2015/04/04

農道で採食するスズメの群れ(野鳥)



2014年7月中旬

川沿いの農道でスズメPasser montanus)の群れが地上採食していました。
轍の所をピョンピョン跳んで歩きながら、草の種子を啄んでいます。
横のガードレール上にも数羽が止まっています。
私が近づくと、横のガードレールの上に一旦移ってから次々に飛び去りました。

水辺の茂みで鳴いているオオヨシキリの鳴き声♪が川の水音に混じって喧しく聞こえますね。



ミズナラ樹液酒場に来たガガンボ【暗視映像】



2014年9月中旬

里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹にガガンボの一種が日没後(午後18:37)に来ていました。
赤外線の暗視カメラで撮影すると、脚を広げて止まっています。
口を樹液に付けている…かな?
点灯するとすぐ逃げてしまうのです。
横着してストロボ写真を撮り忘れましたが、翅に斑紋あります。

同じ樹液酒場で夜の定点観察に通っている期間中に、長い脚で屈伸運動しながら樹液を吸汁しているガガンボを見かけたのですけど、そちらは撮り損ねました。


キイロスズメバチの古巣を壊して捕食するヒヨドリ(野鳥)



2014年11月下旬

川べりにそびえ立つ落葉高木(ハンノキ? ヤマナラシ)の樹冠におそらくキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が今季作り上げたと思われる大きな古巣を見つけました。
近くをよく通りかかっていたのに、落葉するまでこの巣の存在に全く気づかなかったのは我ながら迂闊でした。
スズメバチのコロニーは既に解散した後のようです(もぬけの殻)。
巣の外被上部と側面の数カ所が外から抉られたように破壊され、巣盤が剥き出しになっていました。
脆い外被が早くも雨風で風化したのかと思いきや、激しい損傷の原因(犯人)がすぐに分かりました。

遠目から望遠で撮っていると2羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が代わる代わる飛来して近くの梢に止まると、古巣の外被を嘴で啄み始めました。
中の虫を捕食しているのでしょう。
ヒヨドリが鳴き交わす声♪もかすかに聞こえます。
ヒヨドリが飛び去った後で、古巣の状況をもっとよく観察するため喬木に近づきました。
真下から外被の底部を見上げて鱗模様の造形美を鑑賞していると、おそらく先程のヒヨドリが私の存在に気づかぬまま戻って来てくれました。
壊した外被の中を横から覗きこんで獲物を物色しています。
その後ヒヨドリはキイロスズメバチ古巣の上に乗ってしまったので、肝心の捕食シーンは残念ながら真下から見えませんでした。
やがて枝に止まったまま黄土色の糞を排泄(@1:44)。
ヒヨドリがいなくなってからもしばらくその場で待機してみたのですが、他の種類の野鳥はキイロスズメバチの古巣に近づきませんでした(興味を示さない)。

スズメバチの巣を襲撃する天敵の鳥類としては猛禽類のハチクマが有名です。
怒り狂ったスズメバチからの反撃を恐れず巣の外被を壊して巣盤ごと持ち去り、蜂の子を雛に給餌することが知られています。
しかし私は未だ一度もハチクマの姿を見たことはありません。

山形県でハチクマはレッドデータの絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。
したがって、この古巣を初めに壊した下手人がハチクマだとは今のところ考えていません。

晩秋にオオスズメバチが襲撃した可能性はありますね。
それにしてもヒヨドリがスズメバチの巣を壊して中身を捕食するとは全く予想外で、意外な組み合わせに驚きました。
今回のヒヨドリはハチクマのようにスズメバチの巣盤を持ち去ったりせず、その場で中身を何か捕食したようです。(鳥が雛を育てる繁殖期ではないので、当然ですね。)
時期的にキイロスズメバチのコロニーが解散した後ですから、育房内に蜂の子(スズメバチの幼虫や蛹)が残っているとは思えません。
巣内に残っていたとしても、少数の羽化不全個体ぐらいでしょう。(ワーカーによって巣外に捨てられるのでは?)
むしろ、スズメバチの巣内で寄生したり片利共生する昆虫※の幼虫や蛹をヒヨドリが捕食していたのだろうと推測しました。

※ 蛾(ギンモンシマメイガなど)や虻(ベッコウハナアブ類)、甲虫(ハネカクシ類)など
捕食メニューの別な可能性としては、越冬用シェルターとして古巣に潜り込んでいたテントウムシなどの昆虫も考えられますね。
本当のところは高木に登って古巣を採集し、中を調べてみないことには分かりません。

フィールドを出歩いて撮影していると「天がご褒美をくれたんじゃないか?」と感謝したくなる程とびきり嬉しい幸運がごく稀に巡ってくるのですけど、今回がまさにその一つでした♪
2014年は様々なスズメバチの巣と縁があってその定点観察に力を入れてきました。
今季を締めくくるに相応しい驚きの映像が撮れて興奮しました(自画自賛♪)。

つづく



2015/04/03

休耕田から飛び立つハシボソガラスの群れ【野鳥:ハイスピード動画】



2014年8月下旬

真夏の田園地帯にハシボソガラスCorvus corone)の群れが集結していました。
奥の田んぼは稲穂が実っているのですが、なぜかカラスは休耕田が好きな様子。
(水田にカラス除けの対策を何か施しているのかもしれません。)
地上採食していた「烏合の衆」に私が少しずつ近づいて、警戒したカラスが続々と飛び立つ様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。


柳の木を登るアオゲラ♂(野鳥)



2014年11月下旬

河畔林でアオゲラ♂(Picus awokera awokera)が木に登りながら幹を嘴で突ついていました。
落葉して見通しが良くなったはずなのに、手前の枝が邪魔ですね…。
枝に少し残った葉の形から樹種はヤナギの仲間かな?





2015/04/02

タニウツギの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀



2014年5月下旬

水辺の階段に咲いたタニウツギクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
花筒の根本を外側から噛み切り、吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動です。
花の雄しべに触れないため、後脚の花粉籠は空荷です。
この個体は正当訪花せずに盗蜜ばかりしています。

▼関連記事(同日、少し離れた群落で撮った別個体の映像)
タニウツギで採餌戦略(正当訪花/穿孔盗蜜)を切り替えるクロマルハナバチ♀



同定のため撮影直後に同一個体を採集しました。
以下は標本写真
後脚基跗節の形状を見ると、幅が広く外縁が弓なりに弧を描くことから、よく似たコマルハナバチではなくクロマルハナバチと判明。
時期的に創設女王かな?と思いきや、体長が〜14mmしかないのでワーカー♀ですね。
参考:『日本産マルハナバチ図鑑』


腹端に毒針
右マーラースペース
左後脚脛節:花粉籠
左後脚基跗節


【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
盗蜜をするマルハナバチの中舌は、正常な吸蜜行動をする種にくらべて短いものの、硬質化して、基部で幅広くなり、花管を突き破りやすい構造になっている。 (p150より引用)


高圧線の鉄塔から飛び立つノスリ(野鳥)



2014年11月下旬

田園地帯の上空を旋回していたノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類が高圧線の鉄塔に止まりました。
初めは後ろ姿で、真下に居る私に気づいていない様子。
尾羽の先が凹んでいないのでトビは除外できます。
鉄塔で向き直ると胸が白い。
眼光鋭く下界を見渡しています。
顔のクローズアップを撮っていたら急に飛び立ってしまい、翼の下面を確認できませんでした。
こんなに間近でノスリを見たのは初めてで、なかなかの迫力でした。






2015/04/01

樹液酒場で飛び回るシダクロスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2014年8月中旬

里山の雑木林でシダクロスズメバチVespula shidai)のワーカー♀がミズナラ樹液酒場に群がっていました。
興奮したように入れ替わり立ち代り飛来し、常に2〜3匹が樹液を吸汁しています。
同じコロニーから来た仲間なのでしょう。
蜂の離着陸を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
発酵した樹液を摂取したせいで酩酊状態で飛んでいるはずですが、スローモーションで見ても特に飛行への影響は感じられませんでした。

白い眉斑の形状と頭楯の黒い斑紋が下縁に達していることからシダクロスズメバチと判明。



念のために1匹だけ採集しました。
以下は標本写真



農道を歩いて採食するニホンカモシカ



2014年11月下旬

黒い毛の獣が山里の農道をトボトボ歩いて来ました。
遠目には黒い野良犬(ネコにしては大きい?)かと初めは思ったのですが、ニホンカモシカCapricornis crispus)だ!と気づきました。
黒っぽいのは冬毛なのでしょうか?
角が目立たない(短い)ので、若い個体のような気がしました。
車道から丸見えなのに開けた土地を堂々と歩いて来るとは意外でした。
しかも、横を車が通っても全く気にしていません。
車道から結構離れているので安全だと知っているのかもしれません。

あるいは単に近眼で見えていないのかな?

カモシカは立ち止まって地面の匂いを嗅いでいます。
手前に生い茂った枯れススキが邪魔なので、撮りながら横に移動。(手ブレが酷い…)
カモシカは再び歩き始め、ススキ群落の死角に隠れてしまいました。

撮影アングルを求めて車道を少し引き返してから撮影続行。
カモシカは少し立ち止まって道端の灌木の葉を採食したようです。(道草を食う)
いかんせん遠過ぎて、採食メニューは不明です。
(採食行動ではなく、眼下腺マーキングをした可能性は?)
再び手前の枯れススキ群落の死角に入りました。

この後、私も慌てて現場の農道に急行しました。

ところが田んぼの用水路を跳び越えるのに手間取ったりしている間に、カモシカの行方をすっかり見失いました。
足跡が残る積雪期でないとカモシカをフィールドで追跡するのは無理ですね。

ちなみに、この画面の奥は河畔林になっています。


2015/03/31

ミズナラ樹液酒場で樹皮をかじるヒメスズメバチ♀



2014年8月中旬

低山の雑木林でミズナラの樹液酒場にヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀が来ていました。
大顎を幹に繰り返し打ち付けるように齧り、樹液の分泌を促すために樹皮を傷つけています。
力関係で劣るキイロスズメバチ♀が何度か飛来するものの、ヒメが怖くて近づけないでいます。



ハシボソガラス(野鳥)の落ち穂拾い



2014年11月下旬

稲刈り後の田んぼ(刈田)で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が2羽が並んで採食していました。
嘴で藁を掻き分け、食物を探しています。
たとえばバッタやコオロギなどの昆虫を探しているのかもしれませんが、どうも落ち穂拾いしているように見えます。

しばらくすると、田んぼの水溜まりに移動したカラスが何度も嘴を突っ込んでいます。
飲水行動なら一口飲む度に頭を上げて水を喉に流し込むはずですから、泥の中の小動物を探しているのだと思います。
やがて歩いて岸に戻ると、再び藁を嘴で掻き分け始めました。(落ち穂拾い?)
最後は私のことを警戒したカラスに飛んで逃げられました。

この2羽はつがいなのか、あるいは仲良しの兄弟なのかな?




【追記】
『人はなぜカラスとともだちになれないの? (シリーズ 鳥獣害を考える―カラス)』という本を読むと、農業の機械化がカラスをふやす?という議論が展開されていました。

コンバインで作業をすると、稲穂や脱穀したモミが田んぼに落ちたままになりますが、手作業で刈りとりをしていた時代では、人がそうした落ち穂をひろいあつめていました。しかし、機械化が進んだいまでは、カラスがかわりに落ち穂ひろいをしているというわけです。カラスはこういうエサも食べることができることで、ふえていくのです。 (p20より引用)




【追記2】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、
一昔前の稲刈り機(バインダー)では落ち籾の率が2%ほどでしたが、最近の大型コンバインでは4%以上にもなります。(中略)コンバインの改良によって落ち籾率を減らしたり(中略)することでカラスにとっての資源量を減らすことが抜本的な対策となるでしょう。 (p185-186より引用)

この本は発行されたのが2000年と少し古いので、最新のコンバインがどう改良されたのか、知りたいところです。


2015/03/30

飛べ!カバエダシャク♂【蛾:ハイスピード動画】



2014年10月下旬

山中の建物の外壁西面にカバエダシャク♂(Colotois pennaria ussuriensis)を発見。
斜め下を向いて止まり、日光浴しているようです。
この時点では触角を翅の下にたくしこんでいるので(昼寝?)、性別は不明でした。
飛び立ちの瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
指で翅にそっと触れたら慌てて飛んで逃げました。
しかし遠くには翔べず、緊急避難で落下した程度です。
下の草むらで飛翔シーンを軽く披露してくれましたが、やはり遠くまで飛べません。
触角が羽毛状なので♂と判明しました。


モズ♀(野鳥)@雪囲い♪



2014年11月下旬

農村部の民家の庭木を守る雪囲いの材木の天辺にモズ♀(Lanius bucephalus)が止まっています。
尾羽を振り振り辺りを見回しています。
いわゆる「百舌鳥の高鳴き」が聞こえるのですけど、果たして♀も縄張り宣言の高鳴きするのかな?(本当に♀か?)
リップシンクロを確認できていないので、近くで別個体の♂が鳴いていた可能性もあります。




2015/03/29

タヌキの溜め糞を探し当て食べるセンチコガネ



2014年6月下旬

里山の雑木林を登る登山道で獣糞の黒い塊が落ちていました。
糞には植物(木の実?)の種子、未消化の昆虫の欠片、獣毛などが混じっています。
おそらくホンドタヌキの溜め糞だと思われますが、一塊ではなくあちこちに点在しています。



糞の匂いに誘われてどこからともなくセンチコガネGeotrupes laevistriatus)が林床をせかせかと歩いて来て、餌に辿り着きました。
糞虫にとってはごく当たり前のことですけど、驚くべき嗅覚です。
獣糞の欠片を抱くように食べ始めました。@1:48
糞を少し口にしただけで、なぜか横の地面を掘って潜り込みました。
しばらくすると穴から出てきて食事を再開。
最後は徘徊の末に大きな糞をようやく見つけてその下に潜り込み、隠れてしまいました。
これから糞の下にトンネルを掘って埋めるのでしょうか?
最後は15cm定規を並べて置いて、溜め糞のサイズを記録。

センチコガネの前脚の根元に見える橙色のパッド(毛束)の正体が気になる方はこちらをご覧ください。

▼関連記事
センチコガネの前脚に謎の付着物

実はここを通りかかった当初、キバネセセリが糞から飛び立ちました。
戻ってくることを期待してしばらく待ってみたのですが、空振りに終わりました。
待ち時間の退屈しのぎに撮った映像です。



【追記】
丸橋珠樹『熱帯林における霊長類と果実の共進化』によると、
センチコガネ類による二次散布は見落としてはならない(種子の)糞散布に付随する現象である。林床に糞散布された種子は、齧歯類による捕食の危険が非常に大きい。センチコガネ類による二次散布は、捕食回避、発芽に有利な土壌への埋め込み、種子間の競争回避という三重の意味で重要である。(中略)糞を扱う技術には、糞を小分けして丸めて運ぶ転がし型と、糞の下に穴を掘り埋める埋め込み型の2つがある。 (『種子散布:助けあいの進化論〈2〉動物たちがつくる森』p19より引用)



水門に止まったノスリ(野鳥)



2014年11月下旬

農道の用水路にかかるコンクリートの古い水門に夕方、ノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類が止まっていました。
なんとなく同じ日の朝に出会ったノスリと同一個体かな?という気がしたものの、定かではありません。
ちなみに直線距離で3〜4km離れた地点です。

▼関連記事
変電所から飛び立つノスリ(野鳥)

地上からそれほど高くない(採寸しに行くこと)水門の上に乗って周囲の刈田(稲刈り後の田んぼ)を見回しています。
そこは電柱よりもずっと低く(地上165cm)、こんな低い位置の「止り木」(お立ち台)にいるノスリを初めて見ました。

ネズミなどの獲物を探しているのであれば、もっと高い止り木にするべきでは?
少しずつ近づいては望遠で撮り続けたのですが、一向に飛び立つ気配がありません。
やや退屈な映像になってしまいましたが、私がひどく疲れていたこともあり、強引に近づいてわざわざ飛び立ちのシーンを撮ることもないか…と遠慮して帰りました。





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