2021/09/12

婚姻色を呈するオイカワ♂♀の群れが泳ぐ池(淡水魚)

 

2021年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

今まで見たことのないとてもきれいな淡水魚が平地の池で群れをなしていました。 
黒っぽい体に赤いヒレを持つ大型の個体が混じっています。 
群れが集まると水中でほとんど静止しています。 

山育ちなのに釣りの嗜みを覚えずに育ってきてしまった私は魚の知識が全くありません。 
てっきり、誰かが池に外来種の観賞魚を放流したのか?などと思ってしまいました。 
(よりによってベタを連想したぐらいです。)
帰ってから調べてみると、どうやらオイカワ♀♂(Opsariichthys platypus)という種類のようです。 
しかし、本来オイカワは西日本にしか生息してないそうです。 
山形県にオイカワは自然分布しないはずですが、ネット検索すると当地でも釣具屋のブログなどで釣果の記録がヒットします。 
この池では子供たちがよく釣りをしているので、おそらくオイカワが放流(人為移植)されているのでしょう。 

動画の前半では、7匹の群れが日向の水面近くに集まっていました。 
鰭の前縁が赤い大型の個体は♂で、婚姻色なのだそうです。 
それに対して、全身が黒っぽくて地味な小型の個体は♀です。 

ここでちょっとした事件が起こりました。 
背中に痛々しい怪我をした個体♀wに注目して下さい。 
おそらく釣り針で背中を引っ掛けられて負傷したのではないかと思います。 
(あるいは鳥に危うく捕食されかけたのかもしれません。)
この♀wが急に水面から飛び出すように跳ねました。 
跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♀wは行く手を横切る♂に遮られ、乗り上げるように飛び越えていました。 
しばらくすると(32秒後)、再び♀wが水面から跳ねて♂を飛び越えました。 
これは果たして偶然の回避行動でしょうか? 
動画を遡ってじっくり見直すと、♀wが2回飛び越えたのは同一個体の♂でした。 
♀wの方が活発に泳ぎ回り、わざわざ戻ってきて特定の♂を飛び越えたのです。
群れの色気づいた♂たちを見定めてから♀wが気になる特定の♂に対してちょっかいをかけたり誘ったりしているのだとしたら(求愛行動)面白いですね。 
もちろん私はオイカワがどんな求愛行動をするのか何も知らないので、素人の妄想かもしれません。
♬もしかしてだけど、もしかしてだけど、それってオイラを誘ってるんじゃないの? by どぶろっく
せっかく♀wに誘われた♂が何もアクションを起こさなかったのも解せません。
「傷物の♀」には興味がないのでしょうか?
普通に考えれば、婚姻色を呈した♂の方が♀に求愛アピールしそうなものです。 

後半は(@1:35〜)、♀7♂4匹の群れが寄り集まっているだけで求愛行動は全く見られませんでした。 

ネット検索しても、オイカワの求愛行動についての情報は得られませんでした。 
魚類図鑑サイトPrivate Aquarium によると、
(オイカワの)繁殖期は5~8月で、岸近くの流れの緩い平瀬の砂礫底で産卵する。 産卵にあたって雄は直径30~50cm程度の産卵床を作るが、これをめぐって激しい縄張り争いをする。
今回私が見た群れでは、♂同士の闘争行動は見られず、至って平穏でした。 
♂の赤い婚姻色がもっと濃く鮮やかになってからが繁殖行動の本番なのかな?

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