2021年7月上旬・午前後13:23〜13:34・くもり
「チチッ、チチチッ♪」
田園地帯に近い郊外の住宅地で鳥の賑やかな鳴き声が聞こえます。
鳴き声の主を探すと、ハクセキレイ(Motacilla alba lugens)の親鳥♂が巣立ちした幼鳥に巣外給餌した直後でした。
親鳥♂が次の採餌のために立ち去っても幼鳥はついて行かず、コンクリートで固められた民家の敷地(家と家の間の狭いスペース)に居残りました。
幼鳥はときどきチチッ、チチチッ♪と鳴いて、自分の位置を親鳥に知らせています。
どうやら数羽の巣立ち雛が近所でバラバラに分散しているようです。
同時に複数の幼鳥を世話しないといけない親鳥は大変そうです。
しかし、ネコやカラスなどの捕食者による全滅を避けるために、巣立った直後は幼鳥があえて分散して暮らす方が有利なのでしょう。
体力がつき、素早く飛んで逃げられるようになると、ハクセキレイの幼鳥同士が集まって親鳥に巣外給餌してもらうようになります。
ハクセキレイの巣立ち雛(幼鳥)は親鳥から厳しく言い渡されているのか、それとも本能なのか、なるべく動き回らずにじっとしているのは感心です。
風が吹くと少し寒いのか、幼鳥は羽毛を膨らませて全身が丸い体型になりました。
待ちくたびれたハクセキレイ幼鳥はコンクリートの地面に座り込みました。
灰色の体色が周囲のコンクリートに対して保護色になっていて目立ちません。
座っていても昼寝する訳ではなく、辺りを油断なく見渡しながら尾羽をかすかに上下させています。
やがて落ち着き無く立ち上がると、翼を広げて体を伸ばすストレッチ運動を始めました。
数歩移動してから、脱糞(@2:24)。
何か虫の死骸?を啄んだものの、食べずに捨てました。
自力で採餌するにはまだ練習が必要みたいです。
すぐ横の庭に青々とした芝生が広がっていて餌となる虫も多そうなのに(「隣の芝生は青く見える」)、幼鳥はそこには行かずにコンクリート地面に留まっています。
私が道に立っているから怖くて近寄れないのか、それとも自分の保護色を生かして目立たないコンクリート上に留まりたいのでしょうか?
この間、親鳥は周囲を飛び回り、餌を捕ってくるとどこか近くにいる別個体の幼鳥に巣外給餌したりしているようです。
周囲を忙しなく行き交う親鳥の活動も動画で記録したかったのですが、カメラを振り回して流し撮りすると親鳥は警戒して近づかなくなってしまいます。
私はなるべく動かずに同じ幼鳥aを狙い続けて辛抱強く待ちます。
幼鳥から充分に離れて危害を加えなければ、親鳥はやがて巣外給餌に飛来するはずです。
どこか近くで別個体の幼鳥bが鳴いて餌乞い♪すると、コンクリート上の幼鳥aは首を傾げて聞いています。
やがて幼鳥aもその場で鳴き始めました。
近くにいる兄弟姉妹の幼鳥bと交互に鳴き交わし、競い合って鳴いているているようですが、それほど切羽詰まった空腹状態ではないようです。
親鳥は激しく餌乞い♪する幼鳥個体を優先して給餌するのです。
『父 を待ちながら』
ハクセキレイ幼鳥aは暇を潰すように羽繕いを始めました。
右肩や胸の羽毛を嘴で整えたり、ヨガのような片足立ちでストレッチ運動をしたりしています。
幼鳥が可愛らしく欠伸をすると(@6:30)、口内は赤く、黄色っぽい嘴で縁取られていました。
右翼を下げ、その上から右足で後頭部を掻きました。
次は逆に左足で頭をボリボリ掻きました。
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
つづく→幼鳥への巣外給餌
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