2014年4月中旬
平地の住宅地でカワラヒワ♂(Carduelis sinica)が電線に止まって頻りに鳴いています。
車が通り過ぎる間は鳴き止んでいるのが興味深く思いました。
同種間のコミュニケーションとして鳴いている声が騒音でかき消されて伝わらない間は休んでいるのでしょうか?
単に車を警戒したり緊張したりしているのですかね?
『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p169によると
3月になると♂はビーンと濁った声を出すようになるが、これが♂の囀り。(中略)もっともカワラヒワの♂はビーンだけでなく、キリリ、コロロも複雑に混ぜてリズミカルにも歌う。これはちょっとカナリアを思わせるが、じつはカナリアは同じアトリ科というグループなのだ。
同じ日の撮影ですが、映像の前後半で別個体。
【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』を読むと、驚きの事実が書かれていました。
カワラヒワも、春になると、よくさえずります。でも、カワラヒワの場合、相手を探して、結婚相手を決めるのは、実は秋。春、さえずっているのは、秋に相手を決められなかったり、きびしい冬をこす間に、相手が死んでしまった♂です。 (p34より引用)
カワラヒワ♂のさえずりを声紋解析してみる
いつものようにオリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
各図の中央付近(t=4〜5秒)の強い声紋がビーン♪(ジューイン♪)という鳴き声。
その前後はキリリコロロ♪
外付けマイクで録音したのに、いまいちきれいな声紋を得られませんでした。
ノイズの多い街中では集音マイク(パラボラ)が必要なのかもしれません。
下の2図は、ビーン♪(ジューイン♪)を連発して鳴いていた例です(別個体)。
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