2010年11月中旬
山中(標高約650m)の建物の壁に冬尺蛾の♀がじっと止まっていました。
我虫像掲示板にて写真鑑定してもらうと、ウスオビフユエダシャク♀(Larerannis orthogrammaria)だろうとご教示頂きました。
実は翅の退化したフユシャク♀を実際に見るのはこれが初めてで、感動しました。
接写すると確かに退化した翅の痕跡が残っているのが分かります。
口吻も退化しています。
採寸すると体長11mm。しばらく待てば♂が飛来して交尾したのだろうか。
腹端に指で軽く触れるとピクンと驚いて逃げ始めました。
壁面を右に右に歩きました。
足場の滑り易い所は上に登って避けました。
手乗りにも挑戦してみたのですけど、差し出した指を嫌がるような素振りを見せました(映像なし)。
もしかして低温に適応した冬尺♀にとって人肌は熱すぎるのかと妄想したのですけど、たまたまだったようです。
2009年7月上旬
野外で採集したヒョウモンチョウの一種(ミドリヒョウモン/メスグロヒョウモン?)と思われる垂蛹の一つが、他の蛹と比べると矮小化していました。
黒化したものの、蛹を透かして見ると中身が萎縮していました。
寄生を疑い、密閉容器に隔離して何が羽化するのか待ちました。
初めて見る可愛い蜂でしたが、調べてみるとキアシブトコバチ(Brachymeria lasus)という寄生バチらしい。
鱗翅目(蝶、蛾)の蛹に寄生することが知られているそうです。
《追記》
同じ場所で採集したもう一つ別の垂蛹(これは正常の大きさだった)からも本種が羽化しました(映像なし)。
寄生率の高さを窺わせます。
2009年7月上旬
先程とは別個体aのカザリバ(Cosmopterix fulminella)。
すぐ近くに生えたヒメヤシャブシ?の葉で踊っていました。
いわゆるレック(集団お見合い場)とみなすのは考え過ぎだろうか。
二匹とも撮影直後に採集しました。
2010年6月中旬
オニグルミの葉でクルクル回っていた美しいミクロ蛾b。
前翅長~4.5mm。
カザリバ(Cosmopterix fulminella)の求愛行動なのでしょうか。
2009年7月上旬
山道の前方に何か気配がしたのでよく見ると、野生のタヌキがこちらを向いていました。
しばらく睨み合った末、道端の草叢に消えました。
夏毛のタヌキは痩せて見えます。
写真を拡大してみると乳首らしきものが見えるので♀なのかな?
2009年7月上旬
ススキの葉裏で交尾中のカラフルな蛾を見つけました。
全く逃げようとしません。
何と言うか、侘び錆びの欠片も無い派手な色彩ですけど、突き抜けたデザインは天晴れです。
スジベニコケガ伊豆諸島以外亜種(Barsine striata striata)です。
幼虫の食草は地衣類らしいので、偶然ススキに止まっていたのだろう。
【追記】
ゴマダラベニコケガと似ていて紛らわしいのですが、蛾LOVEさんによる「似た蛾の比較図鑑」サイトを参考に翅の紋様を見比べると、スジベニコケガ伊豆諸島以外亜種(Barsine striata striata)と判明。