2019/11/02

夜にオオアワダチソウの花蜜を吸うカブラヤガ(蛾)【暗視映像】



2019年7月下旬・午後19:55頃

民家の裏庭の花壇に咲いたオオアワダチソウの群落で夜行性のカブラヤガAgrotis segetum)が訪花していました。
赤外線の暗視カメラで撮ると、翅を閉じて茎や花穂を歩いて移動しながら次々に吸蜜しています。

途中から白色LEDの照明を点灯しても、蛾は逃げずに吸蜜を続けました。(@2:22〜)
光を反射して複眼が赤く光っています。

興味深いことに、隣に咲いているメマツヨイグサには訪花しませんでした。


カブラヤガ(蛾)@オオアワダチソウ訪花吸蜜
カブラヤガ(蛾)@オオアワダチソウ訪花吸蜜

ドバトの死骸を貪り食うハシブトガラスの家族群(野鳥)



2019年7月中旬・午前4:55頃(日の出時刻は午前4:29)

池畔に並ぶ桜の木の下に早朝からハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が集まって鳴き騒いでいます。
何事かと思って近づいてみると、カワラバト(=ドバト;Columba livia)の首無し死骸をハシブトガラスの群れが啄んでいました。
鳩の羽毛が辺りに散乱しています。
ハシブトガラス4羽の群れは成鳥と幼鳥が2羽ずつで、どうやら家族のようです。
1羽の成鳥αが丈夫な嘴で鳩の羽根を毟り、屍肉を力強く引きちぎって食べています。
口内の赤い幼鳥2羽がその横で必死に餌乞いしても、成鳥αは餌を独り占めして分け与えないのが意外でした。
独り占めしている成鳥αが、隣でしつこく餌乞いする幼鳥に対して嗄れ声で鳴き返しました。
喉袋の中にも鳩の肉を溜め込んでいるのに、欲張りな成鳥αはドバトの死骸を嘴で自分の近くに引き寄せました。
もしかしてこの群れは親子ではなく、血縁関係が無いのかな?
もう1羽の成鳥βはαの背後で大人しく順番待ちをしています。
お預けをくらっている個体がもし序列を無視して強引に割り込んで食べようとすると、一番強い成鳥αに鉄拳制裁を受けるのでしょう。(つつきの順位
幼鳥が餌乞いで羽ばたくと、周囲に散乱していた鳩の羽根が舞い散ります。
うるさくせがむ幼鳥にようやく少しだけ肉を分け与えました(@1:50)。
ひと口もらった幼鳥は引き下がり、少しおとなしくなりました。
しかしもう1羽の幼鳥は餌乞いを続けています。
最後に成鳥αがよそ見をしている隙に幼鳥が肉片を盗み食いしました。
渋々ながらも幼鳥に給餌したということは、やはり親子だったようです。
巣立った幼鳥に親鳥がせっせと巣外給餌する時期が終わり、少しずつカラスの社会の掟を教えているのかもしれません。

私のフィールドでカラスの優占種と言えば圧倒的にハシボソガラスなのですけど、野鳥の死骸を食べているのはいつもハシブトガラスです。
未だ観察例が少ないので、これは偶々でしょうか?
ハシボソガラスはハシブトガラスよりも力では弱くて死骸に近づけないのですかね?(餌の占有行動)

▼関連記事(5年前の撮影)
七面鳥の死骸に群がり貪り食うハシブトガラス(野鳥)



動画には写っていませんが、惨劇が繰り広げられている手前の車道にはドバトが3羽、何事もなかったように路上採食していました。
この辺りには多数のドバトが暮らしてるのです。

撮影後に私が近寄ると、カラスはその場に死骸を残して逃げて行きました。
さて、ドバトを殺した犯人は誰でしょう?
切り落とされたドバトの生首は近くに見つかりませんでした。
寿命を迎えた個体なのかもしれませんが、断頭されている手口からすると、ドバトを襲って殺したのはハシブトガラスではなく、おそらく近くに生息するチゴハヤブサなど猛禽類の仕業だと思います。
サバンナでライオンが狩った獲物をハイエナの群れが奪い取るように、狩りの直後にカラスが群れでチゴハヤブサを取り囲んで追い払ったのではないかと想像しています。
私がもう少し早く現場に来ていれば狩りの瞬間を目撃できたのではないかと思うと残念でなりません。
(ハシブトガラスがドバトの生首を真っ先に食べてしまった可能性は?)

つづく→ドバトの死骸を分解する者たち


【追記】
カラスは屍肉食性だという先入観に私は囚われていましたが、柴田佳秀『うち、カラスいるんだけど来る? カラスの生態完全読本』によると、カラスは頻繁に生きた鳥を襲って食べているそうです。

鳥類の中でターゲットとなるのは主にドバト。いきなり背中に飛び乗って押さえ付けるのですが、ドバトが暴れると振り落とされてしまうため、狩りの成功率自体は高くありません。 (p22より引用)





【追記2】
カラス研究者の松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』によると、
ハヤブサ科の鳥は鳥やネズミなどの獲物の首を噛んで、頚椎を破壊することができます。その後、きれいに首を切り落としてしまうにも、クチバシは使われます。稀に首のないハトの死骸が落ちていたりすることがありますが、刃物を使ったようにきれいに切れていたら、ハヤブサの仕業という可能性があります(カラスも首を落としますが、ハヤブサほど手際がよくありません)。 (電子書籍版より引用)


【追記3】
小松貴『昆虫学者はやめられない: 裏山の奇人、徘徊の記』によると、筆者はまさに捕食しようとする瞬間を目撃したことがあるそうです。
 ドバトの多い都市部とその近郊では、ハシブトガラスがしばしば猛禽のように生きたハトを捕り押さえ、殺して食う例が観察される。(中略)野良猫がほとんどいないにもかかわらず、年に数回は上半身がごっそり齧り取られたハトの死骸を道端で見かける。ちょうど、そんな風にハトを捌こうとする瞬間に、至近で立ち会ったしまったのだ。(p21より引用)

ハシブトガラス家族群(野鳥)@ドバト死骸+屍肉食
ハシブトガラス家族群(野鳥)@ドバト死骸+屍肉食+幼鳥@餌乞い
ハシブトガラス家族群:成鳥2+幼鳥2(野鳥)@ドバト死骸+屍肉食+餌乞い

オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀の脱糞【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月中旬

民家の軒下に咲いたオオバギボウシの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
しかし正当訪花せずに毎回、穿孔盗蜜を繰り返しています。
オオバギボウシの雄蕊には黄色い花粉を用意しているのに、クマバチ♀はその花粉に全く触れずに吸蜜だけしているのです。
集粉しないので後脚の花粉籠は空荷ですし、オオバギボウシは受粉を助けてもらえず花蜜の盗まれ損になってしまいます。
オオバギボウシの花筒が細長いために、舌の短いクマバチは正当訪花すると蜜腺に舌が届かないので、仕方がないのです。


▼関連記事(6年前の撮影)
オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀


一連の盗蜜行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:19〜)
最後に花から飛び立った後で、空中で液状便をピュッと脱糞した瞬間が偶然捉えられれていました!(@2:15)
クマバチの排泄シーンを見たのは9年ぶりです。


▼関連記事
巣口で脱糞するクマバチ


クマバチ♀@オオバギボウシ訪花+盗蜜
オオバギボウシ花
オオバギボウシ花
オオバギボウシ花:群落・全景

2019/11/01

川面で羽繕い後に潜水するカイツブリ(野鳥)



2019年7月中旬

カイツブリTachybaptus ruficollis)と思われる黒っぽい小型の水鳥が倒木の奥の川面に浮いて羽繕いしていました。

その後しばらくすると、川魚を捕るため水に全身潜りました。(@1:12)
川の水が緑色に濁っているため、カイツブリが次にどこから浮上するか予測できず、見失ってしまいました。

倒木に漂着している川のゴミが見苦しいですね…。


カイツブリ?(野鳥)@川面

カラスウリの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2019年7月中旬・午前7:52

道端に蔓延るカラスウリの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

後脚の花粉籠に大きな白い花粉団子を付けています。
ただし、カラスウリの花粉とは限りません。
実は隣に咲いたクサキョウチクトウヘクソカズラを好んで訪花していたからです。(映像なし)


▼関連記事(2年前の撮影)
ヘクソカズラの花蜜を盗むクロマルハナバチ♀

クロマルハナバチ♀はカラスウリの花をちょっと味見したものの、花蜜が残っていなくてあまり気に入らなかったのかもしれません。
そもそもカラスウリの花は日没後に咲き、夜行性の蛾(スズメガ類など)に花粉を媒介してもらうと日の出前には萎んでしまう、とされています。
今回は未だ辛うじて咲いていた時間帯だったようです。


クロマルハナバチ♀@カラスウリ訪花採餌
カラスウリ花・全景

2019/10/31

道の真ん中で羽繕いするハクセキレイ♂(野鳥)



2019年7月中旬・午前8:07

郊外の閑静な新興住宅地を通る車道の真ん中でハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)が朝の羽繕いをしていました。
交通量の少ない道とは言え、随分と大胆な個体ですね。
羽繕いの合間にチュチン♪と鳴いています。

身だしなみを整えたハクセキレイ♂は、道を歩いて横断しかけてから引き返し、路上の小さな虫を啄みました。
車が走って来ると小走りで道を渡り、民家の庭へ逃げ込みました。
かなり人馴れしているような印象を受けました。
住宅地で営巣しているのかな?

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。
この動画は背景の情報が乏しいので、いつものように手ブレ補正処理すると副作用が酷くなってしまいます。
仕方がないので今回は手ブレ補正処理をしていません。


ハクセキレイ♂(野鳥)@舗装路上

ノブドウを訪花するセグロアシナガバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月中旬

川沿いでキンギンボク(別名ヒョウタンボク)灌木の群落に絡みついて蔓延るノブドウの群落でセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が訪花していました。
前伸腹節に黄色斑が無いことを確認しました。
意外にもこの組み合わせは初見です。

吸蜜後に花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみたのですが(@0:57〜)、ちょっと遅かったようです。


セグロアシナガバチ♀@ノブドウ訪花吸蜜
セグロアシナガバチ♀@ノブドウ訪花吸蜜
セグロアシナガバチ♀@ノブドウ訪花

2019/10/30

鳥害対策として樹上に黒ビニール(鳥よけ)



2019年5月上旬および7月下旬

ネムノキの大木の枝に黒いビニール袋が2枚くくりつけられています。
風で飛ばされてきたゴミ袋が枝に引っかかっているのではなく、明らかに誰かが枝先にしっかり縛り付けたようで、何年間もそのままになっています。
ネムノキの葉が未だ全く開いていない早春に見るとよく分かります。
(前年の豆果が枝に未だ残っています。)
風が吹くと枝上で黒いビニールがはためいています。
おそらくカラスの死骸を模した鳥害対策なのでしょう。


鳥よけ黒ビニール(野鳥)@ネムノキ樹上
鳥よけ黒ビニール(野鳥)@ネムノキ樹上


ネムノキの葉が生い茂った7月上旬の写真です。↓
ただし映像には含まれていません。


ネムノキの花が満開に咲いた真夏(7月下旬)に再訪してみました。
黒いビニールはしっかり枝に残っていて、風になびいています。
それなりに防鳥効果があるようで、いつ見てもこのネムノキに野鳥は来ていません。

鳥よけ黒ビニール(野鳥)@ネムノキ樹上:花満開
鳥よけ黒ビニール(野鳥)@ネムノキ樹上:花満開

それにしても、ネムノキに鳥が来て欲しくない理由とは何でしょう?
ネムノキの花を食害する鳥なんて見聞きしたことがありませんし、実(豆果)に果樹のような商品価値はありません。
これは私の想像ですが、鳥の大群が集団塒(または就塒前集合場所)としてネムノキを使っていたのかもしれません。
例えばムクドリの集団塒は、鳴き声による騒音と糞害が深刻になりがちです。
民家の裏なので、あるいはカラスに営巣して欲しくないのかな?

鳥が来なくなった代わりに、ネムノキの葉を食い荒らす虫(キタキチョウの幼虫など)が増えた可能性が考えられます。
葉の食害状況を調べてみるのも面白そうです。


▼関連記事
鳥害対策として田畑に黒ビニール(鳥よけ)

鳥よけの黒ビニールを気にせず集まるハシボソガラス(野鳥)鳥害対策の無効例 



クサフジ訪花中にクロマルハナバチ♀を追い払うムナカタハキリバチ♀



2019年7月中旬・午後18:15頃

川沿いの道端に咲いたクサフジの群落で夕方にムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。
忙しなく吸蜜する真っ黒な蜂は、腹面のスコパに鮮やかなオレンジ色の花粉を満載しています。

そこへクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が飛来し、スミゾメハキリバチ♀とニアミスしました。
一瞬の小競り合いをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
体格では圧倒的にクロマルハナバチ>ムナカタハキリバチなのに、花から飛び立ったムナカタハキリバチ♀は強気で立ち向かってクロマルハナバチ♀を追い払いました。
2匹共に♀なので、誤認求愛のはずはありません。
蜜源(採餌場)を巡って競合するハナバチ間で縄張り争いがあるのでしょうか?
辺りにはクサフジの大群落が花盛りですから、別に争う必要は無いと思うのですが…。
実際、追い払われたクロマルハナバチ♀は少し離れたところで採餌活動を続けています。


▼関連記事(4年前の撮影)
クサフジの花で採餌するクロマルハナバチ♀

一方、ムナカタハキリバチ♀はヨモギの葉に止まって身繕いしてから飛び去りました。
隣接する某施設の敷地内に飛んで行ってしまったので、営巣地を突き止められませんでした。


スミゾメハキリバチ♀@クサフジ訪花採餌
スミゾメハキリバチ♀@クサフジ訪花採餌
スミゾメハキリバチ♀(左下)+クロマルハナバチ♀(右上)@クサフジ訪花採餌・全景
スミゾメハキリバチ♀@ヨモギ葉+身繕い

2019/10/29

止まり木に片足立ちで羽繕いするチゴハヤブサ(野鳥)



2019年7月上旬・午後15:11〜15:19

▼前回の記事
チゴハヤブサ♀♂が止まり木で獲物の受け渡し?(野鳥)

私が少し移動して回り込むと、ヒノキ大木の樹冠部で枯れた横枝に1羽のチゴハヤブサFalco subbuteo)が止まっているのを見つけました。
個体識別できていないので、先程見た♀♂のどちらか分かりません。
念入りに羽繕いしています。
尾羽付近の尾脂腺から分泌される脂を嘴で全身の羽毛に塗り広げているようです。

私がそっと正面に回り込むと、チゴハヤブサは途中から左足を持ち上げ、止まり木で片足立ちになりました。(@3:22)
その状態で羽繕いを続けています。
疲れた脚をサギ類のように片足づつ休ませているのかな?
真夏なので、冷えた足を胴体に引き寄せて温めているとは考えられません。(冷え性説は却下)
止まり木での片足立ちは前年にも観察していたので、それほど珍しい行動ではないようです。
(同一個体の癖なのかも?)

▼関連記事(1年前の撮影)
チゴハヤブサ幼鳥が止まり木で羽ばたき練習、羽繕い、餌乞い♪(野鳥)
「羽繕いを終えた右の個体Rが右足を胴体に引っ込め、片足立ちになりました。」


チゴハヤブサ(野鳥)@ヒノキ枯木b樹上+片足立ち
チゴハヤブサ(野鳥)@ヒノキ枯木b樹上+羽繕い+片足立ち
チゴハヤブサ(野鳥)@ヒノキ枯木b樹上+羽繕い



↑【おまけの動画】
少し時間を遡った午後14:59〜15:05にも隣の枯木で羽繕いするチゴハヤブサを撮影しています。
同一個体かどうか私には見分けられないのが残念です。

この枯木で似たような羽繕いシーンは昨年何回も同じアングルで散々動画に撮ってきたので、今回はブログ限定での公開に留めます。


アラゲハンゴンソウの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂



2019年7月中旬

新興住宅地の民家の花壇に咲いたルドベキアでオオウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome ruslana)が訪花していました。
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。
残念ながら、私がカメラを向けたらすぐに飛び去ってしまいました。
花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

園芸植物に疎い私はこの花の名前を知りませんでした。
ヤマケイポケットガイド11『庭の花』をパラパラとめくって調べると、ルドベキア(ハンゴンソウ)のページ(p193)で「アラゲハンゴンソウ(ヒルタ種)の園芸品種’ゴールド・ストレイン’」と知りました。
別名キヌガサギク。



オオウラギンスジヒョウモン♂@ルドベキア訪花吸蜜

2019/10/28

チゴハヤブサ♀♂が止まり木で獲物の受け渡し?(野鳥)



2019年7月上旬・午後15:06頃

(おそらく2羽の)チゴハヤブサFalco subbuteo)が鳴きながら木々の間を高速で飛び回っています。
甲高いキィーキィー♪というチゴハヤブサのいつもの鳴き声以外に、キツツキのようなキッキッ♪という短い鳴き声も聞こえます。
(この冒頭部のみ音声を正規化して音量を上げています。)
まさかチゴハヤブサがキツツキを狩ろうと追い回しているのでしょうか?
しかしチゴハヤブサの高速飛翔にカメラの流し撮りが追いつけるはずもなく、すぐに見失ってしまうので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。

おそらくヒノキと思われる常緑針葉樹高木の横枝に2羽のチゴハヤブサが並んで止まりました。
これがきっと♀♂つがいなのでしょう。
ハヤブサ類は体格で性別が見分けられるらしい(♀>♂)のですが、止まり木で少し離れて止まった上に、私がズームインする前に片方の個体はすぐに飛び去ってしまい、結局は雌雄を判別できませんでした。
チゴハヤブサの夫婦を同時に撮れたのはとても貴重なので、1/5倍速のスローモーションでじっくり見直してみると、重大な発見がありました。
ヒノキ横枝から先に飛び去った個体は、足に何か獲物を掴んで持ち去ったようです。
獲物はおそらく野鳥と思われますが、ほんの一瞬のシルエットしか見えません。
どうやら、狩りに成功した♂が止まり木で♀に獲物の受け渡しを行ったようです。
(獲物の受け渡しは空中で行った可能性もあります。)
♀は巣に獲物を持ち帰って解体し、雛に給餌するのでしょう。

ヒノキの横枝に残った個体にようやくズームインすると、足元の横枝で嘴を何度も拭っていました。
獲物受け渡しの行動から推測するに、ひと仕事終えた♂が獲物の血で汚れた嘴をきれいに拭いているのでしょう。
体つきがほっそりしている印象です。
鳴き声と嘴の動きがようやく一致して(リップシンクロ)分かったのですが、キョッキョッ♪と短く鋭くキツツキのような鳴き声を発しているのは彼でした!
チゴハヤブサの鳴き方にこんなバリエーションがあるとは知りませんでした。
これも大きな収穫です。
狩りに成功した♂が♀に給餌する合図なのかもしれません。

育雛しているチゴハヤブサの巣がどこか近くにあるはずですが、今季も発見できませんでした。
それでもささやかながら謎解きが少し前進しました。
この時間帯にこの辺りを狩場(の一つ)としているのです。
いつか狩りの瞬間を見てみたいものです。

(夫婦間ではなく親鳥から幼鳥への巣外給餌という可能性もありますかね?)

つづく→止まり木に片足立ちで羽繕いするチゴハヤブサ(野鳥)



イタドリの花蜜を吸うオオハキリバチ♂



2019年7月中旬

堤防に咲いたイタドリの群落でオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)が訪花していました。
口吻を伸ばして吸蜜しています。
顔の白い雄蜂は採餌・集粉しませんから、当然ながら腹面にスコパはありません。

この組み合わせは初見でした。


オオハキリバチ♂@イタドリ訪花吸蜜
オオハキリバチ♂@イタドリ訪花吸蜜

2019/10/27

ベニシジミ夏型♂の求愛と♀の交尾拒否@トウネズミモチ花



2019年7月上旬

トウネズミモチの生垣で吸蜜中のベニシジミLycaena phlaeas daimio)♀の側で♂が求愛していました。
ともに翅表が黒っぽい夏型です。
ベニシジミの性別は翅型で見分けるらしく、前翅頂が尖った方が♂、丸みを帯びた個体が♀なのだそうです。

♂に迫られた♀は閉じていた翅を細かく羽ばたきながら茂みの奥に逃げ込んで交尾拒否の意思表示をしました。
シロチョウ科の♀がやる交尾拒否のように腹端を持ち上げているかどうか興味があったのですけど、翅に隠れて見えませんでした。
ベニシジミ♂はあっさり諦めて飛び去りました。
求愛行動および交尾拒否を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

振られた♂は近くのトウネズミモチの花に止まって休んでいます。
吸蜜はせずに、閉じた翅の後翅を互いに擦り合わせています。
次の新しい♀が飛来するのを待ち構えているのでしょう。


ベニシジミの求愛行動について詳しい解説は、こちらの記事をご覧下さい。

▼関連記事(5年前の撮影)
ベニシジミ春型の求愛と交尾拒否【ハイスピード動画】



【追記】

渡辺守『チョウの生態「学」始末』という専門書によると、

 一定の空間を占有し、侵入してくるライバルの♂を追飛などの行動で追い払い、やってくる♀と交尾しようとする「縄張り」行動を繁殖戦略に採用している種も知られている。ベニシジミの場合、幼虫の寄主植物であるギシギシやスイバの生育している湿潤な草地において、♂は静止場所一帯で排他的な占有行動を示し、通過する♀に交尾を試みている。

 





ベニシジミ夏型♀(右)@トウネズミモチ訪花吸蜜+交尾拒否vs♂(左)@求愛

電線でさえずる♪ツバメ♂(野鳥)



2019年7月中旬・午前6:45

川の堤防沿いの住宅地で1羽のツバメHirundo rustica)が電線に止まって賑やかに鳴いていました。
ときどき横を向くと鮮やかな赤色の喉が目立ちます。
恥ずかしながら私はツバメが単独でいたときには性別が(尾羽の長さで)未だ見分けられないのですけど、機嫌良くさえずっていたということは♂なのでしょう。

『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』によると、ツバメの囀りさえずりは「チュチュビチュビジクビー」と記されていました。ちなみに地鳴きは「ツピッ」。


また、wikipediaの解説によれば

(ツバメは)鳴管が発達しており、繁殖期になるとオスはチュビチュビチュビチュルルルルと比較的大きなさえずり声で鳴く。日本語ではその生態を反映して「土食て虫食て口渋い」などと聞きなしされる。さえずりは日中よりも早朝から午前中にかけて耳にする機会が多い。

電線から飛び立つ瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。


※ 背景が白っぽい(逆光気味)ので、動画編集時にいつもとは違ってコントラストではなく彩度を少し上げています。


ツバメ♂(野鳥)@電線♪

ツバメ♂のさえずりを声紋解析してみる

オリジナルのMP4動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてからなるべくノイズの少ない部分を適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
素人が声紋を見ても複雑な構造の歌だなーとしか分かりません…。
(他の種類の鳥の鳴き声が混じってしまっているかもしれません。)



キササゲの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2019年7月中旬

庭木のキササゲクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせは初見です。

後脚の花粉籠は未だ空荷でしたが、花から飛び立つ際に顔が白い花粉で汚れていました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

ちなみに、この日もキササゲの花にミツバチの姿は1匹もいませんでした。


クロマルハナバチ♀@キササゲ訪花採餌

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