2023/12/23

一晩で単独毛繕いと相互毛繕いを繰り返すニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:5倍速の暗視映像】

 



2023年5月上旬 

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)営巣地に2台のトレイルカメラを設置して見張っています。 
とある1日の毛繕い行動をまとめてみました。 
自分独りで毛繕いする場合と、2頭が相互毛繕いする場合があります。 
これほど頻繁に毛繕いするということは、♀が授乳の合間に自分の乳首をきれいにしているのではないか?と推測しています。
それにしては、仰向けになったときに腹面に乳首が見えません。
赤ちゃんの排泄した糞尿が♀の毛皮に付着してしまうのかもしれません。
長いので5倍速の早回しでお届けします。 


シーン1:5/5・午前2:29・(@0:00〜) 
未明にアナグマ♀が左手前の巣口Rに座り込み、毛繕いしています。 
右の林縁広場に移動して、体の手入れを続けます。 


シーン2:5/5・午前2:32・気温12℃(@0:18〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
巣口Rに座っている♀が、カメラの方を頻りに気にしています。 
カメラ目線になると、右目の小さな♀であることが分かります。 
後足で体を掻いたり、仰向けになって毛繕いしたりしています。 
最後はようやく入巣R。 


シーン3:5/5・午前2:31(@0:33〜) 
同じシーンが別アングルの監視カメラにも写っていました。 
ここまでが深夜未明の行動です。 


シーン4:5/5・午後19:14(@0:47〜) 
基本的にアナグマは夜行性で、明るい昼間は巣内で寝ています。
晩になってからも、♀が同様の行動を繰り返しています。 
巣口Rで身震いしてから中に入りました。 


シーン5:5/5・午後20:03(@0:58〜) 
約50分後、♀が出巣Rした直後のようです。 
広場から巣口Rに近寄って座り込み、体の手入れを始めました。 
♀の後頭部(首の後ろ)に見える白斑は、たまたま毛並みが乱れているだけかもしれませんが、もしかすると個体識別に使えるかもしれません。 


シーン6:5/5・午後21:20(@1:16〜) 
♀とヘルパー♂(若い息子)と思われる2頭が巣外の林縁広場で互いに毛繕いし合ってます。 
仲睦まじく相互毛繕いを長々と続けています。 


シーン7:5/5・午後21:41(@2:28〜) 
♀が独りで広場に座り、いつものように仰向け毛繕いしています。 
仰向けに寝転がって目をつぶりました。 
すぐにまた目を開けましたが、育児の疲れで眠そうです。 


シーン8:5/5・午後21:47(@2:46〜) 
巣口Rから♀が飛び出して、広場に居た別個体と対峙しました。 
追い払わずに広場で仲良く相互毛繕いを始めたので、相手は余所者の夜這い♂ではなくヘルパー♂だったようです。 

やがて2頭は各自で仰向け毛繕いを始めました。 


シーン9:5/5・午後21:49(@3:04〜) 
相互毛繕いの最中に軽い小競り合いになることがあります。 
軽い唸り声が聞こえました。 
相手の毛皮を甘噛みしていたのに、噛み所が悪かったのでしょうか? 


シーン10:5/5・午後21:51(@3:22〜) 
相互毛繕いの合間に再び軽い小競り合いが勃発♪。 
♀?が入巣Rし、残った個体(ヘルパー♂?)が巣穴RLの間に移動しました。 


シーン11:5/5・午後21:53・気温22℃(@3:40〜) 
別アングルの監視カメラにも撮れていました。 
2頭が広場に寝そべり、相互毛繕いしています。 
互いに相手の毛皮を舐めたり口で甘噛みしたりしています。 
急に離れると、1頭が入巣Rし、もう一頭は左へ移動。 

どうやらヘルパー♂が採餌に出かけたようですが、その後巣穴に戻ってくるシーンが撮れていない点が気になります。 
トレイルカメラの技術的な問題で撮り損ねているだけなのか、それとも私の知らない別の巣穴があるのでしょうか? 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

ミツバツチグリの花蜜を吸うビロウドツリアブ

 

2023年5月上旬・午後13:30頃・晴れ 

つづら折れの山道に沿って咲いたミツバツチグリの群落でビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。 
吸蜜中も休みなく高速で羽ばたき続けていますが、花弁に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。
 ビロウドツリアブの高速羽ばたきをハイスピード動画で撮ろうとしたら、逃げられてしまいました。 

遠くで登山客が熊よけ鈴をリンリン♪と大音量で鳴らし続けています。

2023/12/22

日没直後に巣穴の近くでスクワットマーキングするニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月中旬・午後18:55頃・(日の入り時刻は午後18:43) 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地をトレイルカメラ2台で監視しているのですが、そのうち1台の設置アングルを変更してみました。 
手前に見えているのが巣穴Lで、その奥に巣穴Rが並んでいます。 
画面の左から突き出ている朽ちた倒木は若いハリギリ(別名センノキ)で、まるで鬼の金棒のように幹が鋭い棘だらけです。
そのため、奥の巣口Rは少し隠れてしまっています。 
撮影に邪魔なこの倒木を取り除きたいのはやまやまなのですけど、アナグマ♀は育児の真っ最中で神経質になっているはずなので、なるべく営巣地の現状を維持したまま撮影を続けます。 
周囲に自生するマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の若葉がどんどん成長するにつれて巣穴がうまく隠されてしまい、撮影に苦労します。

日没直後の晩にアナグマが獣道を通って右下からセット(営巣地)に戻って来ました。 
後ろ姿では性別が見分けられないのですが、この前に撮れた映像から♀だろうと考えています。(映像公開予定) 
巣口Lの横を通って奥の二次林に向かう途中で、林縁の広場にちょっとだけ座り、お尻を地面に擦り付けました。 
これはスクワットマーキングと呼ばれ、自分の縄張りに匂い付けする行動です。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



送電塔天辺の巣内で羽繕いするハシブトガラスの雛と餌を運んでくる親鳥(野鳥)

 



2023年5月中旬・午後17:10頃・晴れ 

街なかで高圧線を支える送電塔#KN7の天辺に営巣したハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の定点観察にやって来ました。 
昼過ぎに私が撮影ポイントに入ると、親鳥がついてきて警戒声♪を発しました。 
親鳥が私に対して露骨に警戒しているので、しばらくは帰巣・給餌してくれません。 
その間に巣内の様子を観察すると、4羽の雛が育っていました。 
黒い羽毛もしっかり生え揃っています。 
親鳥が給餌に帰ってくるまでの間、各々が羽繕いしたりしておとなしく待っています。 

私が待ちくたびれた頃に、親鳥が近くの某施設の煙突の天辺に止まっていました。 
そこは見晴らしが良いので、カラスお気に入りの止まり場となっています。 
そのハシブトガラスにズームインしたら、左に飛び立ち、送電塔#KN7に向かいました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、親鳥の喉袋が膨らんでいることから、何か餌を運んできたことが分かります。 
親鳥は巣の一段下の鉄骨に一旦止まりました。 
巣内の雛は飛来した親鳥に未だ気づいていないのか、餌乞いしていません。 
(雛が育つと、親鳥が着地した振動で反応するようになります。) 
この後、親鳥が再び飛び上がって巣に入り、雛鳥に給餌したのですけど、カメラの電池切れで肝心の給餌シーンを撮り損ねてしまいました。 



2023/12/21

林床に掘られたニホンアナグマの巣穴に出入りする野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っていると、野ネズミ(ノネズミ)が初めて写りました。 


シーン0:5/1・午後14:25・(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
右手前の巣穴Rと左奥の巣穴Lの2個が二次林の林床に並んで掘られています。 


シーン1:5/6・午前0:15頃・(@0:03〜) 
深夜に画面奥の広場を野ネズミが左から右へチョロチョロ横切りました。 
この地点で野ネズミは初見です。 
右の二次林に入ってからしばらくすると、再び広場に戻ってきて、巣穴Lに駆け込みました。 
すぐにまた出巣Lして左に向かったので、巣穴Lをただ通り過ぎただけのようです。
 …と思いきや、再び左から戻って来た野ネズミが巣穴Lに入りました。 
アナグマが掘った巣穴の一部を野ネズミも利用しているのでしょうか?(ルームシェア?)
それとも野ネズミは「穴があったら入りたい」という習性があるだけで、ただの一時的な侵入者ですかね?
いずれにせよ、巣穴Lの近くにトレイルカメラを設置し直して、重点的に監視する必要がありそうです。

私はこれまでフィールドで見かける野ネズミと言えばアカネズミApodemus speciosus)またはヒメネズミApodemus argenteus)だろうと決めつけていました。
ここは平地ですし、近くに田畑や休耕地(草地)も広がっていますから、ハタネズミMicrotus montebelli)の可能性もあり得ますかね?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



落葉したイワガラミ蔓に現れたコガタスズメバチの古巣

2023年3月下旬 

民家の壁面緑化のために植栽された蔓植物のイワガラミが冬に落葉すると、コガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣がぶら下がっていました。 
地上からの高さは、目測で7〜8mぐらいでしょうか。
コロニーは晩秋に解散していて空き巣です。
激しい風雪が吹きすさぶ長い冬の間にコガタスズメバチの古巣が壊れたり落ちたりしなかったのは驚きです。
紙(パルプ)製なのに強度はしっかりしていることが分かります。 
春になるとイワガラミの若葉が芽吹き始めました。
@東壁の緑化
2023年4月上旬 

発見から数日後に古巣を蔓ごと採集させてもらいました。
外皮の一部は剥がれてしまいましたが、ほぼそのまま採取できました。

巣口は外皮側面の外向きに開口しています。
イワガラミの細い木質の蔓が巣内を貫通していました。
外皮が少し損傷したおかげで、内部の構造が垣間見えました。
3層の巣盤が作られていました。

巣口付近の外皮を大きく食い広げられた形跡があります。
晩秋にオオスズメバチの襲撃を受けたのか、それとも鳥に食害されたのかな?




採集直前の写真は撮り忘れてしまいました。
15cm定規を並べて置く
裂け目の下部からコガタスズメバチ成虫の死骸?が覗いて見える。

セイヨウタンポポの花蜜を舐めるセスジハリバエ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年5月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓の道端に咲いたセイヨウタンポポの群落でセスジハリバエTachina nupta)が訪花していました。 
花の上でクルクルと自ら向きを変えながら、花蜜や花粉を舐めています。 
伸ばした口吻を深く差し込んでいることが分かります。 
花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:06〜) 

この組み合わせは初見です。 
タンポポの総苞片が反り返っていたので、帰化植物のセイヨウタンポポでした。

2023/12/20

ニホンアナグマ♀の発情期が終わってもしつこく夜這いに通い、追い払われる♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の巣穴に設置したトレイルカメラの記録です。


シーン1:5/5・午前2:26・気温8℃・(@0:00〜) 
深夜に右手前の巣穴Rから♀(?)が外に出て来ました。 
巣口Rで身震いすると、何かを見つけて手前(画面下)に向かって走って来ます。 
しばらくすると、営巣地(セット)の広場に戻ってきました。 
今度は右へ向かう獣道の途中で座り込むと、茂みの陰(カメラの死角)で毛繕いしたり、体を掻いたりしています。 
後ろ向きで入巣Rしかけて、そのまま巣口Rで見張りを続けます。 


シーン2:5/6・午前1:32・(@1:46〜) 
翌日の深夜、夜這いに来た余所者の♂が右から右手前の巣口Rを覗き込んでいます。 
巣内には押し入らず、左へ立ち去りました。 
このとき♂の求愛声は聞き取れませんでした。 
もしかすると、ヘルパー(若い♂)かもしれません。 


シーン3:5/6・午前1:33・(@2:28〜) 
♂はそのまま広場に座って体の手入れをしています。(仰向け毛繕い) 
5倍速の早回しでご覧ください。 


シーン4:5/6・午前1:34・(@2:34〜) 
♂が広場から巣穴Lを経由して左に立ち去るようです。 
カメラの電池が消耗していて、細切れの映像になっています。 


シーン5:5/6・午前1:35・(@2:44〜) 
奥から手前に向かって♂が走って逃げて来ます。 
その後ろから♀(右目<左目)が追いかけてきます。 
巣穴Rを挟んで2頭が向かい合いました。 
巣口Rで立ち止まった♀が身震いしてから、再び♂に突進して撃退しました。 
このとき威嚇や求愛の鳴き声は聞き取れませんでした。 

残念ながら、せっかく面白いところで尻切れトンボで録画終了。 
深夜の採餌活動から戻って来た♀が、侵入者♂を見つけて追い払ったようです。 
ということは、これまで広場でウロウロしていた個体はやはりヘルパー♂ではなくて、求愛目的の♂(余所者)だったことが分かりました。 


シーン6:5/8・午後20:33・気温6℃・(@2:55〜) 
2日後の晩。 
広場に居た♀が右の暗闇に居た♂に突進して追い払いました。 
激しい威嚇や喧嘩の鳴き声♪および灌木の細い枝がポキポキ折れる音が聞こえます。


シーン7:5/8・午後20:31・(@3:07〜) 
別アングルの映像に切り替えてみましょう。 
画面には何も写っていませんが、カメラの背後からアナグマ♀♂の激しい喧嘩の鳴き声が聞こえます。 
残念ながら、トレイルカメラの電池切れで2秒間しか録音できていません。 


シーン8:5/8・午後20:34・(@3:09〜) 
次にカメラが起動したときには、巣口Rに戻った♀が左を向いて警戒していました。 


シーン9:5/8・午後20:35・(@3:13〜) 
別アングルの監視映像に切り替えました。 
こちらのトレイルカメラは新機種で、電池に余裕があります。 

右から戻ってきた♀が入巣Rしかけるも、巣口Rで振り返ってカメラ目線になりました。 
右目が左目よりも小さいことが分かります。 
巣口Rに後退して塹壕戦のように身を隠しながら、警戒を怠りません。 


シーン10:5/9・午後20:23・(@3:38〜) 
翌日の晩にも似たような行動が繰り返されました。 
夜這いに来た♂が広場を回り込んで巣口Rに座り込みました。 


シーン11:5/9・午後20:24・(@3:48〜) 
手前の獣道へ来かけた♂が、振り返って巣口Rの様子を見ています。 
求愛声は聞き取れません。 


シーン12:5/9・午後20:25・気温12℃(@3:48〜) 
別アングルの映像に切り替えました。 
広場の右端で佇む夜這い♂が巣口Rの方をずっと見ているものの、♀が怖いのか近づけないようです。 
しばらくして、ようやく♀が巣穴Rから出てくると、♂に突進して追い払いました。 
今回は何も鳴き声は聞き取れませんでした。 
慌てて逃げるアナグマが林床に転がっている空き缶を蹴飛ばす音がカラン♪と聞こえました。(@4:28〜) 

後日、アナグマ営巣地付近の林床で見つけた缶コーヒーの空き缶2個の写真を載せておきます。
誰かが林内で飲んだ後にポイ捨てしたのか、それとも甘い香りに誘われてタヌキがゴミ捨て場から拾ってきたのか、不明です。







シーン13:5/9・午後22:11・(@4:30〜) 
約2時間後、珍しく左奥の巣口Lからアナグマが外に出てきました。 
♀かヘルパー♂か見分ける間もなく、尻切れトンボで録画終了。 


シーン14:5/9・午後22:12・(@4:35〜) 
ワンッ♪と吠える声がしました。 
出巣Lしたのはおそらく♀で、セットにしつこく近づく夜這い♂を追い払ったようです。 


シーン15:5/9・午後22:13・(@4:40〜) 
巣口Rから出てきた♀が、奥に居座る♂と対峙しています。 
♂の目が白く爛々と光って見えます。 


シーン16:5/9・午後22:13・(@4:43〜) 
次にトレイルカメラが起動したときには、♂が逃げた後でした。 
♀は警戒を怠らず、巣口Rに残っています。 


シーン17:5/9・午後22:14・(@4:46〜) 
右の二次林から♂がセットに登場。 
逃げた♂が懲りずにしつこく戻ってきたようです。 


シーン18:5/9・午後22:15・(@4:48〜) 
巣口Rから外に出てきた♀が奥に居座る♂と睨み合っています。 


シーン19:5/9・午後22:17・(@4:51〜) 
♂を追い払った♀が奥から戻って来て巣穴Rに戻りました。 


シーン20:5/11・午後20:20・気温9℃・(@4:56〜) 
2日後の晩。 
ヘルパー♂(?)が広場で仰向けになって毛繕いしたり、辺りをうろついたりしています。 
仰向けで開脚してくれるのですが、私には外性器がよく分かりません。 

林冠から垂れ下がっている蔓をちょっとだけ掴んでぶら下がる体勢になりました。(@6:10〜) 
蔓を引っ張って遊んでいるのでしょうか? 


突然、♀が巣穴Rから飛び出してきて♂を奥の森へ追い払いました。 
凄い剣幕でワンワン吠え立てています。(威嚇の鳴き声) 

それまであまりにも巣口Rでリラックスしてるので、てっきり私はヘルパー♂が暇を潰していると思ったのですが、夜這い♂だったのでしょうか? 
育児で苛ついていた♀が、巣口Rでくつろぐヘルパー♂を夜這い♂と誤認した可能性もありますかね? 
まだ♂を個体識別できてないのが私の課題です。 

この時期はもう交尾行動が録画されなくなり、夜這いに来た♂を♀は営巣地から追い払うだけです。 
どうやら今年の♀の発情期はもう終わったようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


笹の葉裏に繭を紡いだヤママユ?(蛾)

2022年8月中旬

里山の林道で左右の下草を刈る作業をしていました。 
笹薮を伐採した直後に歩くと、笹の葉裏に作られた黄緑色(ペパーミントグリーン)の大きな繭を見つけました。 
笹ごと拾って採集し持ち帰りました。 
笹の種類は日本海側の多雪地帯に多いチマキザサではないか?と思うものの、真面目に検討していません。 

イネ科植物の笹を食草とする幼虫と言えば、以前この林道で見かけたヨシカレハ毛虫が思い浮かびます。
しかしヨシカレハやタケカレハの繭と比べると明らかに色も形も違います。 


この繭と一番似ているのは、ヤママユAntheraea yamamai)という蛾の幼虫が紡いだ繭です。 
しかし、ヤママユの幼虫はイネ科の笹を食べるはずがありません。 
林道の周囲は雑木林の灌木です。
ブナ科の葉を食べて育ったヤママユの終齢幼虫が下草に一旦降りてから、笹の茎を登り直して葉裏に営繭したと考えれば、一応は辻褄が合います。

『繭ハンドブック』を参照すればすぐに種類が分かるだろうと楽観していたのに、意外にも似た見かけの繭は掲載されていませんでした。 
こうなったら室内で成虫を羽化させて自分で解明するしかありません。 
羽化が始まったらすぐに撮影できるように、笹ごと繭を卓上に放置していたのですが、待てど暮せど蛾の成虫が羽化してくれません。 
遂に1年以上経ちました。
繭内で完全変態に失敗したのか、体内寄生されていたようです。
しかしヤママユ?幼虫を寄主として育った寄生バチや寄生ハエが繭を食い破って脱出した形跡はありません。 

飼育失敗の原因として思い当たることと言えば、卓上の照明を夜遅くまで煌々と点灯していたことです。 
本来羽化するはずの秋になっても日照時間が短くならなかった(長日条件のまま)結果、夏の休眠が解除されないまま蛹が死んでしまったのかもしれません。
また、2022年は秋になっても室内の気温(室温)があまり下がりませんでした。
しかし気温ならまだしも、繭の中の蛹が日照時間を感知できるのかどうか疑問です。

蚊柱が立つ夕暮れの小川【トレイルカメラ:暗視映像】ユスリカの群飛

 

2023年5月上旬・午後18:34・気温17℃(日の入り時刻は18:39) 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、暗くなった夕方に蚊柱がたまたま写っていました。 
流れが淀んでいる水面の上に蚊柱が立っています。 
蚊柱とは、ユスリカの仲間が配偶者を見つけるために群飛する行動のことです。 
夜も更けるとユスリカが活動停止するのか、蚊柱は写らなくなりました。(薄明薄暮性?) 

変温動物の昆虫がいくら動いてもトレイルカメラのセンサーは反応しないはずなので、そもそも今回なぜカメラが起動したのか不明です。 
恒温動物の鳥やコウモリがカメラの前を素早く飛んで横切ったのか、風で揺れる枝葉のせいで誤作動しただけかもしれません。 
激しく群飛するユスリカをサーモグラフィカメラで撮影すれば、実は定説に反して気温よりも高く発熱していることが明らかになるかもしれません。 
…とロマンを掻き立てる妄想をしましたが、それならトレイルカメラでこの後も連続してユスリカ群飛の動画が撮れていたはずです。
それが無かったということは、熱血昆虫説はあっさり否定されそうです。

関連記事(9年前の撮影)▶ 蚊柱のハイスピード動画 


2023/12/19

育児の合間に巣外に出て独りで毛繕いするニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。
今回は基本的に同じことの繰り返しなので、5倍速の早回しでお届けします。 

シーン1:5/2・午前2:21・(@0:00〜) 
深夜に営巣地の広場に座り込んだ♀が痒い体を掻いていました。 
アナグマは移動を始める前に必ず身震いするようです。 
右手前の巣穴Rに入りました。 


シーン2:5/2・午後18:44・(@0:09〜) 
日が暮れた晩。 右手前に生えた灌木の枝葉の陰に隠れるように、座って休んでいます。 
トレイルカメラの存在を嫌がり、死角に隠れようとしているのでしょうか? 
地面(林床)の匂いを嗅ぎながら、画面の右端を右往左往しています。 


シーン3:5/2・午後19:56・(@0:26〜) 
♀が広場に座って体をボリボリ掻いています。 
仰向けになってからも体を掻き続けています。 
立ち上がって身震いすると、巣穴Rへ向かいます。 
入巣Rする前に一度振り返って警戒しました。 
カメラ目線になると、右目が左目よりも小さな個体であることが分かります。 


シーン4:5/3・午後19:43・(@0:44〜) 
広場に座り込んで体の手入れをしていた♀が、巣穴Rに戻りました。 
この個体はもしかすると、ヘルパー♂(若い息子)かもしれません。 
目が見れないと私には区別できないのです。 


シーン5:5/3・午後23:25・(@1:02〜) 
左奥の巣穴Lの方から右手前の巣口Rに回り込んで座り込み、体の手入れをしています。 
広場から獣道を歩いて手前へやって来ました。 
画面の下端で身震いすると、後退して広場に戻りました。 
再び座り込んで、体の手入れをしています。 

入巣Rしかけたら別アングルのトレイルカメラが起動しました。 
♀はそれに気を取られています。 


シーン6:5/3・午後23:27・(@1:20〜) 
別アングルで撮れた暗視映像を見てみましょう。 
巣口Rに入りかけた♀が立ち止まり、巣口で体を掻いたり仰向けで毛繕いしたりしています。 
画面に表示される気温データ15℃は異常値です。 

ところで、夜風に乗って雪のように大量に舞っている白い粉のような物は何なのでしょう? 
有翅型のアブラムシが群飛しているのか、それとも風媒花の花粉が飛散しているのかな? 
ハンノキの花粉にしては時期が遅いですし、スギ花粉ですかね?  


シーン7:5/3・午後23:29・(@1:44〜) 
アングル変更。 
広場に座り込んで体の手入れをしていた♀がようやく入巣R。 


シーン8:5/4・午前0:24・気温(@1:57〜) 
♀が広場に座って体を掻いたり身繕いをしたりしてから入巣R。 


シーン9:5/4・午後19:35・気温(@2:15〜) 
同じ日の晩にも♀がセットに座り込んで体の手入れをしています。 
広場を少しうろついてから入巣R。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


庭で落葉したカエデ樹上に現れたコガタスズメバチの古巣:2023年

2023年12月中旬 

初冬にコガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣を見つけました。 
気温が下がり初雪が降った後なので、蜂のコロニーはとっくに解散しています。 
場所は川沿いの民家の庭で、落葉した庭木の枝先にぶら下がっていました。 
地上からの高さは目測で〜4mぐらい。 
外皮の直径はあまり大きくなさそうです。 

撮れた写真をよく見ると、モミジの葉が数枚、古巣の外皮に取り込まれたまま紅葉していました。 
これで営巣木がカエデと判明。 
すぐ横の堤防路を何度も通ったのに、庭木が落葉するまでコガタスズメバチの巣の存在に気づきませんでした。

スズメバチが庭木に営巣して獲物を大量に狩ったおかげで、庭や畑で植物を食い荒らす害虫の発生が抑えられたという側面があります。(生態系サービス
スズメバチやアシナガバチを目の敵にしないで共存して欲しいものです。
生態系ピラミッド(食物連鎖)の上位にいる捕食者昆虫を安易に駆除すると、下位の植食性害虫が大発生してしまいます。
これを駆除するために殺虫剤をさらに撒くと益虫がますます減り、悪循環になります。(生物多様性の貧困化)
害虫はやがて薬剤耐性を獲得します。
そんなことになって得をするのは、農薬メーカーや駆除業者だけです。

巣の側面(左上に巣口?)
巣の底面
今にも落ちそう。家主に叩き落とされそうになった?
全景
枝に僅かに残ったモミジの枯葉

餌場の雪解け田んぼを目指して次々に飛来・旋回するコハクチョウの群れ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前10:55頃・くもり 

雪解けが進む広大な刈田をコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が早春の餌場としています。 
いくつもの小群が続々と飛来するので、どの編隊飛行を撮ろうか目移りしてしまいます。 
私が見た限り、別々に飛んできた白鳥の小群が空中で合流することはないようです。 
低空で何度も旋回して餌場の安全を確かめてから、雪田に着陸します。 
先客の白鳥が群れている餌場が安心するらしく、仲間の近くに着地・合流します。 
雪解け田んぼに降り立ったコハクチョウの群れは、散開して採食を始めます。 

住宅地での撮影は電柱や電線、民家が邪魔になり、優雅な着陸シーンをなかなか見届けられません。 
見通しの良い撮影ポイントを探しながら、餌場へ飛んで行く白鳥を私も追いかけて撮影しました。 
近くを飛んでくれると白鳥の鳴き声がかすかに聞こえます。 

この田園地帯を縄張りとしている留鳥のハシボソガラスは、冬鳥(渡り鳥)のコハクチョウが急に現れると餌場から追い払おうとしたり擬攻撃する(モビング)のではないか?と予想しました。
しかし最後の動画を見る限り、そんなことはないようです。 
体格もハクチョウの方がカラスに勝りますし、多勢に無勢となったカラスは逃げて距離を取りました。

2023/12/18

草地でハタネズミの死骸を見つけた!

 

2023年5月上旬・午後15:10頃・晴れ 

川沿いの農道(堤防路)で見慣れない野ネズミが仰向けに死んでいました。 
トレイルカメラの映像でよく見ているアカネズミやヒメネズミに比べて顔つきが丸っこい印象です。 
調べてみると、ハタネズミMicrotus montebelli)のようです。 


平地(特に農地の近く)で野ネズミを見つけた場合、ハタネズミも考慮に入れる必要があると学びました。 

素人目には外傷が認められず、死因が不明です。 
殺鼠剤でも撒かれたのでしょうか? 
死後間もないらしく、死臭もありません。 

腐肉食の掃除屋は1匹のニクバエ科(種名不詳)しか来ていませんでした。 
現場では気づかなかったのですが、撮れた写真を拡大すると、死んだハタネズミの耳に小さなアリ(種名不詳)が数匹群がっていました。 (※追記参照)
拾った棒切れで死骸を裏返してみても、死骸の下にシデムシ類は潜り込んでいませんでした。 

死骸を採寸するために15cm定規を並べて置くと、ニクバエがそれに止まって前脚を擦り合わせました。(身繕い) 
ハタネズミ死骸を裏返して腹面を向けると黄色くて長い門歯が目立ちます。 
耳介が小さくて目立ちません。

このとき私は強行軍の後で疲労困憊していたので、ハタネズミの死骸をせっかく見つけたのに、写真と動画で記録しただけです。 
今思えば貴重な死骸を解剖して胃内容物を調べたり、頭骨標本を作成したりしたかったのですが、とても余力がありませんでした。

ハタネズミの死骸をそのまま放置するにしても、トレイルカメラを横に設置しておけば、カラスやトビなどのスカベンジャー(あるいは近所のネコ?)が 死骸を食べに来る様子を録画できたかもしれません。


※【追記】
飯島正広、土屋公幸 『リス・ネズミハンドブック』でハタネズミを調べた際に、次の記述を読んで震え上がりました。
耳介に着いているダニの1種であるツツガムシによってリケッチア症が媒介されるので注意が必要だ。(P45より引用)
当地はツツガムシ病という死に至る風土病がかつて猖獗を極めた最上川流域の某地区に近く、私が子供の頃はツツガムシ病について大人から散々脅かされてきたものです。
野ネズミの死骸を素手で触れてはいけません。

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