ラベル 魚類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 魚類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023/11/19

夜の小川を泳ぐ小魚の群れと鯉【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月下旬・午前3:06・気温6℃ 

川岸のニセアカシアが小川を跨ぐように倒れた天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、意外な生き物が撮れていました。 
画面の左から右へ小川が緩やかに流れています。 

深夜未明にトレイルカメラが起動した理由が分からなかったのですけど、小川の水中をよく見ると、多数の小魚がいました。 
白く光る目がスイーッ、スイーッとゆっくり動いています。 
群れをなして整然と泳ぐのではなく、ばらばらに泳ぎ回っていました。 
よく見ると、大きな魚も1匹遊泳していました。 
おそらくコイ(鯉;Cyprinus carpio)と思われます。 

この小川は街なかを流れてきた用水路ですから、魚が潜んでいるとしたら、本流の川から遡上してきた個体でしょう。

4倍速の早回し映像にした方が魚の動きが分かりやすいので、まずそちらをご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。(@0:15〜) 

変温動物の魚類が水中で動き回っても、トレイルカメラのセンサーは反応しないはずです。 
きっと恒温動物の野ネズミなどが素早く横切ったのか、風揺れなどカメラの誤作動で起動したのでしょう。 
此岸に繁茂する草木をできる限り刈り取って赤外線の白飛びを抑えたら、水中の魚がよく見えるようになったようです。 

丸木橋を渡る様々な野生動物(肉食獣)や魚食性の野鳥が小川の岸辺を気にしていたのは、これらの魚群を狙っていたのだと分かりました。 



最後は明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子を示して終わります。
日中は物陰に隠れているのか、魚影を見たことがありません。 
後日(5月中旬)、現場入りした際に左岸の水中から大きな魚がパシャン♪と跳ねる水音を聞きました。

2022/08/03

田んぼでドジョウを捕食するアオサギの舌舐めずり(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:25頃・晴れ 

田植えが済んだばかりの水田にアオサギArdea cinerea jouyi)成鳥が単独で佇んでいます。 
春風で水面にさざ波が立ち、アオサギの蒼い冠羽が風でなびいています。 
やがて私に対する警戒を解くと、アオサギは泥田の中をゆっくりと歩き始めました。 
獲物に狙いを定めて嘴を素早く突き出すと、細長い魚を見事に捕らえました。 
おそらくドジョウの仲間でしょう。
嘴の先端で挟まれてピチピチと暴れる獲物を嘴の根元の方へ器用に移し、水に浸したりしながら丸呑みにしました。 
捕食後の嘴は泥で汚れているのに、それを拭う行動をなぜか一切しませんでした。 
すぐにまた次の獲物を探し歩きます。 
この水田にはドジョウが多いようで、次々に捕食しています。
 

食事の合間にアオサギの半開きにした嘴の横からピンクの細長い物体がときどきチロチロと突き出ていることに気づきました。 
これはアオサギが食後に嘴を舐める「舌舐めずり」の行動なのでしょうか? 
このとき喉が膨らんでいるので、完全に飲みこむ前のドジョウが未だ口内で暴れているのかな? 
しかし、謎のピンクの細長い物体はドジョウの尻尾の形状とは異なり先端が尖っているので、アオサギが舌を出し入れしている(舌舐めずり)だと思います。 
鳥には歯がありませんから、ドジョウの頭部や尻尾を噛み千切ることはできません。
アオサギは身近な普通種で散々観察してきたのに、舌舐めずり行動に今まで全く気づかなかったのは、我ながら不思議です。 
個体差がある癖なのでしょうか?
次に機会があれば、アオサギの舌舐めずりをスーパースローで撮影するのも面白そうです。
ドジョウ以外の獲物を捕食したときも同様のシーンが見られるのなら、舌舐めずりで間違いないでしょう。
他のサギ類も舌使いは同じなのかな? 
「アオサギの舌」で画像検索してみると、アオサギの舌は固くて(器用に曲げられず)真っ直ぐな印象を受けます。 
内部には硬い舌骨があるのだそうです。
参考サイト:アオサギの舌の秘密
一方、今回の動画で分かったように、アオサギの舌の先端部は柔軟性があってチロチロと器用に動かせるようです。

上空からグワァ♪という怪音が聞こえ、田んぼのアオサギaが急にその場で180°方向転換したので何事かと思いきや、別個体のアオサギb(若鳥)が左から飛来しました。 (@3:37)
2羽目のアオサギbは滑空すると、2つ離れた別の区画の水田に舞い降りました。 
餌場が離れているので、先客と縄張り争いにはなりませんでした。 
アオサギaは採餌活動を再開。 

アオサギaのドジョウ狩りは成功率100%とは限りません。 
映像の後半はドジョウに逃げられて捕食に失敗したシーンです。(@5:30〜) 
 

2021/11/01

川の岸辺で採食する巨大魚:野ゴイ?ソウギョ?【名前を教えて】

 

2021年8月上旬・午後15:15頃・晴れ・気温38℃ 

川の対岸の浅瀬で魚の黒い背中が動いています。 
初めはカメの甲羅かと思ったぐらい大きな魚でした。 
素人の目測では1mぐらいはあったように思いました。 
釣りを嗜まない私は魚類に関して全く疎いのですが、この淡水魚は野生のコイ(鯉;Cyprinus carpio)、つまり野ゴイですかね? 
もしかしてソウギョ(草魚;Ctenopharyngodon idellus)ですかね? 
どなたか教えていただけると助かります。 
現場は最上川の上流域で、堰の手前の流れが緩やかになった地点です。 
釣り禁止区域との看板があり、ここまで大きく育ったのも納得しました。

川岸近くの浅瀬に長々と留まっているので、初めは座礁しているのかと思ったぐらいです。 
水面から上に背中だけ出ています。 
背中がラクダの瘤のように少し隆起して見えるのはカラフトマス♂を連想しました。
背びれは寝ていて(後方に畳んでいて)形が分かりません。 
やがて川岸を離れて深みを遊泳したものの、再び川岸の浅瀬に戻って自ら乗り上げました。 
一体何をしているのでしょうか? 
川底の石に付着した藻でも食べているのかな? 
頭で川底を掘っているようにも見えます。(産卵準備?) 

鯉♀の産卵行動にしては時期が遅いでしょう。
4〜5月の午前中に、岸近くの浅瀬で大きな水しぶきがあがっていることがある。これはいわゆるコイの”乗っ込み”で、産卵行動である。コイはバスとソウギョ両者の食性をもち、汚染水にも耐性のある魚であることから、生態系の均衡を考えて、野外への意識的放流は避けるべきであろう。 (野上宏『街の水路は大自然―1.8kmの川で出会った野生動物たち』p89より引用)

2021/09/20

アユの滝登り?【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月上旬・午後14:10頃・くもり 

里山の方から平地の池に向かって流れてくる用水路(幅?m:後で採寸)が水門の直下で滝のように流れ込んでいます。 
白く泡立つ滝壺で小魚の群れが水面からピョンピョン跳び出していました。 
私は魚類について全く疎いのですが、これはアユ(鮎;Plecoglossus altivelis)の滝登りですかね? 
もし間違っていたらご指摘願います。 
高速連写で撮れた魚の写真も記事の最後に載せておきます。 
この時期に川を遡上したり滝登りしたりする淡水魚はアユ以外にもいるのかな?(ヨシノボリ?) 
毎年この時期に見られる光景(季節の風物詩)なのであれば、次は水中カメラでアユを撮ってみたいものです。 
アユの生活史を調べると、
アユは秋の終わり頃に川で生まれ,すぐに海に下ります。 海に下ったアユの稚魚は,春まで海の浅いところで暮らし,4月~6月に川へ遡上して成長し,9月~11月頃に川で産卵します。 アユは産卵を終えると死ぬため,1年で一生が終わります。(参考サイト:宮城県「アユ遡上調査について」より引用)
大雨が降って川が増水した後なので、魚が上流(ダム? 里山の渓流?)から流されてきたのでしょうか? 
しかし、スローモーションの映像をじっくり見ても、上から流れ落ちてくる魚は1匹も写っていませんでした。 
やはり溜池に生息する魚群が流れに逆らって遡上しようとしているのでしょう。 
溜池に誰かが放流した魚が遡上してきた可能性も考えられます。 

滝の落差が大き過ぎて、アユ?が何度挑んでも滝登りに成功できた個体はいません。 
遡上できるように魚道を設置する必要がありそうです。 
しかし、仮にこの滝と水門を突破したとしても、この上流はコンクリート三面張りの殺風景な用水路が延々と続くだけです。 
川魚が一体何のために遡上したいのか、素人の私には理解できません。 
オリンピックのカヌー競技を見て知ったのですが、水が激しく泡立っている滝壺は浮力が低くなっていて水難事故のリスクが高いそうです。 
そんな難所も次々と遡上するアユ?はかなり体力を消耗しているはずです。 

過酷な滝登りに挑むアユの跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。
(横から@1:38〜、下から@8:28〜) 
アユが川面のどこから跳び出すか予測できませんから、やや引きの絵で狙うことにします。 
カメラの仕様でハイスピード動画の音声は録音されないのですが、長々と無音状態が続くのは寂しいので、前半部のFHD動画の音声パートを1/8倍速スローに加工して再利用しました。 
大小様々な個体がジャンプしています。(別種? 体格に個体差?) 
空中でも尾びれを左右に激しく振っていました。 
基本的には必ず上流に向かって跳んでいます。 
激しい水流に押し流されて、下流側へ跳ぶこともたまにありました。 
ときどき2〜3匹が同時に跳び出しています。 

カワセミやサギ類、カワウなど魚食性の水鳥にとって、ここは絶好の漁場であるはずです(食べ放題!)。
私が2時間後に現場を再訪しても、鳥が1羽も魚を捕食しに来てないのが不思議でした。 
近づく私を警戒して逃げてしまったのかもしれません。

    

2021/09/12

婚姻色を呈するオイカワ♂♀の群れが泳ぐ池(淡水魚)

 

2021年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

今まで見たことのないとてもきれいな淡水魚が平地の池で群れをなしていました。 
黒っぽい体に赤いヒレを持つ大型の個体が混じっています。 
群れが集まると水中でほとんど静止しています。 

山育ちなのに釣りの嗜みを覚えずに育ってきてしまった私は魚の知識が全くありません。 
てっきり、誰かが池に外来種の観賞魚を放流したのか?などと思ってしまいました。 
(よりによってベタを連想したぐらいです。)
帰ってから調べてみると、どうやらオイカワ♀♂(Opsariichthys platypus)という種類のようです。 
しかし、本来オイカワは西日本にしか生息してないそうです。 
山形県にオイカワは自然分布しないはずですが、ネット検索すると当地でも釣具屋のブログなどで釣果の記録がヒットします。 
この池では子供たちがよく釣りをしているので、おそらくオイカワが放流(人為移植)されているのでしょう。 

動画の前半では、7匹の群れが日向の水面近くに集まっていました。 
鰭の前縁が赤い大型の個体は♂で、婚姻色なのだそうです。 
それに対して、全身が黒っぽくて地味な小型の個体は♀です。 

ここでちょっとした事件が起こりました。 
背中に痛々しい怪我をした個体♀wに注目して下さい。 
おそらく釣り針で背中を引っ掛けられて負傷したのではないかと思います。 
(あるいは鳥に危うく捕食されかけたのかもしれません。)
この♀wが急に水面から飛び出すように跳ねました。 
跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♀wは行く手を横切る♂に遮られ、乗り上げるように飛び越えていました。 
しばらくすると(32秒後)、再び♀wが水面から跳ねて♂を飛び越えました。 
これは果たして偶然の回避行動でしょうか? 
動画を遡ってじっくり見直すと、♀wが2回飛び越えたのは同一個体の♂でした。 
♀wの方が活発に泳ぎ回り、わざわざ戻ってきて特定の♂を飛び越えたのです。
群れの色気づいた♂たちを見定めてから♀wが気になる特定の♂に対してちょっかいをかけたり誘ったりしているのだとしたら(求愛行動)面白いですね。 
もちろん私はオイカワがどんな求愛行動をするのか何も知らないので、素人の妄想かもしれません。
♬もしかしてだけど、もしかしてだけど、それってオイラを誘ってるんじゃないの? by どぶろっく
せっかく♀wに誘われた♂が何もアクションを起こさなかったのも解せません。
「傷物の♀」には興味がないのでしょうか?
普通に考えれば、婚姻色を呈した♂の方が♀に求愛アピールしそうなものです。 

後半は(@1:35〜)、♀7♂4匹の群れが寄り集まっているだけで求愛行動は全く見られませんでした。 

ネット検索しても、オイカワの求愛行動についての情報は得られませんでした。 
魚類図鑑サイトPrivate Aquarium によると、
(オイカワの)繁殖期は5~8月で、岸近くの流れの緩い平瀬の砂礫底で産卵する。 産卵にあたって雄は直径30~50cm程度の産卵床を作るが、これをめぐって激しい縄張り争いをする。
今回私が見た群れでは、♂同士の闘争行動は見られず、至って平穏でした。 
♂の赤い婚姻色がもっと濃く鮮やかになってからが繁殖行動の本番なのかな?

2021/08/02

鯉のぼりと本物のコイの泳ぎを比較【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月中〜下旬・午後・晴れ

ようやく水面にハスの若葉が開き始めた蓮池で、コイ(鯉;Cyprinus carpio)が泳ぎ回っていました。(@2:28〜) 
オーソドックスな黒いコイに混じってオレンジ色の錦鯉も泳いでいます。 
大型個体のコイが池底の泥を巻き上げながら岸辺を泳ぐと、ときどき気泡がブクブクと浮き上がります。 
これは泥の中のメタンガスなのですかね? 
私が岸辺から池を覗き込むと、給餌するのを期待して鯉が集まって来ます。 
水面で口を大きく開けて餌乞いしています。 

今さら池のコイを撮っただけでは面白みに欠けるので、ちょうど5月に街なかで見かける鯉のぼりの映像とつないでみました。 
春風で勢いよくたなびく鯉のぼりを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:18〜) 
支柱の天辺で風車がクルクルと回っています。 
私がちょうど風下に立った位置で撮影したので、いまいち迫力ある絵になりませんね。 
横着せずにちょっと回り込んで、鯉のぼりの側面から撮るべきでした。 

2021/04/04

潜水漁で川魚を捕食するカワウ(野鳥)

 

2020年11月中旬・午後15:20頃・晴れ 

夕方の川で1羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)がマガモ♀♂の群れの間を縫って水面を左へ横断しています。 
途中から向きを変え、下流へ向かって川面を遊泳し始めました。 
やがて水中に潜って川魚を捕り始めました。 (単独潜水漁)

獲物の正体を突き止めるには、カワウが浮上した直後にすかさずズームインする必要があります。 
ところが、カワウが潜水すると次にどこから浮上するか予測できないため、一旦ズームアウトしないといけません。 
したがって、いつもカメラが寄る前にカワウが獲物を呑み込んでしまい、間に合いません…。

▼関連記事(同じ日に同じ川で撮影)

 

池で溺れるアキアカネ♂を捕食する鯉(コイ)

 

2020年12月上旬・午後12:15頃・くもり 

晩秋に生き残った赤トンボ♀が農村部の溜池(釣り堀?)で最後の力を振り絞って打水産卵していました。(映像なし) 
それより気になったのは力尽きた2匹の赤トンボで、池の水面で溺れています。 
沈まずに水面で浮いているので、すぐに溺れる心配は無さそうです。 
しかし水難トンボがいくら激しく羽ばたいても、水面に波紋が広がるだけで、表面張力を振り切って飛び立つことが出来ません。 
翅が濡れるとトンボは重くて飛び立てないのかもしれません。 
もしかして、岸を目指して必死で泳いでいるのかな? 
疲れると水面でしばらく休息。 

映像を見る限り、溺れているトンボの種類はおそらくアキアカネ♂(Sympetrum frequens)だと思います。
翅先に黒斑が無いので、ノシメトンボではありません。 

一方、この池には黒いコイ(鯉;Cyprinus carpio)が何匹も泳いでいました。 
小魚の群れも水中に見えます。 
水面で暴れるトンボが立てる波紋に気づいたようで、鯉が集まってきました。 
同一個体のコイが2匹の水難アキアカネ♂を続けざまに捕食しました。 
パクリと丸呑みです。 
トンボが水面で暴れずにじっとしていれば魚に察知されずに済んだかな? 

捕食シーンが撮れたので満足した私がズームアウトしかけると、事件が起こりました。 
撮影中は気づかなかったのですが、新たに別のトンボ♂が池に飛来し、水面で溺れている個体に体をぶつけてそのまま自分も溺れてしまったのです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
水難♂を♀と誤認し、交尾を試みて水面に囚われてしまったようです。 
「ミイラ取りがミイラになる」とはまさにこのことで、トンボの繁殖池が「死のトラップ」と化しています。 
池の鯉にしてみれば、餌となるトンボが勝手に連鎖反応で水面に落ちてくれるので食べ放題のお祭りでしょう。
私の推察が正しければ、実験で再現できるはずです。
つまり、囮となるトンボの標本(死骸)を水面に浮かべておけば、交尾しようと次々にトンボ♂が水に飛び込んでくる「死のダイブ」が再現できるはずです。
晩秋の静かな溜池で人知れずドラマチックなことが起きていて、私も結構感動しました。 

※ 動画編集時にコントラストではなく彩度を少し上げました。 
水面から照り返しが眩しくて、撮影中はあまりよく見えませんでした。 
こういうときこそ横着せずに偏光フィルターをレンズに装着すべきでしたね。


【追記】
新井裕『トンボ入門』p81によると、
トンボが水を飲もうとしておぼれ死ぬケースもよくある

トンボの飲水行動を私は未見なので、次からは注意して観察することにします。 


 

2021/03/29

川面で跳ねる魚群を集団漁で捕食するカワウ(野鳥)

 

2020年11月中旬・午後15:20頃・晴れ 

夕方に川岸の倒木で夕日を浴びながら休んでいるカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れを撮影していると、急に止まり木から川に次々と飛び込みました。 
計5羽のカワウが川の一箇所に集まって集団で漁をしています。 
釣りをしない私は魚の習性に疎いのですが、おそらく水中の捕食者に追われた小魚の群れが川面でピチピチと跳ね、水面の魚群を目ざとく見つけたカワウが直ちに駆けつけたのでしょう。
カワウは通常、単独で漁を行い、全身が完全に水中に潜って魚を捕ります。(単独潜水漁) 
一方、今回の集団漁では水中に首だけ突っ込んで浅いところから獲物を捕食していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:36〜)、ピチピチ暴れる小魚を嘴で咥え飲み込んでいるのが分かります。 
突発的な集団漁は残念ながらすぐに終わってしまいました。 
カワウの集団漁を初めて観察できて興奮しました。 
素人目には「囲い込み漁」と呼べるほど高度な連携の取れた漁ではなく、参加者が我先に捕食している印象でした。 
中川雄三『水辺の番人カワウ』によると、
小魚の群れを追うときには集団で、大物を狙うときには個々にばらばらになって魚を追いかけます。(p26より引用)
集団漁が解散すると、カワウは次々に川面を岸に向かって遊泳し、止まり木へ戻りました。 
川岸の倒木には更に5羽以上の個体が残っていました。 
集団漁に参加したのは、カワウの群れの一部だけでした(構成は若鳥2羽と成鳥3羽)。 
漁場に残っていた1羽のカワウが川面で翼をばたつかせて濡れた羽根の水気を切りました。 

そこへ2羽のカワウが続々と下流から飛来し、急降下すると川面に着水しました。 
また別個体の1羽が上流へ向かって助走し、飛び立ちました。 
急上昇してから右に旋回し、下流へ飛び去りました。 
直接下流に向かって助走・離陸しなかったのは、風向きの影響なのでしょう。
(向かい風が無いと重いカワウは飛び立てない)
あるいは、飛行中にカメラで流し撮りを続ける私を警戒して、Uターンしてしまったのかもしれません。

2021/02/02

コンクリート護岸から池に飛び込み魚を捕るカワセミ♂(野鳥)

 

2020年910月上中下旬・午後16:50頃・くもり 

夕方の溜池のコンクリート護岸(下から2段目)にカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が止まっていました。 
水面を見つめて獲物を狙っています。 
カワセミ♂はぴょこぴょこと頭を上下しながら尾羽根も持ち上げています。 
水中に魚を見つけたのか、突然、左に素早く横歩きしました。(@0:21) 
飛ぶ直前に尾羽根を上げた直後に少量の白い液状便をピュっと後方に排泄しました。(@1:29) 

左前方の水面にすばやく飛び込み、岸の近くで獲物を捕らえるとすぐに階段に戻りました。(@1:45) 
嘴には白っぽい小魚を横に咥えています。 
ピチピチと暴れる獲物を階段に叩きつけて殺し、魚の向きを変えてから丸呑みしました。 
カワセミ♂はときどき首を左右に激しく振り、羽根の水気を切っています。 
食後に再び脱糞したものの(@2:33)、ペリットは吐き出しませんでした。 

この池でカワセミの飛び込み漁は何度も観察していますが、水面からの高さがこんな低い場所からの飛び込み漁の成功例を初めて見ました。 
夕刻の薄暗い時間帯はこの方法が有効なのでしょうか? 

飛び込み漁および食前食後に排便する瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:40〜) 

周囲でヒヨドリやモズが喧しく鳴いています。 
この日の池にはなぜかカワセミの他に水鳥(サギ類やカモ類など)は1羽も居ませんでした。

そのまま観察を続けると、このカワセミ♂個体は奇妙な行動を始めました。 

つづく→落ちていた羽毛を繰り返し拾って遊ぶカワセミ♂(野鳥)
カワセミ♂(野鳥)@小魚捕食
カワセミ♂(野鳥)@脱糞直後

2020/12/23

水門から川の魚を探すカワセミ♂(野鳥)

 

2020年8月下旬・午前7:50頃・晴れ
▼前回の記事 
早朝の川に飛び込んで魚を捕るカワセミ♂(野鳥)
ようやく朝日が高く登り、ギラギラした夏の日差しが川に差すようになりました。 
顔馴染みになったカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が飛来し、用水路から川の本流に注ぐ水門の右のコンクリート護岸の天辺に止まりました。 
あまりにも至近距離なので、私はドキドキしながら息を潜めてそっとカメラをカワセミに向けました。 
カワセミがすぐに飛び立ってしまい、落胆しかけたのですが、今度は水門を挟んで左のコンクリート護岸の天辺に止まり直しました。 
「青い宝石」が間近で飛ぶ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ホバリングしながらコンクリートの先端に止まり直す素振りを一瞬見せてから水門の反対側に飛んだのが見どころです。 
水門を挟んで両側のコンクリート護岸を行ったり来たりしています。  

護岸に止まったカワセミ♂は、ときどき首を上下に伸ばす仕草を繰り返し、川面を見つめています。 
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか』岩波科学ライブラリーを読むと、この行動の意味が分かりました。
歩くでも泳ぐでもなく、じっとしているときに首を上下に振る鳥たちもいる。たとえばカワセミだ。(中略)このカワセミを観察していると、ひょいっと首を上に伸ばして、その後に縮める仕草を見せる。この一連の動作は、いったい何なのだろうか?  実はこれは、光の反射などによって見づらくなっている水中の獲物や天敵を見やすくするための行動である。私たちも、川や池にいる魚を見ようとすると、光の加減で水面が反射してしまい、よく見えないことがある。そんなとき、ちょっと頭の位置を変えてみると、見やすくなることがある。それと同じことを、カワセミは上下に首を振ることで行っているのである。 ここでも首振りは、視覚と、そして採食行動が関係しているのだ。 (p101〜102より引用)
水中の魚影を探しながら、小声で鳴いていました。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  

美しい翡翠色とオレンジ色の羽根が真夏の直射日光で輝いて見えます。 
後頭部から白い綿毛のような羽毛が寝癖のように飛び出ているのが愛嬌ありますね。(換羽中?) 
顔を向ける角度によっては下嘴の下面が少し赤く見えましたが、♀ならもっと全体が赤いはずです。 (もしかして、この個体は♂ではなく若い♀?)
憧れのカワセミをこれほど至近距離から撮らせてもらえて、痺れるほど感動しました。 

 最後はコンクリート護岸から身を翻しながら右へ飛び去り、続けて右から左へ川面スレスレの低空飛行で倒木の方へ飛び去りました。 
もしかすると隠し撮りしている私の存在にはとっくに気づいていて、フェイントをかけたつもりなのかもしれません。 (別個体、例えばつがい相手の♀とすれ違った可能性もありそうです。)


カワセミ♂が止まっていたコンクリート護岸上には白い鳥糞が多数付着していました。 
今回は飛翔前に脱糞しませんでしたが、ここはカワセミが魚を狙うお気に入りの場所のひとつなのでしょう。 
カワセミが吐き出したペリットは見つかりませんでした。(川に落ちてしまうのでしょう。) 
実は以前、ここの対岸でカワセミを目撃したこと、水門の陰から飛び去るカワセミを目撃していました。
更に、水門コンクリート護岸に残された鳥糞の存在からカワセミが来ることを予想(確信)して、私はここに夜明け前からブラインドを張って待ち構えていたのです。 
作戦が見事に成功したので最高の気分です。 
川辺りで徹夜した甲斐がありました。 

水門の真下を覗くと、川の中に黒っぽい小魚が群れていました。 
※ 水中の小魚を早朝6:30頃に撮ったラストシーンだけあまりにも暗過ぎたので、自動色調補正を施しています。

2020/12/19

早朝の川に飛び込んで魚を捕るカワセミ♂(野鳥)

 

2020年8月下旬・午前6:03および7:43・くもり
▼前回の記事 
川辺の止まり木で羽繕いする早朝のカワセミ♂(野鳥)
朝日はとっくに昇っているのですが(日の出時刻は午前5:05)、東の山や河畔林に遮られてまだ少し薄暗いです。 
川辺の倒木に止まっていたカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が水中に魚影を見つけたようです。 
素早く横歩きして、倒木の先端部へ移動しました。 
急に浅瀬に飛び込むと、川面に水飛沫が上がりました。 
飛び込み漁は見事に成功です。 
嘴に小魚を咥えたまま空中で甲高くチー♪と一声鳴きました。 
すぐに同じ倒木の手前の枝に止まり直しました。 
咥えた小魚を足元の止まり木に叩きつけると、おとなしくなった獲物を頭から飲み込みました。 
飛び込み漁および飛び立ちの瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
※ カワセミ♂が鳴いている部分だけ、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

続けてすぐにまた倒木の下の川に飛び込みました。 
今回は魚を取り逃がしてしまい、カワセミ♂は無言で同じ止まり木に舞い戻りました。 
身を震わせて羽根の水気を切ります。 

休む間もなく再度川に飛び込んだものの、漁は失敗で倒木にすぐ戻りました。 
嘴から水が滴り落ちています。
この漁場は魚があまり多くないのか、カワセミによる飛び込み漁の成功率は低いです。 

倒木の下に集まっていた魚の群れはおそらく散り散りに逃げてしまったのでしょう。 
漁を諦めたカワセミは甲高い声でキーキーキー♪と鋭く鳴きながら飛び去りました。 
整備不良の自転車が坂道を下るときの喧しいブレーキ音のようです。  

1時間40分後、同じ止まり木に同一個体と思われるカワセミ♂が再び飛来しました。 
ほとぼりが冷めて魚が戻って来るまで待っていたのでしょう。(縄張り内で漁場をいくつか持っているはずです。)
止まり木から川面をしばらく見つめると、目の前の川に飛び込みました。 
すぐに元の止まり木に戻ったカワセミ♂の口元を見ても、何も咥えていません。 
しかし何かを急いで飲み込んだようです。 
もしかすると水生昆虫を捕食したのかもしれません。(あるいは水を飲んだ?) 

そこへ 突然、ヒヨドリHypsipetes amaurotis)の幼鳥が飛来すると、同じ倒木の手前の枝に止まりました。 
カワセミと並んで止まっているように見えますが、実際の2羽は離れているようです。 
邪魔が入って漁をする気が失せたカワセミ♂は、お気に入りの止まり木から飛び去ってしまいました。 
ヒヨドリの幼鳥は朝の水浴びに来たのではないかと期待したのですが私の予想は外れ、カワセミに続いて逆方向に飛び去りました。 

2020/10/30

池の鯉とクサガメのパン食い競争

 

2020年7月中旬・午後18:10頃・晴れ 

蓮池の岸に立っている男性がパンを千切って岩場を目掛けて次々に投げていました。 
コイ(鯉;Cyprinus carpio)の群れが殺到し、パンを食べています。 
黒いコイだけでなく、オレンジ色の錦鯉も混じっています。 

いつもは岩場で甲羅干しをしているクサガメMauremys reevesii)も、水面に浮いたパン屑をがっついて食べています。 
2匹ともやや小型の若い個体でした。 
最近なぜか、ミシシッピアカミミガメの姿を見かけません。 
外来種として駆除されたのかな? 

3羽のカルガモAnas zonorhyncha)幼鳥が池の水面を泳ぎ回っています。 
パン食い競争に参戦するかと思いきや、岸壁に近寄ってヒトに給餌をねだってるようです。 

観客へのサービスのつもりなのか、面白がって岩場を目掛けてパンを投げているようですが、必死な魚が岩に座礁して腹ビレや鱗が傷つくのではないかと心配です。(鯉はそんなにヤワじゃない?)  
連日のパン大量給餌は栄養が極端に偏りますし、食べ残しが水質を悪化させます。 
一部の(特定の)野生動物がヒトに依存する状態は生態系のバランスを崩し、好ましくありません。 
動物愛護を履き違えて猫や鳩、鯉などに給餌しに来る常習者に対してどういう言い方をしたら止めてもらえるのか、いつも悩みます…。 
素朴な善意から始まった野生動物への給餌がエスカレートして歯止めが利かなくなり、全国各地で問題になっています。 
そういうヒトは、一種の依存症(手軽な快楽への中毒)なのでしょうね。


2020/07/24

冬の池を泳ぐ黒い鯉(コイ)



2020年1月上旬・午後15:05頃

真冬の蓮池はハスが枯れて寒々しい光景です。
水面の一部には薄氷が張るほど寒いのに、池の中を覗くと数匹の黒いコイ(鯉;Cyprinus carpio)が、石垣の岸壁付近をゆったりと泳ぎ回っていました。
池の岸には薄っすらと残雪が見えます。

鯉が寒い冬にも元気に活動するとは意外でしたが、考えてみれば当たり前ですね。
私は釣りをやらないので魚の習性を全く知りません。
なんとなく冬眠のように水底でじっとしているのかと思いこんでいました。
今年は暖冬で積雪も少なかったのですが、もし例年並みの寒さで池が完全に結氷したら鯉はどうするのでしょう?


2020/07/04

池の岸から小魚を捕食するダイサギ(冬の野鳥)



2020年2月中旬・午後16:18〜16:28

日本庭園で池の岸で白鷺が佇んだり、ゆっくりと歩き回ったりしていました。
ダイサギArdea alba)です。
飾り羽が美しいですね。
少量の残雪が積もった岸から何度も長い嘴を水中に素早く突っ込んで獲物の捕食を試みています。
何度か失敗したり獲物に逃げられたりしたものの、私が見ている間に少なくとも二度は小魚の捕食に成功しました。

池の水面には、細かく溶けた氷(雪かも?)が浮いています。
ダイサギは岸の水際に忍び寄り、鋭い眼光で水中を見つめています。
日本庭園の庭木は冬の間、雪囲いされています。

水中に獲物を見つけると、ダイサギは頭を低く下げた姿勢で忍び寄ります。
狙いを定め、池の水際の岸に嘴を電光石火の早業で突き刺しました。
見事に咥えた長い嘴の先には小魚(種名不詳)がピチピチと暴れていました。
獲物を丸呑みすると、首を左右に振って嘴から水を振り落としました。

川で魚を捕食するダイサギは今まで何度も観察してきましたが、池での漁は初見です。
川での漁と異なる点として、食後に嘴を水でゆすぐ行動をしませんでした。
今回、食後のダイサギは首を左右に振って嘴の水気を切っただけで、すぐに次の獲物を探しに歩き出しました。
おそらく、池の静水で嘴をゆすいだりすると魚に警戒され逃げられてしまうからでしょう。

もう一つ大きな疑問として、川では「足踏み追い出し漁」がダイサギの得意技なのに、池では水中に入って歩き回らないのは何故でしょうか?
単なる個体差なのかな?
釣りをやらない私は想像するしかないのですが、池と川では効率的な漁のやり方が異なるのかもしれません。(池の魚の方が警戒心が強い?)

止水の池で足踏みすると水底から舞い上がった泥で濁ってしまい、肝心の獲物が見えなくなりそうです。
一方、川で足踏み追い出し漁をやる場合は、川底から舞い上がった泥は川の水ですぐに川下へ流されますから、ダイサギの視界は良好に保たれるはずです。

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
実はこの飛翔シーンは一番最初に撮りました。
この記事は捕食行動が主題なので、ストーリーの演出上、編集で後回しにしました。
私が対岸からカメラを構えたら警戒し、少し飛んで死角に逃げてしまいました。
木の橋を飛び越えて逃げる際にアオサギのように鳴いて騒いだり脱糞したりしないのが、優雅な白鷺らしいと思いました。(たまたまかも?)
それでも私は辛抱強くダイサギを追いかけて粘り、なんとか捕食シーンを撮ることができました。

2020/06/03

小川を泳ぐ小魚の群れ



2019年9月中旬・午前11:10頃・晴れ

川の本流が中州によって大小2つに別れ、浅い小川になった方(副流路:主要な流れの他に、細い流れがもう1本分岐している)に小魚が群れていました。
私は釣りをしないので、魚類についてはさっぱりです。
これは稚魚なのかな?

網(タモ網)ですくって採集しないと魚の種類を同定するのは無理なのでしょう。
ペットボトル工作で簡単な罠を仕掛けてみても面白そうです。

実はこの辺りでカワセミをたまに見かけるので、もし小魚を捕食するシーンを観察できたら、本腰を入れて魚の名前を調べる気になるかもしれません。
(逆に、捕食シーンがなかなか見れないということは、浅い川で暮らす魚の方がカワセミに捕食されにくかったりするのかな?)
カワウも少し下流の方でこうした小魚を捕食しているのでしょう。



【追記】
松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』を読むと、私の疑問に答えてくれていました。
河川の改修によって直線化された浅い河道は、カワセミの「水中に飛び込む」という採餌方法にまったく適していません。飛び込むためには水面の上に止まり木が張り出しているほうがいいし、飛び込む先にはある程度の推進が欲しいのです。カワセミは体が小さいので、水深30センチ程度の浅い水中にでも飛び込むことができますし、ときにはもっと浅い水にも斜め方向に飛び込んで採餌することがありますが、ある程度の深さがないと、やりにくいのはたしかでしょう。 (電子書籍版より引用)



自動色調補正後。レンズに偏光フィルターを掛けると見え方がどう変わるのか試してみたいと思いつつ、早何年…

ランダムに記事を読む