2023/11/29

水路の丸木橋を渡るハクビシンは複数いる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬〜下旬 

小川に架かる丸木橋を2台の自動センサーカメラで見張っています。
夜な夜な渡るハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)をまとめました。 


シーン1:4/20・午後23:29・(@0:00〜) 
深夜に左岸から右岸に渡りました。 
丸木橋の中央を越えた辺りで対岸に設置したトレイルカメラもセンサーが反応して起動しました。 
そのかすかな物音でハクビシンは少したじろいでいます。 
どうやら右目が失明した隻眼個体のようです。 


シーン2:4/20・午後23:29・気温13℃(@0:14〜) 
実際にもう1台の新機種トレイルカメラに写っていた映像です。 
起動が遅れ、ハクビシンが早足で丸木橋を渡り終えるところでした。 
少なくとも左目は赤外線を反射して白く光っていることが分かります。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン3:4/26・午前0:39・(@0:33〜) 
6日後も小雨がぱらつく夜更け過ぎにハクビシンが登場。 
カメラが起動したときには丸木橋の手前で、水路「内」の右岸に居ました。 
丸木橋の右端の地点で上陸し、右岸の茂みに姿を消しました。 
隻眼個体かどうか不明です。 
少なくとも片目は爛々と光りました。 


シーン4:4/26・午前0:41・気温9℃(@0:58〜) 
監視カメラの設置アングルがいまいちで、丸木橋そのものよりも左岸の崖穴を中心に狙っていたせいで、野生動物が丸木橋を渡ってもカメラの起動が遅れがちです。 
今回もハクビシンがニセアカシア倒木を伝って対岸(左岸)へ渡り終えたところでした。 
左岸の藪に覆われた崖を登る途中でもう1台の旧機種トレイルカメラが起動し、赤外線が照射されています。 
その後も左岸に沿ってハクビシンが下流へ向かって歩く様子が写っていました。 


シーン5:4/26・午前0:55・(@1:20〜)
依然として小雨がぱらついています。 
またもやカメラの起動が遅れ、ハクビシンが丸木橋を伝って左岸から右岸へ渡り終えるところでした。 
左目の状態は見えませんが、少なくとも右目は光っていました。 

 ※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


同じ日に続けて撮れたシーン3〜5をまとめて考えると、同一個体のハクビシンが短時間で丸木橋を右往左往していることになります。 
まさかトレイルカメラが起動する反応を確かめたり楽しんだりしているのかな? 
あるいは、複数個体が来ていると考えた方が自然かもしれません。 

この流域にはハクビシンの家族群が暮らしていて、その1頭は右目が失明していることが分かっています。 
その他の個体の眼は正常です。 

トレイルカメラで撮影するようになると、夜行性の野生動物に片目を失明した個体が結構いることが分かり驚きました。
隻眼でもそれほど大きなハンディキャップにはなっていないようです。

隻眼のハクビシンは、おそらく負傷による後天的な失明ではないかと思います。 
もしも家族性(遺伝性)の眼病だとすると、教科書にも載っている有名なガン抑制遺伝子の発見につながったretinoblastoma(網膜芽細胞腫)を連想しました。 
うろ覚えだったので調べてみると、 

RB1遺伝子(『岩波生物学辞典 第4版』より引用)
[英RB1 gene] 【同】レチノブラストーマ遺伝子(retinoblastoma gene) 小児の目の癌である網膜芽細胞腫(retinoblastoma)の原因遺伝子として,単離,同定された癌抑制遺伝子.網膜芽細胞腫の40%は遺伝性で,ヒト染色体13q14上に存在するRB1対立遺伝子の一方に変異遺伝子を両親のどちらかから受け継いでいる.この家族性網膜芽細胞腫の場合には,両眼に腫瘍が発生し,その腫瘍細胞中では通常正常対立遺伝子の欠失と変異遺伝子の残存が認められる.散発性網膜芽細胞腫の場合には単眼性で,やはり,対立遺伝子一方の欠失と残存遺伝子における変異が典型的な異常である.(以下略)
私が見ているハクビシンは単眼性の異常なので、家族性retinoblastomaとは違いますね。
他にも様々な眼病がありますから、捕獲して専門医が診察しないことには診断できません。





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