2025/05/03

タヌキの溜め糞場がある山道で餌を探すニホンイノシシの母子(母親♀と秋生まれの幼獣5頭)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月上旬

シーン0:5/6・午後12:10・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギの落ち葉が敷き詰められた山道の中央に、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場ltrがあります。 
カメラの背後(画面の手前)がスギの植林地で、山道を挟んで反対側(画面の奥)は雑木林になっています。 
現場の区間は平坦ですが、基本的に画面の右から左に向かって坂を登る山道になっています。 


シーン1:5/6・午後18:57(@0:03〜) 日の入り時刻は午後18:40 
日没直後に林道を右からニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の家族群がやって来ました。 
5月にイノシシを見たのは初めてです。 
計5頭の幼獣は縦縞模様のあるウリ坊ではなく、もう少し大きく育っています。 
おそらく秋に産まれたのでしょう。 (※考察)
今季(2024年)は異常な暖冬だったので積雪も少なく、無事に越冬できたようです。 (※考察)
鼻面が真っ黒な個体は、地面を掘り返して採食していたのでしょう。 
タヌキ溜め糞の匂いを嗅いでも、食糞したりしませんでした。 

少し遅れて、一際大きな成獣が登場しました。 
母親♀だと思うのですが、腹面に乳首が見えません。 
(斜めに見下ろすアングルだから見えないのか、それとも離乳後は乳首や乳房が目立たなくなるのかな?) 
林道を左から戻ってきた♀成獣が、タヌキの溜め糞の匂いを嗅いだものの、特に何もアクションを起こしませんでした。 

家族群の間で、ときどき低音でブーブー♪鳴き交わす声が聞こえます。 
1頭の幼獣が立ち止まり、痒い横顔(右目の辺り)を右後脚の蹄で器用に掻きました。(@1:00〜) 


シーン2:5/6・午後18:58(@1:04〜) 
次に監視カメラが起動したときには、右へ立ち去る幼獣2頭の後ろ姿が写っているだけでした。 
続けて左から別個体の幼獣が登場しました。 





※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
今回撮れたニホンイノシシ家族群の構成を読み解くと、ちょっと興味深い(珍しい)事例であることが分かりました。

まず基本情報として、ニホンイノシシの年間繁殖スケジュールを表にまとめました。(Perplexity AIに依頼)

時期 主な出来事
12月~3月 発情・交尾
4月~6月 出産ピーク
4月~8月 授乳・育児(生後6~8週まで)
7月~9月 離乳(生後100日頃)
8月~10月 ウリボウの縞消失(生後4か月頃)
翌年春以降 オス幼獣が群れを離れる


次に、5頭という幼獣の数は、ニホンイノシシの1回の出産頭数として「平均的な範囲内」です。

各地の調査や研究によると、1回の出産頭数の平均は4~5頭前後であり、最も多いのは4頭、範囲としては1~7頭(まれに8頭以上)です。

5頭は「平均よりやや多め」ですが、ごく一般的な範囲内で、特に珍しい多産例ではありません。

したがって、5頭はニホンイノシシの出産数として標準的な範囲内であり、特別多いわけでも少ないわけでもありません。


5月上旬に山形県で観察された「縦縞模様が消失した5頭の幼獣」と「乳房や乳首が目立たない母親」という状況から、これらの幼獣が春生まれか秋生まれかをPerplexity AIに推理してもらいました。


背中の縞模様の消失時期
ニホンイノシシの幼獣(ウリボウ)の縦縞模様は生後約3か月で消失しはじめ、4か月齢でほぼ完全に消えるとされています。

出産時期の一般傾向
ニホンイノシシの**出産ピークは春(4月~6月)です。

春の出産に失敗した場合のみ、秋にも出産することがありますが、これは例外的です。

5月上旬に縞消失=生後3~4か月?
5月上旬時点で縞模様が消失している場合、逆算すると出産は1月~2月頃となります。

しかし、ニホンイノシシの自然状態での出産は1月~2月にはほとんど起こらず、通常は4月以降です。

秋生まれの可能性
秋(9~11月)に出産した場合、5月上旬で生後6~8か月となり、縞模様はとっくに消失しています。

ただし、秋出産は「春の出産に失敗したメス」に限られ、頻度は低いです。


乳房・乳首が目立たない=授乳終了
母親の乳房や乳首が目立たないという観察は、すでに授乳期が終わっていることを示唆します。

授乳期間は生後6~8週間(約1.5~2か月)で、離乳は生後3か月ごろ。

結論
5月上旬に縞模様が消失している幼獣は、春(4~5月)の出産直後の個体ではなく、前年秋(おそらく10~11月)に生まれた可能性が高いです。

もし春生まれ(4月出産)であれば、5月上旬はまだ生後1か月程度で縞模様が残っているはずです。

また、母親の乳房や乳首が目立たないことも、離乳後かなり時間が経過している(生後4か月以上)ことを裏付けます。

したがって、観察された幼獣は前年秋に生まれた個体である可能性が高いと推理できます。

ただし、秋出産は春の出産に失敗した場合などに限られます。
ちなみにこれは、♀が♂と交尾できなかった(受精しなかった)という意味ではなく、妊娠中の流産や、出産後に子どもが死亡・消失した場合などを指します。
このような場合、母親は授乳・育児を続ける必要がなくなるため、再び発情が起こり、秋に再度交尾・妊娠・出産することが可能になります。

逆に、単にオスと交尾できなかった(発情期に交尾が成立しなかった)だけの場合は、次の通常の発情・出産サイクルを待つことになります。


ニホンイノシシは本来、積雪の多い地域では越冬が難しく、積雪深30cm以上の日が一冬に70日を超えるような多雪地帯では生息できないとされています。しかし、近年の暖冬傾向により、これまで生息が難しかった多雪地やその周辺でもイノシシの越冬例が増えています。

2024年のような記録的な暖冬で積雪が少なかった年は、イノシシにとって餌の確保や移動が容易になり、生存率が高まることが指摘されています。実際、例年なら積雪で活動できないような場所でもイノシシが元気に活動し、冬を越せている様子が観察されています。

したがって、山形県の多雪地帯で秋に生まれた幼獣5頭が無事に越冬できたのは、2024年の暖冬による積雪の少なさが大きく影響した可能性が高いといえます。暖冬はイノシシの生息域や繁殖成功率を押し広げる要因となっており、今後もこの傾向が続けば、さらなる個体数の増加や分布拡大が懸念されます。


逆に、平年並みの積雪があった場合、秋に生まれたイノシシの幼獣が山形県の多雪地帯で越冬するのは非常に困難で、死亡率が高くなると考えられます。

理由は以下の通りです。

イノシシが春に出産する主な理由は、温暖な季節に子どもが成長し、冬までに十分な脂肪を蓄えられるからです。春~夏は食物が豊富で、幼獣は成長しやすい環境にあります。

秋に生まれた幼獣は、成長期間が短く、冬までに十分な脂肪や体力を蓄えることが難しいため、積雪期に餌が乏しくなると餓死しやすくなります。

多雪地帯では、積雪が深いと地面を掘って餌を探すことが困難になり、特に体力のない幼獣は生き残るのが難しくなります。

イノシシは積雪の少ない場所へ移動することで越冬することもありますが、幼獣が長距離を移動するのは難しく、厳冬期の生存率は成獣よりさらに低いと考えられます。

このため、平年並みの積雪があれば、秋生まれの幼獣は十分に成長・蓄脂できず、多雪地帯での越冬は難しく、死亡率が高くなると推測できます。


「5頭の幼獣が5月まで生き残っていた」という観察結果は、秋に産まれた幼獣のほとんどが越冬に成功したと考えてよいです。

ニホンイノシシは1回の出産で平均4~5頭の幼獣を産みますが、野生下では幼獣期の死亡率が非常に高く、すべてが生き残ることはまれです。特に多雪地帯や厳冬期では、秋生まれの幼獣は十分な脂肪を蓄えられず、餓死や低体温症などで多くが死亡する傾向があります。

しかし、今回のように5頭すべてが5月まで生存しているということは、

出産頭数が5頭であった場合、全頭が生き残った可能性が高い

もし6頭以上産まれていた場合でも、大半が生き残ったといえる

このような高い生存率は、2024年の記録的暖冬による積雪の少なさが大きく寄与した可能性が高いです。

まとめると、「5頭の幼獣が5月まで生き残った」という事実は、秋生まれの幼獣のほとんどが無事に越冬できたと判断して差し支えありません。


今回の調べ物でPerplexityが大活躍しましたが、その推論能力に舌を巻きました。
(一発で回答した訳ではなく、細かな問答を何度も繰り返した結果です。)
私がイノシシにあまり詳しくないこともあり、論理の破綻や誤情報(ハルシネーション)などは見い出せませんでした。

もしこのまま温暖化や暖冬少雪が続けば、一度は絶滅していた当地のイノシシの個体数はかなり増えることが予想されます。 
イノシシを捕食して個体数を調節してくれるニホンオオカミという強力な天敵がいない現代では、山形県も今後はイノシシによる獣害に悩まされ、農地や山林が荒廃する可能性が高いです。 


厳冬期に落葉樹に集まって鳴き交わす「ふくら雀」の群れ(冬の野鳥)スズメ

 

2024年2月中旬・午前11:25・晴れ 

住宅地の民家の裏庭で、スズメPasser montanus)の群れが落葉低木に集まっていました。 
チュンチュン♪賑やかに鳴き交わしていますが、車道の騒音であまり聞き取れません。 
動画で数えると、計23羽ぐらいのスズメが集まっていました。 
冬のスズメが太って見えるのは、ふわふわの羽毛を精一杯膨らませて断熱性能を高め、防寒するためです。 

さて、この止まり木の樹種は何でしょう? 
落葉した灌木に棘があったので、当地に多いヒメウコギの生け垣ですかね? 
生垣にしては樹形が変ですけど、手入れ(剪定)がされていないようです。 

今季は異常な暖冬で、厳冬期なのに車道にはまったく雪が積もっていません。 
この家の家庭菜園は、まだ少し雪に覆われています。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


関連記事:ネットニュース ▶ 「スズメの群れ越冬 近年は規模も小さく、和歌山」 by 紀伊民報AGARA

2025/05/02

山道の溜め糞場に昼も夜も排便に通うホンドタヌキの♀♂ペア(白毛ほか)【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月上旬〜中旬 

里山の山道に残された溜め糞場ltrが本当にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したものかどうか確かめるために、自動撮影カメラを設置してみました。 


シーン0:5/6・午後12:10・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
カメラの背後(画面の手前)がスギの植林地で、山道を挟んで反対側(画面の奥)は雑木林になっています。 
現場の区間は平坦ですが、基本的に画面の右から左に向かって坂を登る山道になっています。 
スギの落ち葉が敷き詰められた山道の中央に、溜め糞場ltrがあります。 


シーン1:5/7・午前7:26・くもり(@0:06〜) 
旧機種のトレイルカメラにしては珍しく、昼間でもフルカラーで録画されていました。 
左に立ち去りかけたタヌキが引き返して来て、溜め糞場ltrの匂いを嗅ぎました。 
毛皮の色が全体的に白っぽいので、老齢の成獣なのでしょうか? 
それとも、冬毛から夏毛に生え変わる途中、あるいは個体差なのかな? 
尻尾が真っ白で、明らかに初見の個体です。 
額は焦げ茶色なので、アルビノではありません。 

山道を右往左往しています 画面の右下に立ち止まって身震いすると、濡れた毛皮から水飛沫が飛び散りました。 


シーン2:5/8・午後13:29・くもり(@1:06〜) 
翌日の午後にも白毛のタヌキが再登場しました。 
溜め糞場ltrに跨がり、脱糞していました。 
カメラの方を向いていたので肛門が見えず、大便の状態は不明です。 
しばらく右を眺めてから、左上奥の藪に入って行きました。 


シーン3:5/8・午後18:58(@2:06〜)日の入り時刻は午後18:39。
その日の日没後に来たタヌキが左を向いて脱糞中でした。 
黒くてしっかりした固形糞を大小3個排泄しました。 
右に向き直ると、溜め糞場ltrの匂いを嗅いでいます。 
右へ立ち去るかと思いきや、途中で立ち止まって身震いすると、その場に座り込みました。 
右の方を頻りに気にしています。 
(後続個体が追いついてくるのを待っていたのだと、じきに判明します。) 


シーン4:5/8・午後18:59(@2:43〜) 
入れ替わりで別個体(パートナー?)が来たようで、右から来て左を向いたままタヌキが排便しました。 
左へ立ち去ったタヌキがぐるっと回り込んできたようで、下から再登場し、右へ向かいました。 


シーン5:5/9・午後13:12(@3:23〜) 
翌日も日中に白毛のタヌキが排便しに来ていました。 
カメラの方を向いて脱糞すると、手前(下)に立ち去る途中で立ち止まって右を見ました。 


シーン6:5/12・午前4:29(@4:02〜)日の出時刻は午前04:28。 
日の出直後に右から来た白毛のタヌキaが、溜め糞場ltrの横で左を向いて佇んでいました。 
すぐに後続個体bが右から登場しました。 
このペアには体格差があり、a>bでした。 
合流すると、白毛aが脱糞してから、相次いで左へ立ち去りました。 

生殖器が見えなかったのですが、体格だけから判断すると、白毛♀aと♂bのペアのようです。 
採餌のために行動を共にするタヌキのペアは、♀が先行して♂が後をついて歩く傾向があるようです。(一般論ではなく、あくまでも個人的な印象) 


シーン7:5/12・午後19:33(@4:49〜) 
同じ日の晩に、左から来たタヌキが右を向いて排便していました。
白毛ではなく、通常個体です。
右に少し前進してから山道に座り込んで、長々と毛繕いを始めました。 


シーン8:5/13・午前4:15・雨天(@5:49〜)日の出時刻は午前4:28。 
雨が降る未明に、タヌキがペアで右からやって来ました。 
1頭(白毛♀?)がそのまま左向きで溜め糞場ltrに跨がり、排便しました。 
その間、パートナーは先に左へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
予想通り、この溜め糞場ltrはタヌキが使っていました。

通ってくるタヌキの中で、白毛のタヌキだけは私でも個体識別できそうです。
夏毛に換毛しても白毛のままかどうか、要注目です。

巣穴が近くにありそうですが、辺りを闇雲に探し歩くしかないのでしょうか。
冬の積雪期なら足跡を辿って追跡できるのですが、雪が溶けてしまうとその手は使えません。
イヌの嗅覚が欲しいなぁ…。

飛べ!オビカギバ♂(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午後13:00頃・くもり 

里山で沢の上流部を渡河する途中で、岸辺に生えたシダの葉に見慣れない蛾が止まっていました。 
翅の先端が鈎状に尖っていることから、カギバガ科の仲間だろうと予想がつきます。 
くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑で調べてみると、オビカギバ♂(Drepana curvatula acuta)と名前が判明。(P44に掲載) 
この個体は触角が羽毛状に発達しているので、♂のようです。 
幼虫の食餌植物は、「カバノキ科:ヤマハンノキ、シラカンバ、ダケカンバ、ヤシャブシ、ウダイカンバ、ヤハズハンノキ」とのことで、シダの葉とは関係ありませんでした。 

隠蔽擬態や保護色でもないのに、緑のシダの葉の上で堂々と静止しています。 
(バレバレだと思ったのは、私の主観ですね。)
蛾に馴染みのないヒトが見たら、茶色の枯れ葉が乗っているだけのように騙されるかもしれません。 

動きが無いと動画ブログのネタにならないので、飛翔シーンの羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:12〜)。 
シダの葉を軽く揺らすと、オビカギバ♂は準備運動なしですぐに飛び去りました。 

シダ植物についても勉強不足の私は苦手意識があり、種類を見分けられません。 
なんとなくワラビかな?と予想したものの、シダの葉全体の写真も撮り忘れてしまいました。 

ところで、冒頭のシーンで蛾の右には黒くて小さなハバチ(種名不詳)が写っていました。 
ゼンマイハバチやワラビハバチなどのように、シダ植物を寄主とするハバチ類がいるらしいのですが、今回は蛾より先に飛び去ってしまいました。
もしハバチ♀の産卵行動が撮れたりしたら、必要に迫られて(重い腰を上げて)シダ植物の名前を調べるでしょう。


【アフィリエイト】

2025/05/01

カモシカの溜め糞場を素通りするハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月上旬・午後21:45頃 

里山の雑木林でニホンカモシカの溜め糞場sr2を見張っている自動センサーカメラにある晩、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が写りました。 
奥から来て手前へとノソノソ歩き去りました。 
両目のタペータムが爛々と光っています(赤外線の反射)。 
途中にあるカモシカの溜め糞には全く興味を示しませんでした。 

ハクビシンが立ち去ってしばらくすると、火の玉や人魂のような謎の物体が写っていました。 
小さな造網性クモがレンズの至近距離を下から上に動いているのです。 
クモの糸の粘球が赤外線を反射しているというよりも、クモの体そのものがピンぼけで写っているのかもしれません。 
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」 


林床で採食する5月のキジバト【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年5月上旬・午後12:35頃・晴れ・気温33℃(直射日光で過熱され異常値?) 

平地の二次林で死んだアナグマの旧営巣地(セット)を見張っていると、キジバトStreptopelia orientalis)が現れました。 
巣口Rの右でゆっくり歩き回り、地面を啄んでいます。 
下草の生えたパッチで立ち止まり、何度も地面をつついています。 

セットにキジバトが来たのは、2024年になって初めてです。 


つづく→

2025/04/30

死んだアナグマの旧営巣地に夜な夜な通うホンドタヌキのペアが巣口で相互毛繕い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬〜5月上旬 

死んだアナグマの旧営巣地(セット)に夜な夜な通ってくるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の記録の余りものをまとめました。 
1〜2頭で登場し、2つの巣口L、Rの匂いを嗅ぎますが、巣穴の奥までは入ろうとしません。 


シーン1:4/23(@0:00〜) 


シーン2:4/25(@2:35〜) 


シーン3:4/29(@5:41〜) 
巣口Rを点検している2頭のタヌキが仲良く並び、相互毛繕いを始めました。(@6:50〜) 
仲睦まじいので、♀♂ペアなのでしょう。 


シーン4:5/1(@7:43〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


セイヨウタンポポの花に集まるコアオハナムグリ

 

2024年4月下旬・午後12:30頃・くもり 

山麓の田園地帯の農道に咲いたセイヨウタンポポの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
共にごくありふれた普通種ですけど、驚いたことに、この組み合わせは初見でした。 
別々の頭花で3匹のコアオハナムグリが見つかりました。 

タンポポの花の上を歩き回って花粉や花蜜を食べるコアオハナムグリの体は、黄色い花粉で汚れています。 
別の花に移動すればタンポポの授粉を助けていることになりますが、忙しなく飛び回って採餌するハナバチ類ほど移動性は高くないので、送粉者としてあまり当てにはできません。 

調べてみると、コアオハナムグリは成虫で♀も♂も地中で越冬するそうです。
(新成虫が秋に羽化する年一化の生活史。) 
越冬明けの個体が、春にいち早く咲いたセイヨウタンポポの花で栄養補給し、交尾に備えるのでしょう。 
ここ雪国でコアオハナムグリの成虫を4月に撮れたのも初めてで、もしかすると暖冬の影響で例年よりも早く活動を始めたのかもしれません。

早くも花が咲き終わったセイヨウタンポポの株で、綿毛の上半分が無くなっていました。 
綿毛が実際に飛散するシーン(種子の風散布)を撮りたかったのですが、風が弱くて残念。 

2025/04/29

クマイチゴの花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2024年4月下旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓の水路沿いに咲いたクマイチゴの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。

忙しなく吸蜜して回るミツバチの後脚を見ると、花粉籠が空荷の個体もいれば、白い花粉団子を付けている個体もいました。


【追記】
YouTubeのコメント欄にて、sussypowerpuffvideosさんからご指摘をいただきまして、ニホンミツバチからセイヨウミツバチに訂正しました。
「セイヨウミツバチの体色はもっと明るい茶色が濃かったっけ?」と、ときどき私は自信がなくなることがあるのです。
正確に同定するには、後翅の翅脈を精査する必要があります。
いずれにせよ、ミツバチとクマイチゴの組み合わせは初見でした。

ラショウモンカズラの花

2024年5月上旬・午後 

里山を流れる沢の近くに見知らぬ花が咲いていました。 
紫色の唇形花で、シソ科だろうと予想しました。 
写真に撮って画像検索(Googleレンズ)してみると、ラショウモンカズラと名前が判明しました。 

これで名前が分かったので、次は訪花昆虫を動画で撮影してみたいものです。
ラショウモンカズラの花
ラショウモンカズラの蕾

根返りスギの根元で餌を探す雪国の小鳥:シジュウカラ、ヤマガラ、コガラ、ミソサザイ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年2月上旬〜中旬

シーン0:2/9・午後14:54・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ防風林で、根こそぎ倒れたまま放置されているスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴a」を自動センサーカメラで見張っています。 
厳冬期でこの日は珍しく雪が積もっていますが、今季は記録的な暖冬で、例年に比べると異常なほど積雪が少ない年でした。 

昼間に次々と飛来して餌を探す野鳥をまとめました。
(混群で来たり、同定が難しかったりするので、鳥の種類ごとに動画を切り分けるのを止めました。) 

画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた根返りスギの土付き根っこは、雪国の冬でも雪に埋もれず露出したままです。 
画面上では、土の崖が冬でも露出しているように見えます。 
その土の中で越冬している昆虫類を鳥は捕食しに来ているようです。 
深い雪を掘り返せない鳥でも獲物を探せるのです。 
逆に、根返り倒木で越冬する昆虫は、土のかなり奥深くに潜り込まないと、鳥に捕食されて春まで生き残れないことになります。 
もし鳥が土そのものを食べてミネラル摂取しているのなら、根返りスギの根元をあちこち探索しないはずです。 


シーン1:2/10・午後12:26・くもり(@0:03〜) 
シジュウカラParus minor minor)の群れが登場。 


シーン2:2/13・午前9:39・晴れ(@1:03〜) 
たぶんミソサザイTroglodytes troglodytes)だと思うのですが、地味な小鳥が根曲がり巣穴aに興味津々で出入りしています。 


シーン3:2/13・午前15:07・晴れ(@1:12〜) 
ヤマガラSittiparus varius)が登場。 
細い横枝に止まると、白い糞をポトリと排泄しました。(@1:38〜) 


シーン4:2/14・午前8:26・晴れ(@1:53〜) 
シジュウカラが群れで登場。 
残雪の上でも何かを啄んでいます。 


シーン5:2/14・午前11:00・晴れ(@3:12〜) 
ヤマガラが登場。 


シーン6:2/14・午後13:26・晴れ(@3:23〜) 
シジュウカラとヤマガラの混群が登場します。 


シーン7:2/15・午後7:15・晴れ(@4:23〜) 
シジュウカラ♀が登場。 
細い横枝に止まった時に見えた黒ネクタイが細いことから、♀と判明。 


シーン8:2/15・午後7:18・晴れ(@5:14〜) 
シジュウカラ3羽とコガラPoecile montanus)1羽の混群。 


シーン9:2/15・午後7:23・晴れ(@5:48〜) 
シジュウカラ2羽が、根返りスギの土付き根っこだけでなく、残雪の上でも採食しています。 


シーン10:2/15・午後9:26・晴れ(@6:06〜) 
シジュウカラ2羽とコガラ?の混群。 


シーン11:2/16・午後14:06・晴れ(@7:01〜) 
いくら長期間粘っても、根曲がり巣穴aに出入りする野生動物は撮れない(居ない)ことが分かったので、これ以降は巣口aよりも根返りスギ中心の画角に変更しました。 

だいぶ溶けた残雪の上でシジュウカラが採食していました。 


シーン12:2/17・午前7:13・晴れ(@7:14〜) 
シジュウカラ2羽が登場。 


シーン13:2/17・午前10:52・晴れ(@7:57〜) 
コガラの登場。 


シーン14:2/18・午後7:34・晴れ(@8:08〜) 
朝日がもろに逆光となり、ハレーションを起こしています。 
それでもヤマガラとシジュウカラ、コガラ?の混群が来ていることが分かりました。 

太陽を直視してもトレイルカメラは壊れないのが助かります。


シーン15:2/18・午後7:41・晴れ(@9:07〜) 
ヤマガラとシジュウカラの混群。 


シーン16:2/18・午後7:44・晴れ(@10:07〜) 
シジュウカラの群れ。 


シーン17:2/18・午後7:59・晴れ(@10:48〜) 
シジュウカラとコガラが登場。 


シーン18:2/18・午後12:47・晴れ(@11:02〜) 
ミソサザイ?の登場。 


シーン19:2/18・午後15:32・晴れ(@11:36〜) 
ミソサザイ?が再登場。 


シーン20:2/19・午前7:31・晴れ(@11:46〜) 
シジュウカラの登場。 


シーン20:2/19・午前11:50・くもり(@12:03〜) 
ミソサザイ?の登場。 
気まぐれな旧機種のトレイルカメラにしては珍しく自然なフルカラー(天然色)で録画してくれました。 


シーン21:2/19・午後13:23・くもり(@12:42〜) 
ヤマガラが登場。 
ミネラル補給のために土を食べに来たのではなく、越冬中の虫を探してるようです。 
土中から何かをほじくり出すと、右手前の倒木に止まり、足で獲物を押さえながら啄み始めました。 
植物の固い種子のようにも見えます。 
埋土種子かもしれませんが、ヤマガラの場合は、秋に貯食していた種子である可能性もあります。 
秋の貯食シーズンから監視カメラを設置すべきですね。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/04/28

休耕地の上空を春の深夜に飛び回るコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年4月下旬 

シーン0:4/22・午後13:59・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
休耕地にあるホンドタヌキの営巣地をトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:4/29・午後23:42・気温15℃(@0:00〜) 
深夜に夜蛾が飛び回っていました。 
後半にヒラヒラと飛んだのは、コウモリの一種だと思います。 
この地点でコウモリが撮れたのは初めてです。 
春になって獲物となる虫が活動するようになった時期に合わせて、コウモリも冬眠から覚めたのでしょう。

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
動画のフレームレートが25fpsでは力不足で、コウモリの羽ばたきが滑らかに捉えられていません。 
最近のトレイルカメラは4Kとか高画質に進歩しているようですが、個人的には動画のフレームレートを上げて欲しいと切に願います。

つづく→

配電盤の裏で営巣適地を探すフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:45頃・晴れ 

郊外にある某施設の駐車場で、電柱の配電盤の周りをフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が飛び回っていました。 
早春の時期だとワーカー♀ではなく、越冬後の創設女王です。 
特に裏側の隙間に興味を示して、何度も物色していました。 
巣を作り始めるのに適した場所を探しているようです。

2025/04/27

オオヤマザクラの桜吹雪

 

2024年4月中旬・午前10:35頃・くもり 

民家の庭に植栽されたオオヤマザクラの老木が満開の花を咲かせていました。 
花の盛りは過ぎていて、風がなくてもピンク色の花弁がハラハラと落ちてきます。 
春風が吹くと桜吹雪となりました。 

来年以降に機会があれば、オオヤマザクラの桜吹雪をハイスピード動画でも撮ってみたいものです。

死んだアナグマの旧営巣地に通って匂い付けや排尿マーキングするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬 

死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)がある二次林を自動センサーカメラで監視を続けています。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が通ってきて匂い付けやマーキングする様子をまとめました。


シーン1:4/23・午後20:59・気温13℃(@0:00〜) 
晩に左の獣道から来たタヌキが巣口LRの間を通って、奥の林縁に向かっていました。 
林縁で下草の匂いがなぜか気に入ったようで、首筋を擦り付けて匂い付けをしました。 
その後は左へ立ち去ります。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:33〜)。 


シーン2:4/26・午後21:51・気温16℃(@0:55〜) 
3日後の晩、右から忍び足で来たタヌキが巣口Lの横を通り過ぎました。 
耳を後ろに寝せているのは、ひどく警戒している(怯えてる?) 証でしょうか。

給餌箱の置いてあった近くの匂いを嗅いでから、排尿マーキングで縄張り宣言しました。 
このとき腰を深く屈めたので、♀と判明。 
この時期はタヌキとアナグマのマーキング合戦が激しくなってきたようですが、どうして実際に巣穴として使わないのか不思議です。 


シーン3:4/26・午後21:51・気温17℃(@1:19〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Rの匂いも嗅いでから右へ立ち去りました。 


シーン4:4/29・午後20:14・(@2:01〜) 
3日後の晩に、またタヌキが登場。 
アクセストレンチを降りて慎重に頭を巣口Lに突っ込んで、奥の匂いを嗅いでいました。 


シーン5:4/29・午後20:15・(@2:48〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
巣口Lを点検してから手前の林内に立ち去る際に、巣口Lの傍らに伸びた蔓植物の下草(種名不詳)に排尿マーキングしたようです。 
このとき左後足を軽く持ち上げたので♂かもしれませんが、正面から見下ろすアングルでははっきりしません。 
カメラを見上げてから、左下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



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