2018/08/11

飛べ!コメシマメイガ(蛾)



2018年6月上旬

深夜にコメシマメイガ(別名コメノシマメイガ、コメノクロムシガ;Aglossa dimidiata)が室内の白壁に止まっていました。
本種の幼虫は悪名高い貯穀害虫ですから、厨房などで発生した個体が部屋に迷い込んでいたのでしょう。

指で触れようとしたら準備運動もせずにいきなり飛び立って逃げ、室内を飛び回ると物陰に隠れました。


コメシマメイガ(蛾)@室内:白壁

観察者を警戒したハシボソガラス親鳥から巣外給餌のお預けを食う巣立ち雛(野鳥)



2018年5月下旬
▼前回の記事
ハシボソガラスの巣立ち雛(幼鳥)がニセアカシアの枝で羽繕い、羽ばたき練習、脱糞(野鳥)

満開の花が咲いたニセアカシアの枝に止まってのんびりしていたハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が急に川の方を向いて餌乞い行動を始めました。
肩をすくめるように左右の翼を同時に持ち上げ、甘えるようにガーガー♪鳴いたので、餌乞いと分かります。
親鳥が近くに来ているはずだと思った私は、動画を撮りながら横に歩いて探しました。
左にパンすると案の定、河畔林のすぐ横を走る電線に一羽の親鳥が来ていました。
親鳥は幼鳥の横に行って巣外給餌したいはずなのに、私を警戒しているようで近づきません。
空腹で待っている幼鳥は、欲求不満で足元の枝を嘴で啄んだり足で体を掻いたりしています。
巣外給餌に来た親鳥を迎えに行くために幼鳥が飛ぶことはありませんでした。(未だ上手く飛べない?)

これがもしハシブトガラスなら、親鳥は怒り狂って巣立ち雛に近づく通行人や撮影者を追い払おうと襲い掛かってくるはずです。
それに対してハシボソガラスは気性がだいぶ穏健なようで(ヒトを恐れている?)、今回の親鳥の抗議行動も横目で私の方を見ながら電線からガーガー♪鳴くだけでした。(警戒声?)
私は「すまん、すまん」と親鳥に謝り、営巣地と巣立ち雛から距離を取ることにしました。
立ち去る途中で振り返ると、電線で待機している親鳥は喉袋が膨らんでおり、巣立ち雛に与える餌を運んでいるようです。
苛立たしそうに「早く出ていけ! 出てけ!」と鳴いています。
喉袋に餌を入れていても、鳴くのに支障がないことが分かりました。

しばらくすると、もう一羽の親鳥がどこからともなく飛来し、川の上を横断する電線に止まりました。
先程の親鳥も同じケーブルで互いに離れて止まっています。
配偶者を呼び寄せる鳴き声だったのかな?
私が巣立ち雛から更に離れたら、親鳥はもう鳴かなくなりました。
親鳥♀♂つがいの背後は、ニセアカシアの河畔林が白い花を満開に咲かせています。

離れると巣立ち雛が隠れている枝をちょっと見失ってしまいました。(映像の最後にはちらっと写っています)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ニセアカシア樹上のハシボソガラス幼鳥に巣外給餌しに通う親鳥(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@ニセアカシア樹上
ハシボソガラス(野鳥)親鳥@電線♪+警戒:巣外給餌断念
ハシボソガラス(野鳥)親鳥@電線♪+警戒:巣外給餌断念

2018/08/10

寄主オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵失敗を繰り返すヤドリバエ♀の謎



2018年5月中旬


▼前回の記事
寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】

ヤドリバエ(寄生ハエ)の一種♀が寄主のオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)若齢幼虫を巣上で追い回して産卵を試みるものの失敗を繰り返すシーンだけ編集しました。

早回し映像ではなくリアルタイム映像でご覧下さい。
いわば、失敗を集めたNG集です。



ヤドリバエ♀は標的に狙いを定めると歩いて接近します。
腹端を前方に屈曲させ、産卵のチャンスを狙います。
幼虫の長い体の後部になら卵を産み付けるチャンスは幾らでもありそうなのに、そこには決して産卵しないのが不思議です。



テント状の巣には穴があり、そこからオビカレハの幼虫が外に脱出しようとしていました。(巣の左上@3:32)
穴の横で待ち伏せしていたヤドリバエ♀は絶好の産卵チャンスなのに、産卵姿勢のままなぜか決行せず断念しています。(意気地なし!)
余談ですが、この小さな穴から巣内に戻る幼虫も居るのかな?


群生する幼虫が徐々に巣を離れてミズナラ灌木の小枝をよじ登り始めました。
一旦巣を離れた幼虫がまた巣に戻って来ることもあります。
おそらく夜暗くなると散開してミズナラの葉を食害し、朝になると巣に戻って休むのでしょう(夜行性?)。
実は今回、オビカレハ幼虫の群れの行動をタイムラプスで長撮りするつもりでいたら、ヤドリバエ♀の存在に気づいたのです。


産卵に成功したシーンは巣を見つけ撮り始めてすぐの2回だけでした。
そのときの産卵箇所は寄主の頭部付近(胸部側面?)でした。
巣内で幼虫の群れに長時間つきまとっているシーンを見ても、産卵を狙う箇所に拘りがあることが伺えます。

その理由はおそらく、オビカレハ幼虫の後部にこっそり産卵するのは簡単でも、異物感で気づいた幼虫はすぐに口で卵を取り除いてしまうからです。
これは、便秘で苦しむオビカレハ幼虫が排泄後も肛門から落ちずにずっと付着したままの糞を体を曲げて口で取り除いたシーンをたまたま観察したことから予想されます。
ただし、このヤドリバエ♀が寄主の体表に卵を産み付けるタイプであるかどうか、映像では分かりませんでした。(私の記憶が正しければ確か、産卵管を突き刺して寄主の体内に産み付ける種類のヤドリバエ♀もいたはずです。)
体内に産み付けられてしまえば、もはや口で卵を取り除くことは不可能でしょう。

次は免疫系による異物排除・隔離の出番です。

しかし寄主の頭部付近を狙うと当然見つかりやすくなり、頭振り行動で反撃されるリスクも高まります。
幼虫に気づかれたら一時退避して、ほとぼりが冷めるのを待つしかありません。

ヤドリバエ♀の代替策として、空中から幼虫の胸部に飛びついた瞬間に卵を産み付ける作戦はどうでしょう?
しかし、オビカレハ幼虫(天幕毛虫)に生えている長毛は、寄生蝿の着陸を邪魔したり、鋭敏な触覚センサーとして働くのでしょう。
ヤドリバエ♀が毛虫の体に着陸しようとしても、すぐに気づかれて振り落とされてしまいそうです。

毛虫の毛を刈ると被寄生率が上がるかどうか、試しに実験する価値はありそうです。

寄主が群生する巣を見つけたヤドリバエ♀は産卵する標的を選り取り見取りのやりたい放題で、見つかってしまったオビカレハ幼虫としては全滅を免れる術は無いのかと初めは思いました。

しかしこうして観察を踏まえてじっくり考えてみると、ヤドリバエ♀は意外にも難易度の高いミッションに辛抱強く挑んでいたのだと分かってきました。
寄生蝿は寄主の体の前後を見分ける必要がある訳です。
私の予想ではなんとなく、前進運動する動きで見分けている気がします。
逆に寄主側の自衛策としては、自己擬態で体の前後を同じ模様にして見分けにくくすれば良さそうです。

似たような自己擬態は、シジミチョウ類の成虫が後翅の尾状突起を触角に似せて鳥に急所の頭部をつつかれないように騙している例が有名です。
実際にオビカレハ幼虫は、体の前後の両端に黒い斑紋が目立ちます。
少なくとも静止している間は、この自己擬態作戦である程度はヤドリバエ♀からの執拗な攻撃を凌げるかもしれません。

ただし、この自己擬態は未だ不完全です。
頭楯の灰色も後端に真似る必要がありますね。
オビカレハ幼虫に偽の頭楯(灰色)を後端にくっ付けてみる実験をしてみたら、ヤドリバエ♀による被寄生率が下がるでしょうか?

オビカレハ幼虫は広食性ですから、大発生すると森林害虫として深刻な被害をもたらします。
したがって、天敵のヤドリバエ(寄生蝿)の習性を研究することは、農薬(殺虫剤)に頼らない生物学的防除(天敵を利用した害虫駆除)に結びつく可能性があるでしょう。
とりあえず、このヤドリバエの種類を写真鑑定できる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
現物は採集できていません。

インターネット検索しても、オビカレハ幼虫を寄主とする寄生蝿の情報は得られませんでした。
それでも関連しそうな文献がヒットしました。(PDFファイルが無料で見れます)

石野依利子、戒能洋一『ヤドリバエDrino inconspicuoides の産卵行動について』
つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 2, 101
アワヨトウという蛾の幼虫に寄生するヤドリバエの一種Drino inconspicuoidesで産卵行動を調べた研究です。
興味を惹かれた箇所を引用すると、

 ♀バエは、寄主から数cm離れたところまで歩行により近づき、しばらくの間寄主の動きを追った後、産卵を試みた。その際、寄主が移動した場合は、頭部の向きを変える、歩行により後を追うなどの行動をとった。寄主に接近するまでの時間や産卵までの時間などは個体差が大きかった。
産卵を試みる際は、寄主に肢をかける(6本肢すべてをかけて「乗って」しまう場合もある)個体と、寄主の近くから産卵管を伸ばす個体とが観察された。産卵を試みなかった個体には、寄主に全く接近しなかったものと、寄主の方から接近してきたなどの原因で寄主との距離が縮まっても寄主を避ける行動をとったものの2種類があった。

今回私が観察した寄生蝿はDrino inconspicuoidesと別種かもしれませんが、産卵行動が共通だとすると、産卵に何度も失敗する(手間取る)のはよくあることなのだろうと納得できました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。


川の堰を横断し飛び去るアオサギ(野鳥)



2018年5月中旬

川の中洲付近に設置された堰※にアオサギArdea cinerea jouyi)が佇んでいました。
魚を捕るシーンが見れるのではないかと期待してかなり離れたところから望遠レンズで狙ったのですが、どうやらアオサギを警戒させてしまったようです。

長い足で川を横切るようにゆっくりと渡渉し始め、ヨシの茂みの陰に隠れようと移動しました。
最後は上流へ飛び去ってしまいました。

※ 正しい用語じゃないかも?
魚道ではないと思うんですけど、階段状の瀬。
魚梯ぎょてい


アオサギ(野鳥)@川堰+渡渉

2018/08/09

ハコネウツギを訪花するセイヨウミツバチ♀



2018年6月中旬

駐車場の生垣に咲いたハコネウツギ(別名ベニウツギ)セイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が漏斗状の白い花筒に正当訪花していました。
なぜか吸蜜せずに飛び去りました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
ハコネウツギは初めは白い花が咲き、次第に赤へと変わるらしい。



この日は風が強く、撮影に難儀しました。
盗蜜していた別種のハナバチ類の撮影に夢中になり(映像公開予定)、正当訪花する蜂はこの短い映像しか撮れませんでした。
撮れたと思ったのに勘違い…。来年、吸蜜シーンを撮り直します。


セイヨウミツバチ♀@ハコネウツギ訪花吸蜜

ハコネウツギ花@生垣
ハコネウツギ花@生垣
ハコネウツギ花@生垣

ハシボソガラスの巣立ち雛(幼鳥)がニセアカシアの枝で羽繕い、羽ばたき練習、脱糞(野鳥)



2018年5月下旬


▼前回の記事
給餌後に雛の糞をニセアカシア樹上の巣から外に捨てに行くハシボソガラス(野鳥)

定点観察の間隔が空いて20日ぶりになってしまいました。
河畔林のニセアカシア(別名ハリエンジュ)の白い花が満開に咲いて、独特の強い芳香が辺りに漂い、むせ返りそうです。
枝には花だけでなく葉も茂り、樹上に作られた巣がすっかり隠されて正確な位置が全く分からなくなってしまいました。
家を出る間際に過去の動画で巣の位置を復習してから来るべきでした。

巣があるはずのニセアカシア河畔林の手前の枝に一羽のハシボソガラスCorvus corone)幼鳥が止まっていました。
どうやら私が観察していた巣から最後に巣立ったばかりの幼鳥のようです。
嘴の中が赤いのがカラス幼鳥の特徴です。

親鳥が通って巣外給餌してくれるはずですが、それまで幼鳥は暇そうに待っています。
ときどき危なっかしい足取りで横枝を歩き回るものの、あまり移動しません。
暇潰しで花や枝をつつくこともありましたが、いくら好奇心旺盛なカラスの幼鳥とは言え、さすがにニセアカシアの花を食べることはありませんでした。

冒頭で、ハシボソガラス幼鳥は羽繕いしています。
続いてその場でバサバサと羽ばたきの練習をしました。(@0:40)
(枝上でバランスを崩しただけかも?)

やがて枝上で少し身を屈めると、白い糞を排泄しました。(@1:15)
私に見られていることを警戒して隠れたいのか、危なっかしい足取りで横枝を伝い歩きしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→観察者を警戒したハシボソガラス親鳥から巣外給餌のお預けを食う巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@ニセアカシア枝

2018/08/08

寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】



2018年5月中旬・午後17:07〜17:55(日没時刻は午後18:39)

▼前回の記事
オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀

ヤドリバエ(寄生ハエ)の一種♀がオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)若齢幼虫の巣に居座り、虎視眈々と産卵のチャンスを狙っている様子を6倍速の早回し映像でご覧下さい。
ヤドリバエ♀が巣の表側(逆光)に来たり裏側に行ったりする度に、私も山道で三脚を移動しました。

恐るべき天敵がオビカレハ幼虫の群れに紛れ込んでもあまり排斥されないのは、何か秘密があるのでしょうか?
ゆっくり歩き回るのが秘訣なのかな?
ヤドリバエ♀の体表を寄主に化学擬態しているとしたら面白いのですが、寄主特異性が低いのであれば考えにくいでしょう。
近くに居るオビカレハ幼虫が頭を左右に振って威嚇してもギリギリ届かない距離を保ち平然と身繕いする様は憎たらしいですね。

かなり粘って長撮りしても、ヤドリバエ♀が産卵に成功したのは初めの2回だけでした。
それ以降はひたすら寄主となる幼虫を付け回したり、幼虫に気づかれて反撃されて(頭振り行動)一時退避したり、を繰り返していました。
幼虫に追い払われたヤドリバエ♀は巣の周囲でミズナラの小枝に止まり、のんびり前脚を擦り合わせたり顔を拭ったりと化粧して時間を潰しています。
オビカレハ幼虫の巣は寄生バエにとって、選り取り見取りのパラダイスのはずですよね。

寄主の巣内で次々に産卵するのかと期待していた私は、とても意外に思いました。
ヤドリバエ♀は翅があるのにどうして素早く飛んで寄主に襲いかかり電光石火で産卵しないのか、不思議でなりません。
この個体は左翅の先がやや破損していますけど、飛ぶのに支障は無いはずです。(未確認)

途中でシギゾウムシの一種が同じミズナラの灌木に登って来ると、邪魔されたハエは巣の上部に避難しました。
のこのこと巣に闖入したコナラシギゾウムシ?は、オビカレハの幼虫に至近距離で威嚇されて擬死落下。

ヤドリバエ♀は腹端を前方に屈曲した産卵姿勢のまま巣上で呆然としていることもありました。
なぜ幼虫を積極的に追いかけないのでしょうか?
幼虫が近づいてくるとハエはすぐに退避します。(意気地なし!)

後半になると産卵失敗や回避行動が増え、無気力というか真剣味が失せたように見えます。
とてもまどろっこしく、見ていて非常にもどかしい持久戦・神経戦が続きます。(寄主との攻防にもなっていないような…)
撮りながら仮説を幾つか立ててみました。

  • 卵巣内の卵を産み尽くしてしまった?
  • ヤドリバエ♀は寿命が近い、老いた個体なのか?
  • 夕方で薄暗くなり気温が下がると産卵行動が難しくなる? 産卵衝動が低下する? 現場は里山の東斜面なので、日の入り時刻よりも早く太陽が山陰に沈んで暗くなります。
  • 周囲のオビカレハ幼虫が完全に静止(フリーズ)すると、ヤドリバエ♀は視覚で寄主の存在を認識できなくなってしまうのかも?
  • 既に産卵済みの幼虫個体を何らかの方法で見分けて、重複産卵(多寄生)を回避している?
  • オビカレハ幼虫の防衛行動が結果的に上手く行っている?(私には分からないのですが)

苦労して寄主の体表に直接産卵しなくても、巣に大量に産卵しておいて、孵化したハエの幼虫(蛆虫)が自力で寄主に辿り着く寄生戦略でも良さそうな気がします。
ただし、蛆虫が多寄生の共倒れとなるリスクもありますね。


オビカレハ幼虫側の防御法としては、巣にクモのような粘着性の糸を張り巡らせてハエをトラップしてしまうようにこれから進化したら面白いですね。
それでもヤドリバエは飛来するでしょうから、結局オビカレハ幼虫は三次元に作られた天幕の中で暮らすしかなさそうです。

プロの研究者ならきっと、
ヤドリバエ♀を採集して卵巣の状態を調べるとか、巣ごと採集してオビカレハ幼虫を全て育て上げ、ヤドリバエが羽化してくる数を数えて被寄生率を調べたりするのでしょうね。
私にそこまでやる根性はありませんでした。

※ 風が吹いて枝揺れに悩まされたのですが、動画編集時に手ブレ補正処理したら、その影響をなんとか抑えられました。

【おまけの動画】


同じ素材で10倍速にした早回し映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→寄主オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵失敗を繰り返すヤドリバエ♀の謎


ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀@オビカレハ(蛾)幼虫巣外+身繕い
ヤドリバエsp♀@オビカレハ(蛾)幼虫巣外+身繕い

シマヘビの死骸を舐めるミドリキンバエ?



2018年5月中旬

郊外の住宅地でシマヘビElaphe quadrivirgata)の死骸が道端に転がっていました。
おそらく車に轢かれたロードキルを誰かが道端にどけて置いたのでしょう。
死骸の傍の路上に内臓がこびりついていました。
ここが轢かれた場所か?




体表の鱗が剥けて肉が露出した傷にミドリキンバエLucilia illustris)と思われる美しい金属光沢の蝿が1匹だけ来ていました。
(似た蝿がいて見分けるのは意外に難しいらしいのですが、真面目に検討してません。)
死後間もない新鮮な死骸には見えないのですけど、蝿の集まりが悪いのは未だ春先だから?
ハエの左右の複眼が離れているので♀だと思うのですが、背面から見ていても産卵しているかどうか不明です。
ハエを側面から見て腹端の動きに注目しても、産卵している様子はなく、吸汁しているだけでした。

微小なクロアリ(種名不詳)も集まり、辺りを徘徊しています。

死んだシマヘビの頭部に損傷が無ければ、死骸を採集して頭骨標本を作りたかったのですが、状態が悪そうなので撮影するだけに留めました。




ミドリキンバエ?@シマヘビ死骸・全景
ミドリキンバエ?@シマヘビ死骸・全景
シマヘビ死骸:内臓

ミドリキンバエ?@シマヘビ死骸+吸汁
ミドリキンバエ?@シマヘビ死骸+吸汁

2018/08/07

ソヨゴの雄花で吸蜜するニホンミツバチ♀



2018年6月上旬

街路樹として植栽されたソヨゴの雄株に白くて小さな花が咲いていました。
どの花も雄花で、よく見ると花粉の付いた雄しべがありますが雌しべを欠いています。(雌花を付ける雌株の木は別にあるのです。)
ニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜中に後脚の花粉籠を見ると、空荷でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ニホンミツバチ♀@ソヨゴ雄株+訪花吸蜜

ソヨゴ雄花@雄株
ソヨゴ雄花@雄株

「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシボソガラスの群れ【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2018年6月下旬・17:08〜17:45・気温25℃(@17:06)


▼関連記事
「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#1【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】

暑かった午後の河原も気温が少し下がり、過ごしやすくなりました。
ハシブトガラスと入れ替わるようにハシボソガラスCorvus corone)の群れが続々と集まり、川で水浴していました。
「カラスの行水」と言えば、短い水浴(入浴)を表す有名な慣用句です。
しかし、実際の水浴行動は決して短時間ではなくて、何度も念入りに行うことが分かりました。


水浴シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:11〜)

今回観察したハシボソガラスの行水の作法は次の通りで、ハシブトガラスとの違いは特に見出せませんでした。
川岸近くの浅い所に歩いて入ると、水面に嘴を差し込んで首を左右に激しく回し、顔を濡らします。
次は、それと同時に翼を水面に強く叩きつけるようになり、バシャバシャと水を跳ね上げて体を濡らします。
全身を濡らしたいのならもっと川の深い所に入って行ってザブンと水に潜れば手っ取り早いと思うのですが、カワガラスのように泳いだり(潜水)はしませんでした。


カラスは水鳥ではないので、お腹が水に浸る程度の水深までしか入りません。 (中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』p16より引用)


水浴が一段落するとピョンと跳んで近くの岩に上がり、大きく身震いして羽から水を切り、濡れた羽根を嘴で手入れします。
(飲水→)水浴→身震い、水切り→羽繕いと順番にやる行動が1セットらしく、このルーチンを何度も繰り返していました。
せっかく羽繕いまでしたのに、どうして再び水浴するのか、ちょっと不思議です。

スーパースローの最後に登場する個体は、水浴後に水切りしただけで羽繕いをせずに飛び去りました。

余談ですが、

濡烏(ぬれがらす・濡れ烏)とは、女性の髪の色彩を形容する言葉。また、その髪のもつ黒の色名。
日本人女性の理想美であり、もっと一般的には烏羽色、濡れ羽色、烏の濡れ羽色とも言う。青みを帯びた黒を指す。(wikipediaより引用)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2羽が仲良く並んで行水しているシーン(@3:43〜4:10)は、もしかするとハシブトの幼鳥だったりしますかね?
普通種なのにカラスの近縁二種を見分けるのがときどき自信がなくなるのが困りものです。


ハシボソガラス(野鳥)@川+水浴
ハシボソガラス(野鳥)@川+水浴

2018/08/06

オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀



2018年5月中旬・午後17:00〜17:03


▼前回の記事
便秘に苦しむオビカレハ(蛾)幼虫はどう対処するか?

ミズナラの灌木に天幕状の巣を作って共同生活しているオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)の若齢幼虫の様子を見ていると、怪しいハエが一匹、巣に紛れ込んでいました。
その正体は寄生バエ(ヤドリバエ科の一種)♀でした。
左の翅に切れ込みが入ったように破れていて、個体識別が可能です。

夕方の逆光で見えにくいのですが、動きの鈍い幼虫を狙いを定めると腹端を前方に屈曲しながら幼虫の背後から近づき、頭部付近の側面に卵を産み付けたようです。
産卵の決定的瞬間に別個体の幼虫が横を通りかかり、産卵管が見えなくなってしまいました。
攻撃されたオビカレハ幼虫は弱々しく頭部を左右に振って威嚇するだけでした。
ヤドリバエ♀は巣の上部に一時的に退避しました。

しばらくしてほとぼりが冷めると戻って来て、同一個体の寄主に対して再び産卵しました。
今度は産卵姿勢がしっかり撮れました。
腹端を前方に強く屈曲させて寄主に狙いを定め、寄主の頭部近く(胸部体節)の腹面(側面かも?)に産卵しました。
幼虫の群れに反撃されそうになると、さっと身をかわします。

天幕状の巣には発育段階の異なる大小様々なオビカレハ幼虫が集まっています。
寄生蝿の右下に見えるのは、幼虫が脱皮した後の抜け殻のようです。


オビカレハを寄主とするヤドリバエを写真同定してもらうために、ストロボを焚いた写真も高画質で撮ったつもりでした。
ところがカメラの設定を前日までインターバル撮影していたときの低画質にしたままで気づきませんでした。(痛恨のミス)

このヤドリバエ♀は口吻を出しっぱなしのように見えます。
寄主の巣を舐めて化学情報を検知しているのでしょうか?
産卵した寄主の傷口から出る体液を舐めたりするのかな?
素人目にはなんとなく口吻のように見えたのでが、そういう形状の触角なのかも? (高画質の写真を撮っていれば…。)



※ 逆光対策として、動画編集時にHDRishフィルターを適用しました。
いつもの自動色調補正より効果的です。
写真を撮るだけなら逆光のときはフラッシュを焚けば済むのですが、動画撮影しようとすると困ってしまいます。
不用意に照明を点灯すると、昆虫や野生動物の自然な行動に悪影響を及ぼしたり逃げられたりする恐れがあるからです。

つづく→寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】


ヤドリバエsp♀+オビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀@産卵→オビカレハ(蛾)若齢幼虫

岩で日光浴するミシシッピアカミミガメ♂



2018年6月上旬

蓮池で1匹のミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が岩に上陸して甲羅干し(日光浴)していました。
眠そうに瞬きするぐらいで、動きに乏しく、あまり面白くありません。
後半は首をゆっくり動かし、辺りをキョロキョロと見回しています。

前肢の爪が長く、甲羅の尾に近い部分にV字型の切り込みがあるので、どうやら♂のようです。
(参考サイト:カメの性別を見分ける方法ミドリガメの性別を見分ける3つの方法と性別による注意すべき疾患


ミシシッピアカミミガメ♂@池:岩+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ♂@池:岩+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ♂@池:岩+甲羅干し

2018/08/05

花壇でシバザクラ等の花蜜を吸うナミアゲハ



2018年5月下旬

民家の花壇に咲いたシバザクラ(芝桜)の群落でナミアゲハPapilio xuthus)が忙しなく訪花していました。
吸蜜中も翅を絶えず羽ばたかせています。
蜜源植物は必ずしも一種類に固執せず、たまに浮気して近くに咲いていた紫色のアジュガ(=セイヨウキランソウ;シソ科)およびオレンジ色のヘメロカリス(ユリ科ではなくて、ススキノキ科ワスレナグサ属)の花でもちょっとだけ吸蜜することがありました。(この園芸植物の花の名前が分かりません。)



【追記】
YouTubeのコメント欄にて、横室稜さんより以下のようなありがたいご指摘を頂きました。
イモカタバミじゃなくてシバザクラですね。紫色の花はアジュガという花です。オレンジの花はヘメロカリスという花です。

花の名前を訂正しておきます。
園芸植物は苦手ですが、一つずつ地道に覚えるしかありませんね。
シバザクラは知っていたのに、イモカタバミと間違えるなんてお恥ずかしい…。
▼関連記事芝桜の花蜜を吸うキアゲハ

ナミアゲハ@花壇:シバザクラ訪花吸蜜
ナミアゲハ@花壇:アジュガ訪花吸蜜

流木で独り遊びするハシボソガラス(野鳥)



2018年6月下旬

河原の水辺で一羽のハシボソガラスCorvus corone)が岩と岩の間で何かを嘴でつついていました。
お辞儀をしながら嬉しそうに鳴き声♪を上げました。
見つけた流木の枝を岩に拾い上げ、足で押さえつけると啄んで遊んでいます。
つついたはずみで岩から滑って枯れ枝を落としていまいました。
照れ隠しで(悔し紛れ?)またしゃがれ声で鳴きました♪。
再び流木を拾い上げ嘴でつつきます。
流木の中に何か獲物となる虫が潜んでいるのですかね?
よく鳴くので、てっきり空腹の巣立ち雛が暇つぶししながら親鳥を呼んでいるのかと初めは思いました。
ところが、開いた嘴の中が黒いので成鳥と判明。
流木を嘴に咥えたまま、隣の岩へピョンと跳び移りました。
岩の隙間から別の小枝を拾い上げたものの、すぐに捨てました(@1:42)。
やがて流木で独り遊びするのに飽きてしまったのか、ハシボソガラスは餌を探して岩から岩へ跳んで歩き始めました。
立ち止まっては頻りに鳴いています。
群れの仲間を呼び寄せたいのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス(野鳥)@川岸:岩♪

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