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2017/12/07

鎮守の森を散歩するヤマトゴキブリ♀



2017年8月上旬

小高い山になった鎮守の森の薄暗い林床で、真っ昼間にヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)を発見。
短翅の♀成虫です。
腹端に卵鞘はぶら下げてはいませんでした。
せかせかと歩いて逃げ、地面に空いた穴に潜り込みました。
アリの巣穴だとしたら好蟻性昆虫ということになって面白いのですが、中からアリが出てきたり、ゴキブリを撃退したりしませんでした。
空巣なのか、それとも穴を掘った主はまた別の生き物なのかもしれません。(セミの幼虫?)
まさかヤマトゴキブリが自分で掘った穴とは思いません。(だとしたら大発見!)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/10/12

コガタスズメバチの古巣を餌にヤマトゴキブリの飼育は可能か?



【はじめに(実験の目的)】

昨年、ヤマトゴキブリがコガタスズメバチの巣に深夜侵入を試みている興味深い例を見つけました。

▼関連記事
コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
コガタスズメバチの巣材は樹皮ですから、朽木を好んで食べるヤマトゴキブリが居候しつつスズメバチの巣をこっそり食害していても不思議ではありません。
あるいは巣内のスズメバチの食べ残し(虫の死骸)や排泄物が目当てなのかもしれません。

中南米では蟻の巣に居候する「好蟻性ゴキブリ」が知られているそうなので(『裏山の奇人:フィールドの生物学14』p159より)、日本に「好雀蜂性ゴキブリ」が居ても良さそうだと思いました。
しかしゴキブリは物陰に潜む性質がありますから、「野外で夜に徘徊中のヤマトゴキブリが偶然コガタスズメバチの外被ポケットに迷い込んだだけ」という可能性があります。
この問題を検討するために素人でも出来そうな実験として、採集したスズメバチの古巣だけを餌にしてヤマトゴキブリを飼育できるかどうか、試してみることにしました。


【材料と飼育方法】

2016年6月下旬

ヤマトゴキブリ成虫♂(Periplaneta japonica)を室内の廊下で見つけたので、いそいそと生け捕りにしました。
とりあえず水分補給のためニンジンのへただけ給餌しておいて、その間に準備します。

まずゴキブリが勝手に脱出しないように、飼育容器の内壁の上部にバターを塗ります。(バタートラップ)

▼関連記事
ヤマトゴキブリの飼育容器にはバターを塗れ!(終齢幼虫)
最近バターは品薄で高いので、仕方なくマーガリンで代用しました。
(後々、これが問題になります。)
飼育容器の蓋にあるスリット状の通気口にセロテープを貼って塞いでおきます。

2015年12月上旬に軒下から採集したコガタスズメバチの古巣をこの日のために保管していました。
(冒頭で紹介した関連記事に登場する、まさに同一の巣です)
巣の内部構造を調べたときに外皮と巣盤を少し崩しました。
外皮と巣盤の両方を少量ずつ飼育容器に入れてやりました。
ゴキブリの飲水はペットボトルの蓋に入れて与えました。
最初の1日だけ与えたニンジンは取り除きました。
スズメバチの古巣と水だけで果たしてゴキブリは生き延びるでしょうか?

巣を食べる様子を観察できるかな?



この飼育容器にヤマトゴキブリ♂を投入し、様子を見ます。
夜行性の活動を赤外線の暗視カメラで撮影してみました。



バタートラップを過信して、蓋を外して撮影していたら、なんとゴキブリが脱走してしまい焦りました!
餌のスズメバチ古巣が大き過ぎて、ゴキブリがそれを踏み台としてバタートラップを易々と突破したのです。
もっと深い飼育容器を使うか、餌のスズメバチ古巣をもっと小さく砕いて与えるべきでした。
幸いヤマトゴキブリはおっとりした(のんびりした)性格なの
で、すぐに再逮捕できました。


【結果と考察】

飼い始めたものの私も他に色々と忙しくなり、その後じっくり腰を据えた観察ができなくなりました。
ヤマトゴキブリ♂がコガタスズメバチの古巣を食べているところは残念ながら一度も見ていません。
パリパリ♪と齧る音がすればすぐ気づくだろうと思ったのですが、いつ見ても物陰に潜んでいるだけでした。
以前ヤマトゴキブリを普通に飼育したときには、音を立てて朽木の樹皮を食べていたのです。

▼関連記事
朽木を食べるヤマトゴキブリ♀

7月上旬にもう一匹のヤマトゴキブリ♂成虫を追加で投入し、同居させました。
飲水だけは切らさないように与えていたのですが、7月中旬までに二匹とも相次いで死にました。(私の印象では餓死)



素直に考えれば、「コガタスズメバチの古巣はヤマトゴキブリの餌にはならない」という結論になりそうです。
しかし単に♂成虫の寿命かもしれないので、次に機会があればゴキブリが幼虫の段階から飼育してスズメバチの古巣だけで成虫に育つかどうか調べる必要があります。
本種は♀だけで単為生殖が可能らしいので、♀成虫から始めてスズメバチの巣だけを餌に継代飼育ができるかどうか挑戦したかったのですけど、今季はヤマトゴキブリ♀を見つけられませんでした。

スズメバチの新鮮な巣を使えば結果は変わっていたでしょうか?
古巣を保管している間にゴキブリを誘引する匂いが飛んでしまった(揮発)とか、古巣に(目に見えない)カビが生えて栄養価が落ちたとか、可能性を考えだすと切りがありません。

結果の解釈を更にややこしくしているのは、バタートラップの代用にしたマーガリンの問題です。
私は全く知らなかったのですが、「植物性のマーガリンはトランス脂肪酸を含み、ゴキブリやアリも嫌うぐらいなので人体に有害である」という俗説が流布しているそうです。
飼育容器から脱走を試みる度に滑落したゴキブリは足の先や触角に付いたマーガリンを舐めて掃除するので、必然的にマーガリンを摂取することになります。
もし噂通りにマーガリンがゴキブリに対して多少なりとも経口毒性をもつのであれば、私の実験は台無しです。
次回はバタートラップをマーガリンで代用しないように気をつけます。
マーガリンの毒性の有無については私の本来の興味から外れるので、追求する余力はありません。

今年も決着はつきませんでしたが、「野外で夜間観察した例はゴキブリがスズメバチの巣を食べに誘引されたのでは無さそうだ」という考えに傾きつつあります。(大発見かも?という興奮が冷めつつあります。)
それでも、来季以降も片手間にしつこく飼育・実験するつもりです。


2015/12/21

コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】



コガタスズメバチ巣の定点観察@祠・軒下#1

2015年7月中旬・深夜00:05〜00:07

今季のスズメバチ観察で最も興奮した発見の一つを報告します。

祠の軒下に営巣したコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を定点観察しています。
外被はだいぶ立派に育っていました。
夜中に様子を見に行き、赤外線の暗視カメラでそっと撮影すると、巣口から3匹の門衛が外界を見下ろして警戒しながら化粧していました。
この日は外被の夜間増築作業は見られませんでした。

外被を作りかけてポケット状になった部分にゴキブリが1匹潜んでいることに気づきました。
やがてゴキブリは警戒を解いて外被上を徘徊し始めました。
巣口から中に侵入する決定的瞬間が撮れるか?!と固唾を呑んで見守ります。
一方、コガタスズメバチの門衛は外被をガサゴソ歩き回る物音で侵入者に気づいているはずですが、外に出て来て積極的に追い払うことはしませんでした。
目が見えない夜は専守防衛で籠城するようです。
ゴキブリは巣口に差し込んだ長い触角をコガタスズメバチ♀門衛に噛み付かれそうになり、慌てて退散しました。

今回、ゴキブリがスズメバチと居候している決定的な証拠映像がようやく撮れました♪
ゴキブリは夜行性なので、暗視カメラの勝利です!
実は1ヶ月前の夜に、同じ祠でコガタスズメバチの巣の下の板壁を徘徊するゴキブリを観察して以来、共生(居候)しているのではないかと予想して張り込みを続けていたのです。

▼関連記事
夜に外壁を徘徊するヤマトゴキブリ♀【暗視映像】


今回見たゴキブリの種類ですが、前回と同じヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)だとしたら、長翅の♂成虫ではありません。
幼虫または短翅の♀成虫だと思います。
腹端に卵鞘をぶら下げてもいませんでした。
後半はゴキブリを同定するため白色LEDを点灯したのですが、高所まで光が届きませんでした。
しかも夜行性のゴキブリは眩しい光を嫌って外被の上部(死角)に逃げてしまいました。
ストロボ写真を撮ればよかったのですけど、この日は普通のカメラを忘れてきたのです…。
同定のためゴキブリを採集したくても、最強の用心棒に守られているため怖くて手出しができません。
まるでヤクザの事務所に居候しているようなものです。(ワレええ根性しとるの!)
近隣の家から害虫駆除で迫害され続けた結果、半野外で究極のボディーガードを見つけたのかな?
コガタスズメバチの巣内を内視鏡カメラで覗いてみたら、もしかするとゴキブリが何匹も見つかるかもしれません。(ワクワク♪)
駆除したスズメバチの巣内にゴキブリが見つかった事例は報告されているのでしょうか?

(即効性のある強力な殺虫剤を使わないと、巣を採集する前にゴキブリは逃げてしまいそうです。)
スズメバチ関連の本を何冊も読んできましたが、ゴキブリに関する記述は記憶がありません。

在来種ヤマトゴキブリを飼育した経験から、雑食性で朽木を好んで食べることが分かっています。
コガタスズメバチの巣材は樹皮ですから、ヤマトゴキブリは居候しつつ巣を食害していても不思議ではありません。
あるいは巣内のスズメバチの食べ残し(虫の死骸)や排泄物が目当てなのかもしれません。
明るい昼間だとゴキブリはスズメバチに見つかったら殺されて幼虫の餌にされてしまうでしょう。
昼間も外被ポケットに潜んでいるのでしょうか?
外被の増築に伴いポケット内に閉じ込められても齧って脱出するのは容易でしょう。
スズメバチから攻撃されないようにゴキブリが体表を化学擬態しているとしたら面白いですね。




アリの巣の中では蟻客(好蟻性昆虫)と呼ばれる多種多様な生きものたちが非常に繁栄しています。
好雀蜂性昆虫(しぐま造語)も同じぐらい面白いテーマかもしれないと、以前から密かに思っていました。


参考サイト:スズメバチの天敵@都市のスズメバチ
しかしスズメバチの巣は毎年一から作り直すので、好蟻性昆虫ほど寄主と親密な共生関係は築けずあまり繁栄していないのかもしれません。(あまり研究が進んでいないだけなのかな?)

ゴキブリがスズメバチの巣を食害するシーンを撮りたくて、その後も夜な夜な定点観察に通いました。

しかし残念ながらゴキブリの姿は二度と見つけられませんでした。
もし私の予想通り巣内でコガタスズメバチと同居しているとしたら、外から見つけ難いのは当然です。

ゴキブリは物陰に潜む性質があるので、今回の事例も冷静に考えれば「ゴキブリが徘徊中に偶然コガタスズメバチの外被ポケットに迷い込んだだけ」という可能性を排除できません。
素人でもできそうな実験としては、採集したスズメバチの古巣を餌にしてヤマトゴキブリを飼育できるかどうか、試してみる価値はありそうです。(ゴキブリはスズメバチの巣に誘引されるのか?)

【追記】
翌年に飼育実験しました。
コガタスズメバチの古巣を餌にヤマトゴキブリの飼育は可能か?


2015/07/30

夜に外壁を徘徊するヤマトゴキブリ♀【暗視映像】



2015年6月中旬・夜22:50

山裾のとある木造建築物の板壁(外壁)に短翅のヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)が徘徊していました。
夜行性のゴキブリが光で逃げないように慌てて消灯し、赤外線の暗視動画に切り替えました。
野生のヤマトゴキブリ(在来種)はおっとりしていますね。
昨年飼育した経験があるので、私には馴染み深いゴキブリです。

▼関連記事
ヤマトゴキブリの飼育記録シリーズ
成虫♀ですけど、腹端に卵鞘をぶら下げていません。
飼育下で調べたい懸案事項が未だ幾つかあるので、採集するかちょっと悩みました。
その間に、手の届かない板壁の隙間に潜り込んでしまいました。

このときは未だよく分からなかったのですが、実は野外のとても意外な場所に居候していることが分かりました。
詳細はまた追々報告します。

▼関連記事コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】


2015/03/11

卵鞘を産み始めたヤマトゴキブリ♀の水飲み行動



2014年6月上旬

ヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)飼育個体♀aの記録です。

腹端に産みかけの白い卵鞘をぶら下げていました。
この個体が産んだ7個目の卵鞘です。
まさに産卵マシーン!
そのまま飼育容器内を歩き回り給水皿(ペットボトルの蓋)に近づいて水を飲む様子を接写できました。
この日の晩になると卵鞘は見慣れた黒褐色に変わりました。

夜間にヤマトゴキブリ♀が卵鞘を朽木に産み付けその表面に木屑をまぶす興味深い行動を暗視カメラで撮影するのが今後の目標です。



2014/09/05

孵化したヤマトゴキブリの一齢幼虫



2014年6月下旬

▼前回の記事
ヤマトゴキブリ♀が羽化殻を完食するまで【10倍速映像】

産卵から35日後、ヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)の卵鞘から一齢幼虫が孵化していました。
既に体色は黒化しており、容器内に入れたラベルの付箋紙に止まって大体じっとしています。
幼虫同士が出会うと互いに触角で探り合っています。
卵鞘は幾つもまとめて密閉容器に隔離していたので、残念ながらどの卵鞘から孵化したのか不明です。

残念ながらゴキブリの飼育はここで打ち切り、幼虫および残りの卵鞘を処分しました。
孵化してくる様子を微速度撮影したり幼虫の集合フェロモンの実験などをやってみたかったのですけど、逃げ出さない工夫をしている(バタートラップ)といくら力説しても周りの理解が得られなくなりました。

標本写真



2014/07/13

ヤマトゴキブリ♀が羽化殻を完食するまで【10倍速映像】



2014年6月上旬・室温22℃→21℃


▼前回の記事
羽化直後に抜け殻を食すヤマトゴキブリ♀b

羽化直後のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)成虫♀bが自分の抜け殻を食べる様子を10倍速の動画で微速度撮影してみました。
脚の抜け殻の砕けた欠片もほぼ残さずに食べています。
ときどき挟む食休みでは触角を舐めて身繕い。
幼虫時代から給餌していた生の人参には全く見向きもしません。
映像の後半では体の色素沈着(黒化)が進み、クチクラ全体が薄い褐色になってきました。

翌朝までに羽化殻を完食していました。



2014/07/11

羽化直後に抜け殻を食すヤマトゴキブリ♀b



2014年6月上旬・室温22℃


▼前回の記事
ヤマトゴキブリ♀bの羽化【10倍速映像】

羽化直後のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)新成虫♀bが抜け殻を食べ始めたので驚きました。
この習性を知らなかった私は虫の抜け殻をコレクションしていることもあり、前回ヤマトゴキブリ♀aが羽化したときは直後に羽化殻を取り上げてしまいました。

口元を接写してみると食欲旺盛にモリモリ食べています。
抜け殻の脚も根本から食しました。
クチクラ(外骨格)の色素沈着(黒化)が完了する遥か前に消化器官は正常に機能することがちょっとした驚きです。
抜け殻に含まれるタンパク質や色素を摂取して急速に再利用するのでしょうか?

▼つづく
ヤマトゴキブリ♀が羽化殻を完食するまで【10倍速映像】



2014/07/10

ヤマトゴキブリ♀bの羽化【10倍速映像】



2014年6月上旬・室温26℃→24℃

キッチンで捕獲した4匹目のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)終齢幼虫を隔離して飼育してきました。
ある晩、遂に終齢幼虫が羽化を始めました。
気づいた時には既に羽化の後半でした。
餌として与えた人参の上でほぼ全身が抜け殻から出ていました。
脱皮直後の成虫は真っ白で、複眼だけが黒。
翅はまだ伸びていません。
腹部は取り込んだ空気で膨らませているような印象。

ゴキブリは不完全変態の昆虫なので、蛹の時期はありません。
結局、脱皮の兆候は分からず仕舞いでした。
羽化の時間帯も朝とは限らないようです。

慌てて10倍速の微速度撮影で記録開始。
やがて腹端の尾毛が抜けました。(@0:44)
人参の下に降りると方向転換。
抜け殻に残った白い気管の糸が風になびいています。
新成虫は照明が落ち着かないのか、ときどき徘徊しながらも翅伸展が進みます。
純白の翅が相変わらず美しいですね。
伸び終わっても腹部の半分ぐらいの短い翅なので、♀と判明。
(正直に言うと、長翅♂の羽化をもう一度見たかったなー。)

ようやく体が固まったらしく、新成虫♀bは抜け殻に向き直って近寄ると、口を付け始めました。
背側からはよく見えませんが、どうも羽化殻を食べようとしているようです。(@8:00〜)
初めはかじっても抜け殻がツルツルして噛めないようで、かじれる部分を探しています。
遂には抜け殻の頭部を本格的に食べ始めました。(@9:00〜)
休みながら食べていますが、それと同時に体の色素沈着(黒化)も進行しています。

▼つづく

羽化直後に抜け殻を食すヤマトゴキブリ♀b


2014/07/09

求愛中のヤマトゴキブリ♂同士の闘争



2014年6月上旬・室温24℃
▼前回の記事
ヤマトゴキブリ♂の翅上げ求愛行動
ヤマトゴキブリ♂(Periplaneta japonica)を3匹(♀1♂2)飼育しています。
♂(長翅)が代わる代わる♀(短翅)の目の前で翅を上げて求愛していると、もう1匹の♂が割り込んできました(お邪魔虫)。
邪魔されて怒った♂同士で激しい喧嘩になりました。
両雄の闘争と言っても追い回したり蹴り合って牽制するぐらいで、微笑ましいものです。



2014/07/07

ヤマトゴキブリ♂の翅上げ求愛行動



2014年6月上旬・室温24℃

早朝にヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)の飼育容器を覗いてみると、♂の求愛行動を初めて観察できました。
ようやく♀が性成熟したのでしょう。
本で読んでいた通り、長翅の♂は短翅の♀の横または前方に回り込み、翅を高く持ち上げて求愛しています。
♀は徘徊しつつ近づく♂を脚蹴りで牽制しています(交尾拒否)。
断られても♂は興奮したように激しくしつこく♀を追い回しています。
3匹のゴキブリ(♂2♀1)が一斉に走り回って落ち着きません。

通常ゴキブリは夜行性で明かりを嫌いますが、撮影のため照明を付けても影響はありませんでした。
(点灯前の薄暗い冒頭シーンのみ自動色調補正を施してあります。)
残念ながら♂の求愛は実らず、交尾までは観察していません。
私が見ていない間に既に交尾を済ませていたのかもしれません。

参考サイト:ゴキブリの繁殖


『日本動物大百科8昆虫I』によると

・ゴキブリ科の♀は成虫になって(およそ10日)から性フェロモンを生産するようになるが、それを♂成虫が受容して配偶行動が始まる。p92
・ゴキブリ目の配偶行動の特徴は、成熟した♂が成熟♀を認知したときに翅上げ行動をとることである。(中略)ヤマトゴキブリなどの♂は♀の発散するにおいフェロモン(セスキテルペン)をまず触角で感知している。翅上げ行動の後、♂は背面の分泌腺から♀を誘う物質を出し、♀は♂の分泌物を舐めながら背面にのり交尾が成立する。p92
・交尾の際に♀が♂の上に乗る姿勢は、♀上位と呼ばれ、原始的な交尾姿勢として知られている。p90
・♂の背板腺からは、背板への誘引物質と背板をなめさせる刺激物質が分泌される。p92



2014/06/30

餌場で小競り合いするヤマトゴキブリ♂♀



2014年5月下旬

餌の争奪戦というほど激しくはありませんが、ちょっとした小競り合いがありました。
古くなった(干からびた)マッシュポテトをヤマトゴキブリ♂(Periplaneta japonica)が食べていると、短翅の♀が近づいてきました。
枯れ葉を踏んだ♀の足音に驚いて♂が少し逃げました。
その隙に♀が割り込んで食事を開始。

♀が餌場から♂を追い払おうとするも、♂はうまく回り込んでようやく餌にありつくことができました。
その間、脚で蹴る軽い闘争行動(牽制)が見られました。
♀は餌場にさほど執着せず、あっさりと立ち去りました。

体長にはあまり性差がない(むしろ長翅の♂が大きく見える)のに、どうも♂は♀に遠慮しているようです。
カカア天下。



2014/06/27

ヤマトゴキブリ♂同士で蹴り合う牽制行動



2014年5月下旬

最近捕獲した2匹目の♂も同じ容器で飼い始めました(♂2♀1の計3匹)。
以前、♀♂間の闘争行動(小競り合い)を観察しました。

▼関連記事
足蹴りで喧嘩するヤマトゴキブリ♂♀
ヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)長翅の成虫♂同士の喧嘩も脚で蹴り合うことが分かりました。
ゴキブリは集合フェロモンで群れる性質があるのに、「これ以上近づくな!」という牽制行動をするようです。
闘争の際に激しい噛み付き行動などは見ていません。(参考:『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p90)
その間、短翅の♀は枯れ葉の下に隠れています。
引き続き観察しても求愛・交尾行動は見られなかったので、♀を巡って♂同士が争っていたのではないと思います。
個体間で序列を付けている可能性はありますが、その解明には個体識別のマーキングが必要です。

油性ペンで標識すると、インクの匂いがゴキブリの求愛交尾行動に支障を来す恐れがある気がして止めました。

『エソロジカル・エッセイ:無名のものたちの世界III』という古本にヤマトゴキブリの近縁種であるクロゴキブリPeriplaneta fuliginosa)の「間おき集合(spaced-out gregariousness)」について記した章がありました。

p136-137をかいつまんで引用すると、
集合性昆虫といわれながら、行動を一つ一つリストアップしていくと、攻撃行動、防衛行動、牽制行動ばかりが目立ってくる。

・ある場所を占めた個体は、雌雄を問わず、明らかに占有場所の防衛を行う。・順位制があるようでもあり、ないようでもある。

・主な能動的行動は、触角を他個体のいる方向に伸長し、ドラミングに似たような探りを入れる行動(さぐり)と、より積極的に、方向転換し、相手に対面し、後脚を浮かし、前のめりのようなかっこうで探りを入れる行動(のぞき)である。これらに対し、受動側が無反応という場合は少なく、多くの場合、
(1)能動行為者をいなすような感じで、向きをかえる(回転)か、刺激の少ない方向へ少し移動する(よけ)行動、
(2)体を高く持ち上げ、体を左右にゆすったり(ゆすり)、主に後脚を用いて能動行為者をける(けり)という牽制行動
(3)はじかれたようにとびのく(とびのき)、または一目散に逃走する行動(逃走)のいずれかが観察された。
そしてたいてはこれで終りで、再び静かな「間おき集合」が回復するのである。



2014/06/24

水を飲むヤマトゴキブリ♂



2014年5月下旬

▼前回の記事
水を飲むヤマトゴキブリ♀

最近捕獲した2匹目の♂も一緒に飼っています(♂2♀1の計3匹)。
長翅のヤマトゴキブリ♂成虫(Periplaneta japonica)が水を飲む行動もようやく撮影に成功しました。
新しい水を皿に入れてやると、時間をかけて水をたっぷり飲みました。
撮りながら補助照明を点灯しても気にしませんでした。



2014/06/22

水を飲むヤマトゴキブリ♀



2014年5月下旬

飼育中のヤマトゴキブリ♀成虫(Periplaneta japonica)が水を飲むシーンをようやく動画に撮れました!
飼育容器内の決まった場所(隅)に水皿を置くようにしたら、その位置を記憶した様子。
古くなったマッシュポテトを食べる合間に頻繁に水を飲みに来ます。
自分たちの糞で水が汚れていても気にしません。



【追記】
桑原保正『性フェロモン:オスを誘惑する物質の秘密』によると、
ゴキブリの生活には、餌以外に水の存在が必須で、主として台所など水気のある場所に夜出没する。(中略)ゴキブリも水に口を浸したまま飲む。水を飲まないと生きられない。 (p73より引用)



2014/06/20

ヤマトゴキブリの飼育容器にはバターを塗ろう!(成虫♂)



2014年5月下旬

ゴキブリを飼育するなら脱走防止策をしっかり講じる必要があります。
ヤマトゴキブリ♂成虫(Periplaneta japonica)を用いてバター・トラップの原理および作り方を実演します。

▼前回の記事はこちら
ヤマトゴキブリの飼育容器にはバターを塗れ!(終齢幼虫)

ヤマトゴキブリはプラスチック容器の壁面を軽々と登ることができます。
壁面で下向きにも止まれます。
当然、この状態で蓋を開ければ脱出されてしまいます。
実際にこの♂は別の飼育容器の蓋まで登ってスリット状の換気口の細い隙間から脱獄した強者で、再捕獲したところです。
(スリット状の換気口にはセロテープを張ってしっかり塞ぎました。)

さて、バター・トラップの制作です。
プラスチック容器の縁の内側にバターを念入りに塗りつけましょう。
この容器にヤマトゴキブリ♂を戻してやると、バターで爪先が滑って壁面をよじ登れなくなります。
滑落してひっくり返ったゴキブリは諦めて、バターで汚れた触角を掃除し始めました。

こんな簡単な対策をするだけで、蓋を開けた状態で観察・撮影しても脱走の恐れがなくなりました。
ただしバターが古くなると効果が薄れるので、ときどき塗り直す必要があります。
容器内の視認性が悪くなるのは仕方がありません。
ただし成虫の♂は長い翅があるので、飛んで逃げる恐れがあります。
蓋を開けるときは目を離さないようにします。
ヤマトゴキブリは半野生でおっとりした性格(動きが遅い)なので、一度しか♂が飛ぶ姿を見たことがありません。

ちなみにバター・トラップはゴキブリを生け捕りにするための古典的な罠です。
ゴキブリの好む餌を容器内に入れておけば捕獲できるそうですが、私は試していません。
粘着式のゴキブリ・ホイホイが開発されてからは廃れてしまったそうです。

※ バターの代わりにマーガリンでも良いらしい。(『ゴキブリを調べる』p12より)


2014/06/15

マッシュポテトを食べるヤマトゴキブリ♀



2014年5月中旬

飼育中のヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)にこれまではご飯粒パンを主食として与えてきました。
それだけでは芸がないので、自家製のマッシュポテトを給餌してみました。
ゴキブリはふかしたジャガイモの方が生よりも好物なのだそうです。
皮を剥いたジャガイモを電子レンジで加熱してから潰すだけです。
ヒトの食用にポテトサラダを作るついでに、ゴキブリにも少しだけお裾分けしました。
飼育容器内を汚さないように、ペットボトルの蓋を皿としてよそいました。
これにもうひと手間、ホウ酸を混ぜればゴキブリ退治用の「ホウ酸団子」になります。

参考サイト

照明に慣れている成虫♀aの方が早速、マッシュポテトを見つけて(匂いに誘われて?)近寄ってきました。
確かに食いつきがよく、気に入ってくれたようです。

日にちが経つとマッシュポテトはカチカチに乾燥しますが、それでもゴキブリはガリガリと齧って食べます。


別の終齢幼虫♀bも喜んで食べています。

2014/06/14

卵鞘をぶら下げて歩くヤマトゴキブリ♀




2014年5月中旬

羽化してから10日後、ヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)の腹端から何か白っぽい物が脱腸のようにはみ出ていました。
産み始めの卵鞘は白い球体状で、少しだけ茶色に色づいています。
♂との求愛行動や交尾を観察する前に♀が卵鞘を産み始めてしまいました。
本種は♀だけで単為生殖が可能らしいのですが、普通に考えれば同居♂と交尾しているはずです。

産卵の過程や卵鞘の色の変化を微速度撮影したいところですが、♀が動き回るので断念。
仕方なく、数時間ごとに撮った短い映像をつなぎ合わせることにします。
やがて白い膜が破れて中から茶色の卵鞘が現れました。
♀の腹端の一部が裂けたように見えましたが、よく見ると蝶番のように外側に開く仕組みになっています。
産み終えたらこの蝶番は閉じるのでしょう。
♀は腹端に卵鞘をぶら下げたまま持ち歩いてガードします。



翌朝になると、腹端の卵鞘が無くなっていました。
卵鞘ガードは1日だけ行うようです。(これは毎回の産卵で同じ。)
腹端に卵鞘をぶら下げて持ち歩く点はコモリグモ♀が糸でくるんだ卵嚢を持ち歩く様と似ていると思ったのですが、ガード期間は異なりますね。
収斂進化なのでしょう。
当初は卵鞘をどこに隠したのか見つけられず、♀が食卵したのかとやきもきしました。
8日後、ようやく朽木の表面に産み付けられている卵鞘を発見しました。
卵鞘の表面には木屑が丁寧にまぶしてあり巧妙に偽装隠蔽されていたため、見落としていたのです。
腹端にぶら下げているときの卵鞘は乾いているように見えます。
朽木に産み付ける際には粘液または唾液で卵鞘をくっつけるのだろうと想像しました。

次に問題になるのは、産み付けられた卵鞘の表面の木屑です。
朽木に放置された後でゴキブリが歩き回る(踏みつける)結果、卵鞘が自然に汚れるのでしょうか。
わずか数時間でここまで満遍なく汚れるとはとても考えられません。
母親が意図的に木屑をまぶしているはずです。

卵鞘の表面は明らかに木屑なので、糞を塗りつけているのではないと思います。
以前、ヤマトゴキブリが朽木の樹皮を採食する行動を観察しました。

▼関連記事朽木を食べるヤマトゴキブリ♀
おそらく♀が夜間に朽木から噛みちぎった木屑を卵鞘の表面に丹念に塗りつけるのだろうと推測しました。(追記2、3を参照)
今まで読んだゴキブリ関連の本にはそのような隠蔽行動をするとの記述はありませんでした。(新発見?)
きっと、朽木を入れてゴキブリを飼育する人が今まで少なかったのでしょう。


餌を充分に与えてやるとヤマトゴキブリ♀は多産で、数日間隔で次々に卵鞘を産み落とします。
卵鞘の産み付けおよび隠蔽工作を証拠映像に残したくて挑戦しているのですけど、今のところうまくいきません。
最大のネックは撮影用の照明で、暗くしないと卵鞘を産み付けてくれないのです。
赤外線の暗視カメラが欲しいなぁ…。
食餌などは明るくても行うようになってくれたのですが、完全には照明に慣れてくれません。
もう一つの難点は、ヤマトゴキブリ♀は朽木の割れ目の奥など安全な隠れ家に潜んでいる間に卵鞘を産み付けることです。
物陰にこっそり隠れてやる行動を動画に撮るのは至難の業です(撮影アングルが確保できない)。



産みたての卵鞘は本で読んだ通り柔らかく、ピンセットで摘むときにプチッと潰れやすいので注意が必要です。
すぐには孵化しないので、日数が経って固まってから卵鞘を朽木から剥がして採取するようにします。
記念すべき一つ目の卵鞘はエタノール液浸標本にすることにしました。
浮くかと思いきや、意外にも70%エタノールよりも比重が重く沈みました。
固定されたら卵鞘の中を開いて卵を数える予定です。※

ヤマトゴキブリは1卵鞘あたり生まれてくる幼虫は20匹以下と非常に少ないが、一生の間に20個以上の卵鞘を産むそうです。


【追記】
※ エタノールで脱水固定された卵鞘の皮を切り開いて中身を調べてみました。
卵は9個×2列=計18個ありました。
卵の大きさは1×3mm。

講談社現代新書『ぼくらの昆虫記』に著者がヤマトゴキブリの飼育体験を記した章があります。
産卵後しばらくすると卵鞘を割っても、中の卵は比較的よく形を保つ。こうしてとりだした卵は、大きな卵鞘で14個、小さな卵鞘で8個が入っていた。また、一つ一つの卵は、細長い卵形をしており、その長径は3.7mmほどであった。(p72より)


【追記2】
ネット検索すると、「昆虫学講座 第5回ゴキブリ目」と題したPDFファイルで以下の記述を見つけました。
(ヤマトゴキブリ♀は)卵鞘を尾端から1日足らずではずして木材などにはり付ける。
【追記3】
クロゴキブリの飼育記録をまとめた本『ゴキブリを調べる』p20によると、
(クロゴキブリ♀は)うす暗く、やわらかで、てきとうな温度と湿度のあるところをさがして、卵のさやをおとします。おとすときには、紙きれや、ごみなどをだ液でまぜ、卵のさやにつけて、カムフラージュします。そして、かくれるものの内側やパンの上、戸棚のすみ、ひきだしのおくなどにくっつけます。


 【追記4】
盛口満『昆虫の描き方: 自然観察の技法II』p55によれば、

越冬幼虫から飼い始めたヤマトゴキブリは、春になると羽化し、さらに交尾をして、産卵をし始めた。飼育ケースの中には、折り曲げた画用紙をシェルター替わりに入れていたが、その表面に卵鞘が産み付けられた。また、卵鞘の表面には、紙の断片が張り付けられていた。

2014/06/12

ヤマトゴキブリ♀:産卵の前兆?/性フェロモン分泌?#2



2014年5月中旬

▼前回の記事はこちら
マトゴキブリ♀:産卵の前兆?/性フェロモン分泌?

成虫に羽化してから8日後、飼育中のヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)が腹端をヒクヒクさせています。
飼育容器の蓋を外して、気になる腹端の状態を直接接写してみました。
腹端の解剖学的なことが分からないのですけど、白い部分は産卵口なのかな?
そんな白い部分はそれまで腹端にありませんでした。
分泌液で濡れているようです。
性成熟した♀がようやくコーリング(性フェロモンの分泌中)を始めたのか、産卵の兆候なのか、知りたいところです。
それとも実は交尾の直後で、精包の残りが♀の交尾器に付着しているのでしょうか?(それにしてはきれいに左右対称です。)

♀は夢中になってパンを食べています。
食後にゴキブリが水を飲むシーンを初めて撮れました。
(ペットボトルの蓋を水皿として使っています。)
その後は朽木に戻りました。


2014/06/11

ヤマトゴキブリ♀:産卵の前兆?/性フェロモン分泌?



2014年5月中旬

成虫に羽化してから8日後、飼育中のヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)が腹端をヒクヒクさせていることに気づきました。

いよいよ性成熟した♀が性フェロモンの放出(コーリング)を始めたのでしょうか?
排便ではなさそうですけど、産卵の前兆かな?
腹端が白く粘液で濡れていることから、実は交尾の直後で♂からもらった精包が付着しているという可能性もありますね。
なんとも生々しい映像です。
容器越しに腹端を接写した後半は不鮮明な映像を自動色調補正してあります。

依然として♂の求愛行動や交尾を観察できていないのですけど、このタイミングで肝心の♂が飼育容器から脱走して行方不明になってしまいました。
プラスチックの壁を登り蓋にあるスリット状の狭い通気孔を通り抜けて逃げ出したようです(後に再捕獲し脱走対策を施しました)。


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