2008年7月上旬
軒下に営巣したキアシナガバチ(Polistes rothneyi)初期巣群の定点観察。
この日は巣の下でいくら待っても女王が不在でした。
嫌な予感がして辺りを探すと、同じ軒下にオオヒメグモ♀(Parasteatoda tepidariorum)が張った不規則網に女王がぶら下がり非業の死を遂げていました。
外役から帰巣する度に暫く軒下でうろうろ飛び回っていたので、遂に網に絡まってしまったのでしょう。
回収した死骸は腹端から毒針が伸びていました。
個体標識してこの女王に情が移っていたのでショック…。
こんな形(バッド・エンディング)で長期観察が中断するのは残念ですが、これも自然界の厳しい生存競争。
単独営巣期の女王の暮らしは危険が一杯です。
初ワーカーが羽化するまでの死亡率が最も高いらしい。
「自分の巣にちゃんと帰るまでが遠足です。」さて、巣に残された子供達(みなしごハッチ)の運命は如何に。
オオヒメグモはさすが全世界で繁栄しているクモだけあって、その網は地味ながら恐るべき捕獲性能を誇ります。
アシナガバチのパワフルな羽ばたきでも強力な粘着力から逃れられなかったようです。
私も油断していました。
蜂の観察のために軒下のクモの網を払っておくべきでした。
つづく→シリーズ#16
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