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2025/07/13

モンシロチョウ♀が♂2頭の求愛を拒みながら脱糞?!

 

2024年6月上旬・午後15:40頃・晴れ 

水田の農道沿いに咲いたハルジオンの群落で春型のモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
そこに同種の♂aが飛来し、♀の背後でホバリングしながら求愛しています。 
しかし♀は腹端を高々と持ち上げて、断固とした交尾拒否の姿勢を取っています。 
モンシロチョウ♀の腹端に付着している黄色い固形物が気になりました。 

さらに別個体の♂bが右から飛来し、求愛に参戦しました。 
♂bが♀の半開きの翅に着地して触れた拍子に、♀腹端の付着物がポロリと落ちました。 
♀が嫌がって飛び立ち、2頭の♂が直ちに追いかけます。 

一瞬モンシロチョウを見失いましたが、少し右上にパンすると、♂が翅を半開きでハルジオンの花蜜を吸っていました。 
どうやら♀は♂の求愛を嫌がって逃げたようです。 


【考察】 
教科書にも書いてあるモンシロチョウの交尾拒否行動については、もう既に何度も撮影済みです。 

それよりも今回気になったのは、♀の腹端にあった、乾いた鼻くそのような謎の付着物です。 
その正体について検討します。 
  • モンシロチョウは成虫になると花蜜しか摂取しませんから固形の糞を排泄することはありない…はずです。 この定説が間違っていたのでしょうか?
  • ♀が未成熟の卵を産みかけたのかもしれません。 しかし未成熟だからといって、モンシロチョウの卵に特徴的な紡錘形が異常に歪んだりすることはないらしい。 
  • 蛹から成虫が羽化して翅を広げる際に使った羽化液(蛹便)が腹端で凝固したのでしょうか?  私はまだモンシロチョウの飼育経験がありませんが、モンシロチョウの羽化液(蛹便)は黄色っぽいらしい。 ところが、今回観察した♀個体は右前翅の翅頂が欠けていて、羽化直後ではなさそうです。 
  • 花粉などのゴミがたまたま腹端に付着しただけのような気がしてきました。 
  • モンシロチョウの交尾後、♂の精包(spermatophore)が♀の腹端外部に付着したまま残ることはありません。チョウ類の交尾では、♂が精包を♀の生殖器内部(bursa copulatrix)に挿入・移動させます。精包は、♀の体内の袋状器官(バルサ・コプラトリックス)内に完全に収められ、外部に露出することはありません。やがて精包は♀の体内で消化・分解されますが、殻(外被)は♀の体内に残ります。ウスバアゲハなど一部の昆虫では、交尾後に「交尾栓(スフラギス=sphragis)」と呼ばれる構造物が♀の生殖孔外部に貞操帯として形成されることがありますが、モンシロチョウでは形成されません。

今回もPerplexity AIとブレインストーミングしながら記事を書きました。

2025/07/04

アナグマの空き巣に昼も夜も訪れ内見を繰り返すホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
 死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)がある平地の二次林をトレイルカメラで見張っています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の出没したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/1・午後20:43・気温16℃(@0:07〜) 
左から来たタヌキが林内に入ると、通りすがりに下草に小便でマーキングしました。 
排尿時に左後脚を上げたので、♂と判明。 


シーン2:6/1・午後22:24・気温14℃(@0:22〜) 
巣穴Lを内見すると、身震いしてから左下へ立ち去りました。 


シーン3:6/1・午後22:24・気温15℃(@1:04〜) 
別アングルの監視カメラでも同時に撮れていました。 


シーン4:6/3・午後21:56・気温15℃(@1:45〜) 
2日後の晩にもタヌキが巣穴Lを内見してから、身震いし、痒い体を掻きました。 


シーン5:6/3・午後21:57(@2:29〜) 
つづき。 
巣口Rの匂いを嗅いでから、右へ立ち去りました。 


シーン6:6/5・午後19:32・気温16℃(@2:38〜) 
2日後の晩。 
カメラの起動が遅れ、右へ立ち去るタヌキの尻尾がちらっと写っただけでした。 


シーン7:6/5・午後21:45・気温15℃(@2:45〜) 
約2時間15分後に、タヌキが巣穴Lを内見してから後ろ向きで外に出てくると、左へ向かいました。 


シーン8:6/5・午後21:45・気温13℃(@3:16〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
二次林内の獣道を右へ歩き去るタヌキの後ろ姿が写っています。 


シーン9:6/5・午後22:58・気温13℃(@3:22〜) 
13分後にセットに現れたタヌキは、巣口Rを覗き込んでから、右上奥の林内へ。 


シーン10:6/8・午前4:57・気温11℃(@3:40〜)日の出時刻は午前4:13。 
3日後の日の出後の薄暗い早朝に、獣道を右から来たタヌキが巣穴Lに入りました。 


シーン11:6/8・午前5:00・気温11℃(@3:53〜) 
つづき。
巣穴Lの内見を済ませて外に出てきたタヌキが巣口Lにしばらく佇み、右を凝視しています。 
巣口Rを跨いで、そのまま右へ立ち去りました。 


シーン12:6/8・午後23:54・気温15℃(@4:07〜) 
同じ日の深夜にタヌキが獣道を右から来てセットをうろついています。 


シーン13:6/8・午後23:55・気温17℃(@4:27〜) 
つづきが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Rに座り込んで毛繕いしてから、慎重に巣穴Rに潜り込みました。 
アナグマは不在なのか、それとも「同じ穴のむじな」の状況なのかな? 


シーン14:6/9・午後20:26・気温19℃(@5:22〜) 
翌日の晩にタヌキが獣道を右から登場。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、左へ向かいます。 

6/8にニホンザルが折った落枝が監視カメラの目の前で灌木に引っかかっていて、非常に目障りです。 


シーン15:6/9・午後20:27・気温20℃(@6:05〜) 
つづけてタヌキが迷わず巣穴Rにするりと潜り込みました。 


シーン16:6/9・午後20:29(@6:18〜) 
2分後に別個体のタヌキが獣道を右から左奥へ横切りました。 


シーン17:6/9・午後20:29(@6:27〜) 
おそらく巣穴Rの内見を済ませた個体(シーン15)が、外に出てきたのだと思います。 
巣口Lを覗き込んでから、(パートナーの後を追って)左下手前へ。 


シーン18:6/9・午後20:29・気温19℃(@6:44〜) 
左から来たタヌキがそのまま入巣R。 


【考察】 
ホンドタヌキたちは通りかかる度に、アナグマの空き巣L、Rへの侵入(内見)を頻繁に繰り返しています。 
巣穴Lの方をかなり気にして調べています。
しかし、必ずしも巣穴を乗っ取るための偵察や準備行動とは限りません。 
昨秋のタヌキは、巣穴L、Rにしょっちゅう潜り込んでは穴居性の昆虫(カマドウマなど)を捕食していたのですけど、この時期にはまた別の獲物がいるのかもしれません。 


2025/07/02

溜め糞場の近くで小便するニホンカモシカ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月上旬〜中旬 

ニホンカモシカCapricornis crispus)が山林に残した溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:6/6・午前4:45・晴れ・気温10℃(@0:00〜)日の出時刻は午前4:14。 
充分に明るくなった早朝に、カモシカが獣道を右から左へノソノソ歩いて横切り、緩斜面を下って行きます。 
周囲でカラスの鳴く声♪ が聞こえます。

カモシカは溜め糞場を素通りしたと思いきや、画面の左端で立ち止まりました。 
臀部しか見えませんが、腰を深く屈めたので♀が排尿したようです。 
もしもカモシカがこの決まった地点で毎回排尿マーキングするのなら、監視カメラの画角をもう少しだけ左に向けるべきかもしれません。 


シーン2:6/13・午前5:22・晴れ・気温18℃(@0:23〜)日の出時刻は午前4:13。 
ちょうど1週間後にも、早朝にカモシカが左から現れました。 
カメラの方をちょっと気にしてから、獣道を左から右へ慎重に横切り、斜面を登って行きます。 
何かに警戒しているような、断続的で慎重な足取りでした。(隠密行動?) 

カモシカの個体識別が出来ていませんが、同一個体が獣道を往復しているのかな? 


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/06/25

アナグマの空き巣を鳴きながらうろつき、巣穴の内見と匂い付けするホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい日中に平地の二次林でたまたま撮れた現場の様子です。 
死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:6/6・午後21:13・気温17℃(@0:07〜) 
晩に♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が一緒に来ていました。 
先頭個体♀が巣口Lを点検してから身震いしました。 
その間、後続個体♂が巣穴Rに顔を突っ込んで内検しています。 
♂が巣外に出て左へ向かい、巣口Lで♀と合流しました。 

耳を澄ませると、タヌキが小声でクゥーン♪と甲高く鳴く声が何度も聞こえます。 


シーン2:6/6・午後21:12・気温16℃(@0:24〜) 
別アングルでの監視カメラで続きが撮れていました。 
タヌキの♀♂ペアが左から相次いで来ました。 
まず先頭個体♀が匂いを嗅いでから入巣L。 
次に後続個体♂が巣口Lの左手前のマルバゴマギ灌木の根元に生えた下草に通りすがりに排尿マーキングしました。 
右後脚を上げて小便したので♂と判明。 
匂い付けしてから♀に続いて入巣L。 
何度もクゥーン♪と甲高く鳴いていました。 



シーン2:6/6・午後21:14・(@0:40〜) 
約1分後にタヌキの♀♂ペアが巣穴Lから外に出てきていました。 
身震いしてから2頭が連れ立って獣道を左へ戻ります。 

何度もクゥーン♪と鳴きながら、セットをうろつき、ようやく左奥へ立ち去りました。 


シーン3:6/6・午後21:14・(@1:29〜) 
別アングルの監視カメラの映像に戻ります。 
タヌキ♀が巣口Rを点検中に、パートナーの♂が巣口Rに自生するマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングしていました。 
♂も巣口Rの匂いを嗅いで点検している間に、先行する♀がさっさと左へ立ち去ってしまいます。 


※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
セットをうろつきながらタヌキは何度もクゥーン♪と甲高く鳴いていますが、口を動かさないので、♀♂どちらの個体が発しているのか見分けられませんでした。 
繁殖期(交尾期)の過ぎた初夏にもタヌキが頻繁に鳴くとは知りませんでした。 
この鳴き声には一体どういう意味があるのでしょう? 

6月上旬という時期は、ホンドタヌキが出産するにはやや遅いらしいのですが、このペアは出産する巣穴を探しているのですかね? 
それとも、今季産まれた幼獣を連れて引っ越してくる巣穴を物色しているのかもしれません。 
最近ではニホンアナグマもこの旧営巣地に出没するようになったので、小便で匂い付けして縄張りを宣言することを忘れません。

巣穴Lの奥には「いざりタヌキ」の餓死した死骸が転がっていると予想しているのですが、他のタヌキが出入りするようになったので、どうやら腐敗が収まったようです。 



2025/06/14

ニホンカモシカの溜め糞で糞虫が見つからず分解も遅いのはなぜか?【フィールドサイン】

 



2024年5月下旬

シーン1:5月下旬・午後14:10頃・晴れ(@0:00〜)
里山でスギと雑木の混交林に残されたニホンカモシカCapricornis crispusが残した溜め糞場sr2の定点観察にやって来ました。
ここにはカモシカが最近もよく排便に通っていることが、トレイルカメラによる監視で分かっています。

この溜め糞場sr2でハネカクシの仲間を見かけたのですが、撮り損ねてしまいました。
新鮮な糞粒は、まだ黒っぽく艶があります。
小枝を拾って溜め糞をほじくり返してみても、糞便臭は全く感じず、糞虫は1匹も見つかりません。
糞虫屋さんにしてみれば、こんな雑な探し方では駄目なのかもしれません。
ふるいにかけるなどして、もっと徹底的に探すべきですかね?
ここに生えていたキノコ(クズヒトヨタケ)は「一夜茸」の名前の通り、消失していました
ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀がうろついているだけでした。
古い糞粒の表面が点々と茶色い粉を吹いたようになっているのは、カビが生えてきたのでしょうか。



シーン2:5月下旬・午後13:00頃・晴れ(@1:39〜)
その前の週に、同じ里山で渓谷沿いのスギ植林地にニホンカモシカCapricornis crispus)が残した溜め糞場sr1の定点観察にやって来ました。
スギの林床に下草が伸びてきました。 
新鮮な糞粒はなくて、古い糞だけでした。
最近はカモシカが排便しに来ていないようです。

拾った小枝で古い糞粒をほじくり返しても、糞虫は全く来ていませんでした。 
糞便臭を全く感じません。 
糞粒の表面に粉を吹いているのは、カビが生えているのですかね?
キノコの子実体も生えていません。

関連記事(同時期に別の溜め糞場sr2で撮影)▶ ニホンカモシカの溜め糞場から生えてきたクズヒトヨタケ?【キノコ】




つづく→ 


【考察】 
私が定点観察しているカモシカの糞粒は、古くなっても形が崩れず、原型を留めたままです。 
カモシカの溜め糞にはキノコもあまり生えず糞虫にも人気がないのは、私のフィールドだけですか?
ある地域である生物を探しても見つからない、 というネガティブデータは、論文や報告書にもなりにくいですし、YouTuberも動画にしたがりません。
(日本各地にあるカモシカの溜め糞場でも同じだとすれば、話が変わってきます。)

糞虫に関する本を何冊か読んだことがあるのですけど、
どんな動物にもその糞を分解する糞虫がいるという話でした。
そのバランスが崩れると、例えば「有袋類しか生息していなかったオーストラリアで家畜を導入して外来種を放牧した結果、その糞が分解されずに地上に残り続けて大問題(糞害)を生じたものの、糞虫を海外から導入(放虫)したら解決した」という逸話が有名です。
その定説からすれば、カモシカの溜め糞がいつまで経っても分解されず、糞虫も来ていないのは異常事態だと感じてしまいます。
不思議なことに、同じ里山に生息する(同所性の)タヌキやアナグマ、ニホンザル、ツキノワグマなどの糞には糞虫が来ています。
したがって、当地ではカモシカの糞粒にだけ糞虫が寄り付かないと結論づけるしかありません。
それとも定説に問題(間違い)があるのでしょうか?
自分で調べたカモシカ溜め糞のサンプル数がまだ少ないので、一般論として語れる傾向なのかどうかもまだ分かりません。

私は他の地域のフィールドについては知らないので、私のフィールドだけが不健全な生態系なのかと心配でした。
ニホンカモシカはマタギ(猟師)による狩猟圧や開発のため、一時期は絶滅に瀕していましたが、天然記念物に指定されて保護された結果、個体数が回復しました。
そのような過酷なボトルネックを経た結果、カモシカの糞を好んで利用するスペシャリストの糞虫が当地では知らぬ間に絶滅してしまったのかもしれません。
 
以上のような仮説をいくつか立ててChatGPTとブレインストーミングを行い、その結果をレポートにまとめてもらいました。
一部の細かい文言だけ推敲してあります。
結論部分は完全にChatGPTが生成した作文なのですが、あまりにも大言壮語で笑ってしまいます。

 


ニホンカモシカの溜め糞場における糞虫不在現象に関する考察

1. 背景と発端

筆者が調査を行っている山形県の低山・里山域において、ニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場では、排泄された糞粒が長期間分解されずに残存している現象が確認された。この糞は形状が崩れることなく保持され、キノコ類等の菌類も発生しにくい。加えて、フン虫(糞虫)類の活動痕跡が見られず、掘り起こし・埋設・球状運搬などの典型的なフン虫行動が全く確認されていない。

この状況は「野生哺乳類の排泄物には必ずそれを分解利用するフン虫類が存在する」という従来の昆虫生態学的通説と矛盾する可能性がある。筆者はこの疑問を基点に、以下のような仮説と解釈を考察した。

2. 既知情報と比較

2-1. 家畜ヤギ・野生シカの糞とフン虫

  • ヤギの団粒糞(ペレット型)は水分量が少なく、液状糞を好む大型コガネムシ(タマオシコガネ類やオオセンチコガネ)の誘引力が低いことが知られている。

  • 奈良公園のシカ糞ではセンチコガネ類が活動するが、同じペレット型でも密度・利用頻度の高さが寄与していると推定される。

  • カモシカは糞場への再訪頻度・個体密度ともにシカより低く、誘引力・検出確率がさらに下がる可能性。

2-2. ノウサギの糞

  • ノウサギ糞もペレット型で、乾燥後は容易に崩壊・土壌化するため、糞虫による積極的な利用は報告例が少ない。

2-3. 捕食性動物(テン、キツネ等)の糞

  • 肉食獣の糞は乾燥しやすく、植物食獣糞ほど糞虫の利用例は少ないが、特定の腐食性昆虫(ハエ類、シデムシ類)が利用する場合あり。

3. 仮説

仮説1:「カモシカ糞には防虫・抗菌成分が含まれる」

  • カモシカの食餌植物由来の二次代謝物(苦味成分、精油成分など)が糞中に残り、フン虫を忌避させている可能性。

仮説2:「フン虫不在型糞リサイクル系の存在」

  • 山地林内ではフン虫ギルド自体が貧弱であり、主に微生物・土壌動物(ダニ、トビムシ等)や物理風化で分解が進む「フン虫不在型系」が成立している可能性。

仮説3:「ボトルネック効果によるスペシャリスト絶滅」

  • 過去の狩猟圧でカモシカ個体群が激減した際、カモシカの糞に依存していたスペシャリストのフン虫類が絶滅した可能性。

仮説4:「カモシカ糞の低い誘引力と周辺フン虫相の組成」

  • 林内フン虫の種数・密度自体が低いため、偶発的にカモシカ糞に到達する個体が稀である可能性。しかし、同所性のタヌキやアナグマの溜め糞、ニホンザルやツキノワグマなどの糞には糞虫が来ていることが説明できない。

4. 思考実験とその考察

  • 奈良公園のルリセンチコガネ(Geotrupes属)のようなペレット糞適応型フン虫を山形県の低山地に人為的に放虫した場合、カモシカ糞の分解促進が期待できるか?→理論的には可能だが、国内外来種問題や気候・繁殖条件の違いにより定着は難しいと考えられる。

  • ノウサギ、カモシカ、ヤギなどペレット糞排泄動物の糞リサイクルは、フン虫が関与しない独自路線を取っている可能性。

5. 今後の調査方針

  1. カモシカ糞粒の化学成分分析(抗菌・防虫物質の検出)

  2. 冬期雪解け後・春先の糞粒の分解状況調査

  3. 林内フン虫相の再評価(マグソコガネ類等の存在確認)

  4. 飼育下カモシカ糞への野外フン虫誘引実験(無菌下設置)

  5. 他地域(中部、関西、九州)のカモシカ溜め糞場との比較調査

6. 結論

ニホンカモシカの溜め糞場におけるフン虫不在現象は、全国的・生態系的に普遍的な現象である可能性が高まった。ただし、化学的忌避・生息地的隔離・進化史的喪失など複数要因が複雑に絡む未解明分野であり、基礎生態学的価値は高い。

「日本山地林内におけるフン虫不在型糞リサイクル系の存在」という仮説は、今後の生態系モデルに新たな視座を提供する可能性がある。

2025/06/13

ツキノワグマの糞塊内に潜むセンチコガネ

 

2024年5月下旬・午前11:10頃・くもり 

山麓の小径を歩いていたら、かなり大きな糞塊を見つけました。 
ニホンザルの糞と迷ったのですが、ツキノワグマUrsus thibetanus)の落とし物でしょう。
道の中央で枯れた落ち葉(広葉樹)の上に残されていました。 
糞塊の表面は真っ黒で、半乾きの状態です。 


15cm定規を並べてみる。




小枝を拾って糞塊をほじくってみると、内部はまだ瑞々しい状態でした。
未消化物は緑色の植物繊維の塊でした。 
植物の若葉を大量に食べたことが分かります。 
この時期のツキノワグマはベジタリアン(植食性)です。 
糞塊をほじくってみても、糞便臭を全く感じませんでした。 
(同じ雑食性でもヒトの大便の方がはるかに臭いです。) 

クマの糞の中にセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が1匹だけ隠れていました。 
この路面は落ち葉の下が硬いコンクリートですから、糞虫たちはいくら頑張っても獣糞を地中に埋めることが出来ません。 
したがって、このセンチコガネはクマの糞を食べていただけでしょう。 
ほじくり出したセンチコガネは、擬死したまま動きません。 
ひっくり返すと、腹面も鈍い金属光沢(構造色)でしたが、オオセンチコガネほど綺麗な玉虫色ではありませんでした。 






クマの糞を見つける度に中をほじくって食性調査(糞内容物調査)の真似事をしてみるのですが、糞虫を見つけたのは今回が初めてで、嬉しい発見でした。 
糞の鮮度がちょうど良かったのでしょう。 
クマの専門家は糞を持ち帰って水洗いしながら網で濾し、小型の糞虫や未消化の種子などを丹念に探すのだそうです。 

関連記事(1、5、6年前の撮影)▶  


山中ならともかく、通い慣れた山麓の小径までクマが降りてきた証拠が残されていたのは衝撃です。 
「熊出没注意!」
熊よけスプレーと熊よけ鈴を携帯していることを改めて確認し、気を引き締めて先に進みます。 


【アフィリエイト】 

2025/06/07

溜め糞場に来て大小便と眼下腺マーキングするニホンカモシカの♀と幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬

シーン0:5/21・午後12:49・晴れ・気温22℃(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を見張っています。 
基本的に画面の左から右へ向かって上り坂の斜面なのですが、溜め糞場sr2の付近はやや平坦な地形になっています。 
画面の左右および前後を通る獣道の交差点になっています。


シーン1:5/23・午後23:42・気温17℃(@0:04〜) 
獣道を左から来たカモシカが立ち止まって腰を深く落とし、長々と排尿を始めました。 
排尿姿勢から性別が♀と判明しました。 
♀の排尿姿勢をしっかり真横から撮れたのは、初めてかもしれません。 
(例外もあるらしいのですが、通常♂の排尿姿勢は、♀よりも浅く屈みます。) 
手前に生えた数本の細い灌木が邪魔で、尿道から出ている小便は残念ながら見えません。 
音量を上げても、小便の音は聞こえませんでした。 

カモシカ♀は右に数歩移動すると、方向転換してカメラに尻を向け、今度は排便を開始。 
排便姿勢は排尿姿勢ほど腰を深く落としませんでした。 
肛門から糞粒を連続して排泄しています。 
下痢便ではないのですが、水分も一緒に排泄しています。 

手前に生えた雑草(稚樹?)が邪魔で、下草を刈りたくなります。 
録画時間を2分に延長してもまだ短かく、途中で打ち切られてしまいました。 


シーン2:5/23・午後23:44(@1:04〜) 
監視カメラが次に起動したときには、溜め糞場sr2の奥に自生するエゾユズリハの群落で枝葉に顔を擦り付けていました。 
眼下腺の分泌液で匂い付けして縄張りを宣言しているのです。 
手前に張られたクモの糸が光って目障りですね。 

様々な行動レパートリーを一気に見せてくれたニホンカモシカ♀は、緩斜面を登りながら右へゆっくり歩き去りました。 


シーン3:5/27・午前1:41・気温14℃(@2:36〜) 
4日後の深夜に監視カメラが起動しました。 
直前のシーンと見比べると分かるのですが、画面中央の林床に黒々とした新しい溜め糞が増えていました。
どうやら、昼間にカモシカが排便に来たようです。 
残念ながら撮り損ねてしまいました。 
この時期は昼間に風が強く吹くために、トレイルカメラの誤作動が頻発します。 
無駄撮りを減らすために、夜間のみの監視にタイマー設定していたのが仇となりました。 

画面の下(手前)から獣道を通ってカモシカが登場しました。 
角が未発達なことから、幼獣のようです。 
立ち止まって林床に残された新鮮な溜め糞の匂いを嗅ぎました。 
そのままカメラに尻を向けたまま、排泄を開始。 
初めは肛門から水分を排出し、続いて糞粒を排泄しました。 

カモシカ幼獣は、そのまま奥へと立ち去りました。 
小便してくれないと、私には性別を見分けられません。 

シーン3では、真夜中なのにホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)が鳴いていました。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ホトトギス♂が繁殖期の山林で囀りさえずりを昼も夜も鳴き続けるのは、別に珍しいことではないのだそうです。 
縄張りを宣言し、ホトトギス♀にアピールしているのです。


【考察】
今回の動画で別々に登場したカモシカ♀と幼獣はおそらく親子でしょう。
母子で同じ溜め糞場sr2を共有しているという証拠映像が撮れました。


2025/06/04

タヌキの新鮮な溜め糞から吸汁して飛び去る夜蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/26・午前7:52・晴れ(@0:04〜) 
朝から白毛のタヌキが溜め糞場ltrに来ていて、左向きで脱糞していました。 
便秘気味なのか、硬目の立派な固形糞を排泄しました。 
後半は健康そうな糞に変わりました。 

白毛タヌキ♀は振り返って自分の糞の匂いを嗅いでから、身震いし、そのまま画面の右下へ立ち去りました。 
おそらくスギ林に入って行ったようです。 


シーン2:5/27・午前8:01・くもり(@0:51〜) 
翌朝には珍しく♀♂ペアで登場しました。 
まず先行個体の♂が左奥を向いて脱糞中でした。 
後ろ姿の肛門がよく見え、大便の健康状態は良好そうです。 
尻尾が細く見えるのは、夏毛に換毛中だからでしょうか。 

やがて右から後続個体の白毛♀がやって来て合流しました。 
このペアは体格差があり、大柄な白毛の個体が♀だと推測しています。 
後続の白毛♀は溜め糞場ltrの匂いを嗅いでから、奥を向いて排便開始。 
やや軟便でした。 
林道の右を向いて気にしています。 

その間に先行個体♂が右下へ立ち去りました。 


シーン3:5/27・午後19:19・(@1:51〜) 
その日の晩に、タヌキが右向きで脱糞していました。 
消化の悪い物や腐りかけの物でも食べたのか、液状の下痢便を排泄しています。 
振り返って自分の糞の匂いを嗅ぐと、林道脇のミズナラ灌木の下に佇んで林道の左を凝視しています。 


シーン4:5/27・午後19:21・(@2:51〜)
これが今回一押しの興味深い動画です。 
排便直後の新鮮なタヌキの溜め糞に小さな昆虫が動いていました。 
やがて左にヒラヒラと飛び去ったのは、夜行性の蛾(種名不詳)でした。 
翅の鱗粉や複眼が暗視カメラの赤外線を反射していたようです。 
糞便臭に誘引された夜蛾が口吻を伸ばして下痢便からナトリウムやアンモニアなどのミネラル成分を摂取していたのでしょう。 

夜蛾がタヌキの溜め糞場ltrから飛び去るシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:12〜)。 


シーン5:5/31・午後19:48(@3:33〜) 
4日後の晩にタヌキが左向きで脱糞中でした。 
排便中にキューン♪と甲高く寂しげに鳴きました。(@3:44〜) 
黒い糞の健康状態は良好なので、便秘による苦悶の声とは思えません。 
パートナーを呼ぶ鳴き声なのでしょうか。 
我々はどうしてもタヌキの鳴き声を「寂しげ」などと勝手に感情移入したり擬人化してしまいがちです。 
用を足したタヌキは、林道を右へ立ち去りながら、もう一度クゥーン♪と鳴きました。 


シーン6:6/2・午後16:02(@4:00〜) 
2日後の雨が激しく降る午後に、白毛のタヌキ♀が左向きで脱糞していました。 
白い毛皮が雨で濡れています。 
糞の健康状態は良好そうです。 
振り返って自分の新鮮な糞の匂いを嗅ぐと、手前のスギ林へと立ち去りました。


つづく→

山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】



2024年5月下旬・午後18:35頃・日の入り時刻は午後18:55。

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。
浅い泥水の水溜りには、アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生と思われる黒いオタマジャクシの群れが泳いでいます。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。
翌年の春には、同じ水溜りではありませんが、そこから連続した湿地帯を流れる雪解け水の沢でアズマヒキガエルの配偶行動を観察しています。(映像公開予定)


シーン1:5/25・午後18:33(@0:18〜)
日没前でまだなんとか明るい時間帯に、クロツグミTurdus cardis)の♀♂ペアが互いに離れて水溜りの水を飲んでいました。

手前の茶色い♀個体が何か黒っぽい獲物を捕らえました!
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかな?
獲物をその場では食べず、嘴に咥えたまま次の獲物を探しています。
したがって、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。
左へ飛び去りました。

一方、奥に居た黒い♂個体は、水を飲み終えると、更に奥の湿地に移動して餌を探し歩いています。


シーン2:5/25・午後18:36(@1:20〜)
2分後にクロツグミ♀が単独で水場に戻って来ていました。
水溜りの岸の泥濘を繰り返しつついているのですけど、手前に生えたシダの葉が邪魔でよく見えません。
やがて嘴に何か黒っぽい獲物を咥えていました。
オタマジャクシなのかミミズなのか、獲物の正体がよく分かりません。
クロツグミ♀は、その場で脱糞した直後に黒い獲物を咥えたまま左上へと飛び立ちました。

クロツグミ♀による狩りのシーンを1.5倍に拡大した上で自動色調補正を施してリプレイ。(@1:54〜)
画質が粗いのは薄暗いせいなので、仕方がありません。



【考察】
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑を紐解いてクロツグミについて調べると、
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)
確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
夜行性のフクロウとは同じ水場というニッチを時間的に分割・共有しています。


今回クロツグミ♀が山中の水溜りで狩った獲物がもしもミミズではなく、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)だとすると、重大な観察事例となります。
ヒキガエルのオタマジャクシには、ブフォトキシンという強力な心臓毒(強心配糖体)が含まれているからです。
親鳥が自分では食べずに雛鳥に給餌したので、雛は中毒死した可能性が高いです。
ヒキガエルの成体なら耳腺という特定の部位に毒腺が局在していますが、幼生の時期には皮膚全体に分布しているのだそうです。
親鳥がオタマジャクシのぬるぬるした皮膚をわざわざ全て剥いでから肉だけを雛に給餌したとは考えにくいです。
少量の餌なら致死量ではないかもしれませんが、体重の軽い雛鳥は毒への感受性が高いはずです。
クロツグミの雛鳥がヒキガエルのオタマジャクシを1匹摂取した場合、含有毒素量が致死量に達するかどうかは、雛の体重や種によって異なります。
致死に至らない場合でも、消化器症状(嘔吐、下痢)や神経症状(痙攣、運動失調)などが現れる可能性があります 。
ヒキガエルを獲物として常食している捕食者なら、ブフォトキシンへの耐性を獲得するように進化した可能性があります。

ヒキガエルの毒は苦味を伴うらしいのですが、そのような苦味による警告があるにも関わらず、オタマジャクシを捕食したということは、親鳥は過去にオタマジャクシの毒性を学習していない(ヒキガエルやオタマジャクシを味見した上で、その毒で痛い目に遭っていない)ことになります。


クロツグミの親鳥♀は数匹のオタマジャクシを水場で狩ってから、獲物をまとめて巣に持ち帰り、雛に給餌したようです。
このとき、最も激しく餌乞いした1匹の雛に全ての餌を与えるのか、それとも複数の雛に少しずつ餌を与えるのか、2つのシナリオが考えられます。 
後者なら、雛1羽当たりの毒の影響は少ないかもしれませんが、致死量を超えていれば巣内の雛が全滅した可能性もあります。

前回の記事で紹介したように、この時期(育雛期)クロツグミの親鳥は、水場付近でオタマジャクシの他にミミズも獲物として捕らえることがあり、巣に持ち帰っていました。
湿地帯の泥濘でミミズを探していた親鳥が、動きの似ている(身をくねらせて移動する)オタマジャクシを浅い水溜りで見つけて狩るようになったのでしょう。
ミミズには毒がないため、雛に対して毒性の希釈効果が期待できます。

もしも巣内の雛が死んだり体調を崩した場合、親鳥はオタマジャクシの毒のせいだと因果関係を正しく推論して、その後の給餌行動(獲物の選択)を変えることが果たしてできるでしょうか? 
自分で食べたのなら自身の体調の悪化と結びつけて学習することは容易ですけど、雛に給餌する場合は学習の成立は難しそうです。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、派手な警告色を持たないため、視覚的に毒性を予測しにくくなっています。
これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応なのでしょう。
親鳥はたとえ因果関係を頭脳で正しく推論・学習できなくても、ヒキガエルのオタマジャクシを忌避するような行動がたまたま進化するかもしれません。
つまり、ヒキガエルの有毒なオタマジャクシを雛に給餌するような愚かな親鳥は繁殖に失敗し、子孫を残せません。
雛が毒によって自然淘汰される結果として、クロツグミの多くはヒキガエルのオタマジャクシを何らかの理由で忌避するように進化するはずです。






ChatGPTとの問答から、以上の考察を分かりやすいレポートにまとめてもらいました。

クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート

1. 観察の概要

2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:

  • クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子

  • ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている

特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。

2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食

ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。

ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。

3. クロツグミの給餌行動と雛への影響

今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:

  • ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害

  • 雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある

  • ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある

  • トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明

4. 因果関係の認知と学習可能性

親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。

とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。

5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味

アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。

6. 結論と今後の展望

今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。


素人があれこれと妄想してきましたが、実はその後、クロツグミ♀♂つがいの雛は、幼鳥として無事に巣立ったようです。(映像公開予定)
つまり親から毒餌を与えられても、雛の巣立ち数に影響はありませんでした。
たまたま急性毒性が少ないオタマジャクシだったのか、あるいはクロツグミの雛にブフォトキシンへの耐性があったのかもしれません。


【追記】
別の水場(池)でアカショウビンがアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を繰り返し捕食していたのを思い出しました。
一部の鳥はブフォトキシンに耐性があるのか、あるいは当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのかもしれません。




2025/05/28

事故物件の空き巣を内見するようになったホンドタヌキ♀♂:5月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月中旬〜下旬 

シーン0:5/16(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林で、死んだアナグマの営巣地(セット)に夜な夜な通ってくるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の様子を2台の自動撮影カメラで撮った記録をまとめました。 
 単独または♀♂ペアで登場し、2つの巣口L、Rを覗き込んで中を点検したり、尿で匂い付け(マーキング)したりする様子が写っています。 

巣穴Lの奥には餓死した「いざりタヌキ」の腐乱死骸が転がっていると推測しています。 
その死臭を嫌って、中に誰も入りたがらない時期がしばらく続きました。 
この時期に特筆すべき事件として、セットを夜な夜な巡回するタヌキの♀♂ペアがようやく巣穴Lに潜り込んで短時間ながらも内見するようになりました。 
おそらく、死骸の生物分解がようやく完了して、不快な死臭が収まったのでしょう。

また、タヌキ♂がセットから去り際に排尿マーキングして縄張り宣言しています。 


シーン1:5/17(@0:07〜) 
去り際にタヌキ♂が細いマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングして行きました。 


シーン2:5/21(@0:51〜) 
タヌキが巣穴Lに入りかけたものの、慌てて後ろ向きで出てくると走って逃げていきました。 
肝試しに来て、中でお化けでも見たのでしょうか。 


シーン3:5/25(@1:55〜) 
タヌキが巣口Lを覗き込んで、ゆっくり中に忍び込みました。 
後ろ向きのまま外に出てくる尻尾が見えたものの、尻切れトンボで監視映像が終わっています。 


シーン4:5/27(@3:02〜) 
ペアで来たタヌキ♀♂が続けて一緒に巣穴Lに入り、中の様子を調べています。 
中の巣穴Lは、2頭のタヌキ成獣が同時に入れるぐらいの広さがあることが分かります。 
巣穴LとRは内部でつながってはいないようです。


シーン5:5/29・午前後・気温(@5:47〜) 
巣口Rに頭を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
次にもう一つの巣穴Lを内見し、去り際にマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングしました。 
片方の後足を上げて小便したので♂と判明。 


【考察】
巣穴L内部の様子はまったく分かりませんが、生物分解が一段落した仲間の死骸を弔い(埋葬?)に訪れているのか、それとも死骸の骨や皮を少しずつ食べに来ている可能性もあり得ます。 
この曰く付き事故物件にタヌキの♀♂ペアが引っ越してくるつもりなのでしょうか? 


2025/05/25

ニホンカモシカの溜め糞場から生えてきたクズヒトヨタケ?【キノコ】

2024年5月下旬・午前 

里山にあるスギと雑木の混交林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで定点観察しています。 
カメラの保守管理のため久しぶりに現場入りしました。 
 「溜め糞場」と言っても実際には、林床に糞粒の塊が何箇所にも分散しています。
溜め糞場の全景を撮った写真です。 
最後の写真は、アカマツの幹に固定したトレイルカメラと同じアングルから撮ったものです。
 

最も新鮮で瑞々しい糞粒は、表面が深緑色です。 
カモシカが食べた植物の葉緑素が含まれているのでしょう。 
カモシカが4日前に排便したものと思われます。 


 

真っ黒な糞粒はもう少し古いようで、さらに古くなると艶がなくなり茶色になります。

少し古い糞塊から、白いキノコがヒョロヒョロと育っていました。
写真に撮って画像検索(Googleレンズ)してみると、どうやらヒトヨタケ科のクズヒトヨタケである可能性が高いようです。

クズヒトヨタケはいわゆる「アンモニア菌」(ammonia fungi)の一種であり、動物の糞や窒素分の豊富な環境で発生する典型的な糞生菌(coprophilous fungi)です。
動物糞の分解初期に現れるらしいのですが、クズヒトヨタケの子実体は一晩で溶けてしまうほど短命で、観察機会が限られるため見逃されやすいのです。

また別の古い糞塊では、表面に粉を吹いていました。 
カビや菌類が生えかけているのでしょうか? 

カモシカの溜め糞に注目して、そこからキノコやカビが生えて分解される様子を接写のタイムラプス動画で記録してみたいものです。
しかし、設置したカメラにカモシカの糞尿が直撃する可能性があるので躊躇しています。
それともカモシカはカメラという人工物の出現に警戒して、溜め糞場に近寄らなくなってしまうかな?


不思議なことに、私はカモシカの溜め糞場で糞虫を1匹も見つけたことがありません。
この点がタヌキやアナグマの溜め糞場と異なります。
カモシカの古い溜め糞が林床でいつまで経っても分解されずに残っているのです。
その理由についてあれこれ妄想しています。 
私のフィールドでは生態系のバランスが何か崩れているような気がしています。

カモシカの糞はほぼ無臭で、いわゆる糞便臭がありません。
糞虫にとってあまり魅力がないのでしょうか?


与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』という本を読んでいたら、興味深い記述を見つけました。
 東北地方では、明治時代にサルが乱獲されて個体数が激減した。最近こそ回復傾向にあるが、多くの地域では、猿がいない森林が100年近く続いたことになる。(中略)猿が不在の森や最近サルが新たに進出した森では、糞虫の種多様性が著しく低いことがわかった。 (p157より引用)
東北地方のサルの分布が限られている(中略)大きな理由は、明治期に肉や薬にする目的で盛んに行われた狩猟による、地域的な絶滅だ。(p181より引用)


当地ではニホンザルが昔も今も里山に生息していますが、ニホンカモシカが狩猟圧によって一時期は絶滅に瀕していたのではないか?と想像しています。

特別天然記念物に指定されて保護されたのが奏効し、現在ではカモシカの数が増えて、里山(低山)でもありふれた哺乳類になりました。

その結果、カモシカの糞を好んで分解していたスペシャリストの糞虫類が絶滅してしまい、カモシカの生息数が回復しても糞虫類は戻ってきてないのかもしれません。(個人的な妄想・仮説です)


このような個人的な妄想をPerplexity AIとブレインストーミングした問答集をレポートにまとめてもらいました。

レポート:カモシカの糞と糞虫分解系に関するブレインストーミング


1. はじめに

本レポートは、山形県多雪地帯の里山フィールドにおけるカモシカの溜め糞と糞虫の関係について、現地観察と素朴な疑問を出発点とし、ブレインストーミングを通じて得られた知見と仮説をまとめたものである。


2. 現地観察の概要

  • カモシカの溜め糞が林床に長期間残り、分解が非常に遅い。

  • タヌキやアナグマの溜め糞場にはセンチコガネなどの糞虫が集まり、分解が進んでいる。

  • カモシカの糞にはカビやキノコなどの分解者もほとんど見られない。

  • カモシカの糞粒はほぼ無臭で、タヌキの糞に比べて糞便臭が弱い。


3. 主な仮説と考察

3.1 糞虫の不在・機能的絶滅仮説

  • 過去の狩猟圧などでカモシカが一時的に絶滅し、それに依存していた糞虫も局所絶滅した可能性。

  • カモシカの個体数が回復しても、糞虫は分散能力や気候適応性の制約により戻っていない可能性。

3.2 餌資源としての魅力の低さ

  • カモシカの糞は乾燥しやすく、臭気成分が乏しいため、センチコガネなどの糞虫にとって魅力が低い。

  • タヌキやアナグマの糞は水分や動物性成分が多く、糞虫を強く誘引する。

3.3 栄養バランス・分解者忌避仮説

  • カモシカの糞は繊維質が多く、発酵や微生物の多様性が乏しいため、幼虫の発育に適さない可能性。

  • カモシカが抗菌・忌避成分を含む植物を好んで食べている場合、糞中にこれらの成分が残り、糞虫やカビ、キノコの分解を阻害している可能性。

3.4 餌資源の希少性と糞虫の生態

  • カモシカの個体数密度が低く、糞の供給量も少ないため、糞虫にとっては「当てにならない」希少な資源であり、専門的に利用する種が成立しにくい。

3.5 糞虫導入による分解サイクル復活の可能性

  • オーストラリアの糞虫導入事例を参考に、他地域からカモシカ糞分解糞虫を移植すれば分解サイクルが復活する可能性はあるが、気候適応や生態系リスクの検討が必須。

  • 多雪地帯では、暖地性糞虫の越冬能力が不足し、定着が困難。

3.6 「もともと分解糞虫がいなかった」可能性の検証

  • 歴史的文献・標本記録、広域比較調査、気候・環境要因の検討を通じて、当地にカモシカ糞分解糞虫が「もともといなかった」可能性も調べる必要がある。


4. 今後の調査・検証の方向性

  • 過去の文献・標本調査や、他地域との比較による検証。

  • カモシカ糞の化学分析や分解実験による忌避・抗菌成分の有無の確認。

  • 糞虫導入のシミュレーションや、現地での分解サイクルの実験的再構築。


5. まとめ

本ブレインストーミングを通じて、カモシカの糞分解サイクルが途絶している現象には、動物の個体数動態、糞の性質、分解者の生態、地域環境の多様な要因が複雑に絡み合っていることが浮かび上がった。
今後は、フィールド観察と広域的・歴史的な視点を組み合わせ、糞虫と分解者ネットワークの成り立ちと変遷を明らかにしていくことが重要である。


見落としがちな視点・新しい仮説

あなたの観察と仮説は非常に多角的ですが、さらに検討できる新しい視点や仮説をいくつか挙げます。


1. カモシカの糞の社会的機能と分解抑制仮説

最新の研究では、カモシカの溜め糞がなわばり宣言ではなく、「メスがオスへ発情をアピールするため」に使われている可能性が指摘されています9
この場合、糞が長期間残ること自体がカモシカの社会的コミュニケーションにとって有利であり、分解されにくい性質(抗菌成分、乾燥しやすさ、無臭化など)が進化的に選択された可能性もあります。
つまり、「分解されにくい糞」は、カモシカ自身の生態的戦略の一部かもしれません。


2. シカとの種間関係・競争の影響

近年、シカ(ニホンジカ)の分布拡大が東北地方でも進んでおり、カモシカとの生息地競争やストレス増加が報告されています1013
シカの糞虫群集がカモシカの糞虫群集に影響している可能性や、シカの増加によってカモシカの糞虫が駆逐・交替した可能性も考えられます。
また、シカの糞が大量に供給されることで、糞虫がシカ糞に依存するようになり、カモシカ糞は相対的に利用されなくなった可能性もあります。


3. 糞の識別・誤認による調査バイアス

カモシカとシカの糞は外見が非常に似ており、DNA識別法が開発されるまで正確な区別が難しかったことが指摘されています12131415
過去の糞虫観察記録や分解状況の報告が、実はシカ糞とカモシカ糞を混同していた可能性もあり、糞虫が本当にカモシカ糞を利用していたかどうか再検証が必要です。


4. 微生物・土壌環境の特殊性

糞虫やカビ・キノコが付かないのは、糞そのものだけでなく、**フィールドの土壌微生物群集や環境条件(pH、含水率、他の有機物供給状況など)**が影響している可能性もあります。
例えば、分解者の「種のプール」がそもそも貧弱である場合、どんな糞でも分解が遅れることがあります。


5. 季節性・積雪の影響

多雪地帯では、糞虫や分解者の活動期間が短く、糞が分解される前に積雪で覆われてしまうことで、分解サイクルがリセットされている可能性も考えられます。
春先に糞虫が活動を始める頃には、糞がすでに乾燥・風化していて利用しにくくなっているかもしれません。


6. カモシカ糞の化学的多様性

カモシカの餌植物は季節や地域で大きく異なります。特定の時期や場所だけ分解者忌避成分が強くなる場合もあり、糞の分解難易度が一様でない可能性もあります。


まとめ

  • カモシカの糞が「分解されにくい」こと自体が社会的・進化的な適応である可能性

  • シカとの種間競争や糞虫群集の変化

  • 糞の識別誤認による過去データの再検証

  • 土壌や微生物環境の特殊性

  • 多雪地帯特有の季節性・リセット効果

  • 糞の化学的多様性と分解難易度の変動

これらの視点は、今後のフィールド調査や実験計画の新たな切り口となるでしょう。

(参考文献リストは割愛。)


なんか一丁前の研究計画のようなものが出来てしまいました。
最近のAI凄くないですか? (私の好みは今のところPerplexity AIです。)



実は翌年(2025年5月上旬)に初めて1匹のオオセンチコガネをカモシカの古い溜め糞場で発見することになります(映像公開予定)。

私の仮説は修正を余儀なくされそうです。

しかし、カモシカの溜め糞に集まる糞虫の数が相変わらず非常に少ないことには変わりがありません。



【アフィリエイト】

きのこと動物 

ニホンカモシカの生活

うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か (ブルーバックス) 

2025/05/24

溜め糞場に来て糞粒を排泄するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月中旬 

シーン0:5/6・午後13:49・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
ニホンカモシカCapricornis crispus)が通う溜め糞場sr2を見張るために、自動センサーカメラを里山の雑木林(スギとの混交林)を抜ける獣道に設置しています。 


シーン1:5/17・午後19:26(@0:03〜) 
晩にカモシカが珍しく手前の獣道から来て、溜め糞場sr2の匂いを嗅いでいます。 
肛門がよく見える後ろ姿で立ったまま、排便を始めてくれました。 
糞粒をポロポロと大量に排泄しています。 
下痢便ではありませんが、同時に水分もかなり排出しています。
カモシカは大腸による水分の吸収が弱いのでしょうか。
脱糞中にときどき尻尾を上下に動かしています。 
手前の下草が邪魔で、地面に落ちた糞粒は見えません。 

1分半の録画時間では短くて、最後まで見届けれれませんでした。
(脱糞シーンを狙うなら、2分間に設定すべき。) 


シーン2:5/17・午後19:28(@1:33〜) 
次に監視カメラが起動したときには、排便後のカモシカが右へ立ち去るところでした。 
珍しくミズナラ立木の手前を通って暗闇の斜面を登って行きます。 
カモシカが通りすがりに足の蹄で灌木(樹種不明)の根元を踏んでしまい、枝葉が大きく揺れました。 

今回はカモシカの性別を見分けられませんでした。 



2025/05/23

山道の溜め糞場に通って排便するホンドタヌキの♀♂ペア(白毛ほか)5月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月中旬〜下旬 

シーン0:5/14・午後12:29・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場ltrを見張っています。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の奥が雑木林、カメラの背後(画面の手前)がスギ植林地になっています。 
画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は平坦な地形になっています。 


シーン1:5/15・午前0:24(@0:04〜) 
深夜に右から単独で来たタヌキが、溜め糞の匂いを慎重に嗅いでから左へ通り過ぎました。 
溜め糞場の横に立ち止まって少し腰を屈めたのは、♀の小便姿勢のようにも素人目には見えるのですが、どうですかね。 


シーン2:5/15・午後21:06(@0:33〜) 
同じ日の晩に、今度は手前のスギ林からタヌキが林道に現れたのでしょうか。 
溜め糞場ltrで奥を向いて(北向き)排便しました。 
その後は小走りで右へ向かいました。 


シーン3:5/17・午後20:21(@1:05〜) 
2日後の晩。 
監視カメラの起動が間に合わず、タヌキの先行個体を撮り損ねたようです。 
やがて後続個体が左からやって来ました。 
画面の手前を通って、溜め糞場ltrには近寄らず大きく迂回して、右に立ち去りました。 
一体何を恐れているのか、迂回した理由が不明です。 


シーン4:5/18・午前3:38(@1:24〜) 
翌日の未明に、右から単独で登場したタヌキが、左向きで(西向き)脱糞しています。 
黒々とした糞塊をこんもりと排泄した後、そのまま左へ立ち去りました。 


シーン5:5/18・午前4:02(@2:00〜) 
約25分後に、タヌキが林道を右から左へ、溜め糞場を素通りしました。 


シーン6:5/20・午前0:26(@2:07〜) 
2日後の深夜に、タヌキが溜め糞場ltrの匂いを嗅いでいました。 
林道を横断して、右下へ(スギ林内へ)向かいました。 


シーン7:5/20・午後18:43(@2:16〜)日の入り時刻は午後18:50。 
日没直前に登場したタヌキが、画面の右端で立ち止まり、痒い体を右後脚でボリボリ掻いていました。 
尻尾と尻しか写っていませんが、以前も登場した白毛の個体のようです。
そのまま右へ立ち去りました。 


シーン8:5/21・午後18:45(@2:23〜)日の入り時刻は午後18:51。 
翌日も日没直前に現れました。 
まず♀♂ペアの先行個体aが溜め糞場ltrに来て、匂いを嗅いでいました。 
そのまま北向きで脱糞開始。 
軟便をボトボトと排泄しています。 

次に右からやや大型で白毛の個体bが現れました。 
生殖器で確認できないのですが、体格だけから判断すると、♂aと白毛♀bのペアのようです。 
白毛♀bタヌキは便意を催さず、排便中の♂aの手前を通って左へ通り過ぎました。 
♂aも用を足すと、パートナーの後を追いかけて左へ立ち去りました。 


シーン9:5/21・午後21:03(@2:58〜) 
同じ日の晩に、またタヌキがペアで通過したようです。
監視カメラの起動が間に合わず、先行個体を撮り損ねた模様。 

後続個体が左から登場し、溜め糞場ltrの横を通り過ぎかけたものの、振り返って匂いを嗅ぎました。 
見知らぬ個体の匂いだったのか、急に脱兎のごとく右へ走り去りました。 


シーン10:5/24・午前11:34(@3:16〜) 
3日後の明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


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