2021/04/24

マガモ♂の求愛誇示 その2:♀のけしかけなど(冬の野鳥)

 

2020年11月中旬・午後15:15頃・晴れ
前回の記事:▶ マガモ♂の求愛誇示 その1:水はね鳴きとそり縮み(冬の野鳥)
夕方の川面でマガモ♀♂(Anas platyrhynchos)の群れが集まって求愛行動を繰り広げています。 
後半は求愛ディスプレーを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:53〜) 

オナガガモとは違って、マガモは複数の♂が♀を囲んで追い回していません。 
♂が「そり縮み」や「水はね鳴き」を披露しているものの、どの♀に対して求愛しているのか、相変わらず私にはよく分かりません。 
合コンの序盤で団体芸をして全体の雰囲気を盛り上げている段階なのでしょうか? 
遠くて鳴き声が聞こえないので、「水はね鳴き」というよりも単に「水はね」と呼ぶべきかもしれません。 
♂だけでなく♀も「突進遊泳」(nod-swimmingの私訳)をときどきやっています。 
♀の「突進遊泳」は♂をけしかけているのだそうです。 
♂が近くの♀に面した側の翼の羽毛を嘴で摘んだのは「見せかけ羽繕い」の誇示行動ですかね? 

今回も♀♂カップルは成立せず、交尾行動には発展しませんでした。 
それぞれの誇示行動ごとに切り分けて映像をまとめようかと思ったのですが、マガモの求愛行動については今季から観察し始めたばかりで、私もいまいち未だよく理解できていません。 
前後の行動の文脈が大切かも知れないので、勝手に切り刻んだりしないで撮れた素材をなるべくそのままお届けします。 
画面のあちこちで同時に様々な行動がまき起こるので切り分けるのが難しい、という事情もあります。

謎のハナバチ♀が枯葉の上で身繕い

 

2020年5月上旬・午後12:25頃・晴れ 

池畔の桜の下で落葉の上に見慣れないハナバチが乗っていました。 
ときどき羽ばたきながら念入りに身繕いしています。 
後脚に花粉籠のような毛束が発達しているので、♀だと思うのですが、花粉籠は空荷でした。 
最後に飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
この蜂の名前が分かる方がいらっしゃいましたら、(せめて所属する科だけでも)ぜひ教えてください。

日没後に1羽ずつ集団塒に帰るダイサギの俯瞰映像(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後16:30〜16:42・晴れ(日の入り時刻は午後16:18) 

里山の中腹にある展望台から市街地を見下ろすと、ダイサギArdea alba)の集団塒が見えることに気づきました。 
カメラを三脚に固定し、ダイサギの群れが日没後に塒入りする様子を俯瞰映像で記録してみましょう。 
本当は塒を見下ろせる近隣の高層ビルの屋上から撮影してみたいのですが、セキュリティの緩かった昔と違って、屋上に登れる場所が無くなってしまいました。 
市街地ではドローンも飛ばせないので、俯瞰で見下ろせる高度を稼ぐには裏山に登るしかありません。 
地図上で直線距離を測ると、山腹の展望台から集団塒まで2.56km、高度差は130mでした。 
望遠レンズを装着するまでもなく、通常レンズの手持ち夜景モードで動画を長撮りしました。 
冬季の集団塒となったヒマラヤスギ林の近くでこれまで何度か撮影してきましたが、塒入りするダイサギが一体どこから飛来するかよく分かりませんでした。 
今回注目すべきポイントは、ダイサギが就塒前集合しているのかという点です。 

▼関連記事(9ヶ月前の撮影:2020年3月上旬・午後17:39〜18:04・日の入り時刻は午後17:34) 


展望台から撮影中、肉眼では塒入りする白鷺に全く気づかなかったのですが、動画には意外にもしっかり撮れていました。 
ダイサギが純白で目立つ大型の鳥であるからこそ上手く行きました。 
次に機会があれば、更に高画質の4K動画でも撮影してみたいものです。(長撮りは無理?) 

今回は計7羽の飛行ルートが判明しました。 
ただし、撮影前から塒に先着していた個体がいるとしたら、それは写っていません。 
ダイサギは仲間と連れ立って群れで集団就塒するのではなく、1羽ずつ個別に飛来し塒入りすることが明確に分かりました。 
つまり、この個体群は就塒前集合を形成していませんでした。 
▼関連記事(2年前の撮影:就塒前集合した別の個体群)

ほとんどの個体は昼間の採餌場から塒を目指してまっしぐらに(ほぼ一直線に)飛んで来ていました。 
フラフラと蛇行するように飛んでいた個体は、昼間に餌が充分に摂れず空腹状態だったのではないかと心配です。
どの個体も飛行高度はそれほど高くありませんでした。 
樹上に集まる仲間の白い姿を目掛けて飛来するのではなく、周囲の視覚記憶に頼っている印象を受けました。 
スギ林をメインとする鎮守の森は、鳥瞰では陸の孤島のように見えます。 
画面中央奥にヒマラヤスギの高木が2本並んでいて、そこがダイサギの集団塒になっています。 
塒を目指して飛んでくるダイサギは、周囲に光るオレンジ色の外灯(ナトリウムランプ)を目印にしている可能性がありそうです。 
最後は先客の止まっている枝の近くに着陸するのでしょう。 
塒を大きく通り過ぎてから(迷った?)Uターンする個体もいれば、塒を少し通り過ぎてから右旋回で滑空しながら就塒する個体もいました。 

#6の個体は、道を走る車のヘッドライトを見間違えたかもしれません。 
白鷺の飛影にしては高度が低過ぎる気もします。 

 暗くなり撮影の限界が来たので打ち切りました。 
下山後にその足で集団塒を見に行くと、計14羽?の白鷺(おそらくダイサギ)がヒマラヤスギの樹上で寝ていました。
(あまりにも暗過ぎて酷い映像なので省略) 
ダイサギは辺りがとっぷり暗くなってからでも遅れて塒入りした個体が更にいたようです。 
決して「鳥目」ではなく、外灯の照明を頼りに夜も有視界飛行できるようです。 

次にやりたいテーマは、同じ場所から夜明けにダイサギの離塒を俯瞰で撮影することです。 
集団塒からバラバラに飛び去り四方の餌場に分散するダイサギの様子が撮れるだろう(獲物が多い餌場を知っていそうな仲間の後をついて行く個体はいないだろう)、と予想しています。
ダイサギの各個体にGPSを装着できないのなら、各々の飛行経路を俯瞰で直接見てやれば良いのです。 
塒の役割(なぜ鳥は集まって寝るのか?)として古くから提唱されている仮説のひとつに「情報センター仮説」があります。
説得力のある俯瞰映像が撮れたら「情報センター仮説」を完全に否定できるはず、という目論見です。 
ところがこの後、大雪が連日降るようになり、計画を軽々しく決行できなくなってしまいました。 
低山でも雪が積もると難易度がいきなり跳ね上がるミッションになります。 
深夜の雪山登山となると装備や防寒具の準備だけでも大変ですし、前の日から撮影ポイントでビバークするにしても大ごとです。 
来年に宿題として持ち越しになりました。 
諸々のリスクを避けて、根雪が積もる前に撮影を済ませるべきですね。 
【追記】
冬のよく晴れた朝は放射冷却現象で市街地に朝霧が発生することが分かりました。
山の上で待ち構えていても、日が高く昇って霧が晴れるまで麓の様子は何も見えません。
つまり、最低気温のあまり下がらない曇りの日を狙って決行する必要がありそうです。

上田恵介『鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学』という本によると、
 シラサギ類が白いのは、あの白さが飛んでいる仲間をひきつけ、採食の群れを大きくするために進化してきたのではないかという説があります。事実、シラサギ類は実験的に水辺に置いた白いデコイ(模型)にひき寄せられるとの研究もあり、かれらの白さが群れ形成に関与しているのはかなり確からしく思われます。(p44−45より引用)
日没後の遅い時刻になるほど暗い針葉樹上に止まっている白鷺はかなり目立ちます。 
樹上に白鷺のデコイを置けば、塒入りを誘導できるでしょうか? 
塒の枝に冠雪すると、白い仲間が増えたと惑わされるかな?

 

↑【おまけの映像】 
同じ素材を10倍速に加工した早回し映像をブログ限定で公開しておきます。 

2021/04/23

アカタテハの羽化c【10倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録#13

前回の記事:▶ 赤い羽化液を排泄するアカタテハb

2020年10月下旬・午後14:15〜14:45頃・室温21.2℃・湿度44% 

カラムシの群落で採集してきたアカタテハVanessa indica)の垂蛹4個のうち、垂蛹cに変化が現れました。 
翅芽の赤色が透けて見えるようになったので、羽化が近いようです。 
羽化の一部始終を動画で記録したので、10倍速の早回し映像をご覧ください。 

蛹の胸背が割れて羽化が開始。 
中脚を突っ張って開口部を広げていました。 
退化した前脚はこのとき使っていません。 
触角の次は左右1対の口吻が蛹から抜け出ました。 
突っ張っていた中脚が抜け出ると、前屈して垂蛹の後端や食草にしがみつきながら、腹部を引き抜きました。 
次に翅芽が抜け出たものの、未だシワクチャです。 
抜け殻にしがみついたまま体をときどき左右に揺すり、翅を伸展させていきます。 
今回はカメラに対して背側を向けているので、翅表の伸びる様子を観察できるのは貴重です。 
左右1対の口吻を何度もくるくると伸縮させると、ゼンマイ状の1本の管に融合します。 

今回は腹端が見えないアングルになってしまい、赤い蛹便(羽化液)の排泄まで見届けられませんでした。 


最後の垂蛹dは体内寄生されていました


 

↑【おまけの映像】 
等倍速のリアルタイム映像をブログ限定で公開しておきます。

2021/04/22

池で求愛誇示するカルガモ♀♂の群れ(冬の野鳥)

 

2020年11月中旬・午後16:25頃・くもり 

夕方の池でカルガモAnas zonorhyncha)の群れが求愛ディスプレーをしていました。 
本種は外見で雌雄を見分けられないため、配偶行動の解釈が難しいです。 
首を前方に伸ばした姿勢で水面を突進する「nod-swimming」をしている個体がいました。 
しかし特定の♀個体を目掛けて突進している訳ではなく、2羽が互いに別方向へ突進して行きました。 
また、近くに居た2羽が連続して「そり縮み」を披露しました。 
私には性別が見分けられないので、♂が狙っている目当ての♀個体(求愛対象)が不明です。 
求愛誇示行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

おそらく♂と思われる個体が♀の周囲を遊泳しながら首を上下に繰り返し伸縮させていました。 
水面に夕日が映ってフォトジェニック(ロマンチック?)ですね。 
岸からカメラで撮っている私を警戒した♀♂ペアは、どんどん遠くへ泳ぎ去ってしまいました。 (配偶者ガード?)
♂が先導し、♀が従順について行ってるようです。 
私から充分に距離が離れると、先導する♂が首の上下運動を再開しました。 

しばらく見ていても、交尾に至るペアが無くて残念でした。
(交尾するまで性別が確定しないのです。) 
繁殖期が始まったばかりなのか、あるいは観察した時刻が少し遅かったのでしょう。

寄生植物ホザキヤドリギの黄色く熟した果実(宿主ハンノキ)

 

2020年12月上旬・くもり 

里山の山腹で、とある落葉樹の枝に見慣れない黄色くて丸い実が多数なっていました。 
蔓植物ツルウメモドキの未熟果にしては実の付き方が不自然です。 
枝に塊状に局在しているため寄生植物のヤドリギかな?と思ったものの、ヤドリギの葉は確か常緑で冬でも青々と葉が茂っているはずです。 
今回見つけた寄生植物は、なぜこれほど葉が少ないのか、不思議でなりません。 
栄養を葉の光合成に頼らない寄生植物は、葉が少なくても(ほとんど無くても)これほど大量の実を作れるのかな? 

寄主(宿主)となった樹木は完全に落葉していましたが、ハンノキと判明しました。 
来春に咲く花序の冬芽と熟した果穂が枝に残っています。 

山渓ハンディ図鑑『樹に咲く花―離弁花〈1〉』という本格的な植物図鑑で調べてみたら、ヤドリギの次にホザキヤドリギ(穂咲き宿り木)という別種の植物が掲載されていました。(p362) 
「中部地方以北に分布し、ヤドリギの仲間ではもっとも寒冷地に適応した種類」らしく、寄主植物のリストにハンノキが含まれていました。 
果実は液果で、10〜11月に淡黄色に熟すのだそうです。 
更にインターネット検索で調べると、常緑のヤドリギ(ビャクダン科)と異なり、ホザキヤドリギ(オオバヤドリギ科)は冬に落葉するのが特徴なのだと知りました。 
科レベルで違う別種なのに、寄生植物としてここまで収斂進化するとは驚きです。 

謎の寄生植物の正体がずっと分からず、気になったまま春まで放置していました。 
すぐに調べてホザキヤドリギと知れば、冬の間に定点観察に通って、鳥が熟果を食べに来る様子(鳥による種子散布)を観察したかったです。 
見つけた日は辺りに鳥を1羽も見かけませんでした。 
果実が赤く熟すまで鳥は食べに来ないのかと思ったら、ホザキヤドリギは黄色が熟果の色なのだそうです。 
せめて樹の下に黄色い落果を拾いに行って、果肉に粘り気があることを確認すべきでしたね。 

2021/04/21

山中の止まり木で鳴き交わす♪ハシブトガラス(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後15:20頃・くもり 

里山の中腹で夕方、枯木(落葉した樹木?)の天辺に止まったハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が辺りを見回しながら頻りに鳴いていました。 
カーカー♪と澄んだ声で鳴く度に尾羽をピクピクと下げるのがハシブトガラスの特徴です。 
近隣の仲間(同種)と交互に鳴き交わしていようです。 
連れ立って塒ねぐらに帰る時間を調整しているのでしょうか。

※ 木霊(エコー)のような鳴き交わしがしっかり聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
その代わり、マイクに入る風切り音がどうしても耳障りになってしまいます。

フクラスズメ(蛾)幼虫の威嚇姿勢

 

2020年11月上旬・午後15:00頃・小雨 

家で飼育している個体のために、天気が悪くても新鮮な食草を調達しに来ないといけません。
農道沿いに自生するカラムシの群落には様々な大きさ(=齢)のフクラスズメArcte coerula幼虫が見つかりました。 
状態の良い(食痕の少ない)カラムシの株を採取する前に、先客のフクラスズメ幼虫を取り除きました。
そのついでに、動画を撮ってみました。 
おそらく終齢と思われる丸々と肥えた個体がカラムシの葉裏に隠れていて、海老反りの威嚇姿勢を取りながら脱糞していました。 
その葉をそっとめくってみると、危険を感じた幼虫が身を捩って暴れました。 
(フクラスズメの)幼虫は危険を感じると頭部を反らせ、緑色の液体を吐き出しながら頭部を激しく横に振る。(wikipediaより引用)
葉裏にしがみついた歩脚の爪をそっと引き剥がして私の手に乗せてみても、フクラスズメ幼虫は噛み付いたり、緑の体液を吐き戻したり、下痢便を排泄したりしませんでした。 
いつも決まりきった自衛行動をする訳ではないようです。
指先で体をつついても、上半身を激しく振って抵抗するだけでした。 
体表に毛が疎らに生えていますが、素手で触っても全く痛くありません。 
派手な体色でいかにも警告色のように見えますけど、体内に毒を溜め込んではいないそうです。 
つまり警告色に見せかけたブラフ(擬態?)ということになります。 
最後は食草の上にそっと戻してやりました。

2021/04/20

漁のため朝の川に飛んで出入りするダイサギa(野鳥)

 

2020年11月下旬・午前7:00頃・くもり
前回の記事:▶ 朝霧の立ち込める川で朝食の魚を探すダイサギb(冬の野鳥)
街なかを流れる川でラインセンサスを続けると、少し離れた地点でもう1羽のダイサギArdea alba)を見つけました。 
流れる川の中で朝から佇んでいます。 
歩き始めたと思いきや、すぐに川から飛び立ってしまいました。 
急上昇するとすぐに左旋回し、川下へ飛び去りました。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
飛びながら苛立ったようにグァー♪(ガララララ…♪)と嗄れ声を何度も発しました。 
これがダイサギの警戒声なのでしょう。 

 ※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

私が堤防路からカメラを向けたのを嫌ったのかと思ったのですが、近くの橋の袂を歩いて来た女性を警戒したようです。 
流し撮りで行方を追うと、ダイサギaは川岸に立つ針葉樹(松?)の梢に着陸しました。 
朝日を浴びながらしばらく樹上で休んで周囲の安全を確かめると、橋の下の川に急降下で舞い降りました。 
優雅な滑空を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
たまたま同時に1羽のカルガモも下流から飛来し、ダイサギとほぼ同時に着水しました。 

川に戻ったダイサギは少し羽繕いすると、コンクリートの護岸沿いに上流へ遡行し始めました。 
よく見ると、この個体も「足踏み追い出し漁」をしています。 
岸辺の水中に嘴を素早く突き刺して見事に小魚を次々に捕らえて食べました。 

この日の朝のラインセンサスで見つけたダイサギは結局2羽だけでした。 
集団塒から夜明け前にバラバラに飛び去ったダイサギは、川でもそれぞれが単独で採食していました。 
この川の流域は餌資源量があまり多くないので、ダイサギの各個体は広い縄張りを必要としているようです。 
ダイサギの群れが共同で(狭い範囲で)獲物を捕食するシーンを私は見た記憶がありません。 (※追記参照)
当地のこのような状況では冬塒の「情報センター仮説」が成立しないのは当然だと思います。 
私が場所を知らないだけで、どこか餌が豊富な漁場でダイサギの複数個体が集まっている可能性はあります。
しかし何かが絶対に「無い」ことを証明するのは不可能で、悪魔の証明です。
塒に集まるダイサギの全個体にGPSを装着して行方を追跡すれば疑問の余地なく解明できるはずですが、ハイテク機器に頼れないアマチュアは知恵を絞って他の調査法を考えます。 

つづく→


※【追記】
過去の記録を調べ直してみたら、同じ川の流域で2羽のダイサギが集まっている例を一度だけ観察していました。
▼関連記事(4年前の撮影)

ダイサギの警戒声を声紋解析してみる

オリジナルの動画から音声をWAVファイルに抽出しました。 
ダイサギaが飛びながらガラガラ声で3回鳴いた部分を切り取って※、スペクトログラムを描いてみました。 
ハクセキレイの鳴き声も混じっているのが残念です。
(※カメラをズームインするノイズが入った部分は除外しています。)

墓地で湯呑茶碗をもて遊んでいたニホンザル♀がうっかり落として割る!

 

 2020年12月上旬・午前11:50頃・くもり 

山麓の集落に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山から降りてきていました。 
村の墓地で若い♀(子ザル)が石の上に乗っています。 
なぜか湯呑茶碗を手に持ち、墓石の上で転がしたりしたりして感触を楽しんでいました(遊び)。
中には酒(雨水?)が入っていたので、お供え物として墓地に置いてあったのでしょう。 
ニホンザルが湯呑を自分で持って墓石によじ登ったのか、それとも墓石の上に誰かヒトが乗せておいた湯呑を見つけて遊んでいたのか、不明です。 
私に気づいて目線をくれた途端に子ザルの集中力が途切れ、手が滑って湯呑をうっかり下に落としてしまいました。 
陶器の湯呑茶碗はガチャン♪と音を立てて割れてしまったようです。 
子ザル♀はきまり悪そうに墓石から慎重に地面に降りて、姿を消しました。 

映像を見れば分かるように、子ザルは決して湯呑をわざと割った訳ではなく、好奇心の強い子供らしいただの過失(粗相)です。 
後から割れた湯呑だけを見て「けしからん!猿に湯呑茶碗を割られた」と怒るヒトがいるかもしれませんが、山村の猿害対策としては墓地にお供え物(食料)を放置せずに持ち帰ることも重要です。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2021/04/19

エクリプスから換羽中のコガモ♂を見つけた池(冬の野鳥)

 

2020年11月下旬・午後12:30頃・くもり 

平地の防風林に囲まれた小さな池で少数のコガモ♀♂(Anas crecca)がひっそりと水面採餌していました。 
♂は生殖羽に換羽中のエクリプス状態でした。
頭部の緑色が斑になっていてみすぼらしい姿です。
コガモのエクリプス♂を見たのは初めてかもしれません。
警戒心が強く、私に気づくと枯れたヨシが茂る岸の陰に隠れてしまいます。 
私が欲を出してそっと近づこうとすると、群れは一斉に飛び去ってしまいました。 

別の池で先月に見たコガモの群れは♀のみで、エクリプス♂は不在でした。
▼関連記事(1.5ヶ月前の撮影) 
池に浮かぶ流木に付いた藻を食べるコガモ♀(野鳥)

羽化したサムライコマユバチ♀♂の大群:寄主ナシケンモン(蛾)幼虫

 

 ナシケンモン(蛾)の飼育#13

前回の記事:▶ 繭塊から続々と羽化するサムライコマユバチ【10倍速映像】寄主ナシケンモン(蛾)幼虫
2020年11月中旬・午後15:35頃 

繭塊から羽化を始めてから2日後。 
密閉容器内で夥しい数のコマユバチ科サムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)成虫が活動していました。 
微小な蜂とは言え、たった1匹の寄主からこれほど多数の成虫が羽化するとは驚きです。 
単独の寄生蜂♀が多数の卵を寄主のナシケンモンViminia rumicis幼虫の体内に産み付けたのです(多寄生)。 

蜂は全身が黒色で、脚だけが黄土色(跗節は黒色)でした。 
繭ハンドブック』p90に同じくナシケンモンに体内寄生するサムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)が掲載されています。 
写真が小さいのが残念ですが、それを見ると脚の色が赤っぽいので、素人目には別種のような気がします。
 (これからの図鑑は全て電子書籍にして、フルカラーの写真を自由に拡大できるようにして欲しいです。) 
腹側から見たときに腹端に短い真っ直ぐな産卵管があるのが♀だと思うのですけど、逆に映像では♂が見当たりません。 
背側からでは、翅に隠れて腹端(産卵管の有無)が見えなくなってしまいます。 

容器内で求愛・交尾している♀♂ペアが見当たりません。 
羽化直後に交尾を済ませるのだとしたら、見逃してしまったようです。 

体重の軽い微小なサムライコマユバチはプラスチック容器の垂直な壁面もサランラップ蓋の裏面も逆さまになって平気で歩き回ることが可能です。 
たまに飛び回る個体もいます。 
蓋の代わりに張ったサランラップ越しに接写したのですが、サランラップの表面に静電気で付着した綿埃が見苦しいですね…。 
蜂がサランラップを食い破って脱出することはありませんでした。 

円筒形の容器内に閉じ込められても蜂の大群が一方向に多く集まっているのは、明るい窓からの日光に引き寄せられているようです。 
昼行性ですから、正の走光性があるのは当然です。 

シリーズ完。 

以下の写真は、動画の前日に撮ったものです。(羽化開始の翌日) 
コマユバチを同定するために、標本を接写した写真を掲載予定。 
少なくとも羽化した総個体数と性比だけでも、きちんと調べます。


 

2021/04/18

朝霧の立ち込める川で朝食の魚を探すダイサギb(冬の野鳥)

 

2020年11月下旬・午前7:20頃・朝霧
前回の記事:▶ 冬の塒から夜明け前に飛び立つダイサギ(冬の野鳥)
私が見ているダイサギArdea alba)の冬塒では「情報センター仮説」が成り立たないことを念の為にもう一度確かめに来たのですが、早朝に集団ねぐらを離れるダイサギの撮影が上手く行きませんでした。 
確かにこの日も集団塒から時刻も方角も別々に飛び去ったのですが、個体数があまりにも少な過ぎてデータになりません。 
しかし、せっかく徹夜で来たのに手ぶらで帰る訳には行きません。 
予定を変更して寄り道し、早朝の川をラインセンサスすることにしました。 
サギ類では定説となっている「情報センター仮説」が正しければ、複数のダイサギ個体が一緒に採食している豊穣な餌場がどこかにあるはずです。 
逆に、川沿いをいくら探してもダイサギが点々と離れて(各々が単独で)採食していれば、「情報センター仮説」を否定する傍証になるでしょう。(証拠としては弱いですけど。) 
集団塒の近くで心当たりのある餌場は、コンクリートで護岸され街なかを流れる川です。 
水深が浅くてお世辞にも綺麗な水質とは言えませんが、サギ類の捕食活動を年中見かけます。 
しかしこの川は魚影が薄いようで、ダイサギはいつも単独で採食しています。 

こんな朝早い時間帯に川の水鳥を見に来たのは初めてです。
私の予想した通り、集団塒から飛来したと思われる個体が単独で朝一番の採餌行動をしていました。 
塒から直線距離で約1kmの地点で、ダイサギにとってはひとっ飛び(朝飯前)の距離でしょう。 
 未明の放射冷却現象でひどく冷え込んだ後に太陽が昇ると、川から朝霧が立ち込るようになりました。 
川の水温よりも気温が下がった結果、川面からの水蒸気が霧になったのでしょう。
道端の草に白い霜が降りているものの、霜柱は形成されていませんでした。 

ダイサギbは浅い川をゆっくり歩き回りながら脚を1歩ずつガクガクと動かして川底にわざと振動を与え、獲物を隠れ家から追い出そうとしています。 
素早く振り返ると、コンクリート護岸の真下の水中に嘴を突き刺しました。 しかし空振りに終わり、捕食は失敗です。 
再び本流の方へ向き直り、足踏み追い出し漁を続けるも、また捕食に失敗しました。 
朝食を捕るのに苦労しているようです。
魚を捕る技術が未熟な個体なのか、それともこの川には獲物が少ない(魚影が薄い)のか、どちらでしょう?

白い発泡スチロール箱のゴミが漂着していて、見苦しいですね。 


 

コマツナ?の花で採餌するニホンミツバチ♀

 

2020年11月中旬・午前11:55頃・晴れ 

おそらくコマツナ(小松菜)と思われるアブラナ科の野菜が栽培された家庭菜園でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
吸蜜しているニホンミツバチ♀の後脚を見ると、花粉籠に黄色の花粉団子を付けていました。 
複数個体(2匹)を撮影。
▼関連記事(同じ日に同じ畑で撮影) 
コマツナ?の花で採餌するセイヨウミツバチ♀

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