2019年12月中旬・午後12:48〜13:55
▼前回の記事
川岸の止まり木でカワウに遠慮するカルガモ(冬の野鳥)
カワウ(Phalacrocorax carbo hanedae)の群れ(計7羽)が止まり木として共有している倒木から川下に少し離れた別の倒木で独りで過ごしている一匹狼の個体を見つけました。
腹面の羽毛が白っぽいので若鳥のようです。
ブラインド内から隠し撮りしていると、どうしても視野が狭くなり、初めは気づきませんでした。
細い倒木に下流を向いて止まり、念入りに羽繕いしていました。
翼を大きく広げて羽根に風を通し日光を浴びて乾かします。
これほど間近で美しいカワウの羽繕いを観察できたのが嬉しくて、長々と撮ってしまいました。
皆さんには退屈な映像かもしれません。
倒木をつかむ足にも注目です。
中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、
カワウは水かきをもつにもかかわらず、上手に枝をつかむことができます。多くの鳥は前に3つ、後ろに1つのゆびをもちますが、カワウは前だけに4つのゆびがあり、それぞれのゆびの間に水かきがあります。この4つのゆびを使い、木をぎゅっとつかむのです。(p20-21より引用)
せっかくなので、カルガモとカワウの足元に思いっきりズームインして枝の掴み方の違いを撮るべきでしたね。
群れの仲間から外れているのは、血縁関係が薄い個体なのでしょうか?
若鳥でも成鳥と一緒に止まり木で鈴なりに並んでいる個体も居たので、年齢で別れている訳でもなさそうです。
それとも単純に、お気に入りの倒木は早い者勝ちで空席が埋められてしまい、遅れてきた者は仕方なく少し離れた止まり木に甘んじるしかないのかもしれません。
これを見るとヒトはよく「孤立している」「一匹狼」「かわいそうな仲間外れ」「独立心が強い」などど勝手に感情移入や擬人化をしがちです。
それを証明するにせよ否定するにせよ、本当のところは個体識別した上で長期間観察しないと分かりません。
対岸にはカルガモの群れもずらっと並んで休んでいました。
つづく→川岸の倒木に離合集散するカワウ:1日の暮らし【10倍速映像】(冬の野鳥)
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