2023/11/11

明るい早朝に小川の丸木橋を渡るハクビシン【トレイルカメラ】

 



2023年4月中旬・午前5:18・気温5℃・日の出時刻は5:06 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、日の出直後にハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が写りました。 
明るい時刻にハクビシンを撮れたのは久しぶりです。
赤外線の暗視映像ではモノクロだったので、自然光下で総天然色の姿が見れて感動しました。 

関連記事(10年前の撮影)▶ ハクビシンの早朝散歩

カメラの起動がちょっと間に合わず、ハクビシンが丸木橋を右から左へ渡り終えるところでした。 
左岸に上陸せず、岸辺の崖穴を物色しているようです。 
野ネズミなど野生動物の巣穴があるのでしょうか? 
同じ丸木橋を左から右へ渡り返しました。 
渡り終える手前で立ち止まると、背伸びして右岸の様子を伺います。 
ちょうどそのとき、ウグイス♂が笹薮でホーホケキョ♪と囀りさえずりました。 
右岸を上流の方へ走り去りました。 

自然光下で撮影すると、右目が失明した隻眼かどうか判断できません。 

トレイルカメラを終日監視モードに設定すると、昼間はどうしても風揺れによる誤作動ばかりになってしまいます。 
その対策として(節電にもなる)夜間限定で監視するタイマー設定しているので、昼間にもハクビシンが活動しているかどうかは記録されていません。 
さすがに人通りがある日中は外を出歩かないと思います。 


河川敷を蛇行横断するアオダイショウが公衆トイレに侵入未遂するまで

 

2023年4月中旬・午後12:00頃・晴れ 

河川敷を横切る用水路のコンクリート護岸にてアオダイショウElaphe climacophora)が春の日差しを浴びていました。 
私が近づくと警戒し、ゆっくり蛇行して逃げ始めました。 

舌を素早く出し入れしながら蛇行で前進します。 
コンクリートの地面を離れ、隣の枯れた芝生エリアに移動しました。 
さらにシロツメクサで覆われた草地をひたすら進んで行きます。 
一体どこに行くのでしょうか? 
野ネズミやモグラの巣穴に侵入して獲物を狩るのではないかと期待して、アオダイショウを追跡することにしました。 
しかし、それらしき巣穴があってもヘビは素通りしました。 
しつこく付いて歩く私から逃げていただけかもしれません。
緑の草地に点在する白いものは、堤防路のサクラ並木から散ったソメイヨシノの花弁です。 

やがてアオダイショウは河川敷の公衆トイレに近づき、日陰に入りました。 
変温動物のアオダイショウにとって、どうやら日向は暑かったようで、体温調節のため日陰に避難したのでしょう。 
しばらくすると公衆便所のコンクリート土台に近づきました。 
幸いトイレを使っているヒトは誰もおらず、騒ぎにならずに済みました。
小便器のある男性トイレは扉が無い開放型ですから、ノックは不要です。 
その入口でアオダイショウは鎌首をもたげて、中の様子をうかがっています。 
舌を出し入れして、ヒト♂の小便臭を鋤鼻器で嗅ぎ取っています。 
男性トイレの中に蛇が侵入したら面白いスクープ映像になりそうです。
ところが、アオダイショウは入口から自発的に後退して、日陰の草むらに隠れました。 
トイレの床が熱伝導の良いアルミ製になっていて触れるとひんやりしますから、せっかく日光浴で暖まった体温が下がり過ぎるのを嫌ったのかもしれません。 

ヘビを捕獲したことが一度もない私は、絶好の機会に悩みました。 
しかし今回も怖気づいて生け捕りに挑戦できませんでした…。 
帰路に同じ公衆トイレを再訪したときには、アオダイショウは居なくなっていました。






2023/11/10

しつこく夜這いに来て求愛するニホンアナグマ♂を巣穴から追い払う♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬〜下旬 

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴を自動センサーカメラで見張っていると、♂が夜な夜な夜這いに来るようになりました。 
春の配偶行動が始まったようです。 
しかし♀は未だ発情していないのか、♂の求愛をなかなか受け入れようとしません。 
地面に掘った巣穴が手前(R)と奥(L)に2つあります。 


シーン1:4/20・午後21:09・(@0:00〜) 
晩に奥から登場したアナグマ♂が左へ移動し、巣口Lの方へ行きました。 
その気配を察したのか、手前の巣口Rから♀が顔を出しました。 
♂が♀の巣穴に近づきながら求愛の鳴き声(ジェジェジェビーム♪)を発したかどうか、重要なポイントなのですが、観察歴の浅い私にはよく分かりません。 
トレイルカメラの位置がやや遠いので、録音されにくいのでしょうか? 

この営巣地(セット)の主である♀は目付きに分かりやすい特徴があり、左右の目の大きさが異なります。(右目<左目) 
斜視やオッド・アイのような生まれつきの形質なのでしょうか。 
明るい昼間だと分からないのですが、赤外線の暗視映像だとよく分かります。 

♀は出巣Rして振り返り、♂の方を見ています。 
睨み合いの末に、突然♀が脱兎の如く駆け出して、♂を追い払いました。 
喧嘩(威嚇)の鳴き声を言葉に現すのは難しいのですが、カカカカ!またはガガガガ!というような鳴き声を素早く発したようです。 
声帯を使って発声しているかどうかも分からない、なんとも得体のしれない音声です。 

しばらくすると奥から♀がトコトコ戻ってきて身震いすると、手前の巣穴Rに戻りました。 


シーン2:4/20・午後21:11・(@1:00〜) 
約30秒後、右の二次林を通って♂が再び♀のセットに戻ってきたようです。 
手前の巣口Rに居座り周囲を警戒していた♀は、♂を見つけると一瞬怯んで巣内に後退しかけたものの、再び脱兎の如く飛び出して撃退しました。 
♀は♂を深追いせずにすぐに戻ってきて入巣Rします。 

タヌキやキツネが巣穴を訪れたとき巣内のアナグマ♀は無反応だったのに、同種の♂が夜這いに来たときだけ、すごい剣幕で(強気で)追い払っています。 


シーン3:4/21・午前2:38・(@1:36〜) 
日付が変わった深夜未明にも同じパターンの行動が繰り返されました。 
手前の巣穴Rからアナグマ♀が顔を出して周囲を警戒しています。 
♂が右奥の茂み(灌木林)からやって来ると、ビルルル♪と何かを震わせているような、言葉にし難い変な物音が聞こえます。 
これはアナグマ♂が発する求愛の鳴き声なのかな?  (じぇじぇじぇビーム?)

この鳴き声?を聞くと♀は慎重に出巣Rして右下へ駆け出し、戻って来ませんでした。 
巣穴にすぐ戻って来なかったということは、画面の外で♂と交尾した可能性を否定できません。
夜這いに通っている♂が同一個体なのか、別個体が代わる代わる来ているのか、私には個体識別ができていません。 

※ アナグマの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この動画を初めて見たときは「アナグマ同士で巣穴を巡る縄張り争いがあるのか?」と思ってしまいました。 
アナグマ関連の本を何冊か読んで勉強してみると、「♂が♀の巣穴に夜這い・求愛しようとしている」のだと、ようやく状況が飲み込めました。 

アナグマに関しては、観察と並行して本で予習しておくことを強くお勧めします。 
読んでみて分かったのですが、アナグマの配偶行動や社会システムは他の哺乳類と違って独特です。
素人は先入観に囚われて頓珍漢な解釈に陥りがちです。 
自力でゼロから解明しようとすると、アナグマをきっちり個体識別した上で何年も何十年もかかってしまうでしょう。 
特に福田幸広『アナグマはクマではありません』という写真集の解説が特に参考になりました。
 プロポーズの方法が非常に変わっています。それは♂が♀の巣穴へ行き、「ビルビルビルー」という、低い連続した特殊な声を発します。私はこの声を「ジェジェジェビーム」と名付けました。(中略)この声は♀を誘い出す特殊な声で、この声を聞いた発情中の♀は必ず巣穴から顔を出すのです。♀の反応が悪い時には♂は巣の中にまで侵入することがありますが、巣の奥の赤ちゃんを守るためなのか、♀は♂が巣に入るのを徹底的に排除します。(子殺しがあり得るのか?:しぐま註)しかし、何度追い払われてもめげることなく、♂はジェジェジェビームを発し続けるのです。    (p50より引用)


今のところはトレイルカメラの設置アングルを試行錯誤しているところで、今回は右の茂みが邪魔です。

後日、別アングルでもっとはっきり分かる動画を撮ることができました。(映像公開予定)


つづく→ニホンアナグマ♀の巣穴に出入りするヘルパーと夜這いに通う♂【トレイルカメラ:暗視映像】



【追記】
アナグマ ♂の求愛声が低音で響くのは、地中巣内の♀に聞かせるために進化したのだろう。
高音だと指向性が高い代わりに回折しないですぐに減衰してしまいます。 
個人的な思いつきを書き留めておきます。

逃げたキジ♀の後を追って春の刈田を横切る♂(野鳥)

 



2023年4月中旬・午前10:25頃・晴れ 

刈田から♀が立ち去った直後、畦道にキジ♂(Phasianus versicolor)が現れました。 
全身の羽毛を膨らませて身震いしてから、刈田に降りました。 
農道を横切ると、陽炎が立ち昇る刈田を足早に横断して行きます。 
移動中は頭を下げた前傾姿勢になり、長い尾羽も水平にしています。 

ドローンを飛ばして俯瞰で見たら、キジ♂が複数♀の尻を追いかけているようにも見えるはずです。 

 関連記事(2、10年前の撮影)▶  


キジ♂は畦道を乗り越え、細い用水路を飛び越えると、刈田に隣接する枯れヨシ原へ辿り着きました。 
ようやく落ち着いて足取りがゆっくりになりました。 
♂は寄り道をせず、まっしぐらに枯れヨシ原を目指していたことになります。 
普通の鳥ならひとっ飛びの距離なのに、飛ぶのが苦手なキジ♂はわざわざ歩いて行きました。
♂は♀群れの追跡に専念し、食べ歩き(採食・落ち穂拾い)や縄張り宣言の母衣ほろ打ち♪を一度もやりませんでした。 

枯れヨシ原に隠れた♀の姿は保護色ですっかり紛れてしまい、私にはもう見つけられません。 
キジ♂の目には♀の姿が見えているのかな? (居場所が分かっている?) 

交尾前の配偶者ガードなのでしょうか。 
質の良い♂の縄張りに♀の群れが居着くので、繁殖期には強い♂が複数の♀とハレムを形成します。(一夫多妻)

2023/11/09

スギ防風林の溜め糞場で仲良く同時に排便するホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬

平地のスギ防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したと思われる巨大な溜め糞場wbcを見つけました。
早速、トレイルカメラを設置して監視してみましょう。
タヌキが南北方向を向いて排便すると予想し、横からローアングルで(地上からの高さ〜70cm)狙うことにしました。
カメラの電池を節約するため、夜間のみ(午後17:30〜午前6:00)撮影するようにタイマー設定しました。





採寸代わりに並べて置いた熊よけスプレーの長さは20cm


方位磁針を並べて置く




シーン0:4/14・午後16:23・(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
溜め糞は画面の中央に黒々と写っています。 
スギの大木が画面右端に立っています。 
現場はスギ植林地の端で、画面の奥には雑木林が広がって見えます。

周囲の林床に多数の不燃ごみ(発泡スチロール、プラスチックなど)が散乱していて目障りです。
誰かが不法投棄しているのか、あるいはタヌキが周囲の農地や人家から持ち帰るのかもしれません。
タヌキが誤飲すると有害なので、少しずつゴミ拾いして持ち帰ることにします。


シーン1:4/14・午後18:37・気温14℃(@0:05〜)日の入り時刻は午後18:16。 
カメラを設置した当日の晩に早速タヌキaが登場。 
左から登場したタヌキが溜め糞wbcの匂いを嗅いでいました。 
溜め糞にまたがると、ほぼカメラ目線で排便。 
用を足すと、獣道に沿って左下隅へ立ち去りました。 
入れ替わるように、つがいのパートナーbが背後の雑木林からやって来ました。 
先行する個体aが振り返ってパートナーを見守っています。 
bが左から回り込んで溜め糞wbcに来ると匂いを嗅ぎ、跨ったところで1分間の録画が終わってしまいました。 

続けてカメラが起動したときには、溜め糞wbcの右奥で立ち止まって落葉の匂いを嗅いでいました。 
そのまま獣道を通って右に立ち去りました。 


シーン2:4/15・午前4:59・気温7℃・(@1:22〜)日の出時刻は午前5:02。 
翌日の日の出直前にタヌキが現れました。 
溜め糞場の匂いを嗅いだものの、5時間前にアナグマがスクワットマーキングした匂い付けには無反応でした。 



そのまま溜め糞wbcに跨ると軟便をダラダラと排泄し、左に立ち去りました。 


シーン3:4/16・午前4:36・気温10℃・(@2:00〜) 
翌日は小雨が降る未明に♀♂ペアでやって来ました。 
まずは先行個体aが右から登場。 
aが溜め糞wbcに後ろ向きに跨って排便している間、右奥に後続個体bの目が白く光って見えます。 
aが身震いしてから左に立ち去ると、入れ違いにbが溜め糞場に来ました。
bがカメラを向いて脱糞している間に尻切れトンボで録画が打ち切られました。 

続けてカメラが起動すると、bは溜め糞wbcから左に少し離れた地点で身震いしてから、左下に立ち去りました。 

小声でキュキュキュ♪と頻りに鳴いているように聞こえますがタヌキとは無関係で、カメラが発する電子ノイズでした。 
タヌキが居なくなってしばらくしてからも、キュキュキュ♪と聞こえるからです。 


シーン4:4/16・午後18:34・気温11℃・(@3:18〜)日の入り時刻は午後18:18。 
同じ日の日没後に再び2頭のペアが連れ立って左から(縦列で)登場。 

♀♂ペアが珍しく同時に排便しました。 
便意が我慢できず、順番待ちをする余裕がなかったようです。 
 2頭は尻を突き合わせ、90°違う方向を向いて脱糞。 
互いの大便が体に付着しないのか、余計なお節介ながら心配になります。 

先に用を足した個体は身震いしてから右に立ち去りました。 
遅れた個体も慌てて右に駆け去りました。 
カメラの存在に気づいて警戒したのかな? 

タヌキの♀♂ペアが溜め糞場で同時に排便するのは珍しいです。 
一緒に来ても順番を待って代わる代わる排便するのが普通です。 



シーン5:4/17・午前4:41・気温5℃・(@4:18〜)日の出時刻は午前4:59。 
翌日は小雨が降る夜明け前に先行個体aが手前(カメラの真下)から登場。 
溜め糞wbcに跨ると、斜め右を向いて排便し、左に立ち去りました。 
その間、左下隅のスギ幼木の枝葉の陰に後続個体bが待機していました。(順番待ち) 
入れ替わりでbが軟便をニュルニュルと排泄したところで、録画が打ち切られました。 

続けてトレイルカメラが起動すると、bは左に立ち去るところでした。 
この地点はタヌキのペアが続けて登場することが多く、録画時間が1分間では短いので2分間に延長すべきかもしれません。 



シーン6:4/17・午後18:58・気温4℃・(@5:27〜) 
同じ日の晩に奥から先行個体aが登場。 
溜め糞wbcに跨ってカメラ目線になりました。 

このとき選挙カーが近くの道を通り過ぎ、候補者名をやかましく連呼していました。 
「気味の悪い変な鳴き声だな〜」と嫌がっているかと思いきや、里で暮らすタヌキは慣れているのか、けたたましい人工の騒音を気にしていません。 

左下隅のスギ枝葉の陰から後続個体bが颯爽と登場して、パートナーaと溜め糞場wbcで合流しました。 
2頭abが溜め糞wbに仲良く並んで(同じ向きで)排便を始めました。 

先行個体aが先に用を済ませると、右に駆けて行きました。 
bも同じく右に走り、後を追いかけます。 


シーン7:4/18・午前3:56・気温3℃・(@6:23〜) 
翌日も未明に2頭のタヌキが左から続けざまに登場。 
溜め糞場wbcで♀♂ペアが尻を突き合わせて同時に排便しました。 
互いに100°ぐらい開いた角度で別々の方向を向いて脱糞。 

横並びで2頭が一緒に左下へ立ち去りました。 
監視カメラの存在を気にしているのか、風の匂いを嗅ぐような仕草を通りすがりにしました。 

連れションならぬ、連れ糞することが多い仲良しのペアですね。 
実はタヌキの営巣地(巣穴)がすぐ近くにあることが後に判明します。(映像公開予定

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



オオイヌノフグリの花蜜を吸うルリシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月中旬・午前11:45頃・晴れ 

川沿いの土手に咲いたオオイヌノフグリの群落でルリシジミ♂(Celastrina argiolus)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
春風に煽られても、花にしっかりしがみついて吸蜜を続けます。 
とにかく風が強くて、通常の虫撮りには不向きな条件でした。 

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:44〜) 
羽ばたく際に翅表がようやく見えて、♂と判明しました。 
スーパースローにすれば、風揺れも気にならなくなります。 
日差しが強く、ハイスピード動画に適した撮影日和でした。 

※ 前半に流れていた選挙カーの騒音を無音にするのも不自然なので、後半の音声(自然音)と入れ替えました。


田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でオオイヌノフグリについて調べると、メインの送粉者はハナアブ類なのだそうです。
花はアブが活動できる15℃になると、満開になる。(p74より引用)
ハナアブ類の名前を調べるのが億劫で、どうしても撮影を後回しにしてしまいます。

 

2023/11/08

夜の笹藪を歩き回るハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬

笹薮の生い茂る河畔林でオニグルミ大木の真下にあるタヌキの溜め糞場rpをトレイルカメラで監視していると、晩にハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が写りました。 

シーン0:4/16・午後15:30・(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 


シーン1:4/15・午後19:24・(@0:05〜) 
オニグルミ大木の左にある笹藪の奥から、2つの目が白く光りました。 
老木の背後を通って右から来たようです。 
残念ながらカメラの電池が消耗していて、姿をしっかり現す前に撮影が打ち切られてしまいました。 

常連のタヌキよりも両目の間隔が狭く、暗視カメラの赤外線を強く反射することから、タペータムの発達した夜行性ハクビシンではないかと思います。 

同じ日に近くを流れる小川で丸木橋を渡った個体は右目が失明した隻眼の個体でした。 
今回、笹薮に来たハクビシンは両目が健常な個体です。 



シーン2:4/16・午後21:43・(@0:34〜) 
右から登場したハクビシンが、オニグルミ大木の下を左に歩いて通り過ぎました。 
タヌキの溜め糞rpには全く興味を示さず、匂いを嗅いだりしませんでした。 
この地点でハクビシンは初見です。 
左半身しか写らなかったので、右目が失明した個体かどうか不明です。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

捕食されたクロツグミ♂?の羽毛が散乱するスギ林【野鳥のフィールドサイン】

 

2023年4月上旬・午後15:55頃・晴れ 

平地のスギ林を探索していたら、1箇所に鳥の羽毛が大量に散乱していました。 
狩りに成功した猛禽が獲物の羽毛を毟り取った跡だと思われます。 
辺りに血痕や鳥の死骸(肉や骨)は見当たりませんでした。 
捕食者は、テンやキツネなど肉食獣の可能性もありますかね? (※追記3参照)

近くのスギの根本が白い鳥の糞で汚れていました。 
スギ樹上にねぐら入りした鳥が襲われて餌食になったのか、それとも羽根を毟る作業中に猛禽が脱糞したのかな? 

さて、捕食された鳥の種類は何でしょうか? 
白くてフワフワした短い保温用の羽毛と、黒くて長い飛翔用の羽毛が混じっています。 
他に色の付いた羽根は無く、地味な色合いの鳥のようです。
カラスの羽根は真っ黒でもっと長いはずなので、除外しました。 
留鳥のドバトやムクドリにしては生息環境がおかしいです。(スギ林に居るのは変) 
しかし、捕食者が近くの農地などで狩った獲物をここまで運んできてから羽毛を毟った、という可能性もあり得ます。 
鳥の専門家は採取した羽毛を詳細に調べて種類を同定できるそうです。 
今回、私はそこまでしていません。 
DNAバーコーディングの外注キットが安価に普及すれば、羽毛や糞の試料から素人でも同定できるようになるはずです。


犠牲者の黒い鳥が不明で長らくミステリーだったのですが、この森には夏鳥のクロツグミ♀♂(Turdus cardis)が生息していることが後に判明しました。 (映像公開予定



繁殖のために早くも渡来したクロツグミ♂が捕食者に狩られてしまったのではないか、と推理しています。 
山形県でクロツグミが見られるのは4月下旬ぐらいからとされているので(参考:『やまがた野鳥図鑑』)、例年よりもかなり早い渡来になってしまいます。(温暖化の影響?)

羽根を毟られた時期が私には判断できません。
もしも冬の積雪期に狩りが行なわれたのだとすると、被害者クロツグミ♂説はご破算になります。
もしかして留鳥のヒヨドリですかね?(ヒヨドリの羽根はもっと茶色の気がします)

その後も定点観察に通うと、スギ林床に残る大量の羽毛が少しずつ減っていき、最後には全て無くなりました。 
屍肉食性の昆虫が集まるかと期待したものの、古い羽根を食べる昆虫は全く見ていません。 (※追記参照)
春から初夏にかけて野鳥の繁殖期(造巣期)ですから、産座に敷くための巣材として鳥が持ち去ったのでしょう。 
鳥が巣材集めに通う様子を無人センサーカメラで撮影したかったのですが、今後の課題です。 
限られた台数でやりくりしているので、今回は泣く泣く諦めました。 

関連記事(2、5、15年前の撮影)▶ 



※ いつもの私の悪い癖で、カメラを忙しなく振り回しながら撮影してしまい、酔いそうな動画になってしまいました。 
現場の状況を映像で記録するときは、もっとゆっくりゆっくりカメラを動かさないといけません。 
苦肉の策として、1/2倍速のスローモーションに加工してお届けします。 
落葉落枝を踏みしめる音声が間延びしているのはそのためです。


【追記】
中村圭一『たくましくて美しい 糞虫図鑑』という本を読んで知ったのですが、コブスジコガネの仲間は糞虫の仲間なのに獣糞を食べず、動物や鳥の古い死骸やペリットを食べるのだそうです。
鳥の羽を与えて飼育することが可能だとか。
私は未だ出会ったことがありません。


【追記2】
捕食者の猛禽はタカ類を想定していたのですが、フクロウStrix uralensis)の可能性も出て来ました。
2024年3月上旬に少し離れたスギ林内で昼間からフクロウの鳴き声を聞きました。


【追記3】
猛禽類が獲物を捕獲した後、むしった羽根が散乱したような場所が見つかることもあります。(中略)哺乳類による捕食跡もよく似ているので、どちらか判断に困ることもありますが、そんなときは羽根の根元、羽軸の基部が残っているかどうか、ビークマーク(クチバシによる捕食跡)と呼ばれる跡がないか、骨まで残っていればかみ砕かれていないかなどに注意して見てみましょう。
(大型の猛禽類は)羽軸を折ってむしり取るような羽根の抜き方はしません。

2023/11/07

立ち去るホンドギツネの後ろ姿を巣口からこっそり見送るニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2023年4月中旬・午後17:34・日没時刻は午後18:22。 

夕方の黄昏時にホンドギツネVulpes vulpes japonica)がまたアナグマの営巣地(セット)にやって来ました。 
巣穴近くの地面にキツネが座り込み、右後脚で痒い脇腹を掻いています。 
立ち上がったキツネは、奥の二次林に向かいました。 

キツネが立ち去るまさにそのとき、ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が手前の巣穴Rからそっと顔を出しました。 
巣穴Rから出て振り返り、セットから立ち去るキツネの後ろ姿をこっそり見送りました。 
このとき警戒声などは発しませんでしたし、追いかけてキツネを追い払うこともしませんでした。 

もしキツネとアナグマがニアミスしていたら、大喧嘩になったはずです。 
キツネは巣内にいる赤ちゃんアナグマを隙あらば捕食しようと狙っていますし、アナグマ♀は我が子を必死に守ろうとするはずです。 

危険な訪問者が来ていたことをアナグマ♀は気づいていたというよりも、たまたま外出のタイミングと一致しただけではないかと私は思います。 
前の記事に書いたように、この時期キツネがストーカーのようにしつこくアナグマの巣穴に通っても、主のアナグマ♀はたいてい無反応で、巣口に顔を出したのはこのとき一度限りでした。 
おそらくアナグマの居住地はトンネルの奥深くにあり、外の気配に対して意外と鈍感なのかもしれません。 
アナグマは籠城戦術によほど自信があるのでしょうか。
仮に天敵が巣穴に侵入しても、緊急脱出用の別の出口を予め用意してあるはずです。 

ちなみに、私がトレイルカメラの電池を交換するためにときどき現場入りしたときも、アナグマが巣穴からこっそり顔を出したのは1回しか見たことがありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





送電塔天辺の巣で孵化したハシブトガラスの雛を抱いて暖める親鳥♀と給餌する♂(野鳥)

 



2023年4月中旬・午後13:00頃・晴れ 

送電塔#KN7の天辺にある巣に座り込んで抱卵しているハシブトガラス♀(Corvus macrorhynchos)を撮影していると、下から♂が飛び上がってきて帰巣し、小さな雛たちに給餌しました。 
雛鳥は孵化したばかりのようで、未だ黒い羽毛が生え揃っておらず、裸で赤っぽく見えます。 
ということは、在巣の親鳥♀は抱卵ではなく抱雛していたことになります。 
雛が餌乞いする鳴き声は風切り音で全く聞き取れませんでした。 

少し横にどいていた親鳥♀にもパートナーの♂は口移しで給餌したようです。(愛情表現のキス?) 
雛が孵化しても羽毛が生え揃うまでは、自分で体温調節ができません。 
しばらくの期間は親鳥♀がつきっきりで雛を温めてやらないといけないため、ほとんど外出できません。 
したがって、♂は空腹のパートナー♀にも餌を運んでやる必要があるのです。 

給餌を済ませた♂は巣から左上に飛び上がり、鉄塔から左に伸びる高圧線に止まり直しました。 
営巣地の周囲をしばらく見渡してから、次の餌を採ってくるために高圧線から飛び去りました。 
強い横風に煽られながらも、左手前に飛んで行きます。 

今回、雛の排糞行動は見られませんでした。 
雛が小さいこの時期は、食後の雛が排泄した糞を親鳥がその場で食べてしまうのかもしれません。 

送電塔に少し近づいてから、続きを撮ります。 
鉄塔の中段に設置された巣箱は未使用のままで空っぽでした。 
カラスに営巣して欲しいのであれば、巣箱に予め小枝を数本入れておくのはどうでしょう?(提案)
同じ送電塔で上下2箇所に異なるカラスの♀♂つがいが営巣したら面白いのですが、縄張り意識が強いカラスはそれを許しません。 
同じ♀♂ペアがリスクヘッジのため同時に二巣並行することもないようです。

日当たり良好の巣内で抱雛を続ける♀にズームインすると、頻りに瞬きしています。 
目を白黒させているように見えるのは、白い瞬膜を閉じるからです。 


2023/11/06

笹薮の溜め糞場で朝活(早朝排便)するホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 



2023年4月中旬 

笹薮が生い茂る河畔林でオニグルミ大木の下にある大きな溜め糞場rpに通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 
珍しく続けて早朝に来たシーンをまとめてみました。
これまで夜行性だったのに、生活リズムや巡回ルートを変更したのでしょうか? 


シーン1:4/12・午前5:34・(@0:00〜)日の出時刻は5:06。 
明るい早朝に左から登場したタヌキが、溜め糞rpの匂いを嗅いでから頭を上げ、右を見ながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 
パートナーを呼んでいるのでしょうか?
北西を向いて排便しながら身震いしました。
 (糞切りをする尻尾の動きをしなかったので、脱糞しなかったかもしれません。) 
左下に立ち去りました。 
近くでウグイス♂が繰り返しさえずっています♪。 


シーン2:4/13・午前5:02・(@0:31〜)日の出時刻は5:05。 
翌日の日の出直前に左から来たタヌキは、溜め糞rpの匂いを嗅いだだけで左の笹薮に分け入りました。 
途中で立ち止まり、痒い体を足で掻いています。 

草丈の高い笹薮をタヌキが歩き回っても笹はほとんど揺れませんし、ザワザワと物音も立てることもありません。 
ということは、笹薮の中に歩きやすい獣道ができているのでしょう。 


シーン3:4/14・午前4:54・(@0:49〜)日の出時刻は5:03。 
次の日も日の出直前の薄明に右からタヌキが溜め糞場rpに現れ、南東を向いて排便していました。 
用を足すと左下に立ち去りました。 


シーン4:4/17・午前5:12・(@1:17〜)日の出時刻は4:59。 
3日後の明るい早朝に、タヌキaが右から登場。 
溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南東向きで脱糞。 
手前に茂った笹の葉がタヌキの肛門をうまいこと隠してしまい、大便の状態を確認できませんでした。 

先行個体aが左に立ち去ると、入れ替わるように後続のパートナーbが右の笹薮から登場。 
トイレの近くでおとなしく順番待ちしていたようです。 

近くで笹薮が揺れるガサッという物音に一瞬たじろぎました。 
警戒を解くと溜め糞rpの匂いを嗅ぎました。 
タヌキbは排泄せずにオニグルミ大木の左に回り込み、笹薮の奥に姿を消しました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



満開に咲いたソメイヨシノで花蜜を吸うクマバチ♂

 

2023年4月中旬・午後14:30頃・晴れ 

山村の民家の庭で満開に咲いたソメイヨシノの大木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
高い枝で訪花しているため、吸蜜中のクマバチの顔色が見えません。 
複眼の状態から雄蜂♂だろうと判断できます。 
♂は花粉を集めませんから、後脚の花粉籠はありません。 

春のクマバチ♂と言えば、♀を待ち伏せるために縄張りを張って空中にホバリングします。 
今回はそうした縄張り占有行動は見られず、桜の花蜜に夢中でした。 
「腹が減っては戦が出来ぬ」 というところなのでしょう。

関連記事(4、9年前の撮影)▶  


せっかく晴れて満開に咲いているのに絶え間ない風揺れに悩まされ、動画での虫撮りには向かない日でした。 
吸蜜中に花が風で激しく揺れても蜂は気にしません。 
桜吹雪が散るには未だ早い、本当に桜の花の盛りでした。

2023/11/05

営巣地の森で後脚で立ち上がるニホンアナグマの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴を自動センサーカメラで監視していると、奇妙な行動が撮れていました。 


シーン1・午前0:11 
深夜にアナグマ♀が右奥の灌木に前脚を掛け立ち上がり、幹の高い部分の匂いを嗅いでいました。 
細い蔓でつながっているため、左から伸びた灌木も激しく揺れています。 

謎の行動をした後、アナグマ♀は手前の巣穴Rに入巣したものの、後退りで再び出て来ました。 
巣穴Rの奥から土砂を掻き出したようですが、後ろ姿ではよく見えません。 


シーン2・午前0:39(@1:01〜) 
27分後、アナグマ♀が前回と同じ地点で後足で立ち上がり、灌木の高い横枝を前脚で掴もうとしていました。 
巣穴Rの上に被さるように伸びた細い蔓がユサユサと揺れています。 

 手前の巣穴Rに戻る途中で、巣口Rを塞ぐように生えた木の細根を甘噛みしました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


アナグマが後足で立ち上がることを知らなかった私は、その点にまず驚きました。 
しかし我々ヒトのような直立姿勢ではなく、木に前足を掛けています。 
アナグマは木登りはできません。
交尾期ですから、発情しかけた♀が夜這いに来る♂を待つ間に暇潰しで独り遊びをしているのでしょうか? 

実はこの後もアナグマは同じ行動を何度か披露することになります。 
カメラの設置アングルを変えてしっかり撮れるようになったら、アナグマが2本脚で立ち上がって何をしているのか謎が解けました。 
解決編をお楽しみに。(映像公開予定)

小川に入って獲物を探し歩く早朝のアオサギ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月中旬〜下旬 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、アオサギArdea cinerea jouyi)が登場しました。 
画面の手前から奥に向かって水が緩やかに流れています。 


シーン1:4/20・午前4:54・(@0:00〜)日の出時刻は午前4:55。 
日の出直前に現れたアオサギが右岸に近い浅瀬を下流に向かってゆっくり歩き、丸木橋の下をくぐりました。 
その後は小川の中央部を歩いて下り、川の本流との合流点へ向かいました。 
餌となる小魚がいるかどうか、小川を調べに来たのでしょう。 
小川の水面に朝日が反射して、逆光になってしまいました。 


シーン2:4/23・午前5:28・(@1:00〜)日の出時刻は午前4:51。 
3日後もアオサギが早朝に登場。 
丸木橋の手前で佇み、左岸を見つめていました。 
水中の小魚を狙っているようです。 
すぐに諦めて小川を遡行し始めました。 
画面の下端で立ち止まり、左岸を向いて静止したものの、トレイルカメラの存在には全く気づいていないようです。 

捕食シーンが撮れず、残念でした。 
そもそも街なかを流れてきた用水路ですから、小魚が豊富に泳いでいる小川ではありません。
小魚が潜んでいるとしたら、逆に本流から遡上してきた個体でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 







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