2011/01/23

竹筒内のオオフタオビドロバチ前蛹R3acおよび貯食物




2010年8月中旬
(承前)
次の竹筒R3を割ってみると、入口(内径7mm)は閉鎖済みで、泥の隔壁は巣口も含めて6枚。
寄生者対策の空室(EVCおよびEIC)が多く、実質の独房は3室(奥からa-c)でした。 

独房a,cでは蜂の子が貯食物を食べ終え、前蛹になっていました。
前蛹の頭は入口側を向いています。

独房bには貯食された青虫が残されていました。
なぜか蜂の卵や幼虫は見当たりません。
青虫は自ら排泄した糞で汚れています(蜂の子は脱糞しないはず。)
独房bに運び込まれた5匹の青虫のうち一匹が、死んで腐敗しています。
貯食物の異常に気づいた蜂が産卵を諦め、独房を閉鎖したのだろうか。
しかしオオフタオビドロバチ♀は狩猟に先立って独房壁に産卵するはずなので、その可能性はありません。
卵がカビなどに感染して孵化できなかったのだろうか。
独房bに詰め込まれた青虫は互いに軽く癒着していました。
青虫の頭の向きはまちまちです。
残る4匹の青虫は蜂の毒針によって麻痺しているだけで生きており、ピンセットで触れると蠕動します。
緑の青虫に混じって白っぽいイモムシが一匹います。
オオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatumはメイガやハマキガなどの幼虫を狩るとされていますが、これだけ種類が違うのだろうか。
白っぽい個体は触れても反応が鈍いので、死にかけで変色しているのかも。
このまま飼い続けて麻酔下の寿命を調べようか迷いましたが、夏の高温でカビ感染が拡がる恐れがあるため撮影後に捨てました。
新鮮な獲物を腐らせないで保存するために毒針による麻酔手術を編み出したはずですが、 狩り蜂もたまには失敗することもあるようです。
つづく

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