2012/09/01

揺籃から羽化したムツモンオトシブミ


ムツモンオトシブミの揺籃と飼育2

ムツモンオトシブミ♀がクロバナヒキオコシの葉で揺籃を作る様子を観察した後、完成した落とし文(揺籃)を採集して持ち帰りました。


前回の記事はこちら→「ムツモンオトシブミの揺籃が出来るまで【微速度撮影】

小さなプラスチック容器(100円ショップで購入)に揺籃をそのまま移し、保湿のため丸めたティッシュを水で湿らせて一緒に入れました。
そのまま室内で飼育すると、梅雨時で揺籃に白カビが生えてきました。
揺籃に多少カビが生えても平気らしいので、気にせず放置。






2012年6月下旬

産卵18日後の早朝、飼育容器を覗いて見ると、無事に成虫が羽化しているのに気づきました。












揺籃の中央に成虫が食い破った羽化孔があります。




『オトシブミハンドブック』p40によると、♂の腹部腹面はへこみ、その両側が突出するらしい。
♂♀両方の標本が手元にあれば比較できるのでしょうけど、一匹しかいないと不慣れな私には性別が見分けられません。
もし以下の写真で見分けられる方がいらっしゃいましたら教えてください。







同じ日に採集した別の揺籃を1個だけ、本で見たようにカッターナイフで切り開いてみることに。
ところが卵の位置が分からず、結局、手で揺籃を巻き戻して開いてみました。
葉先の表側に黄色の卵を発見。
揺籃の中は雨水でしっとり濡れていました。






揺籃の巻き方が分からなくなり、諦めてそのまま飼育容器に戻してみました。
残念ながらこの開いた揺籃は干からびてしまい、卵が孵化しませんでした。
という訳で、ムツモンオトシブミの卵から幼虫、蛹へと成長する様子は観察できませんでした。
次回の課題です。

更にまた別の揺籃からはなぜかハエの幼虫(蛆虫)が出てきて、容器内で干からびて死んでいました。
『オトシブミ観察事典』p25によると、オトシブミの卵を捕食寄生する天敵のハエがいるらしい。


ゼフィルスの卍巴飛行@渓流上




2012年6月下旬・午後13:30

渓流を遡行していたら、流れの上で2頭の蝶が互いにもつれ合うようにぐるぐる激しく旋回乱舞していました。
青い金属光沢のおそらくミドリシジミの仲間と思われます。

実はこの撮影直後、注意していたのに川底のつるつる滑る岩で転倒し、カメラを濡らしてしまいました。
同様の求愛?飛行をもう一度目撃したのに撮れず仕舞いで、二重に凹みました。
幸いカメラは乾かしただけで復活してくれました。

防水カメラが欲しいなー。




↑参考動画:「シジミチョウの巴飛行 ゼフィルスの卍巴飛行」撮影Usori2さん。

渓流沿いに生息する緑色の蝶ということで、アオバセセリの求愛行動である可能性も考えました。
youtube動画(by yojihorieさん)を拝見すると、アオバセセリ♀が画面中央でホバリングし、周りを♂が高速回転するとのこと。
今回見た動きとは違います。



2012/08/31

ハナニガナの花で吸蜜ホバリングするクロスキバホウジャク(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】




2012年6月下旬

道端の側溝沿いに生えたハナニガナの群落で次々に訪花する蛾がいます。
同定用の写真はストロボを焚いても蛾の翅がびしっと止まって撮れなかったのですけど、多分クロスキバホウジャクHemaris affinis)だと思います。
同一個体をひたすら追いかけて撮り続けました。










ついでに、吸蜜しながらホバリングする様子をハイスピード動画(220 fps)で撮影してみました。
約1/7倍速のスローモーションでも蛾の羽ばたきは見えません。
風で揺れる花の動きに合わせてホバリングする妙技を披露してくれました。
ホバリングが上手いのは認めますけど、随分と燃費の悪い生き方を選んだなーと実感します。

黄色い花の写真を帰ってから調べてみると、キク科のハナニガナだと思います。






2012/08/30

ウラナミアカシジミ:休息と飛翔【HD動画&ハイスピード動画】




2012年6月下旬

ゼフィルスの一種であるウラナミアカシジミJaponica saepestriata 
saepestriata)と初めて出会うことが出来ました♪
翅を立てて(閉じて)葉に止まっています。
多くのシジミチョウと同様に、後翅を擦り合わせて尾状突起を触角のように動かしています(行動擬態?)。
頭部を前後逆に見せかけることで、鳥など捕食者からの致命的な攻撃を避ける作戦だと思われています。








ついでに、飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
翅表を広げて見えたのは一瞬だけです。
前翅の表面にある黒い縁取りの幅が狭い気がするので、♂かもしれません。


2012/08/29

クロスキバホウジャク(蛾)がムシトリナデシコの花で吸蜜ホバリング




2012年6月下旬

道端のムシトリナデシコの群落にクロスキバホウジャクが訪花してホバリング飛行しながら口吻を伸ばして蜜を吸っていました。


ムシトリナデシコは食虫植物ではありませんが、むしろ「虫撮り撫子」というかフォトジェニックなネタを提供してくれます。





準備運動なしで飛び立つクロスキバホウジャク(蛾)




2012年6月下旬

ホバリング飛行の名手クロスキバホウジャクHemaris affinis)が珍しく翅を休めていました。
羊歯の葉が風で揺れても完全に静止しています。

動画は本来、動きを記録するためのものです。
今回はじっとしているのが珍しい!という理由でレンズを向けて、ちょっとパラドキシカルな作品になりました。
写真で充分じゃないか、と言われそうですね。

最後は引きの絵にしたら、たまたま飛来した別の虫に驚いて飛び立ちました。
準備運動しなくても飛び立てるのは、日光浴で体温を上げていたためでしょうか。
もう少し粘って、飛び去る瞬間を寄りの絵で撮りたかったなー。





2012/08/28

道草を食うニホンザルの群れ(採食行動)




2012年6月下旬

砂利道の林道ですれ違った野生ニホンザルの群れの映像から食べ歩きシーンをまとめてみました。
映像の冒頭、四つ足で坂を駆け上がって来た猿は発信器付きの黒い首輪を装着しているように見えます。
冬に何度か出会った群れと同じかもしれません。
続々と群れの仲間がやって来ます。
各々が遊動しながら道端に生えたキク科の黄色い花を摘み食いしています。
花そのものを採食したかどうか不明です。
茎だけ食べたかもしれません。
食用菊というものがありますけど、個人的に菊の花は苦味が強くてあまり美味しいとは思いません。

猿(去る)者を追わずで動画撮影が一段落すると、猿の採食メニューを確かめに行きました。
タンポポのような花で茎が細長く、ブタナの花ではないかと思うのですがどうでしょう?

6:35辺りで子連れの母猿が採食していたのはシロツメグサかもしれません。

この時期の母猿が子猿をどのように連れて歩くか、というのも見ていて微笑ましいです。
腰に乗せて運ぶのが一番楽ちんに見えますけど、母親の腹にぶら下がったまま運ばれる子猿もいます。
母親が何を採食するのかを間近で観察し、やがて離乳すると真似して採食するようになるのでしょう。



【追記】
この黄色い花の名前を長らくオオジシバリだと思い込んでいたのですが、外来種(帰化植物)のブタナと分かったので訂正しておきます。




ロゼット状の根出葉




2012/08/27

ムシトリナデシコに来る虫の話



2012年6月下旬

道端に咲いた紫の花の群落でモンキチョウ♀(Colias erate)が蜜を吸いに来ていました。
横の道を車が通る度に飛んで逃げてしまい、撮りにくかったです。



見知らぬ花だったので植物の画像掲示板で問い合わせたところ、ムシトリナデシコと教えてもらいました。

撫子JAPANの親戚

ムシトリナデシコ粘着部の捕虫効果について

wikipediaによると、

茎上部の葉の下に粘液を分泌する部分が帯状にあり、ここに虫が付着して捕らえられることがある。(中略)名称の由来は上記の粘着部で小昆虫を捕らえることであるが、捕獲された昆虫を消化吸収することはなく食虫植物ではない。花の蜜を盗むだけで、効果的な受粉に与らないアリが、茎をよじ登って花に達するのを妨げていると考えられている。

なかなか面白そうな話です。
夏休み自由研究のテーマにどうでしょうか?

一風変わった昆虫採集が出来そうです。

私も後日(7月上旬)、少し調べてみました。
ムシトリナデシコの粘着部に捕らえられていた虫は、クモの幼体が3匹、ハエが1匹、謎の羽虫が1匹でした。
サンプル数があまりにも少ないですけど、アリに対する捕虫効果は確認できませんでした。
むしろ肉食性のクモが多く捕らえられていたのは、植物側の思惑とは逆効果ではないかと思いました。
受粉を媒介してくれる訪花昆虫を守るためと考えられなくもないですけど、クモは植物を食害する虫から守ってくれるガードマンとしての役割もあるはずです。
来る者拒まず(千客万来)ではなく、とにかく地上から茎を登ってくる虫が花に接近するのは一切許さないという(選り好みの激しい)防衛戦略のようです。

動画のネタにはなりにくいですけど、機会があればもう少し調べてみるつもりです。

実際にアリを放ってみて粘着部を通過する際に捕虫されるかどうか実験してみるとか。
捕虫できなくともアリに対して忌避効果があるのかもしれません。

【追記】
Newton special issue『植物の世界 第2号:ナチュラルヒストリーへの招待』p118によると、
花粉や花蜜の窃盗者の一つであるアリを防ぐ手段として、ノアザミやムシトリナデシコのように花への通路に粘液を分泌している植物がある。茎を登ってきたアリは、触角がこの粘液にふれると、多くの場合おどろいたように逃げ帰ってしまう。


造網性クモの幼体?2匹

徘徊性クモの幼体?

小さなハエ

謎の羽虫

2012/08/26

林道を遊動するニホンザルの群れ




2012年6月下旬

里山で林道を下っていると野生ニホンザルの大群とすれ違いました(標高~620m地点)。
坂道を登って来た群れは私に気づくと、一度道を外れて林を少し進むと再び歩きやすい林道に戻って遊動を続けました。
つまり、道を塞いで撮影する私を迂回して進みました。

この群れはときどき里に下りては果樹園や田畑で採食して猿害を引き起こしている群れだと思われます。
それほどヒトを怖れるでもなく、観光地の猿のように図々しかったり馴れ馴れしくもなく、絶妙に人馴れしています。
おかげで群れのリラックスした行動をじっくり撮影観察することができました。
乳飲み子を抱えた母猿だけは臆病で、私と目線が合うと鳴き喚いて茂みの奥へ逃げました。
その悲鳴を聞いても群れに緊張が走ることもなく、まったりと遊動を続けます。

あちこちで色々な事件が起きるので、どれを撮ろうか目移りするほどでした。
振り返ると私のすぐ背後に座り込んで毛繕いするペアがいたりしました。

各々が採食したり遊んだり互いにグルーミング(蚤取り・毛繕い)したり、のんびり道草を食いながら群れで遊動します。
レスリングのように取っ組み合いをして遊ぶ子猿が可愛らしいですね。


蚤取りしている方の個体には右目の下瞼に切り傷がありました。


サカハチチョウの飛び立ちハイスピード動画




2012年6月上旬~中旬

葉で休んでいたサカハチチョウAraschnia burejana)が飛び立つ様子をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
春型も夏型もいます。


あまりにも身近な、というかありふれた蝶なので、意外に写真を撮ってないです。

昔に撮った夏型のサカハチチョウ

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