2018/04/21

イチョウの街路樹を塒とするハクセキレイ♀♂の群れ(野鳥)



2017年8月中旬・午後18:46〜18:55(日の入り時刻は午後18:30)


▼前回の記事
イチョウ並木に塒入りするハクセキレイの群れ(野鳥)

ほぼ一ヶ月(26日)ぶりの定点観察です。
交通量の多い大通り沿いに植栽されたイチョウ並木にハクセキレイ♂♀(Motacilla alba lugens)が塒入りしていました。
日没後でもう薄暗いため、画質が粗いです。
就塒行動の騒ぎ(塒内での場所取り)は既に収まっていました。
イチョウの青い葉の茂った枝に鈴なりに止まったハクセキレイは、各自おとなしくしています。
背中の黒い♂だけでなく、背中が灰色の♀の姿も見えます。
セグロセキレイも混じっているかと現場では思ったのですが、私の勘違いでした。
この群れは全てハクセキレイでした。

イチョウ並木の中で、前回の観察ではねぐらとして使ったのに今回は一羽もハクセキレイが居ない木がありました。
この群れが毎晩使う集団塒は、特定の木には固執せず、大まかに(臨機応変に)決められているのでしょう。

近くにある某施設の外階段に登るとこのイチョウ並木を見下ろせるので、観察・撮影するには好都合です。
実は車道を挟んで反対側のイチョウや広葉樹(樹種不明)の樹幹にも数羽のハクセキレイが潜んでいたのですが、うまく動画に撮れず割愛。

※ 実際はもっと薄暗いのですが、ハクセキレイの性別を見分けるために動画編集時に自動色調補正を施して明度と彩度を上げています。


ハクセキレイ♀♂群れ@集団塒:イチョウ並木

トンネルの天井から飛んで逃げるコウモリ♂ 【暗視映像】



2017年9月中旬・午後17:49(日の入り時刻は午後17:43)

コウモリが昼塒としているトンネルの探検を続けます。
山形県の某山麓に埋設されたボックスカルバートには浅い水が流れていました。

天井の繋ぎ目に足の爪を引っかけ単独でぶら下がっているコウモリ(種名不詳)をまた見つけました。
私が近づいたらすぐに飛んで逃げてしまいました。
そろそろ昼塒から外に出て採餌活動を始める時刻なので、眠りが浅くなっているのでしょう。
(離塒のピークは日没の30分後)

動画の後半は飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。
この個体Eは、翼を広げて飛び立つ間際に下腹部に陰茎が見えたので♂ですね。

複数種のコウモリが同じトンネルを塒として利用している可能性があるそうです。
しかし、コウモリ観察初心者の私は未だ種類を見分けられません。
自分で同定できれば同じ種類のコウモリを一本の動画にまとめて編集するのですが、1頭ずつ分けて紹介しています。
専門家に種名を教えてもらえる機会があれば随時、書き直します。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/04/20

雨が降っても造巣を続けるコガタスズメバチ♀



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#11



前回の記事→#10

2016年8月上旬・午後15:45頃

この日は午後から激しい雷雨になりました。
傘をさして3日ぶりに様子を見に行くと、土砂降りの中でも軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣は濡れていませんでした。
したがって、アシナガバチのように巣からの排水行動は不要です。


▼関連記事
キアシナガバチ♀雨天時の排水行動

3〜4匹のワーカーが外皮のあちこちで増築作業中でした。
驚いたことに雨天をついて外に飛んで行き、普段通り巣材を集めてきているようです。
その間、門衛が巣口から外界を見張っています。

空は雨雲に覆われ、日没時のように暗くなっています。
光量が不足するとカメラのAFが効きにくくなります。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#12



コナラの葉に止まって休むヒメキマダラヒカゲ



2017年9月中旬・午後16:20頃

山麓の林縁を歩いていたら1頭の蝶が飛んで逃げ、雑木林のコナラの葉に止まり直しました。
帰宅後に図鑑で調べてみると初見のヒメキマダラヒカゲZophoessa callipteris)でした。

風で揺れる葉に乗り、翅を閉じた姿勢でじっとしています。
画質がやや粗いのは薄暗い林縁で、しかも日没前に撮ったために光量不足なのです。
手前の枝にはコナラの未熟なドングリ(堅果)が実っています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヒメキマダラヒカゲ@コナラ葉

2018/04/19

チャコウラナメクジの好物は?【10倍速映像】



2016年10月下旬・午後23:04〜23:11

これまで野外でナメクジがキノコを食べる様子を観察したことがありました。


▼関連記事
倒木でキノコを食す黄色いナメクジ【名前を教えて】
キノコを食べるナメクジ【名前を教えて】

てっきりナメクジはキノコが好きなのかと思い、飼育中のチャコウラナメクジAmbigolimax valentianus)にキノコを給餌してみました。
スーパーで買ってきた普通のシメジは気に入らなかったようで、口を付けないまま干からびたので捨てました。

(映像はここから。)

栽培されたキノコではなく山で採れたブナシメジ(ホンシメジ?)を給餌してみたら、どうでしょうか?
他には煮干しと、気紛れで乾パンも与えてみました。

10倍の早回し映像をご覧下さい。
結果は、煮干しを少し齧っただけでした。

▼関連記事 
煮干しを食べるチャコウラナメクジ 【10倍速映像】

キノコは今回も口にせず、方向転換して立ち去りました。
ナメクジが好きなキノコは特定の種類に限られるのかもしれません。(それを突き止めたいものです)

動画を撮り始めるとナメクジはいつもすぐに居なくなってしまい、私としては物足りないです。
長撮り中の眩しい照明が嫌なのかな?
赤外線の暗視カメラで行動を監視すれば、より自然な振る舞いをしてくれるでしょうか。


キヅタの花蜜を吸うコガタスズメバチ♀



2017年9月中旬

ブロック塀を覆い尽くしたキヅタ(別名フユヅタ)のマント群落でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が何匹も訪花していました。
今回キヅタに訪花していたスズメバチ類の中でコガタスズメバチが最も多い優占種でした。
キヅタの花は雄性先熟ですが、コガタスズメバチ♀は雌しべが突き出た雌性期の花、多数の雄しべが伸びた雄性期の花、と両方の花から別け隔てなく吸蜜していました。
したがってキヅタの送粉者として働いていることが分かりました。
しかしコガタスズメバチは花粉が付着しそうな体毛が少ないので、送粉者としてハナバチほど有能ではなさそうです。

同じ花にハエが来ていてもコガタスズメバチは追い払ったり狩ったりしませんでした。
もっとも、飛翔能力はハエの方がはるかに敏捷なのでコガタスズメバチ♀が攻撃しても易々と逃げてしまうでしょう。
スズメバチ類も千客万来でしたが、異種間での争いも見られませんでした。
独り占め(占有)する必要もないぐらい蜜源が豊富なのでしょう。


コガタスズメバチ♀@キヅタ訪花吸蜜(雌性期の花)
コガタスズメバチ♀2@キヅタ訪花吸蜜(上:雄性期の花、下:雌性期の花)

2018/04/18

ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?

2017年9月中旬・午後16:55頃(日の入り時刻は午後17:43)


▼前回の記事
昼塒で休むコウモリの群塊と鳴き声♪【暗視映像】(名前を教えて)

野生コウモリが昼塒として利用しているトンネルの天井で、コウモリ(種名不詳)が群塊を形成して休んでいました。
ストロボを焚いて撮った写真をチェックしてみると、何枚かに奇妙な物が写っていました。


コウモリ2頭が寄生されている
写真の中央部に注目

気になる写真を拡大してみると、3頭のコウモリの体表(毛皮)にオレンジ色(茶褐色)の昆虫が1匹ずつ(計3匹)がっしりと取り付いています。
無翅なのでクモと間違いそうになりますが、脚が6本しか無いので、れっきとした昆虫です。
クモバエ科という特殊な寄生バエの一種でしょう。
コウモリ専門に外部寄生して吸血するらしく、そのために翅は退化したのだそうです。
(コウモリバエ科という有翅の外部寄生虫も別に知られているらしい。)
本で読んで存在は知っていましたが寄生率は低いらしく、私のフィールドで実際に出会えてとても感動しました。
平凡社『日本動物大百科9昆虫II』によれば、

 クモバエ科は世界各地に分布し、コウモリバエと同様にコウモリの体表にのみ寄生し、吸血する。体は扁平で、翅はなく、頭部は胸背にある溝のなかに後ろ向きにたたみ込まれている。あしは非常に長く、爪は強大である。複眼は退化している。(中略)日本では10種が記録されているが、これも調査が進めばさらに多くの種が見いだされると思われる。 (p150より引用)


熊澤辰徳、 須黒達巳『ハエハンドブック』を紐解くと、寄生者らしい驚くべき特徴が簡略に記してありました。
クモバエ科は)クモのような見た目で、眼や頭、翅が退化している。コウモリに寄生。クモバエやコウモリバエは、シラミバエ同様、体内で子育てを行い、子は前蛹という状態で産み落とされ、すぐに蛹になる。

 

(コウモリバエ科は)コウモリに寄生する。多くの種は外部寄生するが、(中略)♀がコウモリの耳内に穿孔し、翅と脚を自切して腹部から生じた袋内にすむ種が知られる。複眼は小さく退化し、脚の爪が発達している。  (p141より引用)


ちなみに、日本に吸血性コウモリは生息していません。
日本のコウモリは寄生虫から一方的に吸血される(可哀想な)宿主なのです。

また、写真でトンネル天井を注意深く見直すと、コウモリの群塊がぶら下がっている塒の周囲だけに黒くて丸い小さな物体が多数写っていました。



現場では照明の使用を極力控えたので、全く見過ごしていました。(気づいたとしても、コウモリの糞が天井に付着したのかも?と思ったことでしょう。)
おそらく、これはクモバエの蛹でしょう。

【参考1】 船越公威. "ユビナガコウモリに外部寄生するケブカクモバエの生態学的研究: 特に生活史からみた宿主への連合性に関して." 日本生態学会誌 27.2 (1977): 125-140. (ありがたいことにPDFファイルが無料で公開されています。ケブカクモバエ成虫および蛹の細密画が掲載されています。)

【参考2】 動物行動学エッセイ本のシリーズで有名な小林朋道先生の公式ブログ『ほっと行動学』より「山奥の洞窟であったほんとうの話」 (クモバエの蛹の写真あり)

次に入洞する機会があれば、改めてトンネル天井の写真を撮り直し、この蛹を採集して飼育してみるつもりです。

【追記】1年後に写真を撮りました。
野生コウモリを無許可で採集したり飼育するのは法律で禁じられていますが、寄生バエなら誰からも怒られないでしょう。
クモバエは天然記念物に指定されていませんし、レッドデータに登録された絶滅危惧種でもありません。
クモバエ類は宿主特異性が高いそうなので※、飼育下で成虫を羽化させることでクモバエをしっかり同定できれば、宿主であるコウモリの名前も分かりそうです。

※ 【参考】:小林朋道「ユビナガコウモリに外部寄生する ケブカクモバエの宿主識別行動」(PDFファイルが無料で公開されています)
Natural Environmental Science Research Vol.28, 1- 4 (2015)
洞窟の塒では複数種のコウモリが混群(混棲群塊)を形成している場合もあるのだそうです。
コウモリ観察歴の浅い私には未だコウモリの種類を外見から自信を持って識別できないのですが、もし写真同定できる専門家がご覧になりましたら、ぜひ教えて下さい。
今のところ、ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus)とそれに外部寄生するケブカクモバエPenicillidia jenynsii)のセットではないかと素人ながら勝手に予想しています。
ネット上には真っ白なケブカクモバエの写真も見つかりますが()、これは蛹から羽化した直後と思われます。
羽化後に宿主のコウモリから吸血すると黄褐色に変化するらしい。(参考:上記の船越公威によるPDF文献)

コウモリはねぐらで多数の個体が集まって群塊を形成する種類もいれば、単独あるいは散在した粗群で寝るのが好きな種類もいるらしい。
それぞれの習性(寝方)に一長一短があり、群塊を形成するコウモリには寄生虫にとりつかれ易いというデメリット(コスト)があります。

天井からぶら下がりながら痒そうに毛繕いしていたコウモリは、吸血性寄生虫を取り除こうとしていたのかもしれません。
クモバエの死亡率は毛繕い中の宿主による捕食によって高くなるらしい。

余談ですが、洞窟内に生息するコウモリの糞・体毛、洞窟内の生物の死骸が大量に堆積して固まったものをバット・グアノと呼びます。
このトンネルには水が流れているので、塒の下は天然の水洗トイレになっています。
グアノにおける生態系(食物連鎖)も興味深いのですが、残念ながらここでは観察できません。



昼塒で休むユビナガコウモリの群塊と鳴き声♪【暗視映像と声紋解析】



2017年9月中旬・午後16:55頃(日の入り時刻は午後17:43)

コウモリが昼塒としているトンネルの探検を続けます。
山麓に埋設されたボックスカルバート@山形県には水が浅く流れていました。
入口近くでは一匹ずつバラバラに天井や壁からぶら下がっていました。
群れで互いに身を寄せ合わせたくても、コンクリートの天井からぶら下がるための足掛かりとなる裂け目が足りないのだろうか?と想像したりしました。
コウモリ保全のためのコウモリピットが天井に設置されているようには見えません。(†追記参照)


しかし真っ暗なトンネルの中ほどまで進むと、ようやくコウモリの群塊を見つけました。
侵入者に驚いて飛び回っている個体もいます。

天井の中央部から数十頭のコウモリがぶら下がっています。
私がそっと近づくとコウモリ達は覚醒しており、毛繕いしている個体もいました。
キュキュキュ♪、キキキキ♪、もしくはキャキャキャ♪という鳴き声をひっきり無しに発しています。
昼塒に侵入した私に対する警戒声なのでしょう。
トンネル内でずっと反響していた謎の鳴き声の正体がようやく分かりました。
コウモリの鳴き声といえば超音波なのに、どうして私の耳に聞こえるのか不思議でした。
音響学について私は勉強不足なのですが、まさか超音波が閉鎖空間で反響すると周波数が下がってヒトの耳に聞こえるようになるのですかね? (そんな馬鹿な)
コウモリ幼獣の鳴き声は声変わりしていない可聴域なのか?と無知な私は妄想したりしました。
しかしコウモリの子育てが終わる時期を見計らって入洞したので、はっきりと幼獣と分かるコウモリの姿は見つかりませんでした。(無事に乳離れした?)

大沢夕志、大沢啓子『身近で観察するコウモリの世界―町を飛ぶ不思議な野生動物 (子供の科学★サイエンスブックス)』という本によると、コウモリが超音波を発するのは飛びながら獲物を捕るためのエコロケーションのためだけではないそうです。

ほかの動物と同じように、コウモリどうしのおしゃべり、親子で確認し合ったり、おこったり、プロポーズしたり、にも使う。
この時は、わりと低い声を使うので、例えばアブラコウモリでも人間の耳に聞こえることがある。 (p71より引用)

『コウモリ識別ハンドブック』の解説編にもう少し専門的なことが書いてありました、


 コウモリが発する音声は、障害物や餌の認識以外にも利用される。その中でも重要な役割が個体同士のコミュニケーションで、その際に発せられる声はソーシャル・コールコミュニケーション・コールといわれる。日本産のコウモリでは研究がほとんど進んでいないが、これらの音声は、餌を探索する際のものとは異なるパルスタイプを持ち、バリエーションもさまざまである。アブラコウモリの場合、少なくとも9タイプのコミュニケーション・コールを発し、中にはわれわれの可聴域の超音波の声も確認されている。 (p79より引用)

最後に赤色LED懐中電灯を点灯し、ハンディカムの暗視モードではなく通常のHD動画で撮影してみました。
(赤色の照明はコウモリの目にはあまり見えないとされています。)


こちらのカメラの方が内蔵マイクが高音質のようで、コウモリの鳴き声が明瞭に録音されていました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



赤色LEDで照らしながら撮った短い(6秒間)動画から音声をWAVファイルに抽出し、スペクトログラムを描いてみました。
カメラの仕様により16kHz以上の高音(および超音波)は録音されていませんが、可聴域に明らかに声紋が認められました。

トンネル内の気温を測るべきでしたね。
おそらく外気温よりも安定していて湿度も高いはずです。


昼塒で寝ていた野生コウモリをなるべく驚かさないように、ここまでかなり気を使って探検してきました。(赤外線の暗視カメラや赤色LED懐中電灯の使用など)
ここで初めてストロボを焚いて群塊の写真を撮ってみました。
私には未だコウモリの種類を自信を持って見分けられないのですが、写真同定できる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。
ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus)ですかね? (あまり自信がありません)
洞窟の塒では複数種のコウモリが混群(混棲群塊)を形成している場合もあるのだそうです。

鳴き騒いでいるコウモリの群塊の下をくぐってトンネルをそのまま通り抜けるのは躊躇われたため、何枚か必要最低限の写真を撮ってからトンネルを引き返すことにしました。


群塊の奥には離れ離れでぶら下がる個体も写っている。

コウモリ群塊の写真を拡大すると、とても興味深いものが写っていました。

つづく→ユビナガコウモリの体表に寄生するクモバエの一種 (名前を教えて)



†【追記】
谷本雄治『コウモリたちのひっこし大計画 (地球ふしぎはっけんシリーズ)』によると、

山形県のトンネル式用水路では、山をくり抜いただけの穴がコンクリート製に変わり、ユビナガコウモリやモモジロコウモリがぶら下がれない恐れが出てきた。
 向山さんはそこで、モモジロコウモリのために50cm四方のバットボックスを考えた。(中略)ユビナガコウモリ用にはすきまのない、浅い箱型のバットボックスを用意した。うれしいことに、約30匹のモモジロコウモリがすぐさま利用を始めた。
(p77-78より引用)

国交省のサイトで公開している『計画段階を含むコウモリ類の保全対策事例』というPDF文書に事例8「コウモリピットによるコウモリの保全の試み」と題した写真を見つけました。
山形県の導水路内に設置され、保全対象種はユビナガコウモリとモモジロコウモリ。




↑【おまけの映像】
“How artificial intelligence is helping scientists talk to animals - BBC News”

コウモリが超音波で鳴き交わす音声データとそれに伴う行動の映像を大量に機械学習させて、AIに鳴き声の意味を翻訳させる研究が進んでいるそうです。

2018/04/17

早朝シロツメクサの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2017年7月下旬・午前4:56〜4:57(日の出時刻は午前4:35)

池の畔の遊歩道に咲いたシロツメクサの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
早朝から忙しなく飛び回って吸蜜・採餌しています。
後脚の花粉籠に少量の白い花粉団子を付けています。(空荷の花粉籠の光沢かも?)
未だ薄暗いので、カメラのAFがあまり効きませんでした(反応が遅い)。

この組み合わせ自体は「こんちゅーぶ!ブログ」で既出です。

▼関連記事 (撮影:6月中旬)
シロツメクサの花蜜を吸うクロマルハナバチ♀
しかし、前回より2時間も早い時刻から活動していたという点に記録価値を認めました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



オオハンゴンソウの花蜜を吸うミドリヒョウモン♂



2017年9月中旬

空き地に咲き乱れるオオハンゴンソウの群落でミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が訪花していました。
半開きにした翅を緩やかに上下しながら吸蜜しています。
後翅が左右対称に破損しているのは、野鳥によるビークマーク(捕食痕)なのでしょう。
命からがら逃げ延びた勇者です。


【追記】
この花はハチミツソウではなくてオオハンゴンソウでした。
遅まきながら訂正します。




2018/04/16

交尾しないニホンカワトンボ♀♂の謎



2016年6月上旬

用水路沿いの草むらでニホンカワトンボ♀♂(Mnais costalis)が同じ笹の葉で隣り合うように止まっていました。
同じ方向を向いて止まっています。
橙色翅型の成熟♂が翅を開閉したのは♀へのアピールでしょうか。
しかし冒頭で一度やっただけで止めてしまいました。
無色翅型の♀は翅を閉じたまま静止しています。

目の前に居る♀に対して♂が求愛交尾を始めないのは不思議でなりません。
「据え膳食わぬは男の恥」じゃないの?
図鑑『日本のトンボ』でニホンカワトンボの配偶行動について調べると、

橙色翅型の♂は水辺の植物や石に止まって縄張り占有し、近づく♂を激しく追い払う。♀が現れると目の前でホバリングして求愛した後、連結して移精、交尾を行う。(p37より引用)

右側に居る♀は性的に未熟なのか、それとも未成熟な透明翅型♂(♀に擬態したスニーカー♂[間男]※)なのでしょうか?
右側の個体の腹端の形状は、閉じた翅に隠れて分かりづらいものの、素人目には♀だと思います。

※ サテライト
[英satellite]
【同】衛星雄
なわばり防衛や求愛などを行わず,他の雄の繁殖努力に便乗して,あるいはその隙をついて繁殖を行う雄個体.ただしこの語の用法は研究者によってかなり異なる.例えば,ブルーギル・サンフィッシュの繁殖戦略を研究したM.Grossは,水草の陰に潜んでいて,産卵放精中のペアを見つけると突進して放精する小形雄をスニーカー(sneaker),そのような行動をスニーキング(sneaking)とよび,その後成長して雌擬態によって繁殖中のペアに近づくようになったものをサテライトとよんで区別した.しかし,両者を特に区別せず用いたり,またギンザケにおける同様な雄をジャック(jack)とよび,またブルーヘッドベラやササノハベラの一次雄が雌とペア産卵している二次雄のところに突進する行動をストリーキング(streaking)とよぶなど,対象動物によって固有の用語をあてることも多い. (岩波『生物学辞典 第4版』より引用)
カワトンボ科カワトンボ属に関して、ここ東北地方はニホンカワトンボの単独生息域であり、橙色翅型♂、無色翅型♂および無色翅型♀の組み合わせが同所的に見られるそうです。(図鑑『日本のトンボ』p41より)

もしかすると、交尾、産卵も済ませた♀♂ペアが別れて休んでいるのかな? (しかし、♂は用済みの♀をすぐに縄張りから追い払いそうな気がします。)

直後に私は別の被写体に気を取られてしまい、気になる♀♂ペアのその後の顛末を見届けられませんでした。



▼関連記事 
ニホンカワトンボの情事
この動画を見直すと、今回見た行動は交尾直後の束の間の休息だったのかもしれません。


互いに離れてトンネル天井からぶら下がるコウモリ小群の寝起き【暗視映像】(名前を教えて)



2017年9月中旬・午後16:52

コウモリが昼塒としているトンネル(山麓に埋設された水が流れるボックスカルバート@山形県)の探検を続けます。
入り口に比較的近い地点で、1頭ずつ離れて3頭cdeが天井からぶら下がっていました。

左の個体cは1本足でぶら下がり覚醒しています。
落ち着きのない様子からおそらく超音波を発して怪しい侵入者(私)を伺っていると思われますが、もちろん私の耳には鳴き声は聞こえません。
顔つきがなんとなくキクガシラコウモリっぽいですかね?(当てずっぽうで自信なし)
耳が大きいものの、ニホンウサギコウモリの耳とは明らかに違います。
赤外線の暗視モードでしばらく撮影しても飛び立たないので、隣の個体を観察することにします。

右の個体dは翼で顔を覆って寝ていました。
天井のつなぎ目に爪をかけて1本足でぶら下がっています。
私が正面にゆっくり回り込んだら気づいて覚醒しました。
この個体は耳が比較的小さくて丸いです。
ブルブル震えていますが、両足でぶら下がる体勢になりました。
下腹部に陰茎のような突起物が見えたので、♂かもしれません。

近くにもう一頭e居たのに、いつの間にか飛び去ってしまったようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



大沢夕志、大沢啓子『身近で観察するコウモリの世界―町を飛ぶ不思議な野生動物 (子供の科学★サイエンスブックス)』によると、

コウモリといえば、洞窟にぶら下がっているものとみんな思っている。
でも、洞窟にすむといっても天井からぶら下がっているだけではない。種類によって好みの場所はいろいろだ。(中略)
少しずつ離れている方が好き(カグラコウモリ)

という訳で、私が見つけたコウモリの候補としてカグラコウモリの可能性もありそうです。
素人の私には形態的に見分けられないので、もし暗視映像で同定できる達人がいらっしゃいましたら、ぜひご教示して下さい。



【追記】
1頭だけ、あるいは数頭で寝るのが好きなコウモリもいる。バラバラにいる方が目立たないし、寄生虫にもとりつかれにくいなど、この方が有利な点もある。 (同書p54より引用)

2018/04/15

睡蓮の葉で翅を開閉誇示するハグロトンボ♂



2017年7月下旬

白いスイレンの花が咲いていた池でハグロトンボ♀(Calopteryx atrata)が葉に止まって翅を開閉していました。
ハグロトンボが地上で翅を繰り返し開閉するのは、縄張りを主張する誇示行動なのだそうです。
ちょっとフォトジェニックな映像になりました。
一向に飛び立つ気配がありません。

『日本のトンボ』でハグロトンボの習性を調べると、
成熟♂は日中、川辺の植物や石に静止して縄張り占有する。気温の高い日には、時おり翅をパッと開く。 (p47より引用)

▼関連記事
ハスの葉で翅を開閉誇示するハグロトンボ♀

【追記】
新井裕『トンボの不思議』によれば、
羽は体温保持とも関係していそうだ。羽を閉じていた方が熱を逃がしにくいだろうが、太陽熱で体を温めるためには、羽を開いて受光量を増やした方がよいかも知れない。盛夏時に活動するハグロトンボは、止まっているときに頻繁に羽をぱっと開いてすぐ閉じる動作を繰り返す。私は、この動作は上昇した体の熱を放出しているのではないかと想像している。(p68より引用)
この説は初耳で面白かったので、忘れないように抜き書きしておきます。 
サーモグラフィカメラで動画撮影してみたら面白そうです。 

キヅタの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀



2017年9月中旬

駐車場の隅のブロック塀を覆い尽くしたキヅタ(別名フユヅタ)のマント群落で、数は少ないながらもキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀も訪花していました。

雄性期の花で吸蜜しています。
キヅタは雄しべが先に成熟する雄性先熟の植物です。
雄花からも花蜜が分泌されるのですね。
先ほど見たヒメスズメバチ♂がキヅタの雌花でばかり吸蜜していたのと対照的です。
吸蜜中のキイロスズメバチ♀は近くにハエが来ていても追い払ったり狩ったりしませんでした。


キイロスズメバチ♀@キヅタ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@キヅタ訪花吸蜜

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