2019/10/12

キササゲの花で探雌飛翔し♂同士で誤認求愛するオオハキリバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年6月下旬

オオハキリバチMegachile sculpturalis)は♀よりも雄蜂♂の方が先に羽化します(雄性先熟)。
民家の庭木として植栽されたキササゲで満開に咲いた花の周囲を多数の♂が飛び回り、交尾相手を探しています。(探雌飛翔)
顔が白くて腹端が丸みを帯びているのが雄蜂♂の特徴です。(腹面にスコパ無し)

探雌飛翔はエネルギーの消耗が激しいため、オオハキリバチ♂はときどきキササゲの花で吸蜜します。

▼関連記事
キササゲの花蜜を吸い飛び回るオオハキリバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】
そんなときに飛来した別個体の♂が背後から飛びついてくることがよくあります。
性別をじっくり見分ける間もなく、♀と誤認して♂にも交尾を挑んでしまうのでしょう。(♂の悲しいさが
すぐに誤りに気付いて相手を離し、飛び去ります。
訪花中に飛びつかれた♂はその勢いで花から転がり落ちたりして良い迷惑ですが、そそっかしいのはお互い様です。
栄養補給して探雌飛翔に戻った♂が今度は誤認求愛する番です。
オオハキリバチ♂同士の誤認求愛は240-fpsのハイスピード動画でも撮れていました。(@0:51〜)

これほど♂が焦っている(慌てている)ということは、オオハキリバチの配偶行動は巣から羽化した♀をとにかくいち早く確保した♂が交尾できる仕組みなのでしょう(早い者勝ち)。
儀式的な求愛行動は無さそうです。
この日は私もオオハキリバチ♀の姿を1匹も見ておらず、♀は未だ羽化していないようです。




樹上のモズ♂をモビングするツバメの群れ(野鳥)



2019年7月上旬・午前6:35

早朝の山村でヒノキの樹冠に止まったモズ♂(Lanius bucephalus)がいつになく鳴き騒いでいて、只事ではありません。
1羽のモズ♂に対して数羽のツバメHirundo rustica)が空中から代わる代わるモビング(擬攻撃)を加えていました。
モズも猛禽類の端くれですから、ツバメにとっては憎き天敵なのでしょう。
もしかすると、ツバメの巣を襲って雛を捕食したことがあるのかもしれません。

梢に止まったモズ♂はツバメ(の親鳥?)が特攻してくる度に首をすくめてやり過ごしています。
モズもツバメも興奮して鳴いていますが、遠くの線路を列車が通る騒音で掻き消されてしまいました。
ハイスピード動画に切り替えようか私が迷っていたら、モズは堪らず飛んで逃げ出しました。

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、頭上を掠めて飛ぶツバメの攻撃を交わすために仰け反ったモズ♂がバランスを崩し、やむなく飛び降りたようです。
必死で逃げるモズ♂を2羽のツバメが鳴きながら追いかけています。
飛翔スピードでツバメには敵う鳥はほとんどいません。

ツバメによるモビング行動を見たのはこれが初めてで、早朝の観察で一番興奮した出来事でした。
徹夜でフィールドにやって来た甲斐がありました。

※ 逆光の映像なので、動画編集時に彩度を上げました。
モズの性別を見分けるのに過眼線の有無を知る必要があるのです。
音声を正規化して音量を強制的に上げています。


モズ♂(野鳥)@ヒノキ樹冠vsツバメ@モビング飛翔

求愛飛翔で乱舞するスジグロシロチョウ♀♂



2019年6月下旬

草刈りされた堤防と河畔林の空間をシロチョウ科の2頭が互いにもつれ合うように乱舞していました。
求愛飛翔のようですが、交尾には至らず別れました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♂が♀を一方的に追飛しているのではなく、互いに追い求めているように見えます。

林縁ということで、モンシロチョウではなくスジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)の可能性が高いと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
スジグロシロチョウ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】

ちなみにこの30分後、堤防で訪花するスジグロシロチョウを撮っています。

▼関連記事
ベニシジミを追い払いクサフジの花蜜を吸うスジグロシロチョウの仲間

スジグロシロチョウsp♀♂@堤防/林縁+求愛飛翔

2019/10/11

河川敷でコメツキムシなどの虫を捕り幼鳥に給餌するハクセキレイ♂(野鳥)



2019年6月下旬

河川敷の芝生に大量の昆虫が発生し、育雛期の野鳥にとって絶好の餌場・狩場になっています。
ハクセキレイMotacilla alba lugens)の親鳥♂が芝生の上で獲物を探し歩き、地面をつついて次々と捕虫します。
嘴に咥えていた獲物(おそらくコメツキムシ成虫)が暴れたので、一旦離して地面に置いた瞬間に高く跳ねて逃げました。
ハクセキレイ♂はすぐにおいかけて再び捕らえました。
このシーンは結構興味深いので、1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。


▼関連記事(7年前に220fpsで撮影)
オオシモフリコメツキの跳ね起き運動【ハイスピード動画】

次々に虫を捕らえるハクセキレイ♂は嘴に獲物を数匹貯め込んでいます。
巣立ったばかりの幼鳥が覚束ない足取りで親鳥♂の後をついて歩きます。
幼鳥は嘴が黄色っぽく、羽の色が♀っぽい灰色でした。
幼鳥が駆け寄って餌乞いすると、親鳥♂は口移しで巣外給餌してやります。
幼鳥が餌乞いする際は翼を軽く震わせるのですが、鳴き声は聞き取れませんでした。
近くを流れる川の音や他の野鳥の鳴き声でかき消されてしまいます。

口移し中に幼鳥がポロポロと獲物を落としてしまっても親鳥♂は甲斐甲斐しく給餌し直します。
幼鳥がすぐには食べ切れないほどの量の虫です。
待っている幼鳥の元へ親鳥の方から近寄って巣外給餌することもありました。

幼鳥に生き餌の殺し方(暴れる虫の処理方)を学んでもらうために、親鳥はあえてとどめを刺さず半殺し状態で給餌しているようです。
幼鳥が暴れるコメツキムシを地面に叩きつけて殺そうとした際に、嘴に咥えられた状態から跳ねて逃げのびました。
幼鳥はコメツキムシを相手にするのは初めてなのか、獲物を見失って呆然としています。
経験豊富な親鳥に対しては通用しませんでしたが、コメツキムシが跳ねる逃避戦略も意味があることが分かりました。

餌が豊富で幼鳥も満ち足りてきたようなので、後半は親鳥♂も捕らえた虫を自分で食べることが多くなりました。

私が少し近付こうとしたら警戒した幼鳥は、河川敷の芝生から川に近いコンクリート護岸の方へ少し飛んで移動しました。
芝生で虫を捕らえてきた親鳥♂が護岸沿いの縁石に止まり、幼鳥を探しています。
コンクリート護岸の斜面で待っていた幼鳥に巣外給餌してやります。
給餌後の親鳥は草などで嘴を拭いました。
親鳥の帰りを待つ間に幼鳥が辺りを探検し始め、川沿いの草むらに消えました。

河川敷の芝生に戻ったハクセキレイ♂はスズメ成鳥と一緒に採食しています。
採餌に忙しい親鳥は互いに無関心でした。
この二種の歩行法は対照的で、ハクセキレイはトコトコ歩き、スズメはピョンピョン跳んで歩きます(ホッピング)。
他にはムクドリの群れも河川敷の芝生で採餌していました。(映像なし)

親鳥♂が自分のために捕食した獲物はなんとなくセマダラコガネAnomala orientalis)ですかね?

コンクリート護岸の斜面を徘徊する幼鳥は上空を親鳥が飛ぶと反応して餌乞い♪を始めます。
親鳥♂が餌を運んで飛来し、草むらの陰で幼鳥に巣外給餌。
親鳥はすぐに狩場の芝生に戻ります。

ハクセキレイの親子が死角に隠れようとするので、私が少し無理して追いかけたり縁石に乗って背伸びしたら、飛んで対岸に逃げてしまいました。
幼鳥はもう普通に飛べることが分かりました。



さて、芝生で跳ねていた虫は本当にコメツキムシでしょうか?
ヨコバイなどの可能性も考えられます。
「芝生 コメツキムシ」でネット検索しても、信憑性の低い記事しかヒットしません。
私もハクセキレイ♂の真似して芝生で探し、獲物の正体をしっかり突き止めるべきでした。


▼関連記事(1年前の撮影)
川岸で幼鳥2羽にアメンボなどの虫を給餌するハクセキレイ親鳥♂(野鳥)

ハクセキレイの雛が巣立つと親鳥♀♂は面倒を見る幼鳥をどのように振り分けるのでしょう?
私は未だ親鳥♀が巣外給餌する様子を見かけたことがないのですけど、これはたまたまなのかな?
もしかして♀は次の抱卵しているのか?と想像したりします。



※ 以下の写真は必ずしも撮影順に並べたものではありません。


ハクセキレイ♂(野鳥)@河川敷:芝生+捕虫
ハクセキレイ♂(野鳥)@河川敷+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ♂(野鳥)@河川敷+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ♂(野鳥)@河川敷+巣外給餌→幼鳥
ハクセキレイ♂(野鳥)@河原護岸+巣外給餌→幼鳥

柳の枝で樹液を舐めるシロテンハナムグリ



2019年6月下旬

河畔林の小路の横に生えた柳の灌木に2匹のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)が集まっていました。
枝から滲み出た樹液を舐めに来たようです。
同じ横枝の下面に居る個体は、休息しているだけでした。
枝の上面で盛んに樹液を舐めている個体が尻を高々と上げたので排尿するかと期待したのですが、私の予想は外れました。

つづく→コムラサキ♀も樹液酒場に合流


▼関連記事(6年前の撮影)
柳の樹液を舐めるシロテンハナムグリ


シロテンハナムグリ2@柳枝+樹液吸汁
シロテンハナムグリ2@柳枝+樹液吸汁

2019/10/10

ジュウイチの幼鳥を見つけた!(野鳥)



2019年7月上旬・午前6:05

早朝に山麓の水路沿いを私が歩いていたら、何か見慣れない野鳥が横の薄暗いスギ林に逃げ込んで横枝に止まりました。
私がカメラを向けると半開きにした翼を下げていて、カラスの日光浴のような不思議な姿勢です。

後頭部が白く、黄色いアイリングが目立ちます。
嘴と足も黄色で、尾羽が真下を向いています。
白い胸に薄っすらと縦縞が見えます。

パクパクさせている嘴に何か食べかけの物が付着しているようです。
自分でも気になっていたのか、嘴を足元の横枝に擦り付けて異物を取り除きました。
初めは左を向いて止まっていた鳥が途中で右に向き直り、落ち着き無くもう一度左を向いてから、飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

ちなみに、画面の左に青竹が真っ直ぐ伸びているのが見えます。
杉林の隣が竹林になっているのです。

帰ってから早速、鳥の図鑑と見比べてみました。
黄色いアイリングがあまりにも印象的だったので、サンコウチョウの幼鳥なのかな?と頓珍漢な予想をしていたのですが外れました。
なんとなく猛禽類っぽくも見えました。
謎の鳥の正体は、ジュウイチCuculus fugax)の幼鳥と判明。
カッコウ科で親鳥♀は他種の巣に托卵するのだそうです。
ジュウイチの成鳥には未だ出会えていません。
宿主となる鳥(オオルリ、コルリ、ルリビタキ)もほとんど未見です。
来季の楽しみがまた一つ増えました。




ジュウイチ幼鳥(野鳥)@スギ横枝
ジュウイチ幼鳥(野鳥)@スギ横枝

マメガキに訪花する獲物を狩り肉団子を作るコガタスズメバチ♀



2019年6月下旬

▼前回の記事
マメガキの花で探餌飛翔するコガタスズメバチ♀を追い払うクマバチ♀

民家の庭木として植栽されたマメガキの雄株の周囲をコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が獲物を探し求め飛び回っています。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

突然マメガキの枝葉に飛び込み、獲物を捕らえたようです。
その場ですぐに獲物を大顎で噛み砕いて殺し、肉団子を作り始めました。
獲物の脚?の破片がポロポロ落ちています。
狩りも肉団子作りも背面からではよく見えないのが残念です。
私も撮りながらゆっくりしゃがんで、なんとか撮影アングルを確保しました。
餌食となったのは、マメガキの雄花で採餌していた小型のハナバチ類でしょう。(ミツバチ♀?)

肉団子が完成すると、コガタスズメバチ♀は身繕い。
脚を滑らせた瞬間に黒っぽい肉団子が口元に見えたものの、もはや獲物は同定できなくなっていました。
完成した肉団子を抱えて巣に飛び去りました。


コガタスズメバチ♀@マメガキ葉裏+肉団子作り
コガタスズメバチ♀@マメガキ葉裏+肉団子作り



2019/10/09

雛が巣立った後に空の巣箱を調べに戻るハシブトガラス親鳥(野鳥)【10倍速映像】



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#22



▼前回の記事
キスを交わして怒りを鎮めるハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年6月下旬・午後13:03〜13:50

いつもの撮影ポイントから望遠レンズで狙うと、巣箱の中にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の雛が1羽も居ませんでした。
前回の観察から8日も間隔が開いてしまったので、雛は全て巣立ってしまったようです。

もしかすると、雛が巣箱でうずくまっていて外から見えにくいのかもしれません。
念の為に(未練がましく)空の巣箱を狙って微速度撮影してみました。
その間に私は食事をします。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
空を雲が流れ、高圧線の鉄塔が日に照らされたり雲で陰ったりを繰り返します。
1羽の親鳥が左から飛来すると、巣箱に入り、すぐに右へ飛び去りました。(@0:25)
この他には巣内で動きは全くありませんでした。
長撮りしてみると、やはり雛はもう居なくなっていました。
親鳥の次の仕事は巣立った幼鳥に巣外給餌することですが、採食のついでに古巣の様子を見に戻ったのでしょう。
巣立った幼鳥は見かけなかったものの、親鳥は確かに縄張り内で活動しており、カメラの背後にある建物の煙突の天辺で頻りに鳴いていました。(映像なし)

今年もカラスの巣立ちを見ることはできず、画竜点睛を欠く結果になりました。
もっと家の近所で気軽に通える場所なら良かったのですが、仕方がありません。
言い訳すると、どうしても梅雨時は定点観察に出かけるのが億劫になりますし、育雛の後期は観察しても同じことの繰り返しなので飽きてしまいます。

同時並行で他の撮影テーマも色々と手を広げすぎたという反省もあります。
無人カメラでカラスの巣を遠隔監視できたら楽なのですが…。(働き方改革!)

ハシブトガラス(野鳥)空巣箱@送電塔#KN7
ハシブトガラス(野鳥)空巣箱@送電塔#KN7

育雛中は巣に近づくのを控えていたのですが、送電塔の真下まで行ってみました。
もう親鳥に凄い剣幕で怒られる心配はありません。
下から巣箱を見上げてみると、やはりもぬけの殻でした。
巣の直下にはハシブトガラスの親子が排泄したと思われる白い糞が幾つも落ちていました。
意外と糞の量が少ないのは、親鳥がせっせと雛の糞を巣の外に捨てに行った(排糞行動)成果でしょう。
前日の雨で洗い流された可能性もありそうです。

ハシブトガラス(野鳥)?糞@送電塔#KN7下
ハシブトガラス(野鳥)?糞@送電塔#KN7下



鳥が吐き出したと思われる古いペリットも見つけました。
内容物に植物の種子が含まれていました。
カラスのペリットとは限りませんが、鳥が植物の種子散布に関与していることを実感しました。
糞やペリットなど鳥の排泄物を採集して鉢植えに種子を撒いて育て、地道に植物名を調べるのも面白そうです。
私はそこまでやる余力がありませんでした。
宮崎学、小原真史『森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然』という本を読んでいたら、「糞盆栽」と称して糞分析による食性調査をなさっている方の話が登場しました。


ハシブトガラス(野鳥)?ペリット@送電塔#KN7下+scale
ハシブトガラス(野鳥)?ペリット@送電塔#KN7下+scale


更に興味深いことに、送電塔#KN7の土台付近にヨウシュヤマゴボウの群落が生えていました。
白い花が咲いています。
少し離れたところに育ったもう一つの群落は、伸びかけた茎が切られていました。
ヨウシュヤマゴボウは外来植物の雑草ですから、草刈りされてしまうようです。
さてはハシブトガラスが種子散布した結果か?と色めき立ったのですが、冷静に考えてみると時期が合いません。
ハシブトガラスの育雛期にヨウシュヤマゴボウは未だ実っていませんから、親鳥が巣内の雛に給餌したはずはありません。
私は未だヨウシュヤマゴボウの実を採食する野鳥を直接観察できていません。

ハシブトガラスがベランダに落としたフンやペリットに含まれる種子を調べた研究の結果、ヨウシュヤマゴボウの種子を散布していることが分かった。(直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまき​に注目して』p113棒グラフより引用)


ヨウシュヤマゴボウ@送電塔#KN7下
ヨウシュヤマゴボウ:草刈り跡@送電塔#KN7下



ちなみに、隣の送電塔#KbT7、8の巣箱に作りかけのカラスの巣を見つけました。
そこでは本格的に営巣しなかったようです。


つづく→?


ヒメジョオンの花蜜を吸うヒロオビトンボエダシャク♂(蛾)



2019年6月下旬

小雨がぱらつく中、川沿いの原っぱに咲いたヒメジョオンの群落でヒロオビトンボエダシャク♂(Cystidia truncangulata)が訪花していました。
腹部が細長くて腹端に毛束(ヘアペンシル)があるのは♂の特徴です。
開いた翅を軽く開閉しながら吸蜜しています。

残念ながらすぐに飛び去ってしまったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

同属近縁種にトンボエダシャクがいます。
この日はあちこちのフィールドで2種の成虫を散々見かけました。
トンボエダシャクとヒロオビトンボエダシャクは幼虫の食樹(ニシキギ科ツルウメモドキなど)も共通ですし、成虫が活動する時期も重なります。

一素人の予想では、雑種が生まれていても不思議ではありません。
現在は交尾器の形状が異なって生殖隔離されているのでしょうが、そこに至るまでに一体どうやって種分化したのか、興味があります。



ヒロオビトンボエダシャク♂(蛾)@ヒメジョオン訪花吸蜜

2019/10/08

ソメイヨシノの熟果を採食するスズメ(野鳥)



2019年6月中旬〜下旬

桜の木(ソメイヨシノ)で熟した果実を食べに来る警戒心の強い野鳥を撮影するために、迷彩ブラインドを張って中に無人カメラを設置し、動画で3日間長撮り監視することにしました。

飛来したスズメPasser montanus)が黒く熟した果実を啄むシーンをまとめてみました。
ついでに桜の葉に付く虫を捕食しているのかもしれませんが、もっとスズメにズームインしないとよく見えません。
熟果が実った特定の枝に狙いを付けてズームインしておくと、カメラがカバーする画角が狭くなって、野鳥が写る確率が落ちてしまうので、難しいところです。
今回は広角で撮ってみました。
監視映像を見ると、桜の木への滞在時間が最も多かったのはスズメでした。(他にはムクドリとヒヨドリ)
雨が降る日にもスズメが来ていました。

※ 映像の動きがカクカクしているのは、微速度撮影した素材を編集でスローダウンして等倍速(リアルタイム)に戻しているせいです。
なかなか私がイメージしたような映像が撮れません。
無人カメラによる撮影も奥が深そうです。
今後は動体検知による動画撮影を試行錯誤するのと、ブラインドに隠れた私が辛抱強く張り込みして撮るのと、どちらが効率的なのかな?

動体検知による無人カメラ撮影を試したことは未だありませんが、風揺れによる誤作動が多そうです。

キササゲの花蜜を舐めるコアシナガバチ♀



2019年6月下旬


▼前回の記事
身繕いしてキササゲの花粉を落とすコアシナガバチ♀


庭木のキササゲの葉に乗って身繕いしていたコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀が花から花へ歩き回り始めました。
少し飛んで移動することもあります。
正当訪花すると、中に潜り込んで吸蜜し、飛び去りました。
胸背に白い花粉がべっとり付いて汚れているのも納得です。
コアシナガバチもキササゲの送粉者として授粉を助けていることになります。


2019/10/07

川で水浴後に倒木に上がり羽根を乾かすカワウ(野鳥)



2019年6月下旬・午後16:30

川の倒木に1羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)αが川下を向いて止まり、翼を大きく広げて濡れた羽根を乾かしていました。
動きがないので私がカメラをズームアウトしかけたら、左から別個体βが川面を渡ってきました。
潜水漁を終えたついでだと思うのですが、川面を遊泳しながら水浴しました。
カワウの水浴びを観察したのは初めてで、嬉しい収穫でした。

βは川上から倒木に近づき、そのまま跳び乗りました(上陸)。
先客のαと同じく川下(下流)を向いて倒木に止まりました。
左のαはβのために横に少し移動し場所を開け、川上(上流)に向き直りました。
もしかするとα<βという力関係があるのかもしれません。
♀♂のつがいなのかな?

αは倒木上で羽繕いしながら白い液状便を排泄しました。(@0:45)
そのまま糞は下流に流れていきます。(水洗トイレ)
右のβは羽繕いしたり、勢い良く羽ばたいて水気を切ったりしています。


カワウαβ(野鳥)@川:倒木+羽根乾燥

ベニシジミを追い払いクサフジの花蜜を吸うスジグロシロチョウの仲間



2019年6月下旬

堤防に咲いたクサフジの群落でベニシジミLycaena phlaeas daimio)が吸蜜していました。
そこへ飛来したスジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)が嫌がらせのようにベニシジミを翅で花からはたき落としました。
ベニシジミよりもスジグロシロチョウの方が大型ですから、ひとたまりもありません。
不意に襲われたベニシジミは反撃せずに飛び去りました。
すぐに舞い戻ってきたスジグロシロチョウが、横取りしたクサフジの花で吸蜜を始めました。

これは餌場を独り占めしようとする占有行動なのでしょうか?
堤防一帯には他にも蜜源の花がいくらでも咲いているのに、わざわざベニシジミを追い払う(異種間攻撃)のは不思議に思いました。

二種の出会いおよび飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜)


スジグロシロチョウsp@クサフジ訪花吸蜜

2019/10/06

イタドリに訪花するトンボエダシャク♀♂(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年6月下旬

川沿いの原っぱに咲いたイタドリの群落でトンボエダシャク♀♂(Cystidia stratonice stratonice)が何頭も訪花していました。
半開きの翅をゆるやかに開閉させながら花穂を歩き回り、吸蜜しています。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:05〜)

腹部が細長くて腹端に黒い毛束(ヘアペンシル)がある個体が♂です。(@0:37〜2:04, 2:22〜2:40)
腹部が太い個体が♀です。(@0:00〜0:35, 2:05〜2:21)


つづく→イタドリの花畑で探雌飛翔するトンボエダシャク♂(蛾)と誤認求愛


トンボエダシャク♀(蛾)@イタドリ訪花吸蜜
トンボエダシャク♂(蛾)@イタドリ訪花吸蜜



電線や電柱で鳴き続け♪脱糞するコムクドリ♀(野鳥)



2019年6月下旬

橋の近くの住宅地でコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が電線に止まりギー、チョッ♪と耳障りな声で何度も鳴いていました。
ときどき翼を軽く持ち上げながら嘴を開けて鳴いているのは幼鳥の餌乞いの仕草なのかな?と思い撮り始めました。
だとすれば、やがて親鳥が飛来して幼鳥に巣外給餌するかもしれません。
それとも親鳥♀が♂からの求愛給餌を求めているのでしょうか?
電線で鳴きながら粒状の固形糞を2粒排便しました。(@0:19)
その直後に飛び立つと車道を飛び越え、私の真上の電柱へ止まり直しました。
どうやら私に対する警戒声のような気がしてきました。
私は一旦少し離れてから望遠で狙うことにしました。

その電柱の天辺でコムクドリ♀は辺りを見回しながら、相変わらずギャー、ヂョッ♪と繰り返し鳴き続けています。
おそらくこの近くに巣があり、通りかかかった私を警戒しているのでしょう。
ジャー♪と喉を振り絞って鳴くときに翼を軽く震わせ、次に舌打ちのようにヂョッ♪と短く発声します。
逆光気味で分かりにくいのですけど、嘴の端が黄色くないので、幼鳥ではなく成鳥♀だと思います。

※ 車の交通量が多くて肝心の鳴き声が聞き取りにくいので、動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。


コムクドリ♀(野鳥)@電柱天辺♪
コムクドリ♀(野鳥)@電柱天辺・全景

ノブドウの花蜜を舐めるオオフタオビドロバチ♂



2019年6月下旬

川のコンクリート護岸に蔓延るノブドウの群落でオオフタオビドロバチ♂(Anterhynchium flavomarginatum)が訪花していました。
吸蜜しています。

意外にもこの組み合わせはHD動画に撮っていませんでした。


▼関連記事(5年前の撮影)
ノブドウを訪花するオオフタオビドロバチの羽ばたき【ハイスピード動画】

この個体は雄蜂♂ではないかと思うのですが、どうでしょう?
(触角の先が鉤状に曲がり、触角の第一節の前面が黄色)
♂にしては腹部がかなり太いです。

近くでモズ(野鳥)が鳴いています。


オオフタオビドロバチ♂@ノブドウ訪花吸蜜

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