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2019年11月上旬・午前・晴れ
郊外の道端に咲いたオニノゲシ の群落でヒメアカタテハ (Vanessa cardui )が訪花していました。
この組み合わせは初見なので、いそいそと動画を撮り始めたら、横の道をトラックが通り過ぎてヒメアカタテハは飛び去ってしまいました。
吸蜜シーンを正面からしか撮れずに逃げられて残念無念。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、ヒメアカタテハと分かります。
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2019年11月中旬・午前7:30頃
川沿いの紅葉した雑木林の林床で2羽のカケス (Garrulus glandarius )が採食していました。
カケスは警戒心が強く、私がカメラを構えるとすぐに相次いで飛び去ってしまいました。
少し遅れて飛び立った個体は、嘴でドングリを拾ったように見えました。
望遠レンズでズームインしてピントを合わせる前に食物を咥えたまま逃げられてしまい、残念!
カケスは冬に備えてドングリを貯食する習性があるそうです。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
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2019年11月下旬・室温19.3℃、湿度40%
カブラヤガ(蛾)の飼育記録#1
厨房で常温保存していたハクサイ(白菜) を剥いて鍋料理にしようとしたら、葉と葉の隙間に見慣れないイモムシを発見しました。
濃い黄土色の丸々と太った芋虫です。
調べてみると、カブラヤガ (Agrotis segetum )の幼虫 でした。
この時点で終齢であることが後に判明します。
深緑色の泥状の異物は、幼虫の排泄した糞でしょう。
白菜の葉のあちこちに虫食い跡(食痕)もあります。
汚物を水で洗い落とし食害部位をカットすれば、我々ヒトが食べるのに問題はありません。
この白菜は農薬を使っていない新鮮な野菜である証拠です。
徘徊運動を動画撮影すると、照明の光を嫌がって葉の裏に潜り込もうとします。
しつこく何度も白菜の葉をめくって裏返しても同じでした。
幼虫を白日の下に晒すと、元気に逃げ出します。
虫食い穴を通って白菜の裏側に隠れようとします。
おそらくカブラヤガ幼虫は夜行性で、光を嫌う負の走光性 があるのでしょう。
白菜を食害するシーンを動画で記録したかったのですけど、これではかなり難しいミッションになりそうです。
『イモムシハンドブック』p91によるとカブラヤガは幼虫越冬らしいのですが、試しにこのまま飼育してみましょう。
▼関連記事(4ヶ月前の夏に撮影)
夜にオオアワダチソウの花蜜を吸うカブラヤガ(蛾)【暗視映像】
つづく→カブラヤガ♀(蛾)終齢幼虫の防御体勢
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2019年12月中旬・午前11:10・晴れ
川面を1組のキンクロハジロ ♀♂(Aythya fuligula )が遊泳して来ました。
冬鳥のキンクロハジロが渡来したのでしょう。
今季初見です。
♂が先行し、♀が後を付いてきます。
真横から見ると目は黄色でした。
♂の後頭部に冠毛があります。
対岸の倒木の下に来たら次々と潜水しました。
水中で小魚などの獲物を捕食しているのでしょう。
川の水が濁っているため、次にどこから浮上するのか分からず見失ってしまいました。
※ ブラインドから隠し撮り。
他種の水鳥よりも私のブラインドを警戒しているのか、キンクロハジロはなかなか近づいてくれませんでした。
本流に用水路が流れ込む辺りが好きなようです。
▼関連記事(3、4年前に撮影)
・川面を移動するキンクロハジロ♂♀(野鳥)
・溜池の水面を移動するキンクロハジロ(野鳥)♀♂
キンクロハジロ(左♂、右♀)
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2019年12月中旬・午前7:50および午後12:30頃・晴れ
▼前回の記事
止まり木の空席を巡りカワウ同士で小競り合い(冬の野鳥)
カワウ (Phalacrocorax carbo hanedae )の群れが止まり木として利用するこの倒木は、台風の増水によって川岸の土壌が侵食されたことで川に倒れたようです。
この川でカモ類の優占種はカルガモで、数ではカワウを圧倒しています。
カワウだけでなくカルガモ (Anas zonorhyncha )もこの倒木で休みたいらしく、水鳥2種間で空席の奪い合いが起こります。
ただし圧倒的な体格差があるので、まともに戦ってもカルガモはカワウに勝てません。
したがって、占有行動の小競り合いというほどでもなく、カワウが少し牽制するだけでカルガモは遠慮して場所を譲ってしまいます。
カワウがカルガモを攻撃するのも大人気ないですし、ほとんど眼中にないように見えます。
終日観察した中で、2種の力関係が分かるシーンを2つまとめてみました。。
ただし対岸から撮影したアングルでは、倒木の長さや遠近感が伝わりにくくなっています。
つまり、倒木上で並んだ鳥の間隔が映像ではよく分かりません。
シーン1:(午前7:50頃)
倒木にカワウが2羽休んでいます。
川面を下流から遡ってきたカルガモの群れの1羽が、倒木の左端にさり気なく上陸しました。
隣のカワウ若鳥は初めカルガモの参入をあまり気にしない様子でした。
ところがしばらくすると、カルガモは慌てて入水し離れて行きました。
カワウ若鳥が横のカルガモを嘴でつつく素振りをして牽制した(軽く追い払った)ように初めは見えました。
しかし映像をよく見直すと、逆を向いて羽繕いしていたカワウがカルガモの方に向き直っただけでカルガモが怯んで逃げ出したようです。
(ほとぼりが冷めると再びカルガモは戻ってきます。)
シーン2:(午後12:30頃)
カワウがカルガモに対して寛容な場合もあり、多少気まぐれと言うか個体差があるのかもしれません。
下流から来たカルガモが倒木の左端に乗っても、隣のカワウは気にしませんでした。
倒木の先端部は水に浸かっているため、羽根を乾かしたいカワウにとって良い物件ではありません。
※ 動画編集時に音声を正規化して、鳴き声の音量を強制的に上げています。
つづく→群れから離れた倒木で過ごす独居カワウの羽繕い(冬の野鳥)
▼関連記事(年明けの撮影)
カルガモを追い払い川岸の崖に上陸して休むカワウの群れ(冬の野鳥)
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2019年10月上旬・午後16:30頃
農村部で道端の花壇に咲いたヤナギハナガサ (別名サンジャクバーベナ)の群落でホシヒメホウジャク (Neogurelca himachala sangaica )と思われる小型の蛾が訪花していました。
ゼンマイ状に巻いた口吻を伸ばして花筒に器用に差しこみ吸蜜します。
吸蜜中は前足を花に少し掛けているものの、羽ばたきを止めません。
ホシホウジャクの吸蜜ホバリング(停空飛翔)を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:14〜)
夕方にハイスピード動画を撮ると、光量不足で画質が粗くなり、画面がちらついてしまいます。
動画編集時にdeflickerフィルター処理で画面のちらつきを軽減しました。
1/8倍速のスローモーションでも羽ばたきが激しくて、翅の斑紋がよく見えません。
ストロボを焚いて同定用の写真を撮る前に残念ながら逃げられてしまいました。
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2019年12月中旬・午前10:50頃・晴れ
青空を背景に滑空する1羽の白鷺です。
おそらくダイサギ (Ardea alba )でしょう。
稲刈り後の田んぼにスーッと舞い降りると最後は翼を広げ軽く羽ばたいて減速し、刈田に着陸しました。
畦道の一段下の死角に着陸したので、肝心の着陸シーンがよく見えず残念。
ちなみに、この日の朝は氷点下まで冷え込んだようで、農道の轍 ( わだち ) に出来た水溜りが凍っていました。
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2019年11月上旬・午後13:50頃
里山の林道沿いに生えたミズナラ 幼木の黄葉にベッコウバエ ♀(Dryomyza formosa )が乗っていました。
「やれ打つな蠅が手をすり足をする」と小林一茶が俳句に詠んだように、通常ハエは左右3対の足を互いに擦り合わせて身繕いします。
今回のベッコウバエ♀も翅を閉じたまま左右の前足を擦り合わせ身繕いしています。
…と思ったのは私の早とちりで、よく見るとこの個体は怪我したのか左前脚の先が途中から欠損していますね。
前脚同士を擦り合わせることが出来なくなったので、左中脚と右前脚を互いに擦り合わせていました。
「昆虫の本能行動は融通が利かない」というのがファーブルの見解ですけど、身繕いのような基本動作の場合は意外にそうでもない(冗長性がある)のかもしれません。※
ツツジ?幼木の葉に移動すると、今度は後足同士を擦り合わせています。
後脚で腹部の側面を擦ったり、胸背を掻いたり、翅の縁を擦ったりと、体の手入れに余念がありません。
化粧を済ませたベッコウバエ♀が木の葉から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
翅を広げた瞬間に見えた腹部が黒褐色なので、ようやく♀と判明しました。
近くに獣糞や汚物または樹液が出る木があるのかと思ったのですが、何も見当たりませんでした。
※【追記】
例えば歩行法も5本足の個体は6本足の健常個体とは違っているはずですから、スーパースロー(ハイスピード動画)で撮影したら面白そうです。
ハエはすぐに飛んでしまうので、本格的に調べるなら何か工夫しないといけないでしょう。
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2019年11月上旬・午前11:40・晴れ
農村部で民家の軒下をアカタテハ (Vanessa indica )が単独で飛び回っていました。
たまに軒先にぶら下がるように一瞬だけ止まりかけたものの落ち着かず、すぐに飛翔再開。
最後は屋根を飛び越えて姿を消してしまいました。
アカタテハは成虫で冬越しするので、きっと越冬地を探索しているのでしょう。
忙しない飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
福田晴夫、高橋真弓『蝶の生態と観察』によると、
越冬中の成虫発見例をタテハチョウ科でひろうと、(中略)アカタテハを崖から掘り出した、アカタテハが家のひさしにもぐりこんでいたなど、断片的な観察例が多い。(p177-178より引用)
ここ雪国で私は一度だけ厳冬期にアカタテハを2頭見つけたことがあります。(軒下から雪原に落ちた?)
▼関連記事(8年前の撮影)
雪に生き埋めされた首無しアカタテハの謎【怪奇ミステリー】
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2019年12月中旬・午前11:05頃・晴れ
川の対岸近くで仲良く浮かんでいる2羽のカルガモ (Anas zonorhyncha )の内の1羽が奇妙な行動を繰り返しているので気になりました。
川面で動かずに休んでいる1羽(♀?)の横で、もう1羽(♂?)が首を伸ばして頭を下げた姿勢で後退する奇妙な動きを何度も繰り返しています。
必ず相手の真横に戻ってから後退運動を始めています。
残念ながら川の水が濁っているため、後退時に水中で水かきの動きを見ることは出来ませんでした。
横の相手に(構って欲しくて?)後退運動を見せつけている気がしました。
謎の行動を見せられた個体(♀?)は無反応です(やや迷惑そう?)。
カルガモのこんな行動を見るのは初めてですし、本で読んだこともありません。
求愛誇示行動の一つなのでしょうか?
ただし今回♂によるヘッドトッシング(求愛行動)は見られませんでした。
例によって、カルガモの性別を外見で見分けられないのが残念です。
水面に浮いた餌を採食する行動だとしたら、わざわざ後退する意味が分かりません。
それとも、ただの遊びだとしたら、それはそれで面白い話です。
つづく→同じ日に観察したカルガモの求愛交尾(別のペア)
【追記】
All About Birdsという英語のサイトで「How To Recognize Duck Courtship Displays 」という解説記事を読んでみたら、♀が♂に交尾を迫る求愛行動という意外な可能性が出てきました。
Nod-Swimming : A male or female swims rapidly for a short distance with its neck held low, just grazing the surface of the water. Females use it to express they are interested in courtship and stimulate the nearby males to display. Males perform this display during bouts of Head-Up-Tail-Up display and immediately after mating.
ただし、これはカモ類の代表としてマガモを例にした解説であり、カルガモと共通かどうか分かりません。
頭を低く下げたまま水面を短く素早く泳ぐ行動と書いてあるだけで、前進とも後退とも明記していません。(添えられた挿絵を見ると、nod-swimmingは前進すると考えるのが自然だと思います。)
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SUZUGAMOさんのYouTube動画では、カルガモが餌箱から採食する度になぜか後ずさりしています。 この場合は単独でやっているので、誇示行動ではない気がします。(真空行動?)