2014年6月下旬
堤防に咲いたウツギの群落でこの日もミツバチのワーカー♀が多数訪花していました。
▼関連記事当然、訪花昆虫を目当てに捕食者も潜んでいる訳で、ミツバチにとって危険がいっぱいです。
・ウツギの花で採餌するニホンミツバチ♀
・ウツギの花で採餌するセイヨウミツバチ♀
ウツギの葉からコハナグモ♀(Diaea subdola)がしおり糸(命綱)を伸ばしてぶら下がっていました。
花で獲物を待ち伏せ、セイヨウミツバチ♀(Apis mellifera)に飛び付いて狩りを行った直後のようです。
獲物の胸背に噛み付いています。
体長はクモよりもミツバチの方が大きいのに、毒液を注入された蜂はときどき脚を弱々しく動かすだけで麻痺しています。
ミツバチの後脚の花粉籠は空荷でした。
やがてクモが獲物を咥えたまましおり糸を登り、葉裏に戻りました。(@0:30)
安全な場所でゆっくり捕食するのでしょう。
獲物の胸背に群がって身繕いしながらセイヨウミツバチの体液を吸汁(吸血?)している黒い微小の虫(双翅目)が気になります。
これはブユとかヌカカの仲間ですかね?(どなたか詳しい方は教えて下さい。)※追記参照
クモの食餌シーンをじっくり観察する前に、接写の大敵である風揺れを防ぐため葉ごとそっと切り落として階段に置きました。
クモは獲物の胸背ではなく頸部に噛み付いているのかな?
ミツバチは脚を細かく痙攣させています。
ところが徘徊中のクロアリ(種名不詳)に見つかり、大切な獲物を奪われまいとコハナグモ♀は慌てて引きずって逃げ出しました。
意外に早い足取りでした。
獲物に群がっていたヌカカ?もこの騒ぎで居なくなりました。
クモは未採寸・未採集。
※【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p167に「クモに捕えられたニホンミツバチに瞬時にたかるコガネバエの一種」と題した見事な写真が掲載されていました。
素人目には似ていますけど、今回私が撮ったハエと同じかどうか判断することはできません。
「コガネバエ」でインターネット検索すると、ハンマーさんのブログ記事がヒットしました。
セイタカアワダチソウの花でハナグモに狩られたセイヨウミツバチの体表から花粉を食していたそうです。
【追記2】
『スパイダー・ウォーズ:クモのおもしろ生態学』p161-163によると、
- クロコバエの仲間には変わった奴がいて、クモによってなかば消化された食物を盗みます。
- これらのハエはおそらく、クモの消化液の匂いを探知しているのでしょう。
- タマバエやクロコバエがたくさん集まってくると、お人好しのクモもさすがに煩わしさを感じるようで、(中略)ハナグモの一種も、クロコバエ科のハエを叩いたり、餌を揺すって追い払ったりしているようです。
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