2023/12/20

笹の葉裏に繭を紡いだヤママユ?(蛾)

2022年8月中旬

里山の林道で左右の下草を刈る作業をしていました。 
笹薮を伐採した直後に歩くと、笹の葉裏に作られた黄緑色(ペパーミントグリーン)の大きな繭を見つけました。 
笹ごと拾って採集し持ち帰りました。 
笹の種類は日本海側の多雪地帯に多いチマキザサではないか?と思うものの、真面目に検討していません。 

イネ科植物の笹を食草とする幼虫と言えば、以前この林道で見かけたヨシカレハ毛虫が思い浮かびます。
しかしヨシカレハやタケカレハの繭と比べると明らかに色も形も違います。 


この繭と一番似ているのは、ヤママユAntheraea yamamai)という蛾の幼虫が紡いだ繭です。 
しかし、ヤママユの幼虫はイネ科の笹を食べるはずがありません。 
林道の周囲は雑木林の灌木です。
ブナ科の葉を食べて育ったヤママユの終齢幼虫が下草に一旦降りてから、笹の茎を登り直して葉裏に営繭したと考えれば、一応は辻褄が合います。

『繭ハンドブック』を参照すればすぐに種類が分かるだろうと楽観していたのに、意外にも似た見かけの繭は掲載されていませんでした。 
こうなったら室内で成虫を羽化させて自分で解明するしかありません。 
羽化が始まったらすぐに撮影できるように、笹ごと繭を卓上に放置していたのですが、待てど暮せど蛾の成虫が羽化してくれません。 
遂に1年以上経ちました。
繭内で完全変態に失敗したのか、体内寄生されていたようです。
しかしヤママユ?幼虫を寄主として育った寄生バチや寄生ハエが繭を食い破って脱出した形跡はありません。 

飼育失敗の原因として思い当たることと言えば、卓上の照明を夜遅くまで煌々と点灯していたことです。 
本来羽化するはずの秋になっても日照時間が短くならなかった(長日条件のまま)結果、夏の休眠が解除されないまま蛹が死んでしまったのかもしれません。
また、2022年は秋になっても室内の気温(室温)があまり下がりませんでした。
しかし気温ならまだしも、繭の中の蛹が日照時間を感知できるのかどうか疑問です。

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