2021/07/24

サツキの花で採餌するクロマルハナバチ創設女王

 

2021年5月中旬・午後15:40頃・晴れ 

池の岸に植栽されたサツキツツジ(サツキ)クロマルハナバチBombus ignitus)の創設女王が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
ピンクの花に正当訪花で吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
大型の創設女王は重そうにゆっくり飛びます。 
採餌シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

ちなみに、サツキと並んで隣に植栽されたドウダンツツジには訪花しませんでした。 
ドウダンツツジの花は終わりかけ(散りかけ)のようです。

街なかの川で水浴びするハシブトガラス(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後16:55頃・晴れ 

街なかを流れる川の橋の下の近くで行水しているハシブトガラスCorvus macrorhynchos)を見つけました。 
この川でハシブトの行水は初見です。
▼関連記事(3年前の撮影@ほぼ同じ場所) 
冬の川で水浴するハシボソガラス(冬の野鳥)
ヨシなど雑草が生えた右岸に近い浅瀬で水を勢いよく跳ね上げて全身に浴びています。 
少し飛んで川岸に戻ると、身震いして濡れた羽根の水気を切りました。 
通常カラスは何度も水浴を繰り返すのですが、どうやらこの個体はカメラを向けている私を目敏く見つけて警戒しているようです。 
少しだけ下流に移動してからようやく入水し、水浴を再開してくれました。 
私の視線から隠れるように草の陰に移動したのでしょう。 

川からいきなり飛び立つと、コンクリートの護岸を飛び越えて、すぐ上の堤防路の電線に止まり直しました。 
激しく身震いして濡れた羽根の水気を切り、念入りに羽繕いをしています。 
川岸で羽繕いしなかったのは、やはり私を警戒しているのでしょう。

2021/07/23

キイロクビナガハムシ♀♂の配偶者ガード#1

 

2021年5月中旬・午前6:25頃・晴れ 

平地の田畑を囲む防風林(雑木林)の林床から伸び始めた謎の蔓植物※で真っ赤な甲虫を2ペア見つけました。 
こんなに毒々しいほど赤いハムシを私は今まで見たことがありません。 
帰ってから調べると、どうやらキイロクビナガハムシ♀♂(Lilioceris rugata)という種類らしいです。 
蔓植物の茎に居た♀♂ペアの行動に注目し、マクロレンズで接写してみました。
(手ブレを抑えるために一脚を使っても、風揺れに悩まされました。) 

体格は♀>♂です。 
♂が♀の背に乗ってマウントしているものの、交尾器は結合していません。 
つまり交尾中ではなく配偶者ガードのようです。 
側面からのアングルが良ければ、♂の腹端に交尾器が少しだけ見えました。(@5:38) 
おそらく♂は♀を交尾後ガードしているのでしょう。 
♀が産卵するまでライバル♂から守って自分の精子が受精に使われるようにガードするのです。 

♂が♀の丸い背中から左後脚を踏み外しても、すぐに足を元に戻しました。(@0:13) 
♂を背負ったまま♀がゆっくりと茎を登り始めました。 
♀はときどき立ち止まって身繕いします。 
触角を舐めたり、同側の中脚と後脚の跗節を互いに擦り合わせたりしています。 

てっきり♀の産卵行動が見られるかと期待したのですが、20分間観察しても産卵してくれませんでした。 
林床には木漏れ日も射して気温が低い訳でもないのに、とにかくキイロクビナガハムシ♀♂の動きが緩慢です。 
まさか夜行性なのですかね? 

茎を先端に向かってゆっくり登っていた♀が立ち止まると、茎の傷口から滲み出る汁に口を付けて味見しました。(@4:00) 
しかし♀は若葉を摂食することもありませんでした。 
最後は蔓の先端付近に生えた若葉に到達しました。 
そこでも♀はじっとしているだけで、何をしに来たのか目的が分かりません。 



※ 花も実もついていない状態では肝心の植物の名前が分かりません。 
素人目には、おそらく蔓植物だと思うのですが、どうでしょう? 
キイロクビナガハムシが残したと思われる食痕が葉に残っていました。 
本種の食草は、ヤマノイモ、オニドコロ、ウチワドコロなど(ヤマノイモ科)、およびサルトリイバラ(サルトリイバラ科)が知られています。 
いずれも蔓植物なので、そのうちのどれかだと思います。 
ヤマイモの葉とは形が違いますね。
今回見つけた謎の蔓植物に目印のテープなどを巻いて、特徴が分かるまで定点観察すべきでした。 
もし、この植物の名前が分かる達人がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。 
撮影した写真のEXIFに位置情報(GPSデータ)が残っていたので、それを頼りに現場を再訪してみます。

道路標識の支柱パイプ内の巣で鳴く♪スズメの雛鳥(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外の道端に設置された道路標識の支柱となっている丸いパイプ(直径9cm)の開放端にスズメPasser montanus)の巣を見つけました。 
私が歩道を通りかかった際にチュンチュン♪と雛が賑やかに鳴く声で気づいたのです。 

巣口から2羽のスズメ雛鳥の姿が見えました。 
(巣の奥にもっと多くの雛が隠れているかもしれません。)
雛が奥に引っ込んで見えなくなるときもあるのですが(カメラに気づいて警戒?)、そのシーンは編集でカットしてあります。 
親鳥が給餌に来るまで雛は巣内で留守番しています。 

巣材の枯草や藁、ビニール紐などが詰め込まれていて、その一部が巣口から少し飛び出ています。 
行き先地名を表示する標識の看板が西向き(正確には北西)なので、夕方になると西日を浴びて巣内の温度が上がりそうです。 
春先は暖かくてスズメの育雛には好都合かもしれませんが、夏になると耐え難い暑さになりそうな気がします。 

ラストシーンでは、親鳥の帰りを待つ雛が嘴をパクパク動かしています。 
嘴についた食べ残しが気になるのか、目の前を飛び回る微小な昆虫を捕食しようとしているのかな? 
巣口に付着した食べ残しを啄みました。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 



 

2021/07/22

ホバリング中に排泄するビロウドツリアブ【ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後16:15頃・晴れ
前回の記事:▶ 山桜の花で吸蜜ホバリングするビロウドツリアブ【HD動画&ハイスピード動画】
山桜を訪花するビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)の吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でしつこく撮影していたら、排泄シーンが偶然ながら2回も撮れていました。(@0:13、0:23) 
狙って撮れるものではないので、貴重な映像です。 

空中で停飛しながら腹端から黄色っぽい(白っぽい)半透明の液体をポトリと排泄しました。
糞ではなく「おしっこ」と 呼ぶべきかもしれません。
常に飛び続けなければならないビロウドツリアブは、体重を軽量化するために余分な水分を迅速に排泄する必要があるのでしょう。


電線に離れて止まるコムクドリの♀♂つがい(野鳥)

 

2021年5月中旬・午後15:20頃・晴れ 

街なかの交差点近くの電線にコムクドリSturnus philippensis)の♀♂つがいが少し離れて止まっていました。 
左の個体が♂で、右が♀です。 
コムクドリ♀は嘴を足元の電線で拭ったり、周囲をキョロキョロ見渡したりと、落ち着きがありません。 
♂が電線上を伝い歩きして♀の方に少し近づきました。 
交尾するかと勝手に期待したものの、コムクドリ♂は途中で立ち止まると嘴を大きく開けて、欠伸したようです。(@0:52;小声で鳴いた?) 
最後は♀、♂の順に飛び去りました。 

後日(1ヶ月後)にも同じ場所で再会できました。
この辺りに営巣木がありそうなのですけど、見つけることができていません。

つづく→獲物のゴキブリを巣に運ぶコムクドリ♂(野鳥)
コムクドリ♂
コムクドリ♀

2021/07/21

嘴に付着した羽毛に悩まされるスズメ(野鳥)

 

2021年5月中旬・午後16:00頃・晴れ 

街なかの電線に1羽のスズメPasser montanus)が止まっていました。 
白いフワフワの羽毛を嘴に咥えていたので、てっきり産座用の巣材を運搬中なのかと思いました。
関連記事(約2週間前の撮影)▶ 拾った羽毛を産座の巣材として巣に搬入するスズメ(野鳥)
しかしカメラでズームインしてみると、スズメは頻りに顔を振ったり、嘴を足元の電線で拭ったり、足で掻いたりしています。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
どうやら嘴にへばりついた白い羽毛が顔にまとわりついて気持ち悪いようで、必死で取り除こうと苦労していたと判明。 
ときどき嘴を開くので、羽毛を咥えてないことが分かります。 
羽毛の除去に失敗したスズメは、そのまま飛び去ってしまいました。

ハシボソガラス♀♂抱卵期の朝の行動(野鳥)給餌・対他羽繕いなど

 

2021年5月中旬・午前5:50頃・晴れ

高圧線の送電塔#21に毎年営巣するハシボソガラスCorvus corone)の♀♂つがいを定点観察してきました。 
関連記事のまとめ(3年前の撮影)▶ ハシボソガラス(野鳥)の営巣観察:2018年 
2020年の繁殖期はちょうどコロナ禍が始まったせいで、出歩けなくなりました。
しかし、2020年から鉄塔の塔体ではなく腕金部分に巣作りする位置を変更していました。 
同じハシボソガラスでも同一個体とは限らず、もしかするとペアが代替わりしたのかもしれません。

2021年はどうでしょうか? 
早朝から見に来ると、親鳥♀が巣内に座って抱卵していました。 
巣内の様子は不明ですが、親鳥♀の尾羽がほんの少しだけ巣の外に飛び出しています。
(抱卵中と私は解釈したのですけど、産卵中だった可能性もあります。) 
しばらくすると、パートナーの♂が帰巣しました。
送電塔#21の近くの路上でアマガエルの死骸を拾ってきたのです。 
喉袋に入れて持ち帰ったカエルの肉片を在巣の♀に給餌したようです。 
しかし♀に給餌するのなら、カエルを細かくちぎらなくても丸ごと運んで来ればよい気がします。 
もしかすると、孵化直後の小さな雛に給餌したのかもしれませんが、餌乞いの鳴き声を私は聞き取れませんでした。 
給餌直後の♂は巣の真上の鉄骨に乗り、嘴を拭っています。 
喉袋はもう空っぽで、膨らんでいません。 

抱卵していたハシボソガラス♀が急に立ち上がると、飛び去りました。 
朝食後に抱卵を♂と交代するのでしょうか? 
おそらく水を飲んだり水浴しに行ったのではないかと想像しました。 
ところが、留守番を任された♂も巣から飛び去りました。 
♀と同じ方向に少し飛ぶと、送電塔から伸びる高圧線に止まり直しました。 
足元の高圧線で嘴を拭い、営巣地の周囲を見張っています。 

いつの間にか♀が戻って来ていて、♂と同じ高圧線の左側に少し離れて止まっていました。 
すると♂が飛んで♀の右隣に止まり直しました。(@1:25) 
左の♀が右の♂の羽毛を嘴で優しく整えています。(対他羽繕い) 
いつ見てもカラスの愛情表現は微笑ましいですね。 
♂は♀に羽繕いのお返しをしなかったので、「相互羽繕い」とは呼べません。

残念ながら撮影アングルがいまいちで、♀♂ペアが並んだときの体格差をしっかり比べることができませんでした。 
一般的に外見からカラスの性別を見分けられないのですが、「抱卵を主に担当するのは♀」らしいので、今回はそこから逆算して性別を決めました。 

♀が高圧線から飛び立つと、巣がある送電塔に帰りました。 
しかし巣内の卵(雛?)をちょっと確認しただけで、なぜかすぐにまた高圧線に戻ってしまいました。 
どうやら近くで巣をずっと見上げている私を警戒しているようです。 
それを察した私が営巣地から立ち去る素振りを見せてから振り返ると案の定、送電塔に戻った♀がピョンと巣に飛び乗りました。 
このときも雛鳥の鳴き声(餌乞い♪)は全く聞こえませんでした。 
やはり未だ卵の段階だと思います。 
巣内に座ると親鳥♀の姿はほとんど見えなくなりました。
抱卵を再開したようです。 
一方、♂はまだ高圧線に居残って縄張りを油断なく見張っています。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。



 

2021/07/20

リンゴ園の防鳥ネット内に閉じ込められたモンシロチョウ

 

2021年5月上旬・午後14:40頃・くもり 

リンゴ園で果樹を取り囲むフレームに防鳥ネットを掛ける作業が着々と進行中です。 
花の受粉が済んだら、育つ果実を野鳥の食害から守る必要があるのです。 
ネットを付けたままにしておくと雪国では冬の間に積もる大雪で破損してしまうので、秋の収穫が済んだら取り外すのです。 

巨大な網室と化したリンゴ園の中に一頭のモンシロチョウPieris rapae)が囚われの身になって飛び回っていました。 
いくら私が虫好きとは言っても、このモンシロチョウに同情してリンゴ農家のネットを非難したり告発したりするような意図は全くありません。 
超然とした中立的な立場で(えこひいきせずに)生き物の暮らしを何でも面白がって記録するのが私の努めです。 
下草にタンポポなど野草の花が咲いているので、リンゴの花が散った後もモンシロチョウは花蜜を吸ってしばらくは生きながらえることができるでしょう。 

一方で花の授粉を助けるハナバチ類はネットを自由に通り抜けられるように、目が粗い防鳥ネットを使用しています。

ニホンアマガエルの轢死体を咥えて巣に運ぶハシボソガラス♂(野鳥)

 

2021年5月中旬・午前5:50頃・くもり 

静かな早朝に郊外の住宅地の路上をハシボソガラス♂(Corvus corone)がトコトコ歩いて横断していました。 
嘴に何か細長い餌を咥えています。 
干からびたミミズのように見えたのですが、定かではありません。(あるいは植物質の巣材?)
このときカラスの喉袋は空っぽでした。 

ハシボソガラス♂は路肩の白線付近で潰れたカエルの死体を見つけて捕食し始めました。 
初めから咥えていた物を一旦路上に落としてから、足で獲物を押さえつけ、嘴で屍肉を引きちぎります。 
このとき緑色が見えたので、おそらくニホンアマガエルHyla japonica)が車に轢かれた死骸のようです。 

関連記事(2、7、9年前の撮影)▶ 
ハシボソガラスが蛙の死骸を拾い食い【野鳥】 
トノサマガエルの死骸を食すハシボソガラス(野鳥) 
ハシボソガラスが水田の畦道でカエルを捕食(野鳥)
しかしカラスはその場でアマガエルの肉片を食べるのではなく、初めから持っていた細長い餌と一緒に喉袋に詰め込みました。 
路上から飛び上がると、近くの電線に止まりました。 
餌を詰め込んだ喉袋はパンパンに膨らんでいます。 
周囲の安全を確かめ、帰巣のタイミングを見計らっているようです。 
尾羽をパッパッと開閉しているのは、軽い興奮の現れなのかな? 

この個体がなぜ♂だと分かったかというと…。 



 

2021/07/19

山腹から飛んで樹冠に止まる猛禽(野鳥)

 

2021年5月上旬・午後17:40頃・くもり 

夕方に私が里山のつづら折れを静かに下っていたら、2羽の猛禽が近くから次々に(別方向に)飛び去りました。 
♀♂番つがい)なのかな? 
1羽目は撮り損ねたものの、2羽目の飛翔シーンを動画に撮りました。 

羽ばたきと滑空を交互に繰り返して真っ直ぐに遠ざかり、遠くの山腹のスギ?の梢にフワリと着陸しました。 
上昇気流に乗って飛ぶ帆翔とは明らかに異なります。 
残念ながら翼の下面が全く見えず、猛禽の種類を同定できませんでした。 
なんとなくノスリButeo japonicus)ではないかと思うのですが、どうでしょう? 
それともトビですかね? 

私が近づくまで2羽の猛禽が山腹で何をしていたのか、気になります。 
その辺りに巣があるのなら、突き止めたいものです。

交互にマウントし合って交尾するスズメの謎(野鳥の両性愛? 同性愛?)

 

2021年5月中旬・午後15:40頃・くもり 

神社の境内にある玉垣の天辺でスズメPasser montanus)のペアが交尾していました。 
私がカメラを向けると警戒してか、玉垣の背後に植栽されたツツジの生垣に飛び降りました。 
生垣の上でもスズメは毎回場所を少しずつ変えて交尾を繰り返しています。
その度に私も右に左にずれながらコンクリート製の玉垣の隙間から隠し撮りをするのは大変でした。
これではまるで覗き魔や出歯亀のようです。
関連記事(10ヶ月前の撮影)▶ スズメ♀♂の交尾(野鳥)
スズメは交尾中にヒヨヒヨヒヨ…♪と甘い鳴き声を発するらしいのですが、今回のペアは全く鳴いていませんでした。 
※ スズメの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

スズメの交尾行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:11〜)、驚愕の事実が判明しました。 
なんと、2羽が代わる代わるマウントし合って交尾していたのです。 
つまり、タチ(♂役)とネコ(♀役)を交互に入れ替えて交尾を繰り返していました。
マウント・ポジションから飛び降りると、今度は身を屈めて受け入れ態勢になり、相手が背中に飛び乗るのを待っています。 
後ろを向いて交尾した際に♀役の交尾器(総排泄孔)がしっかり見えました。(@4:07) 
興味深いことに、後半になると上にマウントする個体(♂役)が固定されました。
その後も♀役の背に乗り降りを繰り返し、交尾を繰り返しました。 

遂に、しつこくマウンティング(交尾)を繰り返す相手(♂役)に♀役が振り返って嘴でつつきました。(@1:21) 
攻撃性を見せたのはこの一度きりです。 
これを合図に交尾が終了し、各々が羽繕いを始めました。 

鳥がこんな奇妙な交尾行動をするなんて、見たことも聞いたこともありません。
幼鳥が交尾の予行練習をしているのかと初めは思ったのですが、このペアは共に成鳥です。 

交尾行動ではなく、ニホンザルの優位行動のようにマウントを取り合っているのでしょうか? 
しかし、この2羽は激しく鳴いてもいませんし、嘴でつつき合っていないので喧嘩(闘争行動)とは思えません。 
YouTube上にある「取っ組み合いの大喧嘩」と題したスズメの動画とは明らかに違います。 

リアルタイムでは一瞬のことで見過ごしそうになったのですが、交尾中のペアの背後から別個体が飛来して高速で体当たりしました!(@0:33、4:40) 
不意をつかれた♂役は生垣の中にもんどり打って転げ落ちました。 
交尾を邪魔されたペアは飛んで逃げるかと思いきや、めげずにたくましく生垣の茂みの中に隠れたままで交尾を続けています。 
スズメもリア充の邪魔をする(交尾干渉)とは知りませんでした。 
浮気(婚外交尾)の現場を嫉妬深いパートナーに見つかって修羅場になったのでしょうか?
鳴かずに黙って交尾していたのも、浮気ならば納得です。 
しかし、第三者による攻撃はこの一度だけです。 

交尾を終えるとペアは並んで羽繕いを始めました。 
乱れた羽毛を自分で整えるだけで、相互羽繕いはしませんでした。 
やがて♂役が生垣の奥に飛び降りました。 
しばらくすると、♀役も足で顔を掻いてから左に飛び去りました。 
生垣の横の遊歩道をヒトが通ったせいで、警戒したスズメが逃げたようです。 


動画で交尾行動を記録したことが大発見に繋がりました。(自画自賛) 
漠然と写真を撮るだけでは、スズメが交互にマウントし合っていたことに気づかなかったでしょう。
ひょっとすると、今まで気づかれなかっただけで、スズメの交尾はこれが普通なのかもしれません(前戯としての両性愛?)。
私が最も知りたいのは、今回のペアの解剖学的な性別は一体どうなっているのか?という点です。
必ずしも♀♂ペアとは限りません。
スズメは雌雄同色なので、性別を外見で見分けられないのが残念です。
同性愛や両性愛、両性具有などの可能性を考えたくなります。 
もしも内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の悪影響で性決定や性行動に異常を来したり、性同一性障害になってしまった個体なのだとしたら、由々しき事態です。 

スズメの交尾行動を手元にある資料で調べ直しても、両性愛の事例は見つかりませんでした。 


大田眞也『スズメ百態面白帳』によれば、
交尾すると♀はすぐ身ごもり産卵するので、巣を先に用意しておかなければならない(中略)。 巣造りが一段落すると、♂は♀に付きまとうようになる。しかし、まだその気にならない♀は勝手気ままに行動し、その後を見失うまいと必死に追いかける♂の姿はけなげである。♀が立ち止まると、すぐその周りを、全身の羽毛を膨らませて大きく見せ、気取ったような格好で気ぜわしく歩きまわり、ヒヨヒヨヒヨ…と、これがスズメの鳴き声かと思うような甘く優しい声で愛をささやく。♀が移動すると、すぐその後を追い、止まると、また同じことをする。こんなことを何度も繰り返しているうちに♀もしだいにその気になってくるようで、体を低くして背を反らせ気味にして尾を上げ、下げた両翼の先を小刻みに震わせるとOKである。♂はすかさず♀の背に飛び乗り、羽ばたいてバランスをとりながら腰を低めて慎重に尾を交差させたかと思ったら、もう一回の終わりで、飛び下りている。この間ほんの数秒で、実にさばさばしており、こういうことを普通三、四回繰り返す。♀が羽繕いを始めたらもう終わりで、その後は♂がどんなに誘ってもだめである。 (p69より引用) 交尾。ヒヨヒヨヒヨ…と独特の甘い鳴き声で気づかされることが多い。 (p70より引用)
自然カラーシリーズ26『スズメ』によると、
♂は、これぞと思う♀をみつけると、しきりにそのあとを追いかけます。つばさや尾羽をふるわせながら、ピイピイ、コロコロとスズメとも思えないきれいな声で鳴きます。 (さえずり:しぐま註) エンマコオロギのようにすんだきれいな声です。 つがいになると、♂は♀とならんで止まり、♀の羽毛をやさしく、つくろってやります。しかし、仲のよい夫婦ばかりとはかぎりません。♂が飛びのって、交尾しようとしたとたん、ぱっと飛び立って、どこかへいってしまう♀もいます。 ♀が、からだをかがめると、その上に♂が飛びのり、またすぐに飛びおります。同じような動作が、4〜5回くりかえされます。これが交尾です。

2021/07/18

山桜の花で採餌するクロマルハナバチ創設女王

 

2021年5月上旬・午後17:20頃・くもり 

里山の尾根道沿いに咲いた山桜の灌木でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
時期的に考えると、ワーカーではなく越冬明けの創設女王でしょう。 
吸蜜する蜂の後脚をよく見ると、花粉籠は空荷でした。 
夕日に対して順光だったのに、すぐに飛び去ってしまい残念。
平地のソメイヨシノより開花が遅く、低山に咲いていたという理由だけで単純にヤマザクラかと思ったのですが、桜の種類に疎い私は真面目に検討していません。
花と同時に赤緑の若葉も少しだけ開いています。

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