2024/07/13

アナグマ専用の溜め糞場を迂回し排尿マーキングするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬

ニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma) 1013+15+19 

シーン0:10/12・午後14:00(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の中央に朽ち果てた切株があり、その手前に長年放置された古い手押し車の錆びたフレームを目印として、アナグマ専用の溜め糞場stmpがあります。 

近所のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)たちが通ってくる様子を以下にまとめました。 


シーン1:10/13・午前1:45(@0:03〜) 
深夜に奥にあるスギ大木の下で獣道の匂いを嗅いでから、排尿マーキングして行きました。 
片足を上げたことから、この個体は♂と分かります。 
以前、別アングルで設置したトレイルカメラで撮れていたのと同じ位置でマーキングしていました。 


シーン2:10/13・午前9:47(@0:27〜) 
同じ日の明るい朝に現れたタヌキがアナグマ専用の溜め糞stmpに近づくかと思いきや、向きを変えて獣道を右に引き返しました。 
涸れ水路に沿って左へ向かう際に立ち止まって身震いしました。 
口をパクパク動かしていたのは、何かを食べたのかな? 


シーン3:10/15・午後16:05(@1:02〜)日の入り時刻は午後17:05。 
2日後の夕方に登場したタヌキは、アナグマ専用の溜め糞stmpを横目に見つつ、ゆっくり手前に通り過ぎました。 


シーン4:10/19・午前4:16(@1:16〜) 
4日後の未明に2頭のタヌキが前後してやって来ました。 
♀♂ペアと思われます。 
先行個体は奥の獣道を辿って行きました。 
後続個体は、アナグマ専用の溜め糞場stmpの手前で立ち止まると、右へ迂回しました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ここは獣道の交差点になっていることがおぼろげに見えてきました。 
アナグマ専用の溜め糞場stmpでタヌキは決して排便しません。 
用を足したいタヌキは、ここから約3〜4m離れたタヌキ専用の溜め糞場wbcでやります。 



タケリタケを見つけた!【キノコ】

 

2023年9月下旬・午後12:30頃・くもり 

里山で雑木林を抜ける細い山道の横、コケの生えた所から真っ白な男根状のキノコが2本にょっきり伸びていました。 
採寸する代わりに右手を添えてみます。 
キノコに疎い私はてっきり未熟なスッポンタケかと思ったのですが、粘液は分泌されておらず、表面は乾いていました。 
私の鼻では無臭で、ハエなども集まってきていませんでした。

立派な方をGoogleレンズで画像検索してみたら、タケリタケHypomyces hyalinus)と判明しました。 
手元にあるキノコ図鑑には載ってない種類なのですが、他のキノコに寄生して成長するボタンタケ科ヒポミケス属のキノコらしい。 
もう1本の小さな赤みのあるキノコの画像で検索すると、ベニイグチがヒットしました。 
画像検索がどれだけ当てになるか分かりませんが、オニイグチ科のベニイグチを宿主として寄生したタケリタケが育ったのでしょうか? 
しかし、今回見つけたキノコの形状はテングタケ類を宿主とした場合の「タケリタケ(猛り茸)」と似ています。 

成長過程を微速度撮影してみたくなり、トレイルカメラを設置しようか迷いました。 
しかし、ここは登山客が往来する山道なので諦めました。 
こういうときに、興味があるキノコを周囲の土ごと掘り返して別な場所に移植しても、上手く育つのでしょうか? 
やってみたことはないのですが、土壌環境や微気象が変わると菌糸の本体が弱ってしまう気がします。 


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2024/07/12

アナグマの旧営巣地に足繁く通い、後足で立ち上がって警戒するホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬〜下旬 

シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出後の旧営巣地(セット)を新旧2代の自動センサーカメラで見張っています。 
この時期はなぜかホンドテンMartes melampus melampus)の登場頻度が上がりました。


シーン1:10/16・午後23:40(@0:08〜) 
深夜に右奥の暗い二次林内をテンと思しき野生動物が右に行く姿が撮れていました。 


シーン2:10/17・午後17:06(@0:17〜)日の入り時刻は午後17:03。 
翌日の日没直後にホンドタヌキと入れ替わるように、左からテンが登場し、アナグマの空き巣の入口Lを覗き込んでいました。 
赤外線の暗視映像では真っ白な毛皮に見えます。 
早くも冬毛に換毛したのかな?  
自然光下で実際の色を見たいものです。 

右へ少し移動してから後足ですっくと立ち上がりました。
遠くまで見通せるように見事な直立姿勢で警戒しています。(@0:29〜) 
直前に立ち去ったタヌキの行方を見ているのかもしれません。 
その後は右下手前へ立ち去りました。 


シーン3:10/17・午後17:09(@0:43〜) 
しばらくすると、画面の左上奥(常緑灌木ヒメアオキの茂みの奥)をテンが軽快に右へ駆け抜けて行きました。 


シーン4:10/17・午後18:11・気温14℃(@0:59〜) 
約1時間後に再び戻ってきたホンドテンがアナグマの巣口Lの横を素通りし、手前に向かって元気に駆けて行きます。 
カメラに向かってくるテンの疾走シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:06〜) 


シーン5:10/17・午後18:11(@1:15〜) 
別アングルで設置した広角の監視映像で続きが撮れていました。 
対面のミズキ立木に固定したトレイルカメラの赤外線LEDが煌々と点灯しています。 
奥の二次林内を右から左へテンが走って横切りました。 


シーン6:10/26・午後22:32(@1:27〜) 
9日後の晩遅く、画面の右端に居たテンが右へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


秋の二次林に渡来した2羽のシメ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬・午前8:55頃・晴れ・気温10℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)がある二次林に冬鳥のシメCoccothraustes coccothraustes)が初めて登場しました。 
画面下端の林床で両足を揃えて跳んで移動し(ホッピング)、木質の細い蔓に跳び乗りました。 
再び地上に飛び降りると、左から別個体が現れました。 
2羽が林床で並んでも喧嘩しなかったので、♀♂つがいなのかな? 
落枝の上で少量の白い糞をポトリと排泄してから左に飛び去りました。(@0:45〜) 
もう1羽もホッピングで左に姿を消しました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
聞こえるのがシメの鳴き声かどうか、嘴の動きと一致しなかったので、よく分かりませんでした。
(シメの)地鳴きは「チチッ」「ツイリリーッツー」。他のアトリ科の鳥と比べると鋭い声である。(wikipediaより引用)


 

2024/07/11

木に登ってトレイルカメラの上に座って休むニホンザル【トレイルカメラ】

 



2023年10月中旬・午後12:05頃・晴れ・気温22℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)一家が転出した後も二次林にある旧営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っていると、野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが通りかかりました。 
まず単独で現れたニホンザルがアナグマの巣穴Lに興味津々で奥を覗き込みました。 
口をモグモグと動かして、頬袋に詰めた食物を咀嚼しています。 
ゆっくり左へ立ち去りながら、ちらっと横目でカメラ目線になりました。 

しばらくすると、突然ニホンザルがトレイルカメラに跳びつきました。(@0:27〜) 
監視カメラに噛みつこうとしているのか、口内が至近距離で写りました。 
カメラを固定してあるミズキ灌木によじ登ったようで、画角が少しだけずれました。 


別アングルで設置した旧機種のトレイルカメラでも一部始終が広角で記録されていました。(@0:40〜) 
アナグマの巣口Rに身を伏せて匂いを嗅いでから、奥の二次林に入って行きました。 
対面に設置した新機種のトレイルカメラを固定しているミズキ灌木に近づくと、よじ登り始めました。 
木登りの途中でカメラのレンズをちょっと覗き込むと、こちらに背を向けたまま、カメラの上に腰掛けました。 

休憩を終えて猿がミズキの木を降りる様子も録画されていました。(@1:24〜) 
木下りしながらも、見慣れないカメラに興味津々です。 
至近距離からニホンザルの顔?が写ったものの、近過ぎてよく分かりません。 
カメラを木から取り外そうとしているようですが、ワイヤーロックのおかげで諦めてくれました。
幸いトレイルカメラを盗まれたり破壊されたりしないで無事でした。

地上に降りたニホンザルは、右へ遊動する途中に林床で何かを拾い上げて味見しました。 (@1:45〜) 
 採食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイしてみても(@2:04〜)、メニューは不明です。(落ち葉? 落枝? キノコ?) 
その辺りにはナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)という冬緑性の低灌木の群落が自生していたので、もしかすると赤く熟した果実(液果)を食べたのかもしれません。 
(10月中旬までナニワズの熟果が残っていたかどうか、覚えていません。)



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
このニホンザルの性別を私には見分けられませんでした。
無人カメラならではの臨場感のある接写映像が撮れました。 



ヤマハッカの花で採餌するクロマルハナバチ♀

 

2023年9月下旬・午前11:50頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道に沿って咲いたヤマハッカの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
小さな唇形花に正当訪花して吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

近縁種のオオマルハナバチは山地性でクロマルハナバチは平地性と2種間で標高による棲み分けがあると言われていて、確かに私もその傾向は正しいという印象を受けています。 
しかし例外があって、平地でオオマルハナバチを見かけることもあれば、逆に今回のように山地(標高約450m地点)でクロマルハナバチを見かけることもあります。 
定量的にしっかり調べたわけではありませんけど、個人的にはフィールドでオオマルハナバチの生息数が減っている印象があります。
温暖化の影響なのかと疑っていますが、種間競争でオオマルハナバチがクロマルハナバチに負ける理由が何か別にあるのでしょうか?
生物多様性が失われて、ほとんどクロマルハナバチしか見られなくなるとしたら、深刻な問題です。


2024/07/10

スギ防風林にあるアナグマ専用の溜め糞場に通って排便する秋のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬〜下旬 

平地のスギ防風林にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、トレイルカメラで再び監視してみました。 
撮影機材の数が限られているため、すぐ隣りにあるタヌキ専用の溜め糞場wbcと交互に見張っています。 


シーン0:10/12・午後14:00・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の中央に朽ち果てた切株があり、その手前に長年放置された古い手押し車の錆びたフレームを目印として、アナグマの溜め糞場stmpがあります。 


シーン1:10/14・午前5:27(@0:03〜)日の出時刻は午前5:43。 
夜明け前にアナグマが来ていました。 
顔の黒斑が濃い個体で、顔つきから成獣♀だと思います。 
溜め糞場stmpと切株の間を素通りして左へノソノソ立ち去りました。 


シーン2:10/20・午後14:45(@0:16〜) 
トレイルカメラの設置アングルを改善しました。 
古い手押し車の錆びたフレームの中に黒い泥のようなアナグマの溜め糞stmpが見えます。 


シーン3:10/26・午前5:23(@0:20〜)日の出時刻は午前5:55。 
今回も日の出前にニホンアナグマが登場しました。 
溜め糞stmpや切株の匂いを嗅ぎ回ってから、右向きの排便姿勢になったところで、残念ながら録画が打ち切られていました。 
カメラの電池が消耗していたようです。 
20秒後にカメラが再起動したときには、アナグマはもう居なくなっていました。(@0:39〜) 


シーン4:10/26・午前17:39(@0:20〜)日の入り時刻は午後16:51:29 
同じ日の日没後に再びアナグマが溜め糞場stmpに来ていました。 
右上を向いて脱糞しながらキョロキョロと辺りを見回しています。 
上から見下ろす撮影アングルではアナグマの肛門が見えず、新鮮な糞の状態も分かりません。 
用を足して立ち去りかけたところで録画が打ち切られていました。 


【考察】
この動画だけ見ると、アナグマは夜行性というよりも薄明薄暮性で溜め糞場に来る印象を受けます。
明るい昼間は主に巣穴で寝ているのでしょう。

私としてはアナグマの排泄行動を重点的に記録したいのに、夜な夜な頻繁に出没する野ネズミのせいで(映像公開予定)、監視カメラの電池があっという間に消耗して困ります。


つづく→

平地のスギ防風林で落ち葉をめくって虫を探すヤマシギ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬 

平地のスギ防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)専用の溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っていると、たまに意外な珍しい鳥が写るので飽きることがありません。 


シーン0:9/25(@0:00〜) 
 明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
 スギの落葉落枝が積もった林床の赤丸で囲った位置にタヌキが残した溜め糞場wbcがあります。 
 この画角では2つの糞塊が黒々と写っていて、画面中央やや左の糞塊が最大の溜め糞です。 
 実は、画面の左下外の死角にもう一つの溜め糞があります。 


シーン1:10/11・午前6:45(@0:06〜)
画面左下辺りの林床で見慣れない地味な鳥が後ろ向きでじっとしていました。 
やがて嘴で落ち葉をめくった際に方向転換しながら尾羽を素早く扇状に広げ、すぐに閉じました。(@0:15〜) 
どうやらヤマシギScolopax rusticola)のようです。 
尾羽の裏側の先端が白いと成鳥なのだそうです。 
尾羽を扇状に広げるのは威嚇のディスプレイなのでしょうか? 
長い嘴を林床の落ち葉に差し込んでから、左にピョンと跳んで消えました。 

一連の動きを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:25〜) 


シーン2:10/11・午前7:04(@0:42〜) 
18分後にヤマシギが再び登場しました。 
左から右へスギ林床をトコトコ歩いて横切って姿を消しました。 
その後は画面の外からカラスのようなカモメのような鳴き声が聞こえたのですけど、ヤマシギの鳴き声かどうか分からず、編集でカットしてしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ヤマシギという馴染みのない鳥が撮れたのは、生まれて初めてです。 
和名から受ける印象とは違って山地性とは限らず、平地の林にも住んでいるそうです。 
夜行性らしいのですが、早朝に採食行動(探餌行動)が撮れたことになります。 


『やまがた野鳥図鑑』によると、
 シギと言えば水辺の鳥だが、ヤマシギはその名の通り「山のシギ」だ。平地や山地の林にすんでいる。  ヤマシギは普通の鳥より目が真横にあるため、顔を動かさなくても360度見える。これは活動時間や採餌方法に関係があるのだろう。夜行性で、長いくちばしを土中に刺してミミズや虫などを探している。暗闇で下を向いて採餌するのだから、いち早く危険を察知する必要がある訳だ。  観察の機会は少ない。県内での生息状況はよく分かっていないものの、記録は一年中あり、意外と身近な場所にいるようだ。(p115より引用)

山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑でヤマシギを調べると、興味深い食性が書いてありました。
夜行性で、昼間はよく茂った林ややぶの中に潜み、夕方になると飛び出して湿地、農耕地などで採餌する。柔らかい泥や堆肥の中などにくちばしをさし込み、くちばしの触覚で餌を探りあてる。小動物を捕え、特にミミズをよく食べる。夜行性であることと関連して、大きな目をしている。 (p265より引用)
また、「翼を小きざみに震わせながら牛糞の中のミミズを採餌」というキャプションが付けられた生態写真も掲載されていました。 
今回ヤマシギがタヌキの溜め糞場に現れたのは、やはり虫が多いからでしょう。 

バードリサーチニュースの生態図鑑でヤマシギを調べても同様の記述がありました。
他のシギと同様に嘴の先端だけを開くことができ,土中の餌をつまみ取ることができる. 繁殖期には林内で営巣し,林内や草地で採食する.夜行性で,渡り時期や越冬期には昼間は林内などで休息するが,夜間には開けたところにも出てくる.関東では,河川敷の堤防沿いの草地や,草丈の低い(20cm以下)採草地を好む(写真2).農地の中でも堆肥置場など餌が豊富と思われる場所には複数個体が群れることがあり(後略).

 

私があちこちに設置したトレイルカメラにヤマシギが写ったのは、今のところこの一度きりです。 
図鑑の情報を踏まえた上で、堆肥置場にトレイルカメラを設置すれば、幻の鳥ヤマシギを効率よく撮れるかもしれません。 
尾羽を急に広げる謎の行動については、図鑑では何も言及されていませんでした。


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2024/07/09

秋の夜中に二次林で餌を探し歩くホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬・午前0:30・気温7℃ 

二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が転出した後の旧営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っていると、かなり冷え込む深夜にホンドテンMartes melampus melampus)が現れました。 
素人目にはかなりガリガリに痩せているので初めはイタチかと思ったのですが、黒い靴下を履いたみたいに手足が黒いので、テンと分かりました。 
ニホンイタチなら、尻尾が胴体の半分よりも短いはずです。 
モノクロの暗視映像では夏毛なのか、そろそろ冬毛に換毛したのか、見分けが付きません。 
画面の左下で木の根元の地面や落ち葉を少し掘り返しました。 

別アングルで設置したトレイルカメラで続きの映像が撮れていました。 
ホンドテンが林床であちこち匂いを嗅ぎ回っています。
おそらく野ネズミなどの獲物を探してるのでしょう。 
この二次林にテンが好きそうな果実がなる木は無いはずです。 
最後は右に立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




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池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ

 

2023年10月上旬・午後14:20頃・くもり時々晴れ(小雨)

山麓にある小さな池に久しぶりに来てみると、ガマなどの抽水植物が生えていて、水面で何かが暴れていました。 
よく見ると、溺れかけたノシメトンボ♂(Sympetrum infuscatum)の胸背に水面下でクロゲンゴロウCybister brevis)が食いついていました。 

すぐ隣りにあるもう一つの池で早春にクロゲンゴロウを見たのが生まれて初めてで、今回が二度目の出会いでした。 
捕食行動はもちろん初見で、興奮しながら長々と撮影しました。

そもそもノシメトンボ♂がなぜ池で溺れたのか謎です。 
寿命で弱っていたのか、それとも羽化直後なのかな? 
ノシメトンボ♀は水のある場所には産卵しないはずなのに、♂は水辺で交尾相手の♀を待ち伏せするとは思えません。

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見つけたときにはノシメトンボ♂はまだ生きていて、脚を動かしたり翅を力なく羽ばたかせたりして暴れていました。 
しかし、水中から空に飛び立つことは不可能で、もはや逃れることはできません。 

撮影中は気づかなかったのですけど、水面下に沈んだガマ(?)の枯れ葉にヤゴ(種名不詳)が捕まっていました。 
断末魔のノシメトンボ♂が水面で激しく羽ばたいて波紋が広がったので、ヤゴは水中に潜って逃げてしまいました。 
ヤゴも肉食性なのに、獲物の争奪戦に参戦しませんでした。 
丈夫な装甲に守られたクロゲンゴロウには勝ち目がないのでしょうか。 

しばらくすると、クロゲンゴロウaはトンボの右後翅を根元から食い千切りました。 
獲物から取り外した翅だけ抱えて持ち去ろうとしても、トンボの翅は浮力があるので、クロゲンゴロウは潜水できません。 
切除した翅の根元に付いた肉片を齧ってから手放しました。 
獲物の本体を見失ったようで、しばらく水中をうろうろと泳ぎ回っています。 

その間に別個体bのクロゲンゴロウが左から泳いで登場し、獲物に食いつきました。 
やはり獲物の胸背に背後から噛み付いています。 
細長い口吻を獲物に突き刺して体外消化するカメムシ目の水生昆虫と違って、ゲンゴロウの仲間は獲物を本当に齧って咀嚼して食べてしまいます。 

クロゲンゴロウbの背後から先客の個体aが戻ってきました。 
獲物をめぐる争奪戦が始まり、ぐるぐると水中を追い回しました。 
後脚を広げて互いに相手を蹴ろうとしても、流線型の体なので滑って打撃の効果はなく、獲物を独り占めするのは無理なようです。 
ようやく折り合いをつけると、仲良く並んで獲物の腹背の上部を齧り始めました。 
よく見ると、2匹が後脚を伸ばして互いに牽制しながら獲物の別々の部位を捕食しています。 

池に日光が射すと、クロゲンゴロウの鞘翅が光沢のある深緑色と判明しました。 
腹端(鞘翅の下)からときどき泡が出ているのは、呼吸のための気泡なのでしょう。 

餌食となったトンボは絶命したのか、暴れなくなりました。 
2匹のクロゲンゴロウが互いに逆方向から獲物に食いついています。 
1匹が獲物から一旦離れ、泳いで戻ってこようとすると、ライバルと争奪戦になりました。 
互いに干渉しないように位置取りする必要があります。 

クロゲンゴロウがノシメトンボ♂の胸部を食べ進んだ結果、その頭部が切り離されました。 
(断頭の瞬間を撮り損ねてしまいました。 )
強い風が吹くと、水面にぷかぷか浮いているノシメトンボ頭部が流されていきます。 
クロゲンゴロウは獲物の生首には見向きもしないで胴体にかじりついています。 
ノシメトンボの脚も胸部から食いちぎられて外れ、水中のガマ?枯れ葉の上に落ちていました。 

後半になって、3匹目のクロゲンゴロウcが獲物に集まっていたことに気づきました。 
ときどき三つ巴の争奪戦になります。 
1匹のクロゲンゴロウがライバルを出し抜いて獲物を持ち去ろうとしても、獲物の傷口から体液が水中に滲み出るので、その匂いをライバルが嗅ぎつけてしまうようです。 

水生昆虫に詳しい人なら、クロゲンゴロウの性別を外見で見分けられるのですかね? (教えて欲しいです。)
今回は捕食行動のみで、求愛や交尾などの配偶行動は全く見られませんでした。 

獲物が食べ尽くされるまで一部始終を微速度撮影したかったのですが、この日は三脚を持参していなくて残念でした。 
おまけに小雨がぱらつき始めてカメラが濡れそうになり、気が気ではありませんでした。
 
次回はトンボなどの生き餌を池に投入して溺れさせれば、暴れる動きに反応してゲンゴロウなどの捕食者が集まってくる様子を観察できるかもしれません。 
撮影後にクロゲンゴロウを捕獲しようか迷ったのですが、採集用の網も持ってきていませんでした。 
被っていた帽子で掬えば採れたかな?
レッドデータブックによれば、クロゲンゴロウは山形県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU) に分類されているらしいので、採集禁止かもしれません。

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2024/07/08

溜め糞場の近くで気になる落ち葉の匂いを体に擦り付けて興奮するホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月上旬〜中旬 


シーン0:9/25(@0:00〜) 
 明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
 平地の防風林でスギの落葉落枝が積もった林床の赤丸で囲った位置にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcがあります。 
この画角では2つの糞塊が黒々と写っています。 
 画面中央やや左の糞塊が最大の溜め糞です。 
 実は、画面の左下外の死角にもう一つの溜め糞があります。 


シーン1:10/3・午前3:35(@0:05〜) 
深夜未明に単独で登場したタヌキが獣道で立ち止まってスギ林床の匂いを嗅いだものの、溜め糞場wbcには立ち寄らずに奥へ歩き去りました。 
スギの根元で匂いを嗅いでから排尿マーキングしたようです。(@0:30〜) 
右後足を持ち上げながら小便したので、♂と判明。 

その後は戻ってきて溜め糞wbcの匂いを嗅ぎました。 
しかし脱糞せずに手前に立ち去りました。 
死角にあるもう一つの溜め糞に向かったようです。 


シーン2:10/11・午後16:23(@1:06〜)日の入り時刻は午後17:11。 
8日後の夕方に、おそらく幼獣と思われる3頭のタヌキがやって来ました。 
初めの2頭abが溜め糞場wbcの匂いを嗅いで通り過ぎました。 

しんがりの個体♂cがスギの根元で右後脚を上げながら排尿マーキングしたように見えたのですけど、どうでしょうか?(@1:06〜) 
つづいて獣道の匂いを嗅いでから落ち葉に首筋を擦り付けて匂い付けしました。(@1:10〜) 
イヌでも見られるこのような行動はローリングと呼ばれているそうです。
その後は興奮したように手前に駆け出し、仲間を追い抜いて行きました。 
何の匂いに反応して興奮したのか不明です。 
他の野生動物が獣道を通りすがりにマーキングしていった匂いに反応したのかな? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 


つづく→

秋の二次林を歩き回るキジ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬および11月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が転出した後の旧営巣地をトレイルカメラで長期監視していると、キジ♂(Phasianus versicolor)が初めてフルカラーで写りました。 



シーン1:10/17・午後12:53・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
奥の獣道を左から右へ足早に歩いて横切りました。 
農地から農地へ移動する途中なのでしょう。 
この地点でキジは初見です。 


シーン2:11/8・午前11:30・晴れ・気温21℃(@0:14〜) 
3週間後(22日後)にもキジ♂が現れました。 
アナグマの巣口Lの手前を左から右へゆっくり横切りました。 


【考察】 
キジは田畑や休耕地(原っぱ)など開けた場所を好むと思っていたので、林内で見るキジは新鮮です。 
他の季節(春〜夏)では見かけなかったということは、落葉が始まり林内が少しずつ明るくなったことと関係があるのかな? 
逆に、山地性のヤマドリをここで見かけないのが少し意外です。 


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2024/07/07

路上でクリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ

 

2023年10月上旬・午後12:50頃・晴れ 

農村部を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが集落の舗装路に集まっていました。 
日向の路面からは陽炎が立ち昇るほど暑い昼下がりでしたが、木陰は涼しそうです。 
サルをなるべく警戒させないように、少しずつ近づきながら撮影しました。 
大きな栗の木の下で、あなたと私、仲良く遊びましょう♪


道端にあるクリ(栗)の木から熟した果実(堅果)がイガごと自然に落ちて、路上に散乱しています。 
ニホンザルはクリの落果を次々に拾い食い死し、頬袋いっぱいに餌を詰め込んでいました。
クリ落果の扱いには慣れているようで、トゲトゲのイガをうっかり踏んで足の裏に刺さってしまうようなヘマをする個体はいませんでした。 

多くのニホンザルは木陰の路上で休みながら互いに毛繕いしていました。 
道の真ん中に堂々と寝そべって、対他毛繕いを受けていた♀個体は、黒い首輪を装着していました。 (@3:45〜、@6:11〜)
小型のGPS機器やバイオテレメトリーの電波発振器などが首輪と一緒に取り付けられているようです。 
首輪に擦れて顎の下の皮膚が赤くなっているように見えたのですけど、どうでしょうか? (@6:25〜)

登場する個体数が多いので、どの個体に注目して撮るべきか目移りしてしまいます。
赤ん坊を腹にしがみつかせたまま運ぶ母ザル♀がいました。 (@7:35〜)

左の道端の草むらでクリ落果以外のメニューを採食している♀個体も居ました。(@7:00〜) 
なんとなく、ミゾソバの花を食べているような気がするのですけど、遠くてはっきり見えません。 

老若男女を含むニホンザルの群れは基本的に左から遊動してきて続々と車道を渡り、右の山林へ向かっていました。 
猿たちが居なくなった後で食べ残しを現場検証すると(@9:02〜)、路上にクリの堅果が大量に散乱していました。 
車に轢かれて粉々に砕かれているクリ落果が多く、トゲトゲのイガもぺしゃんこに潰れていました。 
多数のニホンザルがたむろしていた現場に糞は残されていなかったのは意外でした。 

クリの実の他では食痕つきのアケビが路上に散乱していたのが興味深く思いました。 (@10:33〜)
ミツバアケビの熟した果実をニホンザルが遊動中に採取してきたようです。 
甘い果肉で包まれた種子は食べ尽くされた後で、苦い果皮は少し齧られただけで捨てられていました。 
ニホンザルが実際にアケビの実を食べるシーンを観察できなかったのは残念です。 
ニホンザルがアケビを食べたかどうか調べるには、糞分析でアケビの種子が含まれていることを確かめる必要があります。
果肉と一緒に飲み込まれた種子は未消化のまま糞と一緒に排泄され、ミツバアケビの種子散布をニホンザルは助けていることになります。 



一方、クリの堅果を噛み砕いて食べたニホンザルは硬い果皮を吐き捨てていたので、クリの種子散布には関与せず種子捕食者ということになります。 
ちなみに、クリは野ネズミなどによって貯食型種子散布されます。


現場検証の際に、せっかちな私の悪い癖でカメラを忙しなく振り回してしまい、酔いそうな映像になってしまいました。 
仕方がないので1/2倍速のスローモーションでご覧頂きました。 

農作物に対する猿害を予防するためには、集落内の果樹(カキ、クリなど)で野生ニホンザルを間接的に餌付けしていないか、見直す必要があります。 
果実が実ったら放置せずに収穫し、果樹を電気柵で囲う対策も必要です。 
しかし言うは易しで、人手不足が深刻な過疎地では実現が困難なのでしょう。





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真っ二つに切断されたヒラタクワガタ♀変死体の謎

2023年9月下旬 

里山で急斜面の細い山道を登っていたら、クワガタの死骸が転がっていました。 
周囲は雑木林です。 
腹部から分離した頭胸部がすぐ隣に落ちていました。 
鳥に捕食されかけたのかな? 
体を真っ二つに切り離されて死んだのか、それとも死後に分解されたのか、不明です。
クワガタの死骸にアリも群がっていないのは不自然ですけど、死後間もない新鮮な死骸なのかもしれません。 

クワガタ類に疎い私は、てっきり普通種のコクワガタ♀だと初め思ったのですが、どうやらヒラタクワガタ♀(Dorcus titanus)のようです。 

参考サイト:クワガタ メスの見分け方
・頭部と胸部の縁が丸く連続。 胸部は真ん中付近が一番幅が広い。 
・前肢脛節のふくらみが大きくバチ状に広がり外縁が丸まったラインを描く。
ヒラタクワガタだとしたら、私にとって嬉しい初見になります。(♂も見つけたことがありません) 
山形県の2015年レッドリストでは「情報不足」とされています。
分布の北限は日本海側は山形県酒田市らしいのですが、雪国では住みにくくて個体数が少ないのかな?
熱帯地方出身のため幼虫が冬期零度以下の温度に耐える耐寒越冬状態になれない (wikipediaより引用)

近年の地球温暖化や暖冬で分布を北に広げているのかもしれません。

wikipediaでヒラタクワガタの生態に関する記述を読むと、
気性は大変荒く、大顎で挟む力は強烈であり、この大顎が凶器となってオスがメスを殺すことも多い。 
とありますが、ストレスの多い飼育下ならともかく野生状態でも同種の♀殺しがあるのでしょうか?
そんな野蛮な形質が進化の過程で淘汰されずに残っている理由が気になります。
求愛しても交尾拒否した♀を殺してしまうのですかね?


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大顎の内歯を見るため、挟まっていた枯葉の欠片を取り除いた。
発見時の状況。採寸し忘れました。裏返して腹面の写真も撮るべきでしたね。

アカジソの花で採餌するため飛び回るニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山で山道沿いの木陰に咲いたアカジソ(赤紫蘇)にニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
関連記事(7年前の撮影)▶ アオジソの花で採餌するニホンミツバチ♀ 


正当訪花を繰り返して小さなピンク色の唇形花から吸蜜しています。 
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けていました。 
体に付着した花粉を花粉籠にまとめて巣に持ち帰るのです。

アカジソの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:35〜) 

アカジソの葉は赤紫になるはずなのに、この群落では緑のままの葉が多いです。 
木陰になっていて日当たりが悪いために、少ない日照でもなんとか光合成しようと必死で葉緑素を増やし、赤い色素アントシアニンを分解したせいだと考えられます。 

他には狩蜂も単独でアカジソ群落を飛び回っていたのですが、撮り損ねました。 
なんとなくフタスジスズバチかな?と思ったものの、定かではありません。 
花には止まってくれなかったので、探餌飛翔だったようです。

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