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2025/02/17

子猫を連れて路地裏を歩く親のイエネコ♀が尿スプレーで縄張りをマーキング

 

前回の記事:▶ 庭を探索する3匹の子ネコ 


2023年9月中旬・午後14:10頃・くもり 

民家の庭から逃げた子ネコを追いかけて横の路地裏に回り込むと、白黒模様のイエネコFelis silvestris catus)が歩き去るところでした。 
背側は真っ黒で、下半身は白色の毛並みでした。 
左右非対称の模様が個体識別に使えそうです。 
右後脚が腿まで白く、左側だけ、黒い耳の後ろに白点があります。 

やがて奥の道端で座り込んで待っていた成獣の別個体と合流しました。 
この個体も白黒の模様で、鼻先が黒いです。 子ネコ?に近寄りながら小声で鳴いて挨拶しているようですが、少し遠くて聞き取れません。 
この2頭が親子だとすれば、成獣の個体は母親でしょう。 
イエネコ♂は一般に我が子を認識できず、子ネコの世話をすることはありません。 
腹面に乳首がないかどうか目を凝らしてみても、私には分かりませんでした。 
この時期にはおそらく子ネコも離乳しているはずです。 
母親♀は路上に座って、右首の痒い部位を右後足で掻きました。 

立ち上がると、親子で道端の茂みが気になるようで、見上げたり匂いを嗅ぎ回ったりしています。 
親猫だけが尻尾を高々と上げて、道端に生えた雑草の茂みに対して何度も排尿マーキング(尿スプレー)をしたようです。 
縄張りに尿スプレーをするのは雄猫♂だけだと思い込んでいた私は、辻褄が合わなくなって意外に思いました。 
Perplexity AIに相談してみると、雌猫♀も発情したときなどに尿スプレーをすることがあるのだそうです。 
この時期に見かける子ネコは春から初夏にかけて生まれた可能性が高く、生後少なくとも3〜4ヶ月程度経過していると推測され、既に離乳を完了しているでしょう。 
離乳が済んだ母猫♀は再び発情し、この時期に縄張り内に尿スプレーを始めても不思議ではありません。 

小さい方の白黒ネコは子猫(当歳仔)だと思っていたのですが、私の勘違いかもしれません。 
数分前に見た白黒模様の子猫とは明らかに別個体で、しかも子猫より少し大人に見えます。 
今回の動画で私の解釈は根本的にどこか間違っているのではないかと、自信がありません。

街なかで暮らす野良猫を本格的に観察するのも面白そうですが、大人が本気でフィールドワークすると不審者として通報されそうです。 
小学生ならまだ許されそうなので、子供の自由研究向きのテーマかもしれません。


【アフィリエイト】

2025/02/14

早春にホンドタヌキ♀♂がパートナーの発情状態を調べ、ニホンアナグマの冬眠巣穴を何度も内見【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が一緒に登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:3/17・午前4:46・気温-3℃(@0:00〜) 
未明に右から来たタヌキが途中で通りすがりにアナグマの巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
やがて後続個体も右から登場し、巣口Lを跳び超えて左へ向かいました。 


シーン2:3/21・午後18:54・気温-2℃(@0:36〜) 
寒の戻りで少し雪が降ったようで、林床にうっすらと雪が積もっています。 
晩にタヌキがセットを左へ通り過ぎました。 
右下から登場した後続個体は、アナグマの巣口R、Lを順に覗き込み、点検して回ります。 


シーン3:3/24・午前4:52・霧(@1:25〜) 
3日後の夜霧が立ち込める未明に、2頭のタヌキが登場。 
1頭は奥の林内へ入り、もう1頭はアナグマの営巣地をうろついて巣口Rを点検。 


シーン4:3/24・午前4:54・霧(@2:25〜) 
手前の獣道を右往左往していた個体aがセットに戻ってきたら、いつの間にか巣穴Rに潜り込んでいた別個体bが外に出てきて出迎えました。 
アナグマが巣内Rで冬眠しているはずなので、「同じ穴のむじな」の状況になっていたことになります。 

タヌキbは巣口Rで身震い。 
タヌキのペアはばらばらに右へ立ち去りました。 


シーン5:3/24・午前5:24・気温0℃(@3:26〜) 
30分後、1頭のタヌキが右に立ち去り、しばらくするともう1頭が出巣Rしました。 
辺りを警戒しながら奥の灌木林へ向かいます。 

明け方に夜霧から雪に変わったようで、林床はっすらと雪化粧していました。 


シーン6:3/24・午前5:24・気温2℃(@4:00〜)日の出時刻は午前5:34。 
日の出前ですが、もう明るくなっていました。 
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが奥の二次林から手前のセットに来て、1頭が迷わず巣穴Rに潜り込みました。 
内見しただけで、しばらくすると外に出てきました(出巣R)。 
尻尾に黒班が無い個体です。 
セットをうろついている間に、もう1匹は二次林に残ったまま待っています。 


シーン7:3/24・午前5:33・気温3℃(@5:00〜) 
20秒後(日の出直前)に監視カメラが再び起動すると、1匹のタヌキは二次林で伏せたまま不動でした。 
もう1匹も奥の林内へ向かう途中で、林縁のミズキ灌木の根元に排尿マーキングしました。(@ 〜) 
このとき右後脚を持ち上げたので、♂と判明。 
♀だと思っていたパートナーは、なぜか♂について行かず、林内に座ったまま見送るだけでした。 


シーン8:3/24・午前6:48・気温0℃(@6:00〜) 
すっかり明るくなった早朝に、2頭のタヌキがアナグマの巣口R周辺をうろついていました。 
一方のタヌキがパートナーに寄り添って、尻(肛門?)の匂いを念入りに嗅ぎました。 (@6:05〜)
おそらく♂が♀の発情状態を確認しているのでしょう。 
♀は嫌がらずに尻尾を少し上げました。
♂が♀の尻の辺りを舐めて毛繕いしているようにも見えます。(対他毛繕い) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンアナグマが冬眠していた営巣地(セット)にホンドタヌキが♀♂ペアで現れる頻度がなぜか急に上がりました。
巣穴Rを何度か内見しているようです。 
もしかして、空き巣なのでしょうか?

タヌキ♀の発情状態を、付き添う♂がチェックしています。
(先にお伝えしておくと、今季各所に設置したトレイルカメラにホンドタヌキ♀♂の交尾シーンは写っていませんでした。)
タヌキ♀の出産に備えて、アナグマの巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか。 

監視カメラには写っていませんが、実はこの時、巣穴の主であるアナグマの身に極めて重大な事件(死亡・殺害?)が起きていた可能性があります。 
(あー、次の急展開を早く言いたい…。)


2025/02/12

ホンドギツネに乗っ取られた巣穴の入口にマーキングだけして立ち去るホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬 

シーン0:3/11・午後13:08・晴れ・気温27℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
残雪に覆われた休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
残雪が溶けて地面があちこちで露出するようになりました。 


シーン1:3/15・午後18:27・降雪・気温18℃(@0:04〜)日の入り時刻は午後17:49。 
小雪が風に舞う晩に、雪が溶けた枯野を♀♂ペアと思われる2頭が縦列で左から登場しました。 

巣口L、M、Rを左から順に訪れて、匂いを嗅いでいます。 
最近ホンドギツネが出入りしている巣口Rで1頭のタヌキ(♀?)が縄張り宣言の排尿マーキングをした(「タヌキ参上!」)ような気がするのですが、どうでしょう。(@0:30〜) 
遠くて赤外線があまり届かず、しっかり見えませんでした。
巣内に入ることはなく、タヌキの♀♂ペアはそのまま右上奥に立ち去りました。 


シーン2:3/19・午後13:16・晴れ・気温26℃(@0:45〜) 
昼間に晴れると、営巣地の残雪がどんどん消え去ります。 


シーン3:3/24・午前3:37・気温0℃(@0:49〜) 
未明に監視カメラが起動すると、濃霧が立ち込めている上に、寒の戻りで吹雪いていました。 

こんな悪天候でも巣口付近で獣の白く光る目が動きました。 
巣穴Rを乗っ取った疥癬キツネ「細尾」なのか、それともタヌキがうろついているのか、まったく見分けられません。 


シーン4:3/25・午前0:03・気温0℃(@1:06〜) 
翌日も深夜に監視カメラが起動すると、夜霧が立ち込めていました。 
白く光る眼が左にゆっくり動き、最後は手前に来ました。 
単独行動のタヌキかアナグマだと思うのですが、五里霧中で分かりません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

菊花に群がるキタテハ秋型が吸蜜しながら液状便を排泄

 

2023年11月中旬・午後13:55頃・晴れ 

民家の庭の花壇に咲いた黄色と白色の菊(園芸品種)にキタテハPolygonia c-aureum)秋型が訪花していました。 
多数のキタテハが菊花に群がって、壮観です。 
秋の日差しを浴びて半開きの翅を緩やかに開閉しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
翅を広げるのは、隣で吸蜜するハナアブ類に対する牽制(占有行動)の意味もありそうです。 

花壇の下で砂利の表面を舐めているキタテハ個体も居ました。 
おそらく♂が、性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 

カメラをゆっくり横にパンしながらキタテハの群れを次々に撮影していると、2頭のキタテハが吸蜜しながら腹端から濁った液体の滴をポトリと排泄しました。 
キタテハ秋型の脱糞シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:18〜) 
初めの個体は、黄土色の液体を1滴、腹端から排出しました。 
翅に破損がなくきれいな個体だったので、羽化直後の羽化液(蛹便)が体内に残っていた可能性があります。 

キタテハの蛹便の色は、一般的にオレンジ色、赤褐色、茶褐色のように表現されることが多いです。  もう少し具体的に言うと、赤みがかったオレンジ色や、濃いオレンジ色、赤茶色といった色合いで、個体差や蛹の状態によって多少色の濃淡に変化が見られることもあります。 (Gemini 2.0 AIより)

次の個体は、花蜜を吸いながら腹端を少し持ち上げ、白っぽい液体を2滴続けて排泄しました。 
直後に次の花へ飛んだので、飛び立つ前に軽量化したのかもしれません。 

関連記事(4、7年前の撮影)▶  


チョウ類では他に、ヤマトシジミ♀(Zizeeria maha)、ベニシジミLycaena phlaeas daimio)、キタキチョウEurema mandarina)が1頭ずつ訪花していました。 
(キタキチョウについては、映像公開予定) 

この菊の花壇で主な送粉者はハナアブ類です。 
オオハナアブ♀♂(Phytomia zonata)が最も多く、他にはナミハナアブ♀♂(Eristalis tenax)、シマハナアブ♀♂(Eristalis cerealis)、ツマグロキンバエStomorhina obsoleta)などが訪花していました。 

晩秋だから仕方がないのかもしれませんが、ミツバチなどのハナバチ類が全く来てないのが心配です。(生物多様性の低下、送粉者の深刻な減少)

 

2025/02/07

ニホンアナグマが冬眠する巣口で通りすがりに小便でマーキングするホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月上旬

シーン0:3/3・午後12:31・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン0:3/3・午後12:36・晴れ・気温22℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで別アングルから監視しています。 
暖冬ですが、雪がまた少し林床に積もりました。 


シーン1:3/9・午後23:20・気温-3℃(@0:07〜) 
晴れて静かな晩遅くに3頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が続々とやって来ました。 
雪面が凍結していて、タヌキが歩いても足跡が残りません。 

先行個体aがアナグマの巣口Lの手前で立ち止まり、匂いを嗅いでいます。 
左へ立ち去ろうとすると、対面に設置した監視カメラのセンサーが反応して赤外線LEDが点灯しました。 
雪面がレフ板になっているため、2台分の赤外線で煌々と照らされ、画面全体が明るくなりました。 
タヌキaは、ちょっと振り返って監視カメラを見上げただけで、そのまま左へ立ち去りました。 

後続個体bが巣口Lに向かう手前で、落葉したマルバゴマキの細い灌木の根元に排尿マーキングしたようです。(@0:25〜) 
巣口Lの匂いを嗅いでから、左に向かいました。 

殿しんがりを務める個体cが右奥の林内からセットに登場。 
アナグマの巣口R➔L➔Rの順に点検しました。 
巣穴Rに入りそうになったところで、1分間の録画が打ち切られました。 


シーン2:3/9・午後23:21・気温-4℃(@1:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
先行個体aが左から右へ横切る動きで起動したのです。 

後続個体b♂がマルバゴマキ灌木の根元に小便をかけて匂い付けする行動がしっかり撮れていました。(@1:17〜) 
右後足を軽く持ち上げながら排尿したので、♂と判明。 
巣口Lの奥を覗き込んでから、跨いで右へ立ち去りました。 

最後に登場した個体cは、スギの落ち葉を尻尾に引っかかったまま引きずって歩いています。 
タヌキたちは、落葉した二次林に隣接するスギ林を通ってきたことが分かります。 
巣口Lを回り込んでから一旦左の巣口Rへ戻り、死角に消えました。


シーン3:3/9・午後23:25・(@1:53〜) 
約3分50秒後に、単独行動のタヌキがセットの林縁を左へ向かいました。 
私にはタヌキの個体識別ができていません。 
殿の個体cがアナグマの巣穴Rに潜り込んで内見していたのかもしれませんが、この個体は尻尾にスギの落ち葉を引きずっていません。 
まったく別の個体dが来ていたという可能性もあり得ます。 
セットの端で身震いしてから左へ立ち去りました。 

最後のタヌキがセットを左に横切っても、対面に設置した監視カメラは反応しませんでした。 
私が監視カメラを長期間同じ場所に設置しているため、夜な夜なここを巡回するタヌキは学習して、なるべくセンサーの死角を選んで歩くようになったのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


この3頭のタヌキは親子なのですかね?
若い3兄弟(姉妹)が一緒に暮らしている可能性はどうでしょう?


2025/01/28

防風林で秋に落雷を受けたスギの木

 

2023年10月中旬・午後・晴れ 

平地のスギ防風林で、ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通う溜め糞場phを久しぶり(17日ぶり)に定点観察しに来ました。 
新鮮な糞は追加されていませんでした。 
どうやら最近は使われていないようです。 

それよりも、このスギ林に大きな異変が起きていました。 
植林地(防風林)の真ん中で、新たにスギの倒木が増えて林床に散乱していたのです。 
以前、溜め糞場phを監視するためにトレイルカメラを設置したスギ大木の上半分が縦に裂け、幹が真っ二つに折れていたのです。 
このような状態を「中折れ」と呼ぶのだそうです。 
スギの朽木や枯木ではなく、緑の葉が茂る健康な生木が被害に遭っていました。 

秋は台風のシーズンですから、嵐による強風で折れたのでしょうか? 
それなら1本だけが倒れるのではなく、広範囲で何本もスギの木がなぎ倒されているはずです。 
防風林の中央部で他のスギに囲まれた1本だけ風倒するのは不自然です。 

幹の途中で縦に裂け目が入って折損したという状況からも、おそらく落雷したのでしょう。 
しかし、その木が焦げたり燃えたりした形跡はありませんでした。
(落雷木に必ずしも焼け焦げ跡が残るとは限らないのだそうです。) 
スギの防風林は樹高がほぼ揃っているはずなのに、なぜ中央の1本の木だけに落雷したのか、不思議です。 
「出る杭は雷に打たれる」のでしょうか?
その木がたまたま他の木よりも少しだけ高かったり、何らかの理由で他の木よりも電気を通しやすい状態にあった可能性があります(水分含有量が高いなど)。 
落雷は必ずしも最も高い木に起こるわけではなく、電荷の分布や樹木の状態など、複数の要因が関係するのだそうです。 

その杉の木にもしトレイルカメラを設置したままなら、落雷の過電流で壊れたり燃えたりしたはずなので、助かりました。 
初めて入る防風林なら、同じ光景を見ても「倒木の多い荒れたスギ林だなー」と思うだけでしょう。 
定点観察に通っていたからこそ、落雷木に気づくことができました。 

林業家にとってみれば落雷木は天災による痛い損失でしかありませんが、森林生態学的には良い面もあります。
鬱蒼と育ったスギ林の中には日光がほとんど射さず、他の植物はあまり育つことができません。 
落雷でスギ林の中央部に林冠ギャップができたので、ここだけ林床の日当たりが良くなり、新たに植物が育って森の更新が進むことが期待できます。 
また、新たなスギ倒木を餌としてキノコなどの分解者が長い年月をかけて腐朽させます。 
それまでの間、林床に放置された倒木は小型の哺乳類(野ネズミなど)に隠れ家や餌場を提供してくれます。 
落雷(の轟音)にキノコの発生を促進する効果がある、という面白い説があるのですけど、スギ林でも見られるのか楽しみです。


さて、落雷がいつ起きたのか、正確な日時を突き止められるでしょうか?
私が定点観察した9月下旬から10月中旬までの17日間のどこかで落雷したはずです。
今回、Perplexity AIに相談して初めて知ったのですが、気象庁は落雷の詳細なデータを記録しており、過去に遡って落雷の有無を調べることが可能です。 
気象庁は雷監視システム(LIDEN: LIghtning DEtection Network system)を使用して落雷を観測しています。 
このシステムにより、落雷の場所や時間を5分単位で記録しています。 
気象庁のウェブサイトでは、過去の気象データを検索することができます。 
少しやってみたのですが、忙しくて調べ切れていません。 



【アフィリエイト】 



落雷による林冠ギャップ

中折れしたスギ落雷木

真下に散乱する中折れの破片




以下は、タヌキの溜め糞場ph:倒木横の様子を撮った写真です。
糞に未消化の種子(銀杏およびリンゴ?)が含まれているのですが、落雷木に気を取られた私は、真面目に調べていません。







2025/01/22

雪原の営巣地を夜に1〜2頭でうろつくホンドタヌキ:2月中旬〜3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2024年2月中旬〜下旬〜3月中旬


シーン0:2/20・午後13:10・くもり・気温23℃(@0:00〜) 明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
異常な暖冬で積雪量が少なく、あちこちで地面が露出しています。 
少なくとも3つの巣口(左から順にL、M、R)が点在しています。 

タヌキが営巣地をうろつくシーンをまとめてみました。 


シーン1:2/20・午後23:14・気温2℃(@0:04〜) 
深夜に単独で登場したタヌキが営巣地をうろついています。 
巣口Lにゆっくり近づいたものの、中に入ったかどうか見届けられませんでした。 
個体識別ができていませんが、素人目にはなんとなく巣穴の主ではなく、余所者のタヌキのような振る舞いです。 


シーン2:2/21・午後17:34・降雪・気温0℃(@1:04〜)日の入り時刻は午後17:26。 
雪が降る日没直後にタヌキが右へ立ち去ったのですが、監視カメラの起動が遅れてしまいました。 


シーン3:2/22・午後19:15・気温-1℃(@1:13〜) 
翌日の晩になると、雪は降り止んでいました。 
巣穴Rと手前の二次林を結ぶ足跡が新雪にくっきり残っているのに、残念ながらその様子が動画に撮れていません。 
タヌキの足跡よりも少し大きいので、ニホンアナグマですかね? 
(昼間に雪面が少し溶けて、タヌキの足跡が大きくぼやけただけかな?) 

左からタヌキの♀♂ペアが相次いでやって来て、監視カメラの前を横切りました。 
後続個体が巣口Rに寄り道したものの、匂いを嗅いだだけで右に立ち去りました。 


シーン4:2/24・午後23:40・気温-4℃(@1:47〜) 
2日後の深夜に監視カメラが誤作動?したようです。
晴れて静かな夜でした。 
雪面の足跡の状況を記録するために、残しておきます。 
野生動物の往来はなかったようです。 
雪が降らないと、古い足跡は次第にぼやけてきます。 


シーン5:2/25・午前1:47・気温-6℃(@1:51〜) 
翌日の深夜に♀♂ペアのタヌキが2頭同時に手前から現れました。 
巣口LMRの匂いをそれそれ順に嗅いで、巣口Mでペアが合流しました。 
巣口Rも念入りに調べています。 
この後、巣穴のいずれかに入ったかどうか、見届けられませんでした。 


シーン6:2/25・午前4:01・気温-7℃(@2:52〜) 
約3時間15分後に監視カメラがなぜか起動しました。(誤作動?) 


シーン7:2/29・午後23:23・気温2℃(@2:55〜) 
4日間で雪解けが急速に進んでいました。 
未明に♀♂ペアのタヌキが登場しました。 
1頭が巣口Rに入りました。 

その間、もう1頭は巣口Lの辺りで待っていました。 
右へ向かう途中で巣口Mの横で腰を屈めると排尿マーキングしました。(@3:24〜) 
排尿姿勢から♀と判明。 
最近キツネが出没しているので(映像公開予定)、対抗して縄張り宣言の匂い付けをしたのでしょう。 
その後、巣口Rに向かったのですが、パートナー♂の後を追って入巣Rしたかどうか見届けられませんでした。 


シーン8:3/11・午前1:10・気温-6℃(@3:55〜) 
次は3月中旬まで一気に飛びます。 
一面の銀世界に戻っていました。 

深夜に単独行動のタヌキが右から左へ雪原を横切りました。 
雪面は凍結していて、タヌキの足跡は残りません。 
もしかすると、巣穴MまたはRから外に出てきた直後なのかもしれませんが、その瞬間を撮れていませんし、足跡から推理することもできません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/01/18

ニホンアナグマの越冬用営巣地で排尿マーキングするホンドタヌキ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月中旬・午後18:45頃・気温3℃・日の入り時刻は午後17:25

異常な暖冬でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する二次林の営巣地(セット)から雪がほとんど溶けてしまいました。 
林床の地面が完全に露出して、まるで早春のような光景です。 

晩に近所のホンドタヌキ♀(Nyctereutes viverrinus)が単独でやって来ました。 
アナグマの巣口Rにそっと忍び寄りました。 
巣口Rで匂いを嗅いだだけで、中に侵入することはありませんでした。 
隣人の安否を確認しに来たのかと、どうしても私は想像してしまいます。 

セットから立ち去る間際に、画面の右下手前でタヌキは腰を落として排尿マーキングしたようです。(@0:40〜) 
縄張り宣言として、獣道に小便で匂い付けしたことになります。 
排尿の姿勢から、♀と判明しました。 
(♂はイヌと同じく片方の後足を上げて小便します。) 



2025/01/11

ヒャクニチソウの花蜜を吸いながら排尿するオオタバコガ【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 



2023年10月中旬・午後15:30・晴れ 

ヒャクニチソウ(百日草)の色とりどりの品種が咲き乱れる花壇に私が戻ってくると、オオタバコガHelicoverpa armigera armigera)がまた訪花していました。 
本種は訪花中も翅を小刻みに震わせ続けて飛び立つための準備運動(アイドリング)をしています。 
その翅をよく見ると、この個体は右の翅頂が欠けていて、30分前に観察したオオタバコガ♀とは別個体であることが分かりました。 

吸蜜後にクルクルと丸めて縮めた口吻が、オレンジ色の花粉にまみれていました。 
次の花に移動する前に身繕いして、顔や触角に付いた花粉を落としています。 
舌状花の花弁が散った後の筒状花でもオオタバコガは貪欲に吸蜜していました。 

オオタバコガが訪花中に240-fpsのハイスピード動画に切り替えたら(@1:14〜)、面白いシーンがたまたま撮れていました。 
吸蜜しながら腹端から透明な液体を1滴排泄したのです。(@1:25〜) 
本種の排尿シーン(おしっこ)は初見です。 
花蜜を大量に吸い、余分な水分を排泄して飛ぶために体重を軽量化したのでしょう。

 

2025/01/09

真冬の雪山を夜に1〜2頭で歩き小便でマーキングするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2024年1月下旬〜2月上旬

シーン0:1/30・午後12:54・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:1/30・午後13:38・晴れ(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪の積もった里山で、スギ植林地に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動撮影カメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で降雪量が少ないのですが、林床の溜め糞は雪で覆われ、雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 
画面の手前から奥に向かって斜面を見上げるアングルになっています。 

1〜2頭で行動するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/31・午前1:03(@0:14〜) 
深夜にタヌキの先頭個体が、スギ立木の木の下を通って左から右へ斜面を横切りました。 
雪面は固く凍結していて、タヌキが歩いても足跡が残りません。 
雪面の匂いを嗅ぎながら右の渓谷へ向かいました。 

50秒後に、後続個体♂が左から足早に登場しました。 
雪面から突き出た細い落葉灌木(樹種不明)の小枝をくぐる際に、排尿マーキングしました。 
そこは、以前にもタヌキが通りすがりに排尿マーキングした地点でした。 
左後脚を上げて小便したことから、♂と判明。 
そうなると、先行個体はパートナーの♀なのでしょう。 
♂も先行個体♀の後を追って右上の谷へ向かいます。 
ホンドタヌキ♂による排尿マーキングを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:49〜) 


シーン2:2/3・午後21:57・(@1:11〜) 
単独行動のタヌキが晩に画面上を対角線状に(左下から右上へ)横切ったのに、監視カメラの起動が遅れました。 
クラストした雪面にうっすらと新雪が積もり、その上にタヌキの足跡が残されています。 


シーン3:2/3・午後22:38・(@1:18〜) 
45分後、斜面の雪面に新たな足跡が付いていました。 
またもや監視カメラの起動が遅れ、画面の右端にタヌキ?の尻尾がちらっと写っていただけでした。 
タヌキはいつものように、右の谷へ向かいました。 
一瞬の登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 


シーン4:2/4・午後13:43・晴れ(@1:26〜) 


シーン5:2/9・午後18:27・(@1:33〜) 
6日後の晩に、単独行動のタヌキが珍しく左に向かう姿が写っていました。 
雪面に残った足跡を読み解くと、下から現れ、スギ立木に向かってから左へ逸れて行ったようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/01/05

ニホンアナグマの越冬用巣穴が凍った雪の下に埋もれ、近所のホンドタヌキが安否確認に通う【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬~2月上旬

シーン0:1/22・午後13:46・くもり・気温20℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する2つの巣穴を同時に1台の自動撮影カメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のように林床の地面があちこちで露出しています。 

近所のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が1頭または3頭で立ち寄ったシーンをまとめました。 


シーン1:1/29・午前6:01・気温-3℃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:43。 
久しぶりにアナグマの越冬用営巣地(セット)に雪が積もっていました。 
まだ真っ暗な夜明け前に、タヌキが単独で現れました。 
雪に埋もれたアナグマの巣口Rの窪みに興味を示し、雪面の匂いを嗅ぎました。 
固く凍結した雪面を歩いて左へ移動すると、巣口Lが雪に埋もれた地点にも立ち寄って匂いを嗅ぎ回ります。 
再び巣口Rに戻ってきました。 


シーン2:1/29・午前6:03(@1:04〜) 
25秒後に監視カメラが再起動すると、タヌキは巣口Rを離れて左へ立ち去るところでした。 
ぐるっと回り込んでから、画面下から再びセットに戻ってきて、またもやアナグマの巣口Rへ向かいました。 


シーン3:1/29・午前6:04(@2:04〜) 
つづけてタヌキは巣口Lを点検してから、またまたしつこく巣口Rに戻りました。 
最後はようやく左に立ち去りました。 


シーン4:1/29・午後21:35・気温-3℃(@2:47〜) 
夜行性のタヌキは、昼間は自分の巣穴で寝て過ごし、晩になるとまた採餌のために外出します。 
今回は3頭が一緒にやって来ました。 
♀♂つがいと子供から成る家族群なのか、それとも3兄弟(姉妹)なのか、私には分かりません。 

奥の林内から来た1頭が、林縁の落葉ミズキの根元に排尿マーキングしたようです。(@3:12〜) 
このとき左後脚を上げたかどうかはっきり見えず、性別不明です。 
その後で、このタヌキがアナグマの巣口Rを塞いでいる凍った雪を前足でガリガリと掘り始めました。 
しかし少し掘っただけで諦め、左へ立ち去りました。


シーン5:1/29・午後21:43(@3:47〜) 
7分後に、右から戻ってきたタヌキがアナグマの巣口Rの左で雪面の匂いを嗅いでいました。 
通りすがりに、雪で埋もれた巣口Lの匂いを軽く嗅ぎました。
左へ回り込んでから奥の林内に立ち去りました。 
途中で凍った雪面に座ると、後脚で痒い体を掻きました。 


シーン6:1/30・午前1:47・気温-5℃(@4:45〜) 
日付が変わった深夜に、単独行動のタヌキが右からやって来ました。 
雪面はクラスト状態で、足跡が残りません。 
凍った雪に埋もれたアナグマの巣口Rをチェックしてから、奥の二次林へジグザグに入って行きました。 
途中で落葉樹の根元で腰を落として、雪面に排尿マーキングしたようにも見えました。(@5:30〜) 
排尿姿勢から、この個体は♀かもしれません。 


シーン7:1/31・午前0:21・気温-5℃(@5:45〜) 
翌日も真夜中にタヌキが単独で右から登場。 
アナグマの巣口Lが雪の埋もれた地点をチェックしてから左へ。 


シーン8:1/31・午後19:48・気温-1℃(@6:11〜) 
同じ日の晩に、奥の落葉二次林へ入って行くタヌキの後ろ姿だけ写っていました。 


シーン9:2/3・午後22:38・気温-5℃(@6:27〜) 
3日後の晩遅くにも、足早に奥の二次林へ入って行くタヌキの後ろ姿が撮れていました。 

数日間雪の下に埋もれていたアナグマの巣口Rがいつの間にか開口していました。 
短い冬眠(トーパー)から目覚めたアナグマが巣内から雪を掘って外に顔だけ出したのかもしれませんが、その様子は撮れていませんでした。 
あるいは、アナグマの呼吸熱や体温で巣口を塞いでいた雪が自然に溶けたのかもしれません。
もしそうなら、アナグマの巣口から寒い冬に白い湯気が立ち昇るはずですが、こんな光景を私はまだ見たことがありません。 

凍結した雪面の上に薄っすらと新雪が積もり、そこにタヌキが残したばかりの足跡が残っています。 
せっかく久しぶりにアナグマの巣口Rが現れたのに、タヌキは立ち寄らずに素通りしていました。 


シーン10:2/5・午前0:45・気温0℃(@6:38〜) 
2日後の深夜、アナグマの巣口Rの開口部が少し拡大していました。 
雪原で地面が少しでも露出すると、晴れた昼間にそこを中心に雪解けが進みます。 

左から来たタヌキが通りすがりにアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでから、右へ向かいます。 
この日も雪面は凍結しており、タヌキの足跡は残りません。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
積雪量は少ないのですが、厳冬期で気温が下がり、林床の雪面がアイスバーンのように凍りました。 
アナグマが冬眠している巣穴の入口L、Rは雪の下に埋もれてしまいました。
夜な夜なやって来るタヌキは、見慣れた巣口の消失に戸惑っているようで、何度も調べています。 

こうしたタヌキの行動を童話の世界のように擬人化すると、近所に住むアナグマが無事かどうか、生き埋めにされていないか安否確認(生存確認)に通ってきているように解釈したくなります。 

アナグマの巣口が雪で埋もれて見えなくなった、さらに雪が凍って固く閉ざされた、という事が理解できずに戸惑っているとしたら、雪国の冬を初めて経験する当歳仔のタヌキなのでしょうか? 
巣口Rがあった地点の凹んだ雪面をタヌキは前肢で掘ろうとしたのに固く凍っていて、穴掘りの苦手なタヌキはすぐに諦めてしまいました。 

あるいは、タヌキはアナグマの心配をしている訳ではなく、アナグマの巣穴に居候している野ネズミの残り香を嗅ぎ取って、キツネのように興味を示しているだけかもしれません。
しかしそれだと、アナグマの巣口が再び開口した後にタヌキが興味を失って巣口を素通りするようになった理由が説明できません。

ところで、巣口を雪や氷で塞がれたら、内部で冬眠するアナグマは窒息しないのでしょうか? 
こういうときこそ、予備の換気口(空気穴)が必要です。 
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しかし、その空気穴は監視映像の画角の少し左外にあるために、雪が積もって凍っても開口状態を保って機能しているのかどうか不明です。 
やはりトレイルカメラをもう1台追加して換気口を監視すべきでしたが、他のプロジェクトも同時に並行しているので、カメラが足りず無理でした。




2024/12/28

雪山でニホンカモシカの新鮮な糞を食べるホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】食糞行動

 



2024年1月下旬

シーン1:1/28・午後19:47(@0:00〜) 
ニホンカモシカCapricornis crispus)が里山のスギ植林地にある溜め糞場sr1に久々に来て排便する動画を再掲します。 


シーン2:1/29・午前3:14(@0:46〜) 
日付が変わった深夜、カモシカが脱糞してから7時間23分後に、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で溜め糞場sr1に現れました。 
小雪がちらつく中、雪面に残されたカモシカの新鮮な糞塊の匂いを嗅いでいます。 
タヌキはその場でクチャクチャと咀嚼したので、カモシカの糞粒を食べたようです。 
食料事情が悪化する厳冬期のタヌキは、食糞するほど飢えているのでしょうか? 
カモシカの新鮮な糞を食べることで、タヌキにとってビタミン補給や腸内細菌の補給になるのかもしれません。 

食糞後のタヌキは、雪山の斜面を登って右奥へ立ち去る間際に、細い落葉灌木に対して排尿マーキングしました。 
左後脚を軽く持ち上げて小便したので、おそらく♂のようです。 
その後は、雪面の匂いをかぎながら右の渓谷へ向かいました。 
雪面が凍結しているようで、タヌキが歩いても足が潜らず、足跡が残りません。 

1.5倍に拡大したうえで、タヌキの食糞行動および排尿マーキングをリプレイ。(@2:13~)


【考察】
今回、私はタヌキがカモシカの糞を直接食べたのだと解釈しました。
夏ならともかく雪山の厳冬期なので、溜め糞場に来た糞虫やハネカクシ、ハエなどの虫をタヌキが捕食した可能性は除外できます。
低温に強い冬尺蛾♂が新鮮な獣糞に飛来して吸汁していたらとても面白い(エキサイティング!)のですが、冬尺蛾の成虫では口吻が退化しているので、あり得ない妄想ですね。
それなら、口吻のある越冬キリガが獣糞に飛来してミネラル摂取のために吸汁する可能性や、セッケイカワゲラが獣糞を食べにくる可能性はどうでしょう?
夏に獣糞(または人糞)トラップを野外に設置すれば、チョウやガ(鱗翅目)がミネラル摂取のために集まってくるのを観察できます。
しかし、厳冬期の雪山に獣糞トラップを設置しても、獣糞がすぐに凍ってしまって誘引効果は薄いかもしれません。
越冬キリガは冬尺蛾と違って冬に交尾しませんから、性成熟のためにミネラル摂取するのは春になってからでも遅くありません。
したがって、越冬キリガが気温の低い夜にわざわざ獣糞に飛来するのは期待できないかもしれません。
逆に、厳冬期の雪山で獣糞に集まる昆虫の観察例がほとんどないのは、誰も今まで真面目に調べていないだけかもしれません。
私もフユユスリカ?が獣糞に集まっていた事例を2回観察しただけです。

タヌキが小便でマーキングしたということは、また食糞に戻ってくるつもりなのかと期待しました。
しかし後日にカモシカの溜め糞場sr1に来たタヌキが、雪に埋もれた糞塊をわざわざ掘り返して食べることはありませんでした。 


2024/12/27

厳冬期に雪山の溜め糞場で夜に排便するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬

シーン1:1/24・午後13:22・晴れ(@0:00〜) 
日中の明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
雪が積もった里山でスギ植林地の上端部にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動撮影カメラで見張っています。 
画面の手前から奥に向かって上り坂の斜面を見上げています。 
林床の雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 


シーン2:1/28・午後19:47(@0:08〜) 
晩にカモシカが左奥から登場したようで、監視カメラの起動時にはすでにスギの木の下に佇み、カメラを正面から見据えていました。 
頭部を左右に回すように身震いしました。 
やがて警戒を解くと、舌をペロペロ出し入れしながら、後脚だけ蹄を少し前に移動させて排便姿勢になりました。 
カメラに尻を向けてくれなかったので、肝心の肛門が見えません。 
それでも、小さな糞粒がポロポロと落ちて雪面に跳ね返り、転がる様子がかろうじて写っていました。 
そのままの体勢で、瞬きひとつしないまま、しばらくじっと静止しています。 
食糧事情が悪化する厳冬期のカモシカは便秘気味なのですかね? 
というか、むしろ逆に繊維質が多くて栄養価の低い餌しか食べてない気がするのですけど。
排便と同時に排尿もしたかどうか、正面からのアングルでは不明です。 
排便体勢のまま目を見開いていたカモシカが、ようやく瞬きしました。(@1:32~) 
残念ながら90秒間で録画が打ち切られ、溜め糞場sr1からカモシカが立ち去るまでの一部始終を動画に記録できませんでした。 



シーン3:1/28・午後19:49(@1:38〜) 
次に監視カメラが起動したときには、カモシカは溜め糞場sr1から居なくなっていました。 
雪面に残る足跡を読み解くと、カモシカは左に立ち去ったようです。 


シーン4:1/28・午後19:47(@1:43〜) 
ニホンカモシカが雪山で排便したシーンを1.5倍に拡大したうえでリプレイしてみました。 
カモシカは下り坂(斜面の谷側)の方を向いて排泄していました。
もしかすると、斜面の山側を向いて排便する方が自然(楽な体勢)なのに、監視カメラの存在を警戒しながら用を足したのかもしれません。 
暖冬で積雪量は少なく、カモシカの蹄はそれほど雪面に潜っていません。 
糞粒が次々に排泄されています。 
雪の斜面を転がり落ちた自分の糞粒がいくつか前足の蹄に触れたようですが、カモシカは気にしていません。


【考察】 
翌日、この溜め糞場sr1で興味深い事件(衝撃の食糞行動)が観察できました。 



結局カモシカはこの1回しか現れず、あまりにも撮影効率が悪いので、この地点から監視カメラを撤去することにしました。 
複数個体のカモシカが冬に同じ溜め糞場sr1を共有しているのかどうか、確かめたかったのですが、計画倒れに終わりました。



2024/12/25

水溜りの泥を舐めてミネラル摂取するツバメシジミ♂

 

2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ

田園地帯の農道に水溜まりができていました。 
その岸にツバメシジミ♂(Everes argiades hellotia)が止まって、乾きかけた泥を舐めていました。 
ツバメシジミの吸水行動は初見です。 
しかし近くにいたキタキチョウ♂の集団吸水の撮影に集中していた私はツバメシジミ♂に気付くのが遅れてしまい、ズームインしたときには口吻を伸ばしていませんでした。 
飛び去る直前に腹端を下げて接地させたのは、排尿行動ですかね? 
地上では翅をしっかり閉じているので、性別不明でした。 
飛び立つ羽ばたきを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、翅表が紫青だったので♂と判明。

2024/12/15

雪山の塒で小便するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月中旬 

シーン1:1/9・午後13:12・くもり・気温13℃(@0:00〜) 
里山の斜面に植林されたスギ林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらをトレイルカメラで見張っています。 
画面の手前から右上奥に向かって斜面が下っています。
記録的な暖冬ですが、また少し雪が積もりました。 


シーン2:1/12・午前3:00頃・気温-4℃(@0:04〜) 
深夜に左から登場したカモシカ成獣の後ろ姿が写っていました。 
スギ立木の方を向いて立ち止まったので、いつものように眼下腺マーキングするのかと思いきや、股間から小便を排泄していました! 
放尿中の滴が光って見えます。 
地面が雪で覆われているためか、放尿音は聞き取れませんでした。 

小便をしただけで、同時に脱糞はしませんでした。 
カモシカがねぐらに排尿するとは意外でした。 
小便によるマーキング(匂い付け)も一種の縄張り宣言だと思うのですが、眼下腺マーキングとどのように使い分けをしているのですかね? 
今回の個体が、以前この塒で寝たニホンカモシカと同一個体とは限りません。
もし別個体なら、塒の主に対してかなり挑発的なマーキング行為ではないでしょうか。(〇〇参上! 〇〇見参!)
この塒から約20〜30m離れた地点に、カモシカの溜め糞場sr2があり、そこで小便跡も見つけています。

用を足したカモシカ♂は、塒の地面(雪面)の匂いを嗅ぐと、振り返ってカメラ目線になりました。 
今回もねぐらで寝てくれず、左にゆっくり立ち去りました。 


1.5倍に拡大した上で、排尿シーンをリプレイしてみましょう。(@1:07〜) 
後ろ姿で排尿するカモシカの股間をじっくり見ても、外性器が見えません。 
がに股で少しだけ腰を落として排尿したので、おそらく♂だろうと推測できます。 
角が細いので、まだ若い個体のようです。 
カモシカ♀および幼獣の排尿シーンを私はまだ見たことがありません。 

関連記事(1、2、10年前の撮影)▶  


落合啓二『カモシカの生活誌:十八歳の夏、僕は初めてアオシシに出会った』によると、
♂は後ろ足を開き気味にし腰を少し低くしておしっこをするが、♀はお尻が地面に着くくらいまで腰をおとす。これが典型的なおしっこスタイルである。(p46〜47より引用)

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 排尿声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/12/11

真冬に根曲がり巣穴を内見する雪国のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月上旬〜下旬

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜)
平地のスギ防風林でニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴a(根曲がり巣穴)をトレイルカメラで見張っています。


シーン1:1/9・午前0:24(@0:04〜)
新年の深夜に雪の積もった奥の林床を獣が右へ走り去りました。 
一瞬の登場シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみると、その正体は冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)でした。 

新雪の上に残巣穴aからイタチ(?)が左手前に向かってラッセルした新しい足跡が残っているのに、その出巣シーンを撮り損ねてしまったようです。 
トレイルカメラも万能ではなく、色々と技術的な限界があるのが悩ましいところです。 
新機種に切り替えても、きっと新たな限界が出てきて不満に思うはずです。 


シーン2:1/22・午後12:56・雨(@0:16〜)
異常な暖冬で、1月下旬になっても雪がほとんど積もっていません。


シーン3:1/23・午後22:21・降雪(@0:20〜)
地面には積雪がまったくありませんが、降る雪が風に舞って吹雪のようです。
奥の獣道から登場したテンが立ち止まり、カエルの死骸が置いてあった地面の匂い(詳細は映像公開予定)を嗅いでいます。
方向転換してから根曲がり巣穴を物色したものの、中には侵入しませんでした。
強風で倒伏したスギの根っこに左から回り込みながらよじ登り、天辺で周囲を警戒しています。
地面に飛び降りてからも巣口周辺を右往左往、上下に移動しながら偵察しています。
イタチの空巣をテンが乗っ取って利用するつもりなのでしょうか?


シーン4:1/23・午後22:54・降雪(@1:20〜)
約30分後にホンドテンが再び登場しました。
同一個体が戻ってきたのかな?
死んだカエルの残り香(死臭)が気になるのか、地面の匂いを嗅いでいます。
さっきと同じく方向転換して根曲がり巣穴の入口を点検したものの、中には入りませんでした。
去り際に左後脚を持ち上げながら巣口に排尿マーキングしました。
ということは、♂の可能性が高そうです。(テンは♀でもその体勢でマーキングすることがあるらしい。)
水平倒木の下をくぐって手前へ立ち去りました。
排尿マーキングの様子を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:37〜)


シーン5:1/28・午前6:31・降雪(@1:53〜)
ようやくまとまった量の新雪が積もりました。
気温が低いようで、さらさらの乾雪です。
冬毛の保護色で分かりにくいのですが、ホンドテンが根曲がり巣穴の巣口に頭を突っ込んでいました。
右から来たのだと思うのですけど、雪面の足跡が読み取れません。
今回も巣内には潜り込まず、左へ立ち去りました。


シーン6:1/28・午前6:42・降雪(@2:13〜)
約10分後に監視カメラが再び起動したときには、何も動物は写っていませんでした。
新雪の雪面を奥から手前に向かって駆け下りた足跡が新しく付いていました。
もしかすると、テンが左奥から戻ってきたのかもしれません。


シーン7:1/30・午前8:30・降雪(@2:18〜)
2日後の朝、雪面は溶けかけて湿雪でした。
珍しく明るい時間帯に自然なフルカラーで録画されていました。
ついに根曲がり巣穴に入るテンの後ろ姿(尻尾)が捉えられていました。

約10秒後に内見を済ませたテンが巣口から顔を出しました。
根曲がり巣穴の内部はテンが方向転換できるぐらい広い空間があるようです。
出巣したホンドテンは身震いして左へ立ち去りました。

自然光下で見た冬毛のホンドテンは頭部が真っ白で、残りの体は薄い黄土色でした。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
「穴があったら入りたい」テンは果たしてこの後、イタチの巣穴を乗っ取って本格的に住み着いてくれるでしょうか?
また別の解釈として、ここには野ネズミが同居しているようなので、ホンドテンは獲物を狩ろうとして何度もやってきているのかもしれません。




日本の食肉類: 生態系の頂点に立つ哺乳類』の第7章に収録された総説、大河原陽子『ニホンテン』によると、
近年になって、環境条件次第では必ずしも森林のみに固執するわけではないことが明らかになってきた。テン属の環境利用に影響する要因として、餌に対する選好性や餌の資源量、気候条件、地域的な捕食者相の違い、隙間の多い環境(たとえば、樹洞のある大型の樹木や倒木)の有無などがあげられる。隙間の多い環境では、テン属の休息場が多数提供されるだけではなく、(中略)テンが餌を探す際に、倒木の下や岩の隙間などを探索する  (p168より引用)




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