2014/09/27

クサキョウチクトウに訪花するクロホウジャク(蛾)の停空飛翔【HD動画&ハイスピード動画】




2014年7月中旬

田園地帯の用水路脇にクサキョウチクトウ(=オイランソウ、宿根フロックス)の白い花がほそぼそと並んで咲いていました。
コンクリート護岸の隙間に堆積した僅かな土壌から逞しく生えたド根性のオイランソウです。


クロホウジャクMacroglossum saga)がホバリングしつつ長い口吻を伸ばして花蜜を吸っています。
花が風で揺れても飛びながら狙いを定め、ゼンマイ状の口吻を自在に伸縮させて花筒に差し込める妙技に惚れ惚れします。
さすが停空飛翔の名手の真骨頂ですね。
飛び去ってもすぐに戻って来て、何度も訪花していました。
240-fpsのハイスピード動画に撮ってみても、夕陽に照らされて良い感じ♪
結構長い時間、同じ花でホバリングしてくれるので撮りやすかったです。

実はこの組み合わせは、同じ日に別の場所でも撮っています。(映像公開予定



フェンネルの花蜜を吸うキボシアシナガバチ♀



2014年7月中旬

川沿いの民家の庭に咲いたフェンネル(別名ウイキョウ)の花でキボシアシナガバチPolistes nipponensis)のワーカー♀が吸蜜していました。



2014/09/26

ミドリヒョウモン♀の交尾拒否



2014年7月中旬

山間部の道端に咲いたオカトラノオの花でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が翅を緩やかに開閉しながら吸蜜していました。

そこへ同種♂が飛来し♀の真後ろに着陸したものの、またすぐに花から飛び去りました。(@0:45)
♀が交尾拒否したのでしょうか?
♂に迫られた瞬間の♀の行動に注目すると、翅をやや閉じましたが完全には閉じていません。
♀が腹端を持ち上げたかどうかは、翅に隠れてよく見えませんでした。
最後に引きの絵にすると、手前のオカトラノオ群落に多数の♂が訪花中。



ユリズイセンの花蜜を吸うクロマルハナバチ♀



2014年7月中旬

家庭菜園の端の花壇に咲いたユリズイセン(=アルストロメリア)の花でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が吸蜜していました。
本種は舌が短く盗蜜癖があることで知られますが、予想に反して盗蜜は行わず、花筒に頭を突っ込んで正当訪花しています。
後脚の花粉籠は空荷でした。



2014/09/25

繭を紡ぐ白毛のオビガ(蛾)終齢幼虫【早回し映像】



2014年7月中旬
▼前回の記事
オビガ(蛾)終齢幼虫の営繭失敗【微速度撮影】
タニウツギの葉裏に隠れていたオビガApha aequalis)の幼虫を新たに採集してきました。
今季2匹目の飼育個体bは白毛です。
食欲が無くなり徘徊を始めたので、いつものように営繭の足場となる紙箱(ティッシュペーパーの空き箱)に閉じ込めてやりました。

(※ 正確には、経過を監視するために透明プラスチック容器内に半分カットした紙箱を足場として入れてやりました。)
するとやはり、紙箱の天井に登ると隅に絹糸を紡ぎ始めました
なぜか初めはおそろしく動きが緩慢で、散発的にしか動きませんでした。
紙箱の天井隅から一度落下したものの、しばらくすると自力で戻り、本格的に営繭を始めました。
10秒間隔でインターバル撮影した計3,899枚の写真から早回し映像を制作しました。


完成した繭に1円玉を並べてみる。



微速度撮影した映像の心地よく感じる速度は人によって好みが違うようです。
更に倍にスピードアップした早回し映像をブログ限定で公開します。

せっかく繭を紡いだのに、実はこの個体bはヤドリバエに寄生されていました。
つづく



獣糞を食べつつ脱糞するフキバッタ



2014年7月中旬

山間部の路上におそらくニホンザルの物と思われる新鮮な糞が落ちていました。
ハエ類の他にフキバッタの一種(種名不詳)も集まっていました。
フキバッタが糞を食べるとは意外でした。
死んだ獣の毛を食べたり(リンク12)材木を齧ったり(リンク)、知れば知るほどフキバッタの食性はゲテモノ好きなようです。
せめてフキバッタの性別ぐらいは知りたいところです。

最後にフキバッタの排便シーンが偶然撮れていました。(@2:00〜2:12)
食事中にときどき後脚を同時に持ち上げる謎の運動を繰り返していたのは排泄の前兆だったのかな?
排泄した瞬間に糞を右後脚で蹴飛ばしています!
1/4倍速のスロー再生でリプレイ。
機会があればハイスピード動画に撮ってみたいものです。
ちなみに自分の糞を蹴り飛ばす行動は、以前アシグロツユムシの幼虫でも動画に撮っています。(リンク

獣糞を食べるフキバッタの口元を接写しようとマクロレンズを取りに離れたら、その間に逃げられてしまいました…。


定規を並べて置いて採寸。



2014/09/24

クサキョウチクトウの花蜜を吸うキアゲハ



2014年7月中旬

道端に咲いたクサキョウチクトウ(=オイランソウ、宿根フロックス)にキアゲハPapilio machaon hippocrates)が訪花していました。
右後翅の尾状突起が破損した個体です。
伸ばした口吻を花筒に差し込んで吸蜜しています。

この花は雑草と化した状態で夏にあちこちでよく見かけるのですけど、名前はクサキョウチクトウで合ってますかね?(実はいまいち自信がありません。)



オカトラノオの花蜜を吸うキバネセセリ♀



2014年7月中旬

山間部の道端に咲いたオカトラノオの群落でキバネセセリ♀(Bibasis aqulina chrysaeglia)が花から吸蜜していました。
本種の♀は初めて見ました。
前翅の斑紋が特徴的ですね。
個人的に結構好きなデザインかもしれません。



2014/09/23

カタグロチビドロバチ♀とアリの攻防【ハイスピード動画】




2014年6月下旬
▼前回の記事
営巣地を探索するカタグロチビドロバチ♀の飛翔【HD動画&ハイスピード動画】
倒木に開いた直径4mmの虫喰い穴に借坑性のカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)が営巣候補地として興味を示し、繰り返し内見しています。
クロアリ(種名不詳)のワーカー♀がたまたま近くを通りかかる度に、蜂はかなり警戒して向き直ります。
アリとの攻防を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
蜂が飛び立つとアリは逃げて行きます。
煩わしいアリを追い払うと蜂はすぐに穴の物色を再開します。
ところが次から次にアリが通りかかるので、埒が明きありません。
この倒木は林床を徘徊するアリの通り道になっているのでしょうか。
著しい体格差があってもアリは素早く手強い相手のようで、本格的な激しい闘争には至りません。
アリに対して神経質そうに警戒するカタグロチビドロバチ♀の様子から、天敵の関係にあるように見受けられました。

この後、倒木の傍らに三脚を立ててじっくり監視を始めたのに、なぜか蜂は戻って来ませんでした。
獲物を狩るのに手間取っているだけかもしれません。
ただなんとなく、この虫喰い穴を結局は営巣地として選ばなかったように思います。
これほどアリの往来が多い場所では蜂の留守中に貯食物(ハマキガなどの幼虫)や卵をアリに盗まれそうです。
実際に映像のラストシーンでは、蜂が居ない間に好奇心旺盛(穴があったら入りたい)のアリが穴に侵入する様子を示しています。(@8:41〜)
この虫喰い穴は営巣地として適していないとの評価を母蜂が下して、諦めたのかもしれません。
単独で営巣するカタグロチビドロバチ♀が巣穴に何かアリ対策を施すという話は聞いたことがないので、営巣地の選定がとにかく重要なのでしょう。

例えば、同じく借坑性のイスカバチは巣口の周りにアリの嫌がる樹脂を塗りつけます。
関連記事:イスカバチの巣穴を囲む樹脂の役割
また、アシナガバチが巣柄や巣盤上部に塗りつける黒いタール状の分泌物はアリ避けの効果があります。
関連記事は例えば:キアシナガバチ女王の巣柄補強

なかなか定点観察に通えない場所なのですけど、夏の終わりに再訪すると倒木の虫喰い穴は開いたままでした。
もしカタグロチビドロバチが営巣を完了すれば泥で閉鎖するはずですから、やはり使われなかったのでしょう。


【追記】
穴の大きさが営巣に向いていなかった可能性も考えられます。
中の様子は窺い知れませんが、入り口の大きさだけで考えると今回(直径4mm)は過去に観察した営巣例(2011年:長径2mm、2012年:長径4mm、短径3mm)とほぼ同じでした。

モナルダの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂



2014年7月中旬

丹精込めて育てられた花壇で2頭のオオウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome ruslana)がモナルダ(=ヤグルマハッカ、ベルガモット)を訪花していました。
薄紫色の花に止まり翅をほぼ全開にして吸蜜しているので、肝心の翅裏をなかなか見せてくれません。



2014/09/22

電柱で集団産卵するマイマイガ♀(蛾)



2014年7月中旬

郊外某施設の駐車場でコンクリートの電柱に夥しい数のマイマイガ♀(Lymantria dispar japonica)がびっしり群がり、集団産卵していました。
夜に煌々と灯される水銀灯に誘引されて集まって来たのでしょう。
思わず笑ってしまうほどの大発生でした。
卵塊の表面には♀の毛が植えられ、越冬に備えて保護しています。
来春に孵化する幼虫はいくら広食性とは言え、果たして食草にありつけるのでしょうか?
近くの花壇や庭木は全滅でしょうが、とても食欲を満たせないでしょう。
その後、近隣住民の苦情が寄せられたようで、電柱の卵塊は除去されました(害虫駆除)。 (※追記参照)

今年は全国各地でマイマイガ大量発生のニュースが報じられました。(例:2014年8月28日朝日新聞@秋田県

『日本動物大百科9昆虫II』p78によると、

日没と同時にマイマイガの♀は活発になり、歩き回ったり飛び回ったりして産卵場所を探し、夜の間に産卵する。日本での最近の研究によれば、♀は、卵や孵化幼虫の生存に適した高さに産卵し、積雪の程度などによって、地方ごとに産卵の高さが異なるという。(信ぴょう性に疑問)


小汐千春『じらすメスと離れないオス―昼行性のガの場合』によると、
北海道立林業試験場におられる東浦康友さんが、マイマイガの♀の産卵場所選択に関する興味深い論文を発表された。マイマイガの♀は、北海道や北陸地方の雪の深いところでは、下枝より低い所、特に雪に埋もれる低い位置に産卵するのに対して、京都や奈良などの雪の少ない地方では下枝より高い所に産卵する傾向があり、これを、餌の乏しい冬期における鳥による捕食と、孵化後の幼虫にとってたいせつな餌までの距離という観点から解析している (『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第2-2章p71より引用)


しかし、私個人としては、この説に懐疑的です。
今回撮影したフィールドは東北地方の雪国なのに、マイマイガの卵塊は冬期の積雪に埋もれそうにない高さにも多数産みつけられていました。



【追記】
中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)『なんでそうなの 札幌のカラス』を読むと、カラスがマイマイガの駆除に一役買っているのだそうです。
夏から秋にかけてよく大発生するマイマイガは、住民にとっては頭の痛い厄介者ですが、相当数の幼虫や卵塊をカラスが食べてくれています。これに限らず昆虫の大発生は突然のように起きますが、カラスがいるおかげで、人間への被害が少なく抑えられているのです。 (p70-71より引用)

ブト(=ハシブトガラス:しぐま註)はマイマイガなどをホバリング(停止飛翔)しながら食べます。蛹化する時期のあの大きさの幼虫になると、スズメでは食べる量が限られます。でも晩夏からの晩秋にかけてのガの大発生を抑えてくれるカラスの存在は、ほとんど思い出されることはありません。 p73より引用)
私もいつかカラスによる捕食シーンを観察してみたいものです。






イカル(野鳥)の鳴き声♪



2014年7月中旬

雑木林の樹上で見慣れない鳥が鳴いています。
イカルEophona personata)を見たのはこれが初めて。
太く短い嘴はとても頑丈そうです。

樹冠で鳴いている声はキツツキの鳴き声(キョッキョッ♪)に似ていると思いました。
近くではキリギリスの仲間や他の鳥(ホオジロ?)も鳴いています。
映像でリップシンクロ(嘴の動きと鳴き声が一致)を確認したので、この鳥の鳴き声に間違いありません。
声紋解析するには余りにも遠いですかね。
山間部の車道から望遠レンズで撮影。


『山渓フィールドブックス4:野鳥』p361でイカルを調べると、

キョッキョッと鳴きながら枝移りする群れの中から急にコキコキーというさえずりが聞かれる鳥。




2014/09/21

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