2024/09/07

ニホンアナグマの空き巣に侵入を繰り返し、虫を捕食しに通う晩秋のニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月中旬〜下旬

シーン0:11/15・午後13:07・晴れ・気温25℃(@0:00〜) 
明るい昼間に撮れた現場の様子です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:11/19・午前5:46・気温7℃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:20。 
小雨がぱらつく夜明け前に、右からニホンイタチMustela itatsi)が単独で駆けて来ました。 
一瞬ホンドテンかと思いきや、よく見ると華奢なイタチでした。 
この地点でホンドテンは何度も登場していたのですが、ニホンイタチは初見です。 

アナグマの巣口Rの匂いを慎重に嗅いでから、中にするりと潜り込んだので驚きました。 
トレイルカメラの映像記録を信じるならば、イタチは昼間をアナグマの巣穴Rで寝て過ごしたようです。
(しかしイタチの動きは敏捷なので、撮り損ねがあるのではないかと私は疑っています。) 


シーン2:11/19・午後18:21・気温7℃(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:28。 
同じ日の晩に、再びイタチが写っていました。 
もしかすると、巣穴Rから外に出てきた直後なのかもしれません。 
あるいは別個体のイタチなのかな? 
真っ暗で雨は降っていません。 

今度はアナグマの巣口Lの縁で匂いを嗅ぎ回ってから、巣穴Lに侵入しました。 
イタチも「穴があったら入りたい」習性があるようです。 
根雪が積もる前に越冬用の安全な巣穴を探すつもりなのでしょうか? 


シーン3:11/19・午後18:22(@0:47〜) 
アナグマの巣口Rにイタチが佇み、周囲を警戒しています。 
どうやら、巣穴Rから外に出てきた直後のようです。 
巣口Rを飛び越えて左に行くと、対面に設置したもう1台のトレイルカメラが起動しました。 

シーン2、3は時系列が逆ですね。 
動画編集をミスりました…。 
トレイルカメラ内蔵の時計がどうしても次第に狂ってくるので、動画に表示される時刻表示を過信すると前後のつながりの辻褄が合わなくなることがあるのです。


シーン4:11/19・午後18:29(@1:11〜) 
アナグマの巣穴Lに侵入したイタチが数分後に外に出てきたようです。 
巣穴の主であるニホンアナグマはこの日はたまたま不在だったようで、その隙にニホンイタチが空き巣を内検したのでしょう。 

巣口L付近で落ち葉の下に鼻面を突っ込んだイタチが、何か虫を捕食したようです。 
左に立ち去る途中でも立ち止まって、虫を捕食しました。 
気温が低い(10℃以下)夜ですから、虫の動きも鈍く、狩りをするのは容易いはずです。 
幼虫で越冬する虫はもう既にどこか安全な隠れ家に潜んでいるはずですし、無防備な林床に居残っている虫は、寿命が近い個体なのかもしれません。 
イタチがアナグマの空き巣L、Rに侵入したのも、巣穴を乗っ取るのが目的ではなくて、中に居候している虫の大群(穴居性カマドウマの幼虫?)を捕食するのが目的だった可能性があります。 

イタチが晩秋の林床で虫を捕食するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:07〜) 
捕えた虫をその場でムシャムシャと食べています。 


シーン5:11/19・午後18:56・気温8℃(@2:38〜) 
30分後にイタチが再び登場し、右へ立ち去りました。 
同一個体のイタチが戻ってきたのかと思ったのですが、素人目には前回登場した個体よりも少し大きい気がします。 
もしかすると、一緒に行動しているイタチの♀♂ペアが、監視カメラに代わる代わる写っているのかもしれません。 

実はイタチが去ってから2時間15分後、テンが現れました。
見比べると2種の体格や体型の違いがよく分かります。


シーン6:11/22・午前7:50・くもり・気温-1℃(@2:53〜)日の出時刻は午前6:23。 
3日後の明るい朝に、再びニホンイタチが現れました。 
気温は氷点下まで冷え込みました。 
自然光下で見るイタチは美しい冬毛(黄色っぽい黄土色)でした。 

辺りをキョロキョロと警戒してから、アナグマの巣口Lの縁で何か小さな虫を捕食しました。 
最後は右へ軽快に走り去りました。 
朝のアナグマ営巣地でイタチが虫を捕食するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@3:43〜)


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
アナグマの営巣地(セット)でニホンイタチは初見です。 
晩秋に出現頻度がいきなり増えて、昼も夜も登場しました。 
この巣穴ではてっきりアナグマが越冬するものだと思っていたのですが、まさかイタチが乗っ取ったのでしょうか? 
アナグマもイタチも冬眠しません。
「同じ穴のむじな」という慣用句がありますが、もしもアナグマとイタチが同じ巣穴に同居して冬越しするとしたら、なかなか面白い発見です。
それよりもやはり、「アナグマの巣穴に居候している虫(穴居性カマドウマの幼虫?)を捕食できた成功体験に味をしめて、イタチが昼も夜も通ってきている」と私は推測しています。 

ちなみに最近、アナグマの営巣地(セット)で野ネズミの姿をめっきり見かけないのは、イタチやテン、キツネ、フクロウなどの捕食者に狩られたからだと思います。




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ホトトギスの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの大群落を夕方に通りかかったら、複数個体(2〜3頭?)のクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
同じ花壇に咲いていたシュウメイギクのピンクの花にときどき飛来しても食指が動かず(口吻が伸びず)、ホトトギスの花に戻って吸蜜を続けました。(定花性) 

高速で羽ばたき続ける蛾の種類をしっかり同定するために、ストロボを焚いて写真にも撮りました。 
前回の反省を踏まえて、シャッタースピードを1/1300〜1/2000秒に設定しました。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして、花の根元に小さく膨らんだきょの入口を器用に探り当てると、挿し込んで花蜜を吸います。 
伸ばした口吻がときどきホトトギスの雄しべや雌しべに触れるので(@3:37〜) 、クロホウジャクはホトトギスの受粉を少しは助けていることになります。
ホトトギスの送粉者の本命と思われていたマルハナバチ類が実は盗蜜していて、逆にスズメガの仲間が送粉しているとは、意外な結果でした。

クロホウジャクが吸蜜後に口吻を縮めると、くるくるとゼンマイ状に丸まります。 
飛翔中は脚を体に沿わせるように縮めて、空気抵抗を減らしています。 


2024/09/06

アナグマ専用の溜め糞場を素通りする晩秋のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月中旬 

平地のスギ防風林に出没するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 

シーン0:11/5・午前後(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
画面の左上に朽ち果てた切株があり、その手前に長年放置された古い手押し車の錆びたフレームがあり、そこにニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあります。 
スギ林床には野ネズミ(ノネズミ)の巣穴があることも分かっています。 


シーン1:11/13・午前3:56(@0:04〜) 
カメラの電池が消耗していて、通り過ぎるタヌキの下半身がチラッと写っていただけでした。 
実はその1分後にもごく短い映像が撮れていたのですが、トレイルカメラの起動が遅れたのか、何も写っていませんでした。 
♀♂ペアで行動するタヌキの後続個体が来たのかもしれません。 


シーン2:11/13・午前18:45(@0:07〜) 
小雨(みぞれ?)がぱらつく晩に、タヌキが再び現れました。 
ちょっと立ち止まって左を(切株の方を)向いてから、すぐに奥へ立ち去りました。 

この2回とも、タヌキはアナグマの溜め糞に興味を示さず、素通りしたようです。


この地点でタヌキが撮れたのはこれが最後になりました。 
監視カメラを撤去して、別の地点を見張ることにします。 
アナグマ専用の溜め糞場stmpにアナグマが全く来なくなったからです。 
ニホンアナグマはもう本格的に冬ごもりに入ったのでしょうか?

デントコーンの収穫およびロールベールラップサイロへの加工|落ち穂を拾い食いするハシボソガラスの群れ(野鳥)オートライシズム

 

2023年10月中旬・午前11:20頃・晴れ 

肉牛の飼料用作物として栽培している広大なデントコーン畑で収穫が始まっていました。 
大型機械(収穫専用作業車)によるトウモロコシの収穫を初めて見る私は興味津々で、動画に撮りました。 
収穫作業の機械化が究極まで進められた結果、専用の車両2台が連携して、最少人数による効率化が実現していました。 

最初の大型機械は「細断型ロールベーラ」と呼ばれるのだそうです。 
2〜3mも草丈高く育ったデントコーンを根元から刈り取ると、同時に全草を細かく裁断しています。 
大きな円筒形に整形したデントコーンの塊をその場に放置して、ロールベーラは先に進みます。 

次にキャタピラで動くフォークリフトのような別の作業車(ラッピングマシーン)が登場しました。
ロールベーラが作ったデントコーンの円筒塊を拾い上げると、プラスチックの白いフィルムでぐるぐる巻きに圧縮・梱包しながら運んで行きます。 
完成した包みはトウモロコシ畑の一角に並べて置かれました。

完全密封状態で野外に放置されたデントコーンは嫌気性細菌によって発酵し、昔ながらの塔型サイロ施設に詰め込まなくても良質の飼料となるのだそうです。 
この辺りは肉牛の畜産が盛んな地域なので、その飼料となるのでしょう。 
デントコーンはデンプンの含有量が高く、乾燥時に粒の中央がへこむ(デント)という特徴がある飼料用の品種です。

牧草地などに白い巨大な円筒塊が点々と放置されたり、まとめて置かれたりしている田園風景をこれまで何度も目にしていました。
実際にこれを作る作業を見たのは初めてで、とても勉強になりました。 
デントコーン畑で働く車両をタイムラプス映像で記録(微速度撮影)したら面白い動画になりそうですが、この日は三脚を持参してなかったので諦めました。


【参考サイト】 


収穫直後のデントコーン畑にハシボソガラスCorvus corone)が続々と集まっていました。 
ロールベーラが取りこぼしたデントコーンの落ち穂を拾い食いしているようです。 
トウモロコシ畑に隠れていた昆虫(害虫)を捕食しやすくなったのかもしれません。 
ヒトの収穫作業を利用している訳ですから、こうしたカラスの採食行動は、オートライシズムの一種と言えるかもしれません。 
騒音を立てて動き回る見慣れない大型作業車が怖いのか、カラスは収穫作業車には近づこうとしませんでした。 



農地で野鳥のオートライシズムを観察したくても、当地ではなかなか見ることができないのが不思議でなりません。 
本で読んだ知識では、デントコーン畑で動き回る収穫作業車の周囲に鳥が集まって、急に撹乱されて畑から逃げ惑う昆虫類を次々に捕食するはずと期待していました。 
爆音器やカカシ類などを使って収穫間際の農作物を鳥による食害から守る歴史が長かったために、当地の鳥は農家の人に対する恐れが強いのでしょうか? 
効果的な農薬散布(殺虫剤の使用)が確立した近年では、そもそも田畑の虫が激減しているのではないか?と疑っています。 (素人の個人的な予想です)
海外では害虫抵抗性や除草剤耐性を付与した遺伝子組み換えのトウモロコシ(GMコーン)が盛んに栽培されていますが、日本では栽培が禁止されています。 
デントコーン畑で害虫や雑草の防除を目的として使用される農薬を調べると、アワノメイガやオオタバコガなどの害虫に対して、「トレボン乳剤」や「アファーム乳剤」などの殺虫剤が使われているのだそうです。 
ただし、私は稲作水田への農薬散布は毎年のように見ているものの、トウモロコシ畑での農薬散布作業を実際に目撃したことが一度もありません。 
無農薬で有機栽培されるデントコーンも存在するのだそうです。
さらに調べると、日本国内では、畑に撒くトウモロコシの種子がネオニコチノイド系殺虫剤で処理されることがあるそうです。(畑への農薬散布を減らすためと謳われていますが、色々と問題があって…。)
具体的には、チアメトキサムなどがデントコーンの種子処理に使用されています。
だとすれば、デントコーンが育った畑で農薬散布をしない理由も害虫が少ない理由も説明できます。
ちなみに、私は完全無農薬の有機栽培を目指すべきだという非現実的な理想論者ではありません。
農業で使われる殺虫剤は必要悪として、今後も減らす工夫をしなければいけない、という穏健な(凡庸な)主張です。
農業害虫以外の虫がとばっちりを食らって農薬で殺される数が多過ぎるのが問題で、急激な温暖化の進行とダブルパンチで虫の絶滅がこのまま進むのはまずい!という危機感があります。


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2024/09/05

トチノキ種子の給餌場に来たハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月中旬・午後17:30頃・日の入り時刻は午後16:34 

山林でカラマツの根元にトチノキの種子を置いて、野生動物に試供しています。 
野ネズミが給餌場に通ってせっせと運び出し、貯食していました。 (映像公開予定

ある晩、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が現れました。 
この地点でハクビシンは初見になります。 
しかし約3m下の林道では既に活動が記録されていたので、別に不思議ではありません。

右の餌場R付近の落ち葉に鼻面を突っ込んで、匂いを嗅いでいました。 
しかし何も食べずに立ち去りました。 
ハクビシンに踏まれた落枝がしばらく振動しています。 

このとき餌場にトチノキ種子が残っていたかどうかという点が肝心なのですが、降り積もった落ち葉に覆い隠されたせいで全く見えません。 
ハクビシンは栃の実よりも、野ネズミの残り香に興味を示したのかもしれません。
ハクビシンは雑食性ですが、好きな果実は液果とされています。
栃の実(種子)を食べるとは思えません。(もしも栃の実を食べたら大発見?)


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ヤブガラシの花蜜を吸うコアオハナムグリとセグロアシナガバチ♀

 

2023年9月上旬・午後14:15頃・晴れ 

道端に蔓延るヤブガラシのマント群落でセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀およびコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
意外にも、コアオハナムグリとヤブガラシの組み合わせは初見です。 



採寸していませんが、このセグロアシナガバチはとても小型のワーカー♀でした。 
連日の酷暑で獲物が取れず(獲物となるイモムシが少ない)、小型のまま成虫が羽化したのだろうと推測しました。 

ヤブガラシの花から花へ忙しなく歩き回るセグロアシナガバチ♀が、じっとしているコアオハナムグリの背中に乗って踏みつけたのですが、コアオハナムグリは特に気にする様子もありません。 
セグロアシナガバチはコアオハナムグリを獲物として認識してませんし、コアオハナムグリは脚を高々と持ち上げる威嚇姿勢になりませんでした。 

少し飛んで隣の花に移動したセグロアシナガバチ♀は、蜜量が多い花を見つけると、じっくり吸蜜を始めました。 


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2024/09/04

越冬用の営巣地に出没するニホンアナグマの諸活動:11月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 

シーン1:11/6(@0:00〜) 
みぞれが降る晩に二次林の林床をうろついています。 
こんな寒い夜にアナグマは一体何を食べているのでしょう? 
冬越し中の虫やミミズを探し当てるスキルがあるのかな? 
越冬に備えて充分な体脂肪を蓄えることができていれば良いのですが。 


シーン2:11/8(@0:25〜) 
2頭のアナグマが2つの巣穴L、Rを代わる代わる内検しています。 
みぞれが降り始めました。 

夜明け前に1頭が入巣Rし、中で寝たようです。 
同じ日の晩(日没後)に目覚めたアナグマが巣外活動を再開しました。 


シーン3:11/9(@5:24〜) 
日没後から。 


シーン4:11/10(@5:56〜) 
夜明け前から。 


シーン5:11/11(@6:51〜) 日没後 


シーン6:11/12(@7:36〜) 
日没後、みぞれが降っています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
どうやら、この巣穴でニホンアナグマが越冬するようです。 
残念ながら、登場するアナグマの個体識別ができていません。 
丸々と太った当歳仔ではないかと勝手に予想しているのですけど、幼獣の体型が変わると私にはさっぱり分からなくなりました。 

この営巣地で春に出産・育児した母親♀は暗視動画で見ると左右の目の大きさが異なるのですが、今回の映像にはなぜか登場しません。 
たまたま正面からカメラ目線をくれなかっただけなのか、それとも母親♀はどこか別の巣穴で越冬するのでしょうか? 


晩秋の二次林で鳴くカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年11月上旬・午後12:20・気温19℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)にカケスGarrulus glandarius)が現れました。 
 画面右下手前に生えた落葉性灌木(樹種不明)の枝に止まり、アナグマの巣穴Lを見下ろしていたカケスが、右の地面に飛び降りました。 
林床で採餌を始めたようです。
耳を澄ますとカケスの耳障りな鳴き声が聞こえますが、この個体が鳴いているのかどうか不明です。 

しばらくすると、別個体のカケスが短く鳴きながら右から左へセットを飛んで横切りました。
飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
新機種のトレイルカメラはフレームレートが15fpsから25fpsに向上したので、被写体の素早い動きも以前より滑らかに録画できます。 
(個人的にはこれでも不満で、フレームレートは60fpsまで欲しいところです。) 

秋の盛りにはこの二次林でカケスがドングリ堅果をせっせと運んでいたのですが、貯食作業も見られなくなりました。 
この地点でカケスが写ったのは、2023年ではこれが最後になりました。



2024/09/03

車庫へ逃げ込んだ3匹の子猫(イエネコ)

 

2023年10月上旬・午後15:20頃・くもり 

農村部で人気ひとけのない裏路地を私が歩いていたら、外で遊んでいたイエネコFelis silvestris catus)の幼獣(仔猫)が慌てて逃げ出し、近くの車庫へ逃げ込みました。 
シャッターの下が少しだけ開けてある隙間から外を覗いて、私の様子を興味津々で見上げています。 
同腹の兄弟姉妹と思われる子ネコが少なくとも3頭、顔を出しました。 
キジトラが2匹で、残る1匹は毛色が違います。 
つぶらな目を大きく見開き、鼻をひくひくさせながら、瞬きもしないで私を凝視しています(怖いもの見たさ)。 

私を警戒して、決して車庫の外に出てこないのは感心です。 
私が歩き去ると、車庫の奥に引っ込みました。 
撮影中に、3頭の子猫は鳴き声を全く発しませんでした。 

親猫の姿は見かけませんでした。 
車庫のある民家で飼われているイエネコ♀の仔だと思うのですが、まさか野良猫(捨て猫)ですかね?

セイヨウタンポポの花で吸蜜するツマグロヒョウモン♀

 

2023年11月上旬・午前10:30頃・晴れ・風あり 

刈田の農道に点々と咲いたセイヨウタンポポツマグロヒョウモン♀(Argyreus hyperbius)が訪花していました。 
翅を半開きのまま、口吻を伸ばして花蜜を吸っています。 
動画を撮り始めたらすぐに飛び去ってしまいました。 
強い風が吹く中を飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

♀との組み合わせは初見です。 


本来ツマグロヒョウモンは南方系の昆虫で、ここ北国(雪国)では滅多に見られない珍品の蝶でした。 
私が子供の頃は憧れの蝶のひとつで、ほとんど迷蝶のような扱いでした。
近年ではすっかり見慣れてしまったということは、やはり深刻な地球温暖化が進行しているせいなのでしょう。 
それでも「褄黒(端黒)」模様の豹紋蝶をフィールドで見る度に、お!と心躍ります。(三つ子の魂百まで)


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2024/09/02

晩秋に野ネズミが夜な夜なうろつくスギ林床【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬 

平地のスギ防風林の林床で野ネズミ(ノネズミ)が夜な夜な餌を探し歩くシーンをまとめました。 

シーン1:11/5・午前後(@0:00〜) 
冒頭は明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpを自動撮影カメラで監視しています。 
暗くなると、夜行性の野ネズミが活動を始めます。 


シーン2:11/6(@0:31〜) 

シーン3:11/7(@1:29〜) 
雨(みぞれ?)が降る夜明け前、かなり冷え込んでいるはずなのに、野ネズミは元気に探餌徘徊しています。 
晩(日没後)には雨が止んでいました。 

シーン4:11/8(@2:45〜) 

シーン5:11/9(@5:08〜) 

シーン6:11/10(@5:57〜) 

シーン7:11/11(@7:09〜) 

シーン8:11/14(@7:23〜) 

さすがに飽きてきたので、この地点での野ネズミの活動記録はこれで打ち切ります。 
アナグマの家族が溜め糞場stmpに通うシーンを撮るのが目的だったのに、監視カメラに写るのは野ネズミばかりでした。
せっかく撮れた野ネズミの映像を削除するのも勿体ないので丹念に見直すと、野ネズミの暮らしも少し面白く思えてきました。

野ネズミについてこれ以上深く探求するには、巣穴の発掘調査をするか、捕獲調査をする必要があると考えています。

風で揺れる細い止まり木でバランスを取る若いアオサギ(野鳥)

 

2023年9月下旬・午後12:50頃・くもり 

スギ防風林の樹冠に1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が飛来して停まりました。 
曇天の逆光になりますが、デジタルズームインしてみると、若鳥のようです。 
右の翼から羽根が1本だけ寝癖のように飛び出ていて、風になびいているのが可愛らしいです。 
換羽の途中なのかな? 

細くしなる杉の梢に器用に停まっています。 
風が吹いて防風林の枝が絶えず揺れていますが、アオサギはバランスを崩しそうになると翼を大きく広げています。 
なんとなく、若鳥がバランス競技を楽しんでいるように見えてしまいます(独り遊び)。 

しばらくすると、アオサギは止まり木から飛び立ちました。 
流し撮りすると、羽ばたきながら左旋回して、私の頭上を飛び超えて行きました。 
この間、鳴き声を発しませんでした。 

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2024/09/01

晩秋のアナグマ営巣地に1〜3頭で来るホンドタヌキの諸活動:11月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬

シーン0:10/27(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の様子です。 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を新機種のトレイルカメラ2台で見張っています。 
秋も深まり、林床は落葉樹の落ち葉に覆われています。 

近所の休耕地に営巣するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が1〜3頭で出没するシーンを以下にまとめてみました。 
タヌキの特筆すべき行動は個別の記事にしたので、残り物の取止めもない行動集です。 
この時期は空き巣ではなく、アナグマが冬ごもりを始めたようです。


シーン1:11/1(@0:03〜) 
夕暮れにタヌキのペアが連れ立って登場。 
アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで、中に潜む虫を捕食しに来たようです。 
よく見ると、巣口Lから謎の小さな虫が外にわらわらと脱出しています。 
穴居性のカマドウマ幼虫ではないかと予想しているのですが、確かめられていません。 

新機種のトレイルカメラは気温データも取得できますし、センサーの誤検知も減り、画質も向上したのですが、ひとつ問題があります。 
薄明薄暮の時間帯に1分間の動画を連続して撮ると、1回毎にフルカラー録画とモノクロ録画が交互に切り替わる、という不思議な症状が出ます。 
赤外線の暗視モードに切り替わるかどうか、という微妙な明るさ(設定した閾値の前後)のときに発症するようで、対処のしようがありません。 
フルカラーで見ると、巣口L付近でタヌキが捕食する謎の虫の存在は全く分かりません。 (おそらく地味な保護色なのでしょう。)

獣道を通って右上奥へ立ち去る際に、1頭のタヌキが通りすがりにミズキの立木に排尿マーキングして行きました。(@2:33〜) 
片足(右後脚)を上げたので、♂と分かります。 


シーン2:11/3(@2:49〜) 
日没後の晩に、初めは単独でセットに来ていたタヌキが、途中から仲間が合流して3頭になりました。 


シーン3:11/4(@4:58〜) 
午後の明るい時間帯にタヌキが3頭でやって来ました。 
アナグマの巣口L、Rを点検して獲物となる虫を探しています。 
最後は獣道を走り去りました。 

この3頭は親子なのかな? 
最後に突然走り出したのが追いかけっこ遊びだとすれば、幼獣の兄弟姉妹ではないかと思うのですが、定かではありません。 
タヌキの個体識別ができていないのです。
尻尾にある黒い斑紋の形に注目するだけでも、ある程度は見分けられるかもしれません。 
巣穴の主であるアナグマが戻ってきて、それに気づいたタヌキが逃げた、という可能性も考えられますが、アナグマの登場シーンは監視カメラに写っていません。 


シーン4:11/6(@6:49〜) 
深夜未明および明るい午前中に単独行動のタヌキが写っていました。 


シーン5:11/8(@7:07〜) 
日没後に3頭のタヌキが連れ立って登場。 
林床の落ち葉を嗅ぎ回って、隠れている虫を探しています。 
いつものように、アナグマの巣口Lに立ち寄って、獲物となる虫を探しています。 
微小な虫を数匹食べたところで、とても腹の足しにはならないと思うのですけど、カロリーだけでなく貴重なタンパク質を摂取することも大切なのでしょう。 

巣口L近くの細いマルバゴマギ灌木をタヌキ♂が跨ぎながら、軽く排尿マーキングしたかもしれません。(@8:07〜) 

シーン6:11/9(@9:07〜) 
深夜未明にペアでタヌキが現れました。 
いつものように、アナグマの巣口L、Rを順に調べています。 

気温が2℃とかなり冷え込んでいますが、脂肪を蓄えて冬毛の毛皮を身にまとったタヌキは暖かそうです。 
最後に奥の二次林内へ立ち去る際に、タヌキ♂が排尿マーキングしたように見えましたが、林床に転がっている落枝を跨いだだけかもしれません。(@10:26〜) 

明るくなった朝にもタヌキのペアがまた登場しました。 
気温は1℃しかありません。 
夜明け前に巣穴の主であるニホンアナグマが巣穴Rに入ったばかりなのを、タヌキはアナグマの残り香を嗅いで察知したようです。 
タヌキは警戒して、巣口Rにはあまり近寄りません。 
アナグマが在宅だとタヌキは遠慮して、巣口に外から顔を突っ込んで虫を捕ることはなくなりました。 

夕方にもタヌキのペアが登場。 
獣道の横に立つミズキの根本に♂が排尿マーキングして行きました。(@12:15〜) 



シーン7:11/11(@12:26〜) 
真っ暗な晩にタヌキの単独行動が写っていました。 


シーン8:11/12(@13:49〜) 
夜明け前、気温が氷点下になりました。(-1℃) 
3頭が一緒にやって来たタヌキが、セットをうろついています。 
アナグマの巣口Rを未練がましく覗き込んでいます。 
こんなに寒くては虫を捕りにくいと思うのですが、越冬中の虫を探す特別なテクニックがあるのかな? 

朝の明るい時間帯にも単独のタヌキがセットを横切りました。 


シーン9:11/13(@15:53〜) 
冷たいみぞれが降る暗い晩に、タヌキが登場。 
二次林内で2頭が別行動で餌を探し歩いています。 


シーン10:11/14(@16:41〜) 
翌朝明るくなると、林床はしっかり濡れていたものの、初雪は積もっていませんでした。 
単独行動のタヌキがセットを横切りました。 
監視カメラの起動が遅れがちなのは、気温が低くて乾電池の電圧が低下しているせいでしょう。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


オオマルハナバチ♀の脚上げ威嚇反応

 



2023年11月上旬・午後15:00頃・くもり 

訪花吸蜜していたオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がセイタカアワダチソウの花穂からなかなか飛び立たないので、衰弱して飛べないのかな?と心配になりました。 
寿命が近いワーカー♀なのかな?
体に寄生ダニなどは付着していませんでした。 

私が動画を撮りながら右手で捕まえようと蜂に軽く触れたら、その度に中脚および後脚を高々と持ち上げました。 
威嚇姿勢のようですが、毒針を伸ばして誇示することありませんでした。 
蜂がしがみついていた花穂の先をちぎり取り、なんとか蜂を手乗りさせることができました。 

この個体はとにかく動きが緩慢で、元気がありません。 
口元を見ても、私の皮膚から汗を舐めているようには見えませんでした。 

私が指先でオオマルハナバチ♀の体にそっと触れる度に、脚を1〜2本持ち上げます。 
体を傾けて、刺激された同側の脚をいつも上げるのが興味深いです。 
正面から触角に触れると、左右の中脚を同時に持ち上げて万歳の体勢になりました。 
「それ以上近づくなよ」という警告・威嚇の意思表示なのでしょう。 
脚に鋭い棘や爪、キック力がある訳でもないのに、敵に対してどれだけ威嚇・牽制の効果があるのか疑問です。
 (私にはハッタリで虚勢を張っているようにしか見えません。) 
私が面白がってしつこく反応を調べても、繰り返し刺激への馴化(慣れ)はなさそうです。 
苛立ったオオマルハナバチ♀が毒針で私の手を刺してくることはありませんでした。 
ちなみに、ハチとは進化的に離れた系統のコガネムシ類でも似たような脚上げ威嚇姿勢が見られます。

この個体は翅や体毛が全く擦り切れておらず、大型なので、ワーカー♀ではなく新女王なのかもしれません。 
一般的に、女王蜂の攻撃性が低いのは当然です。 
真社会性ハチの女王は次世代に子孫を残す使命がありますから、毒針を使って敵と戦うのではなく、極力逃げることを選択します。(逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず) 
下手に敵と戦うと反撃を食らって死傷する可能性があるからです。 
もしも元気なワーカー♀を相手に同じ実験をしたら、怒った蜂に毒針で手を刺されていたかな? 

実験に満足した私は、蜂をセイタカアワダチソウの花穂に戻してやろうとしたのですが、なかなか上手く行きません。 
もたついている間に、オオマルハナバチ♀はブーン♪と羽音を立てて飛び去ってしまいました。 
私の体温で充分に温められたのか、飛び立つ前に胸部の飛翔筋を震わせる準備運動をしませんでした。 
しかし飛ぶ力は弱く、羽ばたきながら私の手から落ちてなんとかセイタカアワダチソウの茎に引っかかりました。 
再び自発的に飛んだものの、あまり遠くまで飛べませんでした。 
気温を測り忘れましたが、私の体感では寒さを全く感じませんでした。 

マルハナバチの経済学』という専門書のp264に「マルハナバチの巣内での諸行動」と題したイラストが掲載されています。 
その中に、「中後脚をあげるマルハナバチ独特の警戒姿勢」が示されていました。 
私の知る限り、この行動について書かれた本はこれだけです。 
同じイラストによると、マルハナバチの攻撃姿勢は更に独特で、なんと仰向けにひっくり返るのだそうです。 (おそらく、このとき毒針を見せつけるのでしょう。) 
私は未だ実際に見たことはないのですけど、マルハナバチの巣を手荒く暴いたときぐらいにしか攻撃姿勢は見られないのかもしれません。 

この行動を指す正式用語をどうしても知りたくて、Google Scholarで検索してみると、最近の研究論文を見つけました。 
全文が無料で公開されています。 
マルハナバチの脚上げ反応(万歳姿勢、ハイタッチ)が注目されるようになったのは、ごく最近のことなのだそうです。
disturbance leg-lift response (略してDLR)と名づけていますが、 disturbanceが日本語に訳しにくいです(撹乱?)。
「蜂にちょっかいかけると脚を高く上げる」というニュアンスです。
素人が勝手に「脚上げ威嚇反応」と名づけてみました。
専門家による用語の正式な和訳を見つけたら、訂正します。


【参考文献】 
Varnon, Christopher A., et al. "The disturbance leg-lift response (DLR): an undescribed behavior in bumble bees." PeerJ 9 (2021): e10997. 

Figure 1. The disturbance leg-lift response (DLR) of the bumble bee.  Artwork by Jennifer Salazar. Original reference photographs by Ivan Mikhaylov.

この論文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、ありがたく原図1を借用させてもらいます。


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