2019年7月上旬
トウネズミモチの生垣で吸蜜中のベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)♀の側で♂が求愛していました。
ともに翅表が黒っぽい夏型です。
ベニシジミの性別は翅型で見分けるらしく、前翅頂が尖った方が♂、丸みを帯びた個体が♀なのだそうです。
♂に迫られた♀は閉じていた翅を細かく羽ばたきながら茂みの奥に逃げ込んで交尾拒否の意思表示をしました。
シロチョウ科の♀がやる交尾拒否のように腹端を持ち上げているかどうか興味があったのですけど、翅に隠れて見えませんでした。
ベニシジミ♂はあっさり諦めて飛び去りました。
求愛行動および交尾拒否を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
振られた♂は近くのトウネズミモチの花に止まって休んでいます。
吸蜜はせずに、閉じた翅の後翅を互いに擦り合わせています。
次の新しい♀が飛来するのを待ち構えているのでしょう。
ベニシジミの求愛行動について詳しい解説は、こちらの記事をご覧下さい。
▼関連記事(5年前の撮影)
ベニシジミ春型の求愛と交尾拒否【ハイスピード動画】
【追記】
渡辺守『チョウの生態「学」始末』という専門書によると、
一定の空間を占有し、侵入してくるライバルの♂を追飛などの行動で追い払い、やってくる♀と交尾しようとする「縄張り」行動を繁殖戦略に採用している種も知られている。ベニシジミの場合、幼虫の寄主植物であるギシギシやスイバの生育している湿潤な草地において、♂は静止場所一帯で排他的な占有行動を示し、通過する♀に交尾を試みている。
ベニシジミ夏型♀(右)@トウネズミモチ訪花吸蜜+交尾拒否vs♂(左)@求愛 |
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