2018/12/01

毒虫マメハンミョウをニホンアマガエルは捕食するか?



2018年9月上旬

用水路沿いの農道脇に生えたヨモギの群落でマメハンミョウEpicauta gorhami)を見つけました。
ヨモギの大き目の葉に乗って身繕いしています。
後脚で腹背を掻いたり、中脚と後脚を擦り合わせたりしていました。

マメハンミョウは天敵に襲われそうになるとカンタリジンという強力な毒液を分泌することで有名です。
この黄色い毒液にヒトが素手で触れるとひどい水疱を生じてしまうので注意が必要です。
実際にカンタリジンは自然界でマメハンミョウの身を守るためにどれぐらい有効なのでしょうか?

下から登って来たクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀は、マメハンミョウを攻撃しませんでした。
出会い頭に触角で軽く触れただけで蟻は慌てて逃げ出しました。

化粧を済ませたマメハンミョウは向きを変え、ヨモギの茎を降り始めました。
実はすぐ下のヨモギ葉上には先程から緑色のニホンアマガエルHyla japonica)が香箱座りして獲物を待ち伏せしていました。
果たして狩りの瞬間が見れるでしょうか?


▼関連記事
毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐

マメハンミョウは保護色のニホンアマガエルの存在を知ってか知らずか、その背中を無遠慮に踏みつけて行きました。
カエルは目の前から近づいてきたマメハンミョウを襲って捕食するどころか、踏まれてもちょっと身じろぎしただけで、跳んで逃げることもありませんでした。
マメハンミョウは有毒だと過去に身を持って学習した結果、捕食するのを忌避しているのだろう、というのが教科書的なストーリーです。
しかし東北地方のマメハンミョウは、毒を持っていることをアピールする警告色をなぜか失いつつあるらしいので、話がややこしいのです。
このカエルがたまたま満腹だったり、獲物にするには大き過ぎたのかもしれません。(飼育下で実験を繰り返してみないと分かりません)
ヨモギの茎の更に下方にはもう一匹のニホンアマガエルが潜んでいました。
全く気付かなかった私は動画の撮影を止めてしまい、2匹目のカエルとの遭遇戦は記録できませんでした。

マメハンミョウを捕獲して毒液カンタリジンを分泌する様子を動画に記録したかったのですが、手袋やピンセットを持って来なかったので、次回の宿題になります。



つづく→ヨモギの花と葉を食べるマメハンミョウ


池畔の塒で昼寝、羽繕いするゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月中旬

池の畔にゴイサギNycticorax nycticorax)の昼塒があります。
池に突き刺さった落枝に3羽の幼鳥が止まって休んでいます。
落枝のあちこちに鳥の糞が付着しています。
幼鳥は見事な保護色になっていて、静止していれば見つけにくいです。
目覚めた個体がのんびり羽繕いしています。

背後に見えるヤツデの木の葉も白い鳥の糞で汚れていました。
その上にもゴイサギの昼塒があるのでしょう。

池の岸から水面に張り出したサクラの枝にもう一羽の幼鳥が止まっていて、目を閉じて昼寝していました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/11/30

スジグロシロチョウ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬・午後16:21

里山の麓の林縁で2頭の白い蝶が猛烈な勢いで絡み合うように飛び回っていました。
スジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)の♀♂ペアによる求愛飛翔のようです。
ゼフィルスの卍巴飛翔を思わせる激しい乱舞が繰り広げられています。

すぐに240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:15〜)
なかなか見応えのあるスローモーションが撮れたのに、残念ながら私には性別を見分けられないので行動を解釈できません。(※ 追記参照)
2頭は暗いスギ植林の林縁の方へ飛んで行きます。
♀♂ペアの乱舞は結構長く続いたものの、交尾には至らず別れました。

桑原保正『性フェロモン―オスを誘惑する物質の秘密 (講談社選書メチエ)』によると、

 (蛾とは異なり、:しぐま註)蝶には♀が分泌し、♂を誘引する性フェロモンがない。蝶の性フェロモンは♂が分泌するのである。♀に結婚を承諾させる媚薬的な働きをするフェロモンと考えられている。人間の鼻にも強烈に香る化合物である場合が多い。
 たとえば、モンシロチョウに似ているが、黒いスジが目立つスジグロシロチョウの♂はシトラール(ゲラニアールとネラールの65対35の混合物)を分泌する鱗粉をもっており、レモンのような強烈な香りがある。(p191より引用)


しかし今回の撮影中に柑橘系の芳香は嗅ぎ取れませんでした。
性フェロモンはごく微量しか放出されないのでしょう。
機会があればスジグロシロチョウ♂を採集して、発香鱗の匂いを実際に嗅いでみたいものです。



※【追記】
小原嘉明『進化を飛躍させる新しい主役:モンシロチョウの世界から』(岩波ジュニア新書)によると、
(スジグロシロチョウの)♂の翅には、強いにおいを発する発香鱗という鱗粉があります。このにおいは人間がかいでもはっきりわかります。(中略)配偶行動にも(モンシロチョウと:しぐま註)大きなちがいがあります。その一つは♀が未交尾の段階から、モンシロチョウの既交尾♀と同じ交尾拒否姿勢をとって♂を拒否することです。その♀もいずれは交尾するのですが、なぜ♀が未交尾の段階で♂を拒否するのか、またその後なぜ♂を受け入れるようになるかについては、まだわかっていません。
 もう一つ、強いにおいを発散する♂は、あたかもそのにおいを翅をはばたいて♀に浴びせかけるかのように、♀の近くで滞空飛翔をして求愛します。このにおいが、交尾を拒否する未交尾♀を交尾に誘導する性フェロモンとして機能している可能性がありますが、それについてはまだたしかめられていません。(p166〜167より引用)
この本の記述と私が今回観察した行動はどうも合わない気がします。
もしかすると、今回の映像は♀♂ペアによる求愛飛翔ではなく、♂同士の縄張り争いなのでしょうか?
スジグロシロチョウの配偶行動があまり解明されていない理由は、ヒトの目にはフィールドで性別を見分けられないからでしょう。

街路樹シラカシに塒入りするスズメの群れ(野鳥)



2018年9月上旬・午後17:40〜17:43

夕暮れ時に、市街地にある某大型店の駐車場に植栽された1本の街路樹にスズメPasser montanus)が次々に飛び込んでいます。(集団就塒)
ここがスズメの集団塒なのでしょう。
既に塒入りした多数の個体がチュンチュン♪とやかましく鳴いています。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:59。

この木の下にそっと入り、塒を下から見上げると、かなり暗いもののなんとかスズメの姿を捉えることができました。
スズメは未だ落ち着きがなく、塒内を枝から枝へ飛び回っています。
一羽が枝上で脱糞しました。(@1:51)

この常緑樹をあちこちの街路樹で結構よく見かけるのですけど、名前を知りませんでした。
枝にはドングリのような実がなっていました。
調べてみると、どうやらシラカシのようです。
東北地方の雪国でも植栽されるようになったのでしょう。

※ 動画編集時に彩度を少し上げました。

実は同時刻に同じ駐車場でムクドリの群れも飛び回っていたので、どこか別の街路樹に塒入りしたのかもしれません。


スズメ(野鳥)群れ@集団就塒:シラカシ

シラカシ葉
シラカシ枝葉+未熟堅果(ドングリ)

2018/11/29

クサネムの花蜜を吸い葉表に産卵するキタキチョウ♀



2018年9月上旬

稲穂が育つ水田の畦道をキタキチョウ♀(Eurema mandarina)が蝶道のように繰り返し往復して飛んでいました。
何が目的なのだろう?と様子を見守っていると、クサネムの群落に訪花して回り、吸蜜しました。
畦道には蜜源となる花が少なく、クサネムの花を探し当てるのに少し苦労している印象を受けました。

更に訪花の合間にクサネムの葉表に着陸し、腹端を軽く曲げて産卵しました。(@2:13)
背側からの撮影アングルで産卵シーンが分かりづらかったのですが、飛び去った後には一粒の白い卵が産みつけられていました。
クサネムはマメ科の植物ですから、キタキチョウの幼虫の食草に当てはまります。
次に機会があれば飼育に挑戦してみるつもりです。

『虫の卵ハンドブック』でキチョウについて調べると、

♀は食草(ネムノキなどマメ科)の新芽や新葉に、1卵ずつ細長い紡錘形の卵を産む。市街地や畑周辺に普通に見られ、卵はハギ類やネムノキなど次種(モンキチョウ)に比べるとやや丈の高い植物で見られる。(p99より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キタキチョウ♀@クサネム訪花吸蜜
キタキチョウ♀@クサネム葉+産卵

クサネム花+葉
クサネム花+葉

ミシシッピアカミミガメが岩の上で日光浴



2018年6月中旬・午後15:45

蓮池の岩場でこの日はミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が単独で甲羅干ししていました。
前肢の爪が長いので、♂だと思います。
ときどき瞬きするだけで動きに乏しく、あまり面白くありません。


ミシシッピアカミミガメ:顔@蓮池:岩+甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ:側面@蓮池:岩+甲羅干し

2018/11/28

不規則網にかかったコガタスズメバチの創設女王を捕食するオオヒメグモ♀(蜘蛛)



コガタスズメバチ初期巣の定点観察2018年#3

▼前回の記事
コガタスズメバチの巣の下に不規則網を張るオオヒメグモ♂(蜘蛛)

2018年7月上旬

コガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣に特有の細長いトンネル状の巣口は、ワーカーが羽化するとすぐに取り壊されます。
この取り壊しの様子を見届けたくて、軒下の初期巣を毎日のようにチェックしていました。

前回の定点観察から6日後。
私の嫌な予感が的中しました。
恐れていた通り、初期巣の直下に張り巡らされたオオヒメグモParasteatoda tepidariorum)の不規則網に1匹のコガタスズメバチ♀が捕らえられていました。
既にスズメバチは毒液を注入されて死んでおり、オオヒメグモ♀が糸で軽くラッピングしていました。
オオヒメグモ♀は獲物に噛み付いて体外消化を始めます。

死んだコガタスズメバチ創設女王の腹端に水滴のような物が見えます。
これは毒針から放出した毒液かな?と想像したものの、毒針は伸びていませんでした。
(水滴ではなくて、半透明な翅の先端部かも?)

映像を見直すと、コガタスズメバチ初期巣の巣口の直下に実はもう一匹、別のクモが居ました。
ピントが合わず、よく分かりませんが、これはオオヒメグモ♂かな?

オオヒメグモの不規則網にはガガンボの死骸も食べ残されていました。

真下から見上げるアングルで撮ると遠近感が分かりにくいので、斜め横から写真を撮り直してみました。
するとコガタスズメバチ女王の死骸は巣口のかなり下に吊り下げられていることが分かります。

前日は異状なかったので、この1日の間に巣に出入りしようとした女王蜂が油断してクモの罠にかかったのでしょう。
オオヒメグモはさすが全世界で繁栄しているクモだけあって、その不規則網は地味ながら恐るべき捕獲性能を誇ります。
コガタスズメバチ♀が必死に羽ばたいても不規則網の糸の末端部にある強力な粘着球から逃れられなかったようです。
スズメバチは毒針で反撃しようとしたはずですが、糸で絡め取られて万事休すだったのでしょう。
私がもう少し早く気づいていれば、対決の様子を観察できたのに、残念です。
コガタスズメバチの巣を定点観察するためには軒下から天敵であるクモの網を払っておくべきでしたが、とても手が届かない高所だったのです。


▼関連記事(10年前の撮影)
キアシナガバチ創設女王がオオヒメグモ(蜘蛛)に捕まる

コガタスズメバチの初期巣に特有の徳利型の細長い入り口はそのままなので、ワーカー♀が羽化する前に女王蜂が非業の死を遂げたことになります。
もし巣内で既に幼虫の何匹かが蛹になっていれば、ワーカー♀が羽化してくるかもしれません。
しかし羽化する度に下で待ち構えているオオヒメグモの餌食になりそうです。
そんな期待をしながら定点観察をしばらく続けていたのですが、初期巣の形状は全く変化せず、コガタスズメバチ♀が新たにオオヒメグモの不規則網にかかることもありませんでした。

したがって、育房内に未だ蛹は育っておらず、卵や幼虫は女王蜂の死後、全て餓死したと考えられます。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2日後には、オオヒメグモの不規則網にカシノシマメイガPyralis farinalis)が捕らえられていました。


左上:カシノシマメイガ(蛾)@オオヒメグモ(蜘蛛)不規則網@軒下:コガタスズメバチ巣

9日後、オオヒメグモの不規則網に卵嚢が2個吊り下げられているのを見つけました。
まさに弱肉強食の世界で輪廻転生を目の当たりにしました。



シリーズ完。




【追記】その後の経過

2019年3月中旬

この古巣はその後、秋から冬になっても軒下に残っていました。
梯子も届かない高所なので古巣を採集して中の状態を調べることもできず、放置していたのです。
春になってから再訪すると、いつの間にか古巣の外皮の下半分が壊れていて、中の巣盤が露出していました。
下から見上げると巣盤は1層しか見えません。
大きく育ったコガタスズメバチの巣では中の巣盤は何層も積み重なった構造になっていますが、この事例では初期巣の段階で造巣が止まっているので巣盤も単層のままだと思われます。

古巣が壊れた正確な時期も理由も不明です。
冬の風雪に耐えられず自然に崩壊したのか、スズメやヒヨドリなどの野鳥が壊したのか、それとも寄生虫が巣の内部を食い荒らした結果なのか、可能性は色々と考えられます。
▼関連記事 
キイロスズメバチの古巣を壊して捕食するヒヨドリ(野鳥)
巣盤をよく見るとその中央部の3つの育房に白い膜のようなものが付着していて個々に穴が開いています。
これが羽化後の空繭だとすると、この初期巣は創設女王が死んだ時点で蛹になっていたワーカー♀が3匹だけ羽化できたことになります。
しかし私が観察していた限りではコロニーの活動が無かった(巣に出入りするワーカーの姿を見ていない)ので、女王不在の巣に生まれたワーカーはすぐに逃去してしまうのかもしれません。



左上にオオヒメグモの卵嚢が4つ吊り下げられています。

電柱に集結したムクドリとコムクドリの混群(野鳥)



2018年8月下旬・午後15:51

公園に近い交差点で車道を挟んで立つ2本の電柱の天辺にムクドリSturnus cineraceus)とコムクドリSturnus philippensis)が混群をなしていました。
個体数はムクドリがコムクドリを圧倒しています。
辺りで鳴いているミンミンゼミ♂♪や車道の騒音がうるさくて、鳥の鳴き声はあまり聞き取れません。

就塒前集合には未だ早い時刻なので何事だろうと思って見ていると、横の駐車場の桜並木からムクドリが続々と電柱に飛んで移動していました。(退避?)


ムクドリ+コムクドリ(野鳥)混群@電柱/電線
ムクドリ+コムクドリ(野鳥)混群@電柱/電線

2018/11/27

イチモンジセセリ2頭がクズの花で吸蜜中にニアミス



2018年9月上旬

川の堤防に生えたクズの群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
いつものように翅をしっかり閉じて花蜜を吸っています。

やがてもう一頭が飛来して、すぐ横に止まりました。
同じクズの花に並んで口吻を伸ばしたので、敵対行動(縄張り争い)でも求愛目的でも無さそうです。
ところがすぐに2頭がほぼ同時に飛び去りました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
何か意図があったのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事(4年前の撮影)
イチモンジセセリがクズの花で吸蜜中に排泄




止まり木で獲物を食べ飛び去るチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ同士の空中戦と止まり木を巡る争い(野鳥)

お気に入りのヒノキ樹冠の枯れた横枝に止まったチゴハヤブサFalco subbuteo)が何か獲物を食べています。
残念ながら逆光で獲物の正体が良く分かりません。
鋭い鉤爪で獲物を押さえつけ、嘴で毟っています。

食べ終わると甲高い声でキーキーキー♪と鳴いて餌乞いを始めたので、どうやらこの個体は幼鳥のようです。
(逆光のせいで、下腹部の色で成鳥か幼鳥か見分けられないのです。)
この獲物は幼鳥が自力で狩ったのか、それとも親鳥が給餌してくれたのか、見逃してしまいました。

チゴハヤブサは止まり木で身震いしました。
足で頭を掻こうとしてうっかりバランスを崩したものの、羽ばたいて立て直しました。
最後は止まり木を蹴って飛び立ち、すぐに滑翔、旋回に移りました。


日光自然博物館『ハヤブサ日記』によると、

ハヤブサの羽ばたきは、他の猛禽類(イヌワシ、オオタカなど)よりもはるかに高速で、じーっと見ていると目が回りそうなほどです。ヒナのうちからものすごいスピードで羽ばたけるのですから、大人のハヤブサの飛ぶスピードが速いのも納得です。(p55より引用)
ハヤブサは人気があり本や写真集が何冊も出版されているのに、不思議とチゴハヤブサを扱った本は未だ無いようです。

【追記】小林正之、五百沢日丸『隼 ハヤブサ』という見事な写真集にチゴハヤブサの章が設けられていました。山形県で撮影された生態写真も多数含まれていて、とても参考になりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→


2018/11/26

オビガ♂(蛾)に触れて飛び立たせてみる【ハイスピード動画】



2018年9月上旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#8



▼前回の記事
準備運動後に飛び立つオビガ(蛾)成虫a【HD動画&ハイスピード動画】

昼間に窓際のレースカーテンに止まっているオビガApha aequalis)の成虫♂aが飛び立つ様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ろうと悪戦苦闘しています。
割箸でそっと翅をつついて飛び立たせても、飛翔力が弱くて、弱々しく羽ばたきながらただ落下することが多いのです。
しつこく何度もやり直すと、ようやく準備運動なしに少しだけ飛んでくれました。(冒頭の映像)

※ 逆光の条件下でもオビガの翅の斑紋(帯状の模様)が見えるように、動画編集時に彩度を少し上げています。


つづく→#9:オビガ(蛾)終齢幼虫♀eの繭作り【100倍速映像】


チゴハヤブサ同士の空中戦と止まり木を巡る争い(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ幼鳥が止まり木で羽ばたき練習、羽繕い、餌乞い♪(野鳥)

翌日も例の止まり木を見に行くと、チゴハヤブサFalco subbuteo)は不在でした。
諦めて帰りかけたら、数羽が飛来してくれました。
交差点で信号待ちをしながら撮影したので、手前の建物や電柱、電線が邪魔になり、飛んでいる個体数もよく分かりませんでした。

モミの巨木の天辺に止まっている個体を見つけました。
そこへ別個体が飛来し、止まり木を乗っ取りました。
襲われた個体は驚いて止まり木から飛び立ちました。
しかし止まり木を乗っ取った個体もすぐにモミ樹冠から飛び去りました。
チゴハヤブサの高速飛翔を1/5倍速のスローモーションでまずご覧ください。
幼鳥同士が遊びの空中戦を繰り広げているのでしょうか?
子別れにしては時期が早い気がします。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

視界が開けた場所まで急行し、撮影を続けます。


つづく→止まり木で獲物を食べ飛び去るチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)




【追記】
与名正三『森のハヤブサ―ナニワの空に舞う』という素晴らしい写真集を見ていたら、
幼鳥同士空中で足を掛け合い、天敵に対する攻撃の練習を行なう(巣立ち後8日目)。(p57より引用)
と題した見事な生態写真が目に留まりました。
チゴハヤブサとハヤブサは別種で習性が異なるのかもしれませんが、参考になりました。
巣立ち後は幼鳥の飛翔力を高めるために親鳥が幼鳥になかなか獲物を渡さなくなり、幼鳥が追いかけたりすることもあるそうです。

2018/11/25

ツバメシジミ♀の日光浴



2018年9月上旬

農道脇の斜面を覆うカナムグラの群落でツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)が葉に乗って休んでいました。
半開きの翅を緩やかに開閉しながら日光浴しています。

てっきり見慣れた(見飽きた)ヒメシジミ♀かと思い、素通りしかけたのですが、後翅に尾状突起があることに気づきました。
ツバメシジミを見つけたのはこれが初めてで、嬉しい出会いでした。
本種の幼虫の食草はマメ科植物らしい。
現場のすぐ横にクズの群落が繁茂していたので、この♀は産卵を終えて休んでいたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツバメシジミ♀@カナムグラ葉+日光浴

川の護岸で枯草をむしり餌を探す雪国のハシボソガラス(冬の野鳥)



2018年1月上旬

街中を流れる川で3羽のハシボソガラスCorvus corone)が冷たい川に入っていました。
コンクリート護岸の所々に雪が積もっています。
除雪で川に捨てられた雪塊です。
1羽のカラスがその雪塊に飛び乗り、嘴で雪を掻き分けて壁際を探っています。
残る2羽は、護岸の隙間に生えて枯れた草の辺りを必死で調べたり嘴でグイグイと枯れ草をむしったりして餌を探しています。
護岸に生えた苔(地衣類?)を嘴で毟り取ったり、コンクリートブロックの護岸の継ぎ目の土をほじくったりする個体もいます。
枯れ草やコケそのものを食べているのではなく、おそらくその奥に潜んで越冬中の虫やカエルなどを必死で探しているのでしょう。

雪国の野鳥は厳冬期に日々の餌を探すのは大変そうです。
いっそのこと暖かい地方へ渡って冬を越せば良いのにと思うのですが、ハシボソガラスは留鳥として冬も居残り逞しく生きています。

厳冬期に同じ川でカワガラスが水中に潜って貝などの小動物を捕食していたのですけど、陸のカラスにはそんな芸当はできません。
▼関連記事
潜水漁で川虫を捕食するカワガラス(冬の野鳥)
真冬の川に潜って小魚を捕食するカワガラス(冬の野鳥)
カワガラス:厳冬期の潜水漁(冬の野鳥)

最後に1羽がフワリと飛んで対岸へ渡りました。
実は堤防の上の道にもう1羽が居ました。
おそらく、この4羽が家族群なのでしょう。


ハシボソガラス3(冬の野鳥)@川:護岸草むしり+探餌
ハシボソガラス2(冬の野鳥)@川:護岸草むしり+探餌
ハシボソガラス(冬の野鳥)@川:護岸草むしり+探餌


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