2020/05/21

灼熱の路上で休むオナガサナエ♀の謎



2019年8月下旬・午後13:45頃・晴れ

川沿いの堤防上の舗装路でオナガサナエ♀a(Melligomphus viridicostus)を見つけました。
青緑の複眼は、成熟個体である印です。
よく見ると、何か小さな獲物を食べ終えた直後のようです。(口器から食べ残しがはみ出ている)
大きな複眼の付いた頭部がギョロギョロと動き、辺りを油断なく見張っています。

真夏の直射日光に照らされた灼熱のアスファルト上に(わざわざ選んで?)止まっているのは何故でしょう?
路面温度を測ると49.2℃、気温は30.1℃でした。
変温動物のトンボが50℃近い高温にも平気で耐えているのは驚異的というか、とても正気の沙汰とは思えません。
例えば少し移動して道端の草の葉に止まるだけで温度はかなり下がるはずです。
あまりの暑さに死にかけているのかと思いきや、急に飛び立って少し離れた路上に再び着陸しました。
観察している私の方が熱射病になりそうです。

路上でオナガサナエ♀は腹部を斜めに持ち上げていましたが、倒立姿勢(オベリスク姿勢)というほど急角度ではありません。
トンボは暑過ぎると体温調節のために自分の影がなるべく最小になるように倒立するはずですが、今回は腹端がきっちり太陽の方を向いていませんでした。

暑さに強いのはこの個体aが特別なのかと思ったら、数分後に別個体の成熟♀bも少し離れた灼熱の路上で休んでいました。
川沿いの目立つ場所に居座り、早く♂に見つけてもらって交尾したいのかな?
オナガサナエという種類のトンボに出会ったのはこの日が生まれて初めてなので、分からないことばかりです。


オナガサナエ成熟♀a:顔@舗装路上+オベリスク姿勢+虫捕食


オナガサナエ成熟♀b:側面@舗装路上

0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む