を呼ぶことはありませんでした。
コンクリートの岸から川に飛び降りた…と思いきや、なぜかすぐにまた上陸しました。

川岸を徘徊しながら黒っぽい糞をポトリと排泄(@1:11)。
直後に尾羽根を素早く左右に振り動かしました。

広い川面のどこかでオナガガモの群れに紛れ込んでいるオオバンの仲間を見つけたのでしょうか。
ようやく決心がついたのか、川に入水して泳ぎ去りました。
(その後仲間と出会えたかどうか、私は見届けていません。)


『マルチメディア鳥類図鑑』でオオバンを調べると、

オオバンにはみずかきがないのに、泳いだり、もぐったりすることができる。(中略)
 オオバンのあしゆびには、弁がついている。あしのゆびにそってヒレがあるのだ。そのヒレは後ろにかくときだけ広がり、前にもどすときは閉じて、水の抵抗を少なくする。ヒレの動きがポンプなどの弁と同じなので、弁足とよばれる。

あしが後ろのほうについているので、歩くのはうまくない。おもに水面を泳ぎながらえさを探すが、ときに水にもぐることもある。草のタネや水草を食べる。飛び立つときには、水面を助走する。





2020/04/30

菊の花蜜を吸うヒメアカタテハ



2019年11月上旬・午前10:55頃・晴れ

郊外で民家の庭に咲いた赤紫の菊でヒメアカタテハVanessa cardui)が訪花していました。
日差しが強くて暑いのか、翅をほぼ閉じたまま吸蜜しています。
後半は羽根を少し半開きにして開閉しました。

私は園芸植物に疎いので、この菊の名前(品種名?)をご存知の方は教えてください。


ヒメアカタテハ2@菊(赤紫)訪花吸蜜

河原で水浴びするハシブトガラス(野鳥)



2019年11月上旬・午後15:15・晴れ

河原でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が単独で行水していました。
中州の横の岩に乗って、濡れた羽を羽繕いしています。
晩秋の日差しに輝く「烏の濡れ羽色」は、いつ見てもきれいですね。
岩からピョンと入水して浅瀬で水浴を再開。
翼でバシャバシャと水を跳ね上げて全身を濡らします。
今度は大きな岩に飛び乗ると、身震いして水気を切り、また羽繕いします。
すっきりしたハシブトガラスは岩から飛び立ち、岸に向かって行きました。

カメラのバッテリーが切れてしまいましたが、なんとかギリギリ最後まで撮り切ることができました。

柴田佳秀『うち、カラスいるんだけど来る? カラスの生態完全読本』という本を読んでいたら、「行水時間には個体差がある(p101より)」と知って意外でした。
追試したくても、カラスに足環を付けて個体識別しないことには難しそうです。






2020/04/29

キボシカミキリ♀♂の交尾行動(交尾器のクローズアップ)



2019年10月下旬・午後16:23〜16:34(日の入り時刻は午後16:41)


▼前回の記事
キボシカミキリ♀が桑の幹を移動しても追従する♂(配偶者防衛行動)


キボシカミキリ♀♂(Psacothea hilaris hilaris)2ペアの交尾行動をマクロレンズで接写することができました。
薄暗い夕方なので、補助照明の白色LEDを点灯しています。
本来キボシカミキリの配偶行動は夕方から夜にかけて活発に行われるらしいのですが、照明が眩しくても幸い交尾行動に影響はなさそうです。

ヤマグワの樹皮を大顎で齧って傷つけて産卵加工している♀を撮っていると、前傾姿勢で大顎に力を込める♀の腹端で産卵管(焦げ茶色の細い筒状)が少し伸縮していました。
♀の口元には樹皮を削り取った木屑が付着しています。
♀の背後からマウントした♂がときどき♀の背中を口髭で舐めて(リッキング)います。
やがて♂が腹端を強く曲げて交尾器を伸ばし始めました。
茶色い♀産卵管の末端から♂交尾器を挿入したようです。
初めて見るキボシカミキリの♂交尾器は黄色くて細長く、ねじれていました。
1分足らずで♂が交尾器を引き抜くと、長いペニス(腹部の長さとほぼ同じ)は直ちに縮んで腹端に格納されました。
交尾に挑むマウント姿勢が浅い気がしたのですが、これほどペニスが長いのであれば納得です。
交尾中も♀は構わずに産卵加工を続けています。
交尾が済んでも♂は♀の元を離れずに交尾後ガードを続けます。

2組目のカップルでは交尾開始を見逃してしまいました。
この♂の交尾器は白かったです。
ペニスの色の違い(黄色/白色)は撮影角度や照明の有無によるものか、それとも移精の有無によるものか、どちらでしょう?


キボシカミキリは♂同士で精子競争があるそうです。
深谷緑『キボシカミキリの配偶行動と生態情報利用、体サイズ』によると、

 キボシカミキリの♂は、精子置換(sperm displacement)を行う。交尾の最初の段階で、短い間交尾器で接続する行動を反復し、このときに♂は♀体内にある先に交尾していたライバル♂の精子を、生殖器の先の逆だった鱗状の構造によって掻き出して除去している(sperm removal)。このあとに交尾器での長時間の接続を行い自分の精子を注入する。この掻き出しにより98%の精子が除去されるという。甲虫の♀が複数♂と交尾したとき最後に交尾した♂の精子が受精に有利とされている (『カミキリムシの生態』第5章p175より引用)



しかし撮影時の私はそこまで深い知識が無かったために、何回目の交尾行動なのかじっくり観察していませんでした。
つまり、今回撮れた映像が精子置換行動なのか、それとも射精を伴う本当の交尾行動なのか、不明です。
交尾器の挿入時間が短くてすぐに引き抜いてしまうのが意外でした。
(カメラの眩しい照明のせいで交尾を中断した可能性は?)
特定の♀♂ペアの動向を長時間ひたすら注目するべきでしたが、私にはその余裕がありませんでした。
桑の木のあちこちで繰り広げられる♀♂複数ペアの交尾行動を、目移りしそうになりながら夢中で接写していたのです。

つづく→キボシカミキリ♂同士の喧嘩(配偶者防衛に成功)




川面で近くのオオバンを攻撃するオナガガモ♂(冬の野鳥)



2019年11月下旬・午後16:25頃


▼前回の記事
川面で羽繕いするオオバン(野鳥)

川面に浮かんで羽繕いを続けるオオバンFulica atra)を撮っていると、面白い小競り合いが起こりました。
オオバンの周囲にはオナガガモ♀♂(Anas acuta)の群れが浮かんでいて、その多くはウトウトと寝ています。
オオバンの近くで寝ていたオナガガモ♂が突然目覚めて、オオバンを攻撃しました。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
その後に等倍速でリプレイ。
本格的な喧嘩にはならず、嘴で一突きしただけでオナガガモ♂はスーッと離れて行きました。
直後に尾羽根を左右に激しく振るのは、小競り合いの気まずさを和らげる転移行動なのかな?
オオバンにとっては日常茶飯事なのか、さほど気にせずに川面で羽繕いしながら遊泳を続けています。

しばらくすると、別個体のオナガガモ♂が再び羽繕い中のオオバンを嘴で攻撃しました。
攻撃するのはオナガガモの♂だけで、♀は攻撃しませんでした。
冬になって繁殖期が始まると交尾相手のオナガガモ♀をめぐってオナガガモ♂同士の争いが始まりますから、気性の荒さ(攻撃性)には性差があるのかもしれません。

オナガガモの大群に真っ黒なオオバンが1羽だけ混じっていて虐められている様子は、童話『みにくいアヒルの子』を連想しました。
体格はオオバンよりオナガガモの方が少し大きいようです。
そのためかオオバンは一度もオナガガモ♂に反撃しませんでした。
威嚇されたオオバンが直後に川面から急に背伸び(身震い)しながら羽ばたいたのも、転移行動なのかな?(@1:55)
周囲に威嚇する意味もありそうです。
実際に、近くで寝ていたオナガガモ♂がビクッと驚いて離れて行きました。

川面を前進するオオバンが、進路の左前方で寝ているオナガガモ♂の尾羽根の辺りを嘴でつつく素振りをしました。(@1:24)
実際に攻撃した訳ではありませんが、それだけでオナガガモ♂は離れて行きました。
「どいてどいて」「ちょっと通りますよ」と牽制する意味合いなのでしょう。
日本人も他人の前を通り過ぎる際は、礼儀として片手で手刀を切る仕草をしながら歩きますね。
首を曲げ嘴を体の羽毛に差し込んで寝ているように見えても、オナガガモはときどき薄目を開けて周囲を常に警戒しているようです。

異種の水鳥が混群として集まりながらも互いに適切なソーシャル・ディスタンス(パーソナルスペース)を保つ様子が垣間見れて興味深く思いました。
それでも野生の水鳥の間で鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延していますから、群れは過密状態なのでしょう。


水禽類の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。wikipedia:鳥インフルエンザより引用)

つづく→川に出入りし岸で脱糞するオオバン(野鳥)


2020/04/28

セイタカアワダチソウの花でベニシジミを襲うキイロスズメバチ♀



2019年10月下旬・午後13:50頃

川沿いに咲いたセイタカアワダチソウの群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛び回っていました。
獲物を必死で探索しているようです。
あまりにも忙しない動きなので、一瞬だけ垣間見えた探餌飛翔を1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

キイロスズメバチ♀を見失った私は気を取り直して、別の訪花昆虫を撮り始めました。
ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が翅を半開きのまま吸蜜しています。
同じ花序にフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の雄蜂♂が登って来ても、互いに無関心で吸蜜を続けていました。
雄蜂♂も花蜜が目当てで、獲物を狩ることはありません。
ベニシジミは蜂の性別を見分けられるのでしょうか?
目の前のフタモンアシナガバチが♂と分かった上で、安心し切っているのかな?

そこへ先程のキイロスズメバチ♀が戻って来て、油断していた(?)ベニシジミを背後から急襲しました。
しかし狩りは失敗し、ベニシジミは花から落ちるように飛んで逃げのびました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
近づいてくる蜂の羽音を聞いて避難する、などの逃避行動は特に見られませんでした。

狩りの成功シーンは今まで一度しか見たことがありません。

▼関連記事(2、3年前の撮影)
キイロスズメバチ♀がセイタカアワダチソウの花で吸蜜しセイヨウミツバチ♀を狩る
ヤブガラシの花蜜を吸うホソサビキコリとキイロスズメバチ♀の襲撃



川面を遊泳中に水を飲むオナガガモ♀(冬の野鳥)



2019年11月下旬・午後16:00頃

夕方の川でオナガガモ♀♂(Anas acuta)の群れを動画に撮っていると、飲水シーンが偶然撮れていました。
川面をこちらに向かって泳いできた1羽の♀が嘴の先を川面に浸してから上を向き、水を喉に流し込みました。

川岸に立っている2羽のオナガガモ♀の片方が羽繕いしていました。


▼関連記事(もっと長い飲水シーンを1.5ヶ月後に撮れました)
川面で羽繕いの合間に水を飲む独身オナガガモ♀(冬の野鳥)


2020/04/27

桑の幹を移動するキボシカミキリ♀に追従する♂(配偶者防衛行動)



2019年10月下旬・午後16:17〜16:31(日の入り時刻は午後16:41)


▼前回の記事
ヤマグワの樹皮を産卵加工するキボシカミキリ♀

川岸に生えた1本のヤマグワの幹のあちこちでキボシカミキリPsacothea hilaris hilaris)の様々な配偶行動が繰り広げられるので、初めて観察する私は目移りしてしまいます。

この記事では、幹を徘徊する♀に注目して、交尾後の3ペアの映像をまとめました。
♀がゆっくりと幹を登ったり降りたり移動しています。
落ち着くと鋭い大顎で樹皮を齧って産卵加工を始めました。
産卵に適した場所をどうやって探り当てるのでしょうね?

幹を徘徊・探索する♀の背後を触角の長い♂がぴったりと付いて歩いています。
油断なく交尾後ガードを続けているのです。
♀が産卵を無事に終えるまで自分の精子が受精に使われたという保証がないので、♀が浮気しないように見張っている必要があるのです。

深谷緑『キボシカミキリの配偶行動と生態情報利用、体サイズ』によると、

(キボシカミキリでは、)♂が♀と交尾後、さらに産卵中も♀に前脚を掛け、ガードしている♂の配偶者防衛行動が見られる。 (『カミキリムシの生態』第5章p175-176より引用)

マクロレンズで接写したシーン2では、初め♀の体軸に対して♂は斜めにマウントして交尾後ガードしていました。
♀が幹を上に上るに連れて、♂は♀と同じ向きにマウントする姿勢になりました。


カミキリムシでは♀の体表構造(毛の生えた向きなど:しぐま註)によりマウント方向が決まるという報告は無く、キボシカミキリの場合は♂による腹部末端の位置の調節ほか、♀が歩きだし、♂が追従することによってマウント方向が確定するものと考えている。 (同書p170より)

接写してみて初めて気づいたのですが、どうやら♂は♀の背中をずっと舐めているようです。
この行動はリッキングと呼ばれるそうです。

・♂は♀を捕捉したのち各段階で♀背面を口ひげで舐める行動(licking)を繰り返す。 (同書p160より)
様々なカミキリムシにおいて♂のlicking(口髭で舐める行動)は♀を「なだめる」効果があるとされている。♀が♂の口髭による背面への接触を認識し、拒否的行動を止めるということである。このlicking行動は、♂が接触化学感覚子の密集した口髭で触って♀の体表のコンタクトフェロモン成分を能動的に受容する行動(active sensing)でもあると考えられる。 (同書p162より)


キボシカミキリ♂@交尾後ガード+リッキング


シーン3では、♂をつれた♀が幹の根際を下に下りていきます。
ところが♀は向きを変え、幹の裏側に回り込んでしまいました。



つづく→キボシカミキリ♀♂の交尾行動(交尾器のクローズアップ)


電柱の天辺から飛んで逃げるノスリ(野鳥)



2019年11月上旬・午後16:05頃

稲刈り後の田園地帯の端で、電柱の天辺に猛禽類が止まっていました。
手前の小屋の青いトタン屋根越しに撮影すると、周囲の刈田をキョロキョロ見張っていました。
秋風で頭部の羽根がなびいています。

私が撮影途中で望遠レンズをそっと装着すると、警戒して飛び去りました。
(横の農道を通行人が来たからかもしれません。)
羽ばたきながら右に旋回し死角に消えました。
獲物に襲いかかるためではなく、ヒトを嫌がって逃げたようです。
電柱から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
羽ばたく翼の下面に特徴的な斑紋が見えたので、ようやくノスリButeo japonicus)と判明。




2020/04/26

スイバの群落で探雌飛翔するクロスズメバチ♂



2019年10月下旬・午後12:15頃

川沿いの土手に生えたスイバの群落でクロスズメバチ♂(Vespula flaviceps)が忙しなく飛び回っていました。
花はもう咲いていないので、吸蜜目当てではありません。
スイバの葉に一瞬だけ止まったものの、すぐに飛び立ちました。
もしワーカー♀ならば、芋虫を探す探餌飛翔となります。
しかし触角が長いので、雄蜂♂が交尾相手の新女王を探索しているのでしょう。

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。




土手の草を食べるヒドリガモの♀♂つがい(冬の野鳥)



2019年11月下旬・午後16:05頃

今まで見たことのないシックでカラフルな鳥が川岸にいました。
白い頭頂部が目立ちます。
図鑑で調べてみると、冬鳥のヒドリガモAnas penelope)の♀♂つがいでした。
例によってカラフルな個体が♂、地味な方が♀です。

土手に生えた雑草を仲良く啄んでいます。
オオバンと同じく広葉の草(双子葉植物)は好みではないようで、イネ科の葉(種名不詳)ばかりをむしるように食べています。
イネ科の実は食べませんでした。(残っていない?)
例えばスイバ?の群落も生えているのに、ヒドリガモは見向きもしませんでした。

どうやら堤防から撮影する私に気づいたようで、警戒した2羽は食事を止めると歩いて土手を降り川の方へ移動を始めました。
♂がエスコートするように先導して、♀も付いて歩きます。
ヒドリガモ♂は水際に佇み、いつでも川に飛び込んで逃げる気満々です。
♀も♂の後に3歩下がってついて来ました。
川面に多数浮かんでいるオナガガモの♀とヒドリガモ♀が素人目には似ているので、じっくり比べるように撮れば良かったですね。
どうしてもカラフルなヒドリガモ♂の動向に気を取られてしまいました。


♂左、♀右

ランダムに記事を読む

  • アオサギの羽繕い【野鳥】18/06/2012 - 0 Comments
  • ミズキの木を降りながら実と葉を食べるニホンザル30/11/2019 - 0 Comments
  • アナグマの溜め糞場で虫を捕食し、付近の落ち葉をめくって虫を探すシロハラ【冬の野鳥:トレイルカメラ】29/08/2024 - 0 Comments
  • コオロギを食べるオオカマキリ♂01/04/2011 - 0 Comments
  • ニラの花蜜を吸うオオハラナガツチバチ♂06/12/2016 - 0 Comments